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ぞうさん通信 2007.11.27
はしもと小児科ホームページ http://www.mynet.ne.jp/hasimoto/
<流行している病気>
1.マイコプラズマ感染症が流行しています.咳が続きます.肺炎を起こし,気管支喘息の
発作を誘発することがあります.★★,→
2.急性鼻炎が流行しています.鼻汁が主症状です.★,→
3.急性咽頭炎が流行しています.1-2日の高熱が主症状です.★★,→
4.急性扁桃炎が流行しています.3-5日の高熱が主症状です.★★★,→
5.ノロウイルスによる急性胃腸炎が流行しています.激しい嘔吐が半日から1日続きま
す.容易に脱水に陥り,外来点滴が必要になる場合があります.★★★,↑
6.ロタウイルスによる急性胃腸炎が流行しています.発熱,激しい嘔吐,頻回の下痢,白
色便が主症状です.外来点滴や入院が必要になる場合があります.★★,→
7.溶連菌感染症が流行しています.発熱,咽頭痛,発疹などが主症状です.
★★,→
8.咽頭結膜熱が流行しています.発熱,眼球結膜充血,目脂(めやに)が主症状です.★,→
9.気管支喘息のお子さんの調子が悪いようです.★★★,→
★ 患者数が少し,★★やや多い,★★★多い,★★★★かなり多い,★★★★★爆発的に多い
↓先週より減少,→同程度,↑増加
<IgE RASTとPrick test>
気管支喘息,アトピー性皮膚炎,食物アレルギーなどのI型アレルギー疾患の検査とし
て,現在IgE RASTが最もよく用いられています.大変残念ながらこの検査の理解や解釈
について医療者側にも患者側にも誤解が多いようです.IgE RASTは,通常0から6の7段階
で評価されます.IgE RASTが0だからその抗原に対して100%I型アレルギー反応が起きな
い, 6だからアレルギー反応が強く起きるというわけではありません.IgE RASTはある
抗原に対してI型アレルギー反応が起こる準備段階にある可能性を示しますが,実際に
生体内でI型アレルギー反応が起こるか否かを評価するものではありません.
先日,当院にアレルギー検査を希望して受診された方がいました.現在小学校2年生の姉
は,乳児期に鶏卵を食べて口のまわりが赤くなったことが1度だけあったそうです.ある
医療機関を受診して卵白RAST が2だったため卵白アレルギーと診断され,その後7年間
卵の摂取を控えるように指導されていました.ここ数年は1年に1度血液検査を受け卵
白RASTを測定し,その結果を元に鶏卵摂取の解除を指導されていたようです.最近,生
後6カ月の妹が乳児健診で同じ医療機関を受診したところ,離乳食が始まった頃なので
姉に卵白アレルギーがあること理由に血液検査を勧められたそうです.妹には卵を食べ
て口のまわりが赤くなったというエピソードもアトピー性皮膚炎の既往もありません
でした.この話を伺い,私はお母さんに「お姉さんについては卵アレルギーがあったよ
うですが,食物アレルギーのなかで卵アレルギーは自然軽快することが多いことが知ら
れています.卵白RASTは卵を食べてじんましんなど生体に不都合なことが起きない人で
も,陽性を示すことがよくあります.卵白RASTの値だけで卵摂取の解除を指導すること
は正しくありません.妹さんについては,今までに何もエピソードがないので,検査をす
る必要すらありません.」とお話ししました.お母さんは私の話を聞いて今までに自分
が受けた説明と違うためにとまどったようです.せっかく受診したのでどうしてもアレ
ルギー検査をして欲しいと強く希望されました.私はさらに詳しい説明をしたのです
が,お母さんは今までの誤った知識の刷り込みから逃れることができませんでした.お
母さんの誤解を解きかつ姉妹に負担をかけずに何かよい解決方法がないかと考え,姉妹
にPrick testをすることにしました.Prick testは皮膚に抗原液を垂らし,防犯用具の
「さすまた」のように先端を二股に加工した針先で皮膚を軽くひねり,15分後の皮膚の
発赤や膨疹の長径を計測する検査です.一般的には5mm以上を陽性,10mm以上を強陽性と
評価します.IgE RASTと異なり,Prick testは生体で実際にI型アレルギー反応は起こる
か否かを評価することができます.姉妹ともに,卵白,卵黄の精製抗原についてそれぞ
れPrick testをしたところ,全て陰性でした.私はお母さんに「お姉さんについて
は,100%大丈夫とは言えませんが鶏卵を食べても何も起きない可能性が高いです.妹さ
んについてはとくに気にせずに離乳食を進めてください.もし卵を食べて,口のまわり
が赤くなる,じんましんが出現することがあったらご相談ください.」と説明しまし
た.
気管支喘息患者のうち,小児では約10%,成人では約50%が非アトピー型喘息で,IgE
RASTを検査しても陰性です.アトピー性皮膚炎のなかには,非アトピー型アトピー性皮
膚炎という概念があります. IgE RASTはI型アレルギー疾患の診断の助けにはなります
が,その結果により気管支喘息だ,アトピー性皮膚炎だと最終診断することはできませ
ん.食物アレルギーについても同様です.食物アレルギーの最終診断は食物負荷試験に
よりますが,アナフィラキシーショックなどが起こる可能性があり診療所で行うことは
できません.Prick testは食物負荷試験の代わりになるものではありませんが,IgE
RASTよりは参考になり検査意義が高いです.
当院では,ハウスダスト,スギや雑草などの花粉,卵白などの食物の精製抗原を20種類以
上常備しています.アレルギー検査について正しい理解を求めている方は,是非ご相談
ください.
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橋本尚士(はしもとなおし)
*はしもと小児科
〒954-0112 新潟県見附市上新田町449-7
TEL0258-61-2400 予約専用61-2401 FAX61-2402
E-mail naoshi@po.next.ne.jp
URL http://www.mynet.ne.jp/hasimoto/
メールマガジン「ぞうさん通信」発刊
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*新潟大学医学博士,日本小児科学会認定小児科専門医,日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
(2007年4月より,日本アレルギー学会認定アレルギー専門医の屋外広告が解禁されました.)
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