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ぞうさん通信 2007.11.20
はしもと小児科ホームページ http://www.mynet.ne.jp/hasimoto/
<流行している病気>
1.マイコプラズマ感染症が流行しています.咳が続きます.肺炎を起こし,気管支喘息の
発作を誘発することがあります.★★,→
2.急性鼻炎が流行しています.鼻汁が主症状です.★,→
3.急性咽頭炎が流行しています.1-2日の高熱が主症状です.★★,↑
4.急性扁桃炎が流行しています.3-5日の高熱が主症状です.★★★,↑
5.ノロウイルスによる急性胃腸炎が流行しています.激しい嘔吐が半日から1日続きま
す.容易に脱水に陥り,外来点滴が必要になる場合があります.★★,↑
6.ロタウイルスによる急性胃腸炎が流行しています.発熱,激しい嘔吐,頻回の下痢,白
色便が主症状です.外来点滴や入院が必要になる場合があります.★★,↑
7.溶連菌感染症が流行しています.発熱,咽頭痛,発疹などが主症状です.★★,→
8.咽頭結膜熱が流行しています.発熱,眼球結膜充血,目脂(めやに)が主症状です.★,↑
9.気管支喘息のお子さんの調子が悪いようです.★★★,↓
★ 患者数が少し,★★やや多い,★★★多い,★★★★かなり多い,★★★★★爆発的に多い
↓先週より減少,→同程度,↑増加
<RSウイルス感染症>
RSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)は,呼吸器感染症を引き起こす代表的な病
原ウイルスのひとつです.RSウイルス感染症はすべての年齢層で起こり,生涯に何度で
も感染を繰り返します.RSウイルスは喉から容易に気管支や肺へ感染が波及します.小
児とくに乳児や若年幼児,あるいは心臓や肺に基礎疾患を持つ小児や成人では,重症化
しやすく注意が必要です.
RSウイルスは,毎年11月から翌年の5月頃まで流行し,そのピークは1月から2月です.抗
原性の違いによりA株とB株に2大別され,A株とB株が交互に流行する傾向を示しま
す.RSウイルスは頻繁に遺伝子変異を起こします.このため母親由来の移行抗体が感染
防御には不十分で,生後半年以内の乳児でも罹患してしまいます.毎年流行を繰り返
し,生涯に何度でも罹患してしまうのも,同じ理由によります.
RSウイルス感染症の潜伏期間は2-8日と幅がありますが,多くは4-6日です.主要な感染
経路は,接触感染です.RSウイルスを含む鼻汁や唾液に汚染された器物に触れること
で,ウイルスが手に付着し,その手で目や鼻をこすることで感染が成立します.ウイルス
は鼻や喉の粘膜で増殖し,やがて気管支や肺に感染が拡大します.生後2歳までにほとん
どの乳幼児が感染します.その多くは家族内感染で,兄姉からの感染が多いです.
RSウイルスは,上気道炎,喉頭炎,気管支炎,細気管支炎,肺炎,無気肺などを起こしま
す.初感染乳幼児の7割は,上気道症状のみで数日のうちに軽快します.一方,残りの3割
は,咳や鼻汁などの初期症状から2-3日後に咳がひどくなり,細気管支炎や肺炎などの下
気道炎を起こします.
RSウイルスによる下気道炎の大多数は,3歳未満の乳幼児に起ります.感染初期には38℃
以上の発熱を呈し,2-7日間続きます.気管支から細気管支に炎症が拡大すると,胸がゼ
イゼイし,激しい喘鳴や陥没呼吸が起ります.呼吸困難に陥り,人工呼吸管理を要する重
症例もみられます.とくに低出生体重児,先天性心疾患や慢性肺疾患を持つ乳幼児で
は,重症化する傾向を示します.喘鳴が強い場合,呼吸器症状が急激に進行しつつある場
合,基礎疾患を持つ場合には,入院が必要になります
RSウイルスの合併症としては,中耳炎がよく知られており,とくに乳児で多く認められ
ます.
RSウイルスを直接治療する薬剤はありません.RSウイルスの迅速診断キットがあります
が,入院例のみに保険適用があります.
RSウイルスの感染予防を目的に,抗RSウイルスヒト化モノクローナル抗体「シナジス」
が用いられる場合があります.対象は,(1)在胎期間28週以下の早産で,12カ月齢以下の
新生児及び乳児,(2)在胎期間29-35週の早産で,6カ月齢以下の新生児及び乳児,(3)過
去6カ月以内に気管支肺異形成症の治療を受けた24カ月齢以下の新生児,乳児及び幼
児,(4)24カ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患の新生児,乳児及び幼児,に
限定されています.
2007年11月中旬,当院周辺でもRSウイルス感染症が発生しています.毎年,11月から12月
に流行が始まります.乳幼児で喘鳴がみられた場合には,早めに受診してください.
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橋本尚士(はしもとなおし)
*はしもと小児科〒954-0112 新潟県見附市上新田町449-7
TEL0258-61-2400 予約専用61-2401 FAX61-2402
E-mail naoshi@po.next.ne.jp
URL http://www.mynet.ne.jp/hasimoto/
メールマガジン「ぞうさん通信」発刊
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*新潟大学医学博士,日本小児科学会認定小児科専門医,日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
(2007年4月より,日本アレルギー学会認定アレルギー専門医の屋外広告が解禁されました.)
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