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はしもと小児科メールマガジン「ぞうさん通信」創刊
「毎週火曜日発刊」 
内容は流行している病気や臨時の情報などです.配信(無料です)




ぞうさん通信2005.12.27,2006.1.3

発行日: 2005/12/27

はしもと小児科ホームページ http://www.mynet.ne.jp/hasimoto/ 


<流行している病気> 
1.マイコプラズマ感染症が流行しています.頑固な咳が主症状で,喘息の発作を誘発 
します.★★,→ 
2.溶連菌感染症が流行しています.高熱,発疹,咽頭発赤が主症状です.★★,↑ 
3.咽頭結膜熱が流行しています.発熱,眼球結膜充血,目脂,咽頭発赤が主症状です. 
発熱を欠く軽症例が多いようです.★★,→ 
4.急性咽頭炎が流行しています.高熱,咽頭発赤が主症状です.★,→ 
5.流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)が流行しています.★★,→ 
6.水痘(みずぼうそう)が流行しています.★,→ 
7.急性扁桃炎が流行しています.高熱が数日続きます.★★,→ 
8.急性胃腸炎が流行しています.半日から1日,激しく吐きます.発熱を伴う場合も 
あります.ノロウイルスが原因のようです.★,→ 
9.気管支喘息のお子さんの調子が悪いようです.★★,→ 

★ 患者数が少し,★★やや多い,★★★多い,★★★★かなり多い,★★★★★爆発的 
に多い,↓先週より減少,→同程度,↑増加 


<人口減少時代がやって来た!> 
2005年12月22日,厚生労働省は人口動態統計の年間推計を発表しました.2005年の出 
生数から死亡数を引いた「自然増加数」はマイナス1万人で,統計を取り始めた1899 
年以来初の「自然減」となるようです.国立社会保障・人口問題研究所は「自然減 
は2006年から」と予測していましたが,1年早く「人口減少時代」がやって来ること 
になりました. 

2005年に人口減少が起きた理由として,1-3月にインフルエンザが大流行し前年より 
死亡数が48000人増えて1077000人になったことと,1970年代から続いている出生数が 
前年よりさらに44000人減って1067000人になったことが挙げられます. 

少子高齢化に伴う人口減少は,社会・経済への影響が大きく,社会保障制度や労働力 
確保などの問題を引き起こします.人口増加を続けてきた時代の常識,物事の考え方 
は通じなくなり,社会制度は変革されなければなりません. 

日本より早く少子化が到来した北欧諸国では,社会制度を変えることにより,出生数 
の回復に成功しています.国の制度や民族の死生観などに違いがあるため北欧諸国の 
成功をそのまま日本に持って来ても成功するわけではありませんが,現在の日本政府 
の「小出し」の施策では出生数が回復するとは思えません.以下の文章は,私が2004 
年8月に「新潟県小児科医会会報」に寄稿したものです.大変残念ながら私の悲観的 
な予想は2005年に「人口減少時代の到来」という現実をもたらしました.ご一読いた 
だき,みなさんも少子化問題について考えてみてください. 

---------------------------------------------------------------------------- 
ー少子化は改善されない!ー 

2003年の出生率が1.29になって世間は一時的に騒いだ.ところが年金制度改革の基礎 
資料となる出生率予測では2100年には1.73まで回復するという.厚生労働省は「自国 
の民族が滅亡するような低い出生率はどこの国も想定しない」とコメントを発した 
(産經新聞2004年8月11日朝刊).少子化にはいくつかの理由があるのだが,私は戦 
前の家制度の崩壊と戦後の子育てに対する新たな価値観の無創造が原因のひとつと考 
える.家制度では男子を生んで家を存続されることが枢要であったが,これを達成す 
るには同数の女子を生み育てることが必然であった.私は今さら戦前の家制度を復活 
されろという気もないし,男尊女卑を肯定しない.しかし,家制度という強烈な価値 
観にかわるものを,21世紀の日本人は持ち合わせていない.このような状況下では, 
少子化を改善するのに精神論は役立たないし,価値観の押しつけなど迷惑がられるだ 
けだ.悲しいかな少子化を改善する方策は唯一経済的誘導しかない.扶養控除を1 
人100万円にする,保育施設を充実する,初等中等公的教育を充実する,医療費を中 
学生まで無料にする,奨学金制度を拡充する,などが具体的施策として挙げられる. 
これらの原資は公共事業の縮小,公務員の削減と給与カット,消費税の引き上げで賄 
えばよい.あと数年もすれば第2次ベビーブーマーが出産適齢期を終えてしまい,そ 
の後に子どもの数を増やすのは容易ではない.今はもう崖っぷちなのだ.さて,前述 
した施策を自公連立政権は積極果敢に実行するであろうか?無理だ.民主党が政権を 
奪取した場合に実行できるだけの力があるだろうか?無理だ.現実の政治を直視すれ 
ばするほど,暗澹たる気分になる.日本人は民族滅亡を無意識下に選択しているので 
あろうか?大変残念であるが,少なくとも当分の間,少子化は改善されない. 
---------------------------------------------------------------------------- 

*2006.1.3は年末年始のため「ぞうさん通信」は休刊します.

 
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