ぞうさん通信 |
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
<流行している病気>
1.溶連菌感染症が流行しています.発熱,咽頭痛,発疹が主症状です.★,↓
2.水痘(みずぼうそう)が流行しています.★,→
3.急性咽頭炎が流行しています.高熱,咽頭発赤が主症状です.★★,→
4.手足口病が流行しています.手,足,口,お尻,膝頭などに発疹を生じま
す.★,→
5.ヘルパンギナが流行しています.1-2日の高熱,喉の粘膜疹が主症状です.
★,→
6.気管支喘息の患者さんの調子が悪いようです.★,↓
★ 患者数が少し,★★やや多い,★★★多い,★★★★かなり多い,
★★★★★爆発的に多い
↓先週より減少,→同程度,↑増加
<日本脳炎ワクチン予約受付再開>
日本脳炎は,日本脳炎ウイルスの感染によっておこる中枢神経(脳や脊髄な
ど)の疾患です.日本脳炎ウイルスがブタなどの動物の体内で増殖した後に,
そのブタを刺したコガタアカイエカなどがヒトを刺すことによって感染しま
す.日本脳炎ウイルスを持つ蚊に刺されても,大多数は無症状(=不顕性感
染)です.100-1000人の感染者から1人程度が発病します.ウイルスに感染後,
6-16日間の潜伏期間を経て,数日間の高熱,頭痛,嘔吐などが起こり,引き続
き急激に光への過敏症,意識障害,神経障害を生じます.脳炎を発症した場合
の死亡率は20-40%で,幼少児や老人では死亡率が高くなります.
1960年代,日本脳炎の患者数は年間2000人以上でした.1976年に予防接種法に
基づき,日本脳炎ワクチンの定期接種が始まりました.その後患者数は減少
し,1992年以降は年間10人以下です.しかし,日本脳炎ウイルスをヒトに媒介
するブタの感染は減っておらず,西日本を中心とする12県のブタの日本脳炎ウ
イルスの感染率は8割を超えています.
2005年5月,厚生労働省は,山梨県内の中学生が日本脳炎ワクチンの接種後に寝
たきりになったため,因果関係は明らかでないものの,市町村に対して日本脳
炎ワクチン接種の積極的な勧奨を控えるように通知しました.このため,ほと
んどの自治体は,保護者への日本脳炎ワクチン接種の案内を中止しました.
2006年9月,熊本県内の3歳児が日本脳炎に罹患しました.現在も神経学的後遺
症が残っているようです.日本脳炎ワクチンの接種対象年齢に達していました
が,市町村による積極的勧奨の中止後のため,接種を受けていませんでした.
2007年5月,厚生労働省は「日本脳炎ワクチン接種に係るQ&A」を更新し,市町
村に対しては2006年8月に日本脳炎ワクチンの接種を受ける機会を法に基づき引
き続き確保するように依頼してあると述べています.
2005年5月以降,現行ワクチンの新規製造の中止および新型ワクチンの開発・導
入の遅れによるワクチン供給不足,熊本における日本脳炎患者の発生,厚生労
働省のあいまいな対応などにより,日本脳炎ワクチンについて臨床現場は混
乱・困惑しています.
2005年5月以降も,当院では,希望者には接種を行って来ました.しかし,2008
年5-7月にはワクチンが手に入らず,一時的に予約受付を中止せざるを得ない状
態が起きました.
2008年8月4日より,当院では日本脳炎ワクチンの予約受付を再開しました.ワ
クチン在庫がなくなり次第,終了します.今回納入されたものが現行ワクチン
の最終です.2009年5月22日が有効期限です.
現行ワクチンに替わるものとして,組織培養法による新型ワクチンが開発中で
す.化学及血清療法研究所(化血研)および阪大微生物病研究会(ビケン)が
承認申請を行っています.しかし,臨床試験における局所副反応の発生率が高
かったことから,現時点では実用化されていません.化血研製の供給は2010年
以降のようです.ビケン製は2009年に供給される予定ですが,まだ決定してい
ません.2009年にビケン製の供給が開始されても,1社では十分量を生産・供給
できない,4年におよぶ積極的勧奨中止で接種対象者が蓄積されている,毎年夏
前には接種希望者が増えるなどの理由により,十分量は確保できません.2009
年夏前には,ワクチン不足が起きることが予想されます.
日本脳炎に罹患しないためには,ワクチンの接種を受けて予防するしかありま
せん.標準的接種年齢は,3歳で2回,4歳で1回,9歳で1回です.母子手帳を
チェックして,当該年齢を過ぎて未接種分がある場合には,現行の日本脳炎ワ
クチンの接種を早めに受けてください.
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
