ぞうさん通信 |
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<流行している病気>
1.ノロウイルスによる急性胃腸炎が流行しています.激しい嘔吐が半日から1日
続きます.★★★,↑
2.溶連菌感染症が流行しています.発熱,咽頭痛,発疹が主症状です.
★★,→
3.伝染性紅斑(りんご病)が流行しています.頬,腕,脚に紅斑が生じます.
★★★,→
4.マイコプラズマ感染症が流行しています.肺炎を起こし,気管支喘息の発作
を誘発します.★★,→
5.百日咳が流行してします.頑固な咳が数週間続きます.★,→
6.咽頭結膜熱が流行しています.高熱,眼球結膜充血が主症状です.★★★,↑
7.気管支喘息の患者さんの調子が悪いようです.★★,→
8.イネ科雑草による花粉症の患者さんが数多く来院しています.★★,→
★ 患者数が少し,★★やや多い,★★★多い,★★★★かなり多い,★★★★★爆発的に多い
↓先週より減少,→同程度,↑増加
<肛囲溶連菌性皮膚炎>
A群β溶血性連鎖球菌(=溶連菌)は,急性咽頭炎を起こし,発熱,咽頭痛,咽
頭発赤,発疹などの症状を起こします.また,伝染性膿痂疹(とびひ)の起因
菌の約10%は溶連菌で,痂皮性の皮膚病変を生ずることが知られています.
小児科診療で,ときに遭遇する溶連菌による疾患で,見逃してはいけないもの
が「肛囲溶連菌性皮膚炎」です.
「肛囲溶連菌性皮膚炎」は,肛門周囲の皮膚炎です,肛門を中心に,境界明瞭
な,鮮紅色から暗赤色の紅斑を特徴とします.表在性の病変で,亀裂,びら
ん,出血,落屑などを伴う場合もあります.乳幼児に好発し,基礎疾患として
アトピー性皮膚炎を持つ患者が多いという報告が目立ちます.高齢者を中心に
成人の罹患例もあり,かゆみや痛みがあり,亀裂形成のために排便痛を生じ,
便秘を呈する場合もあります.
診断は,病変部からの溶連菌の検出によります.通常の皮膚細菌培養検査のほ
かに,咽頭炎用の溶連菌迅速検査キットを用いることも可能です.
治療は,溶連菌による急性咽頭炎の治療に準じて,ペニシリン系やセフェム系
の抗生物質の内服を行います.完全な除菌のために,通常は10日間の内服継続
が必要です.
溶連菌による急性咽頭炎では,合併症として急性糸球体腎炎やリウマチ熱が起
こることがよく知られています.「肛囲溶連菌性皮膚炎」で合併症が起こるこ
とは極めてまれですが,数カ月間放置され,急性糸球体腎炎を発病した症例が
報告されています.
乳幼児の「肛囲溶連菌性皮膚炎」は,おむつかぶれや皮膚カンジダ症と間違わ
れることがあります.ステロイド薬や抗真菌薬の外用剤が処方されていること
がありますが,これらの薬剤は「肛囲溶連菌性皮膚炎」には無効です.おむつ
かぶれでは皮膚炎の部位が特徴的で,皮膚カンジダ症では皮膚炎に中心治癒傾
向が見られます.「肛囲溶連菌性皮膚炎」は,この疾患を知っている医師に
は,皮膚病変の特徴から診断は容易です.しかし,認知度がそれほど高くない
ため,まだ多くの患者が見過ごされている可能性が指摘されています.
乳幼児のおしりに皮膚病変がある場合には,小児科医の診察を受けてくださ
い.
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