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■□■□ サクセス国際結婚!国際派日本人女性のための情報マガジン
■□■ Love! Pacific Relations
■□ Volume 80
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2007.12.5 ■
Love! Pacific Relations はリーベロマンスのアドバイザーによるエッセイ風な国際文化
比較論、最近の若者の恋愛、結婚事情、クライアントのサクセス・ストーリーなどを
アドバイザーとして経験してきたいろんな人のケースなどを含めて個人的な観点から書かれたメールマガジンです。ささってお読んで「ふふっ」と笑ってもらったり、「なるほど」と
うなずいたりと、国際派女性のためにお役に立てれば幸いの情報マガジンです。
その他、留学・旅行情報、お見合いツアー情報などもどんどんメールマガジンでお知らせ
していきます。
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◆アメリカ医療保険事情◆
アメリカは、2008年の大統領選挙に向けての予備選が盛んです。特に民主党候補の
ヒラリー・クリントン、バラク・オバマ、ジョン・エドワードの顔はテレビでも
よく見られていたのですが、最近は、共和党候補である、ルーディー・ジュリアーニ
(元ニューヨーク市長)、ジョン・マケイン(アリゾナ州上院議員)たちの姿も
よく見られるようになりました。アメリカの大統領選挙に医療保険問題がこれほど
の争点になることは今までかつてなかったのですが、今回は、この医療保険問題
がかなりの重要であることを各候補者も理解しているようです。
まずアメリカの医療保険事情を知らない日本人の方に、日本の医療制度とアメリカの
医療制度の違いを健康保険を中心にお話したいと思います。日本では会社員の人は
たいていが企業の提供する健康保険に加入していますね。公務員は公務員向けの健康
保険、そして自営業や高齢者は、国民健康保険というように、日本国民であれば、
みんなが健康保険に入れます。そして負担は、年齢やその保険によって、2割から
3割の個人負担になっています(最近日本に帰っていないので、もしかするとこの
個人負担の割合はもっと高くなっているのかもしれません。そこのところは気にしない
で読み進んでください)
また日本の保険制度は、給与と家族の人数をベースに決められていると思います。
サラリーマンの場合は、会社と個人が半々に負担します。国民健康保険の場合は、
学生や、収入のない人は、それに応じた掛け金になっています。
アメリカの医療保険は、日本のように国が行っているのではなく、プライベートの
保険会社がサービスを提供しています。ブルーシールド、ブルークロス、アテナ、
などなどいろんな会社がさまざまなプランを提供しています。大企業はこういった
保険会社と提携し、社員と会社で、保険料を折半するような形で社員への福利厚生
の一部として医療保険を提供します。そういったところでは、日本のサラリーマン
と同じです。ですので、マイクロソフトや、ボーイングといった大企業に勤めて
いるサラリーマンやその家族は、あまり医療保険問題に大してピンとこないかも
しれません。
ですが、問題は、保険に入っていない人がものすごい数いるということなのです。
うちはコントラクター(契約社員)ですので、保険料は自分もちです。また中小
企業の場合、企業側の負担が大きいため、こういった福利厚生のプランはあまり
ありません。もちろん保険会社は、個人向けにもプランを提供しています。
ですので、個人でも医療保険に入ることはできるのです。なのになぜこれほど
多くのアメリカ人が保険に入らないのか?それは・・・
アメリカの保険会社は、プライベート企業、プロフィットを追及する企業なので
彼らの目的は、保険料を払うことではなく、保険料をもらって、いかにお金を
払わないようにするかが目的です。ですから、日本の国民健康保険のように収入
に応じた個人負担額ではなく、年齢によって、また喫煙者か、禁煙者かによって
、あるいは既往症があるかどうかによって、保険料(これをプレミアムという)
が違ってくるのです。そしてプレミアムは、年齢が上がれば上がるほど高くなり、
20代なら100ドル代ですむところが、30代になると、300ドル代、40代なら400ドル
50代なら500ドル、60代なら600ドルというふうに上がっていくのです。しかも
この金額は一人頭の金額です。ですので家族で入ろうとなると、この倍近くに
なるわけです。普通なら60歳以上は引退で、収入が少なくなり、それと同時に
医者に行く回数も多くなりますよね?この年代の負担が一番高くなっている、
それは若いうちは、医者要らずでも、年をとればそれだけ成人病や病気になる可能性
も高くなる、そうなったときに保険料を払わなくてはいけないので、掛け金の
プレミアムも高くするというわけです。
一般のアメリカ人は30代、40代、50代は、家のローン、車のローン、子供の教育費、
もろもろの出費があります。みんな貯蓄するだけの余裕のない人が多いです。
それに加えて一人頭500ドル近い保険料を負担することができるか?答えは「ノー」
です。だから、多くのアメリカ人は「もしかすると病気になった時」のことは考えず
保険に入らないでいるのです。
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「アメリカ国際結婚日記」ブログも見てくださいね!
アメリカ人男性を夫に一児の母として、国際結婚アドバイザーとして働く著者の生活日記。
↓
http://blog.livedoor.jp/pacrelations/?blog_id=1741483
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ところが、この保険ですが、いろんなプランがあり、プレミアムが高くなればそれだけ
カバーされる項目も多くなったり、プレミアムの低いプランを選べば、デダクタブル
(Deductible=保険会社が支払うまでに個人で負担しないといけない必要最低額)の
金額が上がったりします。個人で購入することができるプランの中で一番一般的なの
が20/80というもので、これが一番プレミアムが高いのですが、このデダクタブルが
一人500ドル、家族で2000ドルというものです。要するには、医者にかかって請求書
がきた。まず医者に行くときは、コーペイ(CoPay)という医者にかかるために必要な
金額(たいてい10ドルから30ドルくらい)を払い、その上で、診療にかかった金額
を請求されます。このCoPayは、保険支払いの対象にならないケースが多いです。
さて、請求書が250ドルだった。そうすると、この250ドルのうち80%を最初から保険
会社が負担してくれるのではなく、最初の500ドルは、全部自分で支払わないといけない
ということです。そして次にも医者にかかり250ドルの請求が来た。合計で500ドル
です。この500ドルを自分で全部支払った時点で、初めて保険会社の20/80のルールが
適用されるのです。これが家族で入っている場合、2000ドルまでは個人負担です。
この20/80プランのほか、プレミアムが若干安い30/70のプランだと、デダクタブルが
個人で1500ドルとかに跳ね上がります。これはプレミアムを払ってさらに最初の
デダクタブルを自分で払い終わるまで、保険会社からの支払いはないということです。
このことを考えて、多くの人は、保険に入らず直接医者に払ったほうが一度や二度の
病気なら安いと考えるのです。確かに計算すればそうです。また保険会社は病院や
医者とネットワーク(PPOといいます)を作っており、このネットワークに加入して
いない病院や医者の下で治療を受けると、いくら20/80のプランでも、8割負担をして
もらえないのです。ネットワーク以外の医者の場合は6割負担です。でもこのネット
ワークですが、医者や病院がなんらかの理由でネットワークを抜けることがあります。
そうすると今まで観てもらっていた医者が、ネットワーク以外の医者になることも
ありえるわけで、そうすると個人負担が2割から4割へ上がってしまうのです。
みなさん、マイケル・ムーアというドキュメンタリー映画監督を知っていますか?
ファレンファイト911という映画で、ブッシュ政権を痛烈に批判した彼の第二作
目ですが、アメリカの医療保険制度について、諸外国の保険制度と比較し、現在の
問題を取り上げた映画です。
その中でもこのネットワークプロバイダーのことについてインタビューしていました。
ある女性が子供が熱を出したので、病院に連れて行ったところ、彼女の保険は、自分
たちの病院では扱っていないから、他に回ってくれてと断られ、彼女のネットワーク
の病院はそこからかなり遠くだったけれど、急いで車で連れて行った。でも子供は
助からなかった。
現在のアメリカの医療保険制度では、薬もものすごく高いです。911で、消防士として
またボランティアとして現場で働いた人たちの中に、消化器官や肺をやられた人たち
がいます。彼らは、そのために仕事もできなくなり、医療保険もなくなりました。それ
でも政府からの援助はありません。そこでマイケル・ムーアは彼らをつれてキューバへ
行ったのですが、アメリカでは100ドル以上する薬がキューバではたったの4ドル、
家計を切り詰め、一生懸命その薬を買っていた彼女はその言葉を聞いてなんとも言えない
悔しさから、涙があふれていました。またアメリカでは高すぎて手術もできなかった
消防士もキューバでなんと無料で!手術をしてもらい、経過も順調で、非常に喜んで
いました。(後日談ですが、マイケル・ムーアは、キューバに無断で入国したため、
裁判にかけられました。)
アメリカは、救急車は呼ぶな!と言われています。救急車を呼んだら、1000ドルはとられて
しまうからです。私も一度子供が2歳のとき、事故であごの下をかなり深く切って、
近所に誰も助けてくれる人がいない、タクシーを呼んでも30分以上こない、私も
車をその当時もっていない、という八方ふさがりの状態で、救急車を呼びました。
幸いなことに、子供は大丈夫でしたが、結局手術中もさっそく、会計係がきて、支払い
の説明をしていました。
こんなことってありえますか?うちの場合は、生死にかかわらなかったのでいいですが、
生死にかかわるような状態の時に、病院から会計係が来て、支払いの説明をする。
「一括で払えなかったら、ローンも組めるから」???は?って感じですよね。
マイケル・ムーアの映画では、カナダやイギリス、フランスの保険制度についても
インタビューしていましたが、上記の国は、みんな医者にかかるのはただだそうです。
ただというのは国民の税金ということですが。日本の医療保険制度が崩壊していると
いわれ、保険適用外の手術や治療法のオプションもできるようになっていますが、
これは、アメリカへの追従だと思っています。これは金持ちだけが高度な手術や医療
を享受できる、ということだと思います。
これが、2008年の大統領選の大きな課題のひとつです。2003年に、ビル・クリントンが
妻のヒラリーに任せた国民皆保険は、保険会社の反対によりつぶされました。今回、
2008年に、ヒラリーが再び保険会社に挑戦し、改革することができるのか?これを
アメリカ国民が大きな関心をもって見ているのではないかと思います。
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●編集後記●
はー、今日はかなり情報量の多い記事になってしまいました。が、アメリカに来た
日本人が一同口をそろえて言うのが「医療費と教育費が高い!」ということ。日本は
まだまだそういうところでは、国民にとっては優しいなと思います。究極の資本主義
は個人的には反対ですね。
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