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ぞうさん通信 2008.9.16

発行日: 2008/9/16

<流行している病気>

1.溶連菌感染症が流行しています.発熱,咽頭痛,発疹が主症状です.★★,→
2.急性咽頭炎が流行しています.高熱,咽頭発赤が主症状です.★,→
3.手足口病が流行しています.手,足,口,お尻,膝頭などに発疹を生じます.
★★,↓
4.ヘルパンギナが流行しています.1-2日の高熱,咽頭粘膜疹が主症状です.
★,→
5.気管支喘息のお子さんの調子が悪いようです.★★★,→

★ 患者数が少し,★★やや多い,★★★多い,★★★★かなり多い,
★★★★★爆発的に多い
↓先週より減少,→同程度,↑増加


<気管支喘息の発作判断の落とし穴>

気管支喘息の発作は,喘鳴(ゼイゼイ)の程度,陥没呼吸の有無,チアノーゼ
の有無,呼吸数,パルスオキシメーターによる酸素飽和度(SpO2)などによ
り,「小発作」「中発作」「大発作」「呼吸不全」に4分類されます.「小発
作」では,軽度の喘鳴があり,呼吸数がやや増加し,SpO2は96%以上です.
「中発作」では,喘鳴や陥没呼吸が明らかで,横になると苦しいので座位での
呼吸を好み,呼吸数が増加し,SpO2は92-95%です.「大発作」では,喘鳴や陥
没呼吸が著明で,起坐呼吸で前かがみになり,チアノーゼが起こることがあ
り,呼吸数は増加し,SpO2は91%以下です.「呼吸不全」では,喘鳴は減少す
るか消失し,陥没呼吸は著明で,チアノーゼがあり,呼吸数は不定で,意識は
低下し,SpO2は91%未満です.

発作の程度は上記のように判断されますが,小児の場合には難しい場合があ
り,思わぬ落とし穴があるので注意が必要です. 以下は,医師が診断時に留意
しなければならない事例です.
(1)「小さい喘鳴=軽い発作」×
→重症発作では,呼吸音の減弱に伴って喘鳴の程度が小さくなる.
(2)「騒いでいる子どもに重症発作はない」×
→呼吸困難があると,いつもより興奮して元気そうに見えることがある.
(3)「SpO2が正常範囲内なら軽い発作である」×
→酸素投与下では,SpO2が正常範囲内であっても心拍数が高値を示す場合には
重症発作の可能性あり.
(4)「結構苦しそうだけれど,血中二酸化炭素濃度(PaCO2)が正常範囲内なの
で安心」×
→中発作程度では過換気でPaCO2はむしろ低値を示す.呼吸困難が強い時に
PaCO2が正常範囲内は換気不全が進行しているサインである.

一般の方々にも,思い違いがあることがあります.例えば,夜間や朝方だけ咳
が続くので風邪だと思っていたら気管支喘息だった,咳があるけれども元気で
遊んでいるので大丈夫だと思っていたら気管支喘息と診断された,などは臨床
現場でよく遭遇します.

気管支喘息で継続治療を受けている方にも,思い違いがあることがあります.
例えば,息が苦しいと言うけれど咳があまりないので大丈夫だと思っていたら
SpO2が95%で中発作だった,運動とくに長距離走をすると咳込みあるのでおか
しいと思っていたら運動誘発喘息だった,などはしばしばあることです.

気管支喘息の発作が最も頻発する季節は「秋」です.例年,秋分の日前後から
発作を起こして来院する方が増加します.昨年は夏が長くいつまでも暑かった
せいか,体育の日を過ぎたころから増加しました.今年は例年よりもやや早
く,9月第1週から調子の悪い方が増えて来ています.気温の変動,とくに前日
よりもストンと気温が下がると,発作が起こりやすくなります.このほか,台
風を含む低気圧の通過,(最近は減少しましたが)稲わら焼却の煙などにも影
響されるようです.

咳が続く場合には,早めに受診をしてください.気管支喘息の場合には,適切
な治療が必要です.

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