ぞうさん通信 |
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<流行している病気>
1.ノロウイルスによる急性胃腸炎が流行しています.激しい嘔吐が半日から1日続きま
す.容易に脱水に陥り,外来点滴が必要になる場合があります.★,→
2.ロタウイルスによる急性胃腸炎が流行しています.発熱,嘔吐,頻回の下痢,白色便が
主症状です.★,→
3.溶連菌感染症が流行しています.発熱,咽頭痛,発疹が主症状です.★★★,↑
4.伝染性紅斑(りんご病)が流行しています.頬,腕,脚に紅斑が生じます.★,→
5.マイコプラズマ感染症が流行しています.肺炎を起こし,気管支喘息の発作を誘発し
ます.★★,→
6.スギ花粉症の患者さんが増加しています.★★★,→
7.気管支喘息の患者さんの調子が悪いようです.★,→
★ 患者数が少し,★★やや多い,★★★多い,★★★★かなり多い,★★★★★爆発的に多い
↓先週より減少,→同程度,↑増加
<非典型的百日咳>
百日咳は,百日咳菌による感染症で,呼吸器感染症のなかで重要な位置を占めます.飛沫
感染で菌が体内に侵入すると,百日咳菌の表面にある繊維状赤血球凝集素(FHA)や線
毛(凝集原)などにより気道粘膜上皮細胞に付着,増殖します.百日咳菌から百日咳毒
素(PT)が放出され,その結果,百日咳に特有の症状を呈します.
百日咳の臨床症状は,罹患年齢,3種混合(DPT)ワクチン接種歴,抗生物質の種類,母体か
らの移行抗体などの影響を受けるため,多彩です.潜伏期間は6-20日と幅広いですが,多
くは7-10日です.
典型的症状は,DPTワクチン未接種児にみられます.潜伏期間の後,カタル期が1-2週間続
き感冒症状を示します.咳が続き,通常の鎮咳剤で止まりません.その後,痙咳期を迎
え,3-6週間続きます.乾いた咳が激しくなります.コンコンコンと連続的に咳き込み,クゥー
クゥーと大きく息を引き込みます.このような咳発作は夜間に多く,咳き込みによる嘔
吐,顔色不良,無呼吸,顔面紅潮,眼瞼浮腫などを示します.その後,回復期を迎え,咳は次
第に減少して行きます.
非典型的症状は,乳児,DPTワクチン接種児,成人でみられます.乳児では母体からの移行
抗体の有無,DPTワクチン接種歴などに影響を受け,症状が多彩です.新生児や生後1-2カ
月児では百日咳に特有の咳は少なく,突然の無呼吸や百日咳脳症による痙攣などが起き
ることがあり,死亡率が高くなります.DPTワクチン接種児では,典型的な咳がないため
百日咳と診断されず,感染源として存在し続けることが問題になります.成人では,咳が
止まらない,夜間咳で目覚めるなどの訴えが多く,百日咳と診断されないことがほとん
どです.子どもが百日咳と診断されて,はじめて親が感染源と気付かれることも少なく
ありません.
百日咳の診断には,咳が2週間以上続き,発作性の咳き込み,大きな息の引き込み,咳き込
み後の嘔吐などの症状に加え,百日咳抗体の高値や上昇などの血清学的な検査所見が有
用です.しかし,DPTワクチンの接種の有無あるいは過去に接種を受けたDPTワクチンの
メーカーにより,百日咳抗体の解釈が異なるため,必ずしも診断は容易ではありませ
ん.
お子さんの咳が続く場合には,百日咳が疑われます.前述した通り,典型的症状を示さな
い例もあり,抗体検査の解釈など百日咳について深く理解していないと正しい診断に至
りません.咳が激しい,夜間に多い,止まらない場合には,当院を早目に受診してくださ
い.
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