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染織工房studio-taoが発行する、アジアの布と工芸の紹介マガジン。マニアックな情報からファッションまで、幅広い話題をお送りします。




「アジア布通信 第69号」 2007/12/23

発行日: 2007/12/23

2007/12/23*
  ☆・゜・。・゜★☆・゜・。・゜★☆・゜・。・゜★
          
       アジア布通信 第69号
             「 棉の道 」
               
        ◆studio-tao.com◆
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こんにちは、studio-taoのあずさです。
今回は一日遅れの配信です。

昨日は冬至。
暮れも押しせまって、何かとあわただしい日々ですが、、
ゆったりゆず湯に入って暖まりましか?

なんで、冬至にゆず湯なのかというと、
”冬至”と”湯治”、”ゆず”と”融通(がきく)”の
語呂合わせだって言う説があるそうですが、
本当ですかねー(^^)

でも、血行促進にもなるし、
ひびやあかぎれも治るということなので、
体が冷えるこの季節にはありがたいですね。

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 さて、わたしは、今年初めて、
お友達に種をいただいて、「和棉」を栽培してみました。

 うまく育つかドキドキしながらの1年でしたが、
なんとか、少ないながらも綿花を収穫することができました。
硬かった殻がパッカリ開いて、
真っ白のふわふわのワタが顔を覗かせる様子は、
何度見ても感動もの。
これが糸になり、布になるんですから、
はじめて見た人はずいぶん驚いただろうなあと思います。
 
棉が、いったいどんな旅路を経て日本までやってきたのか、
興味が出てきたので、調べてみました。

◇ 棉(ワタ)は、アオイ科ワタ属に属し、
同種の仲間は世界中に約40種ほどあります。

花が咲いた後できる朔(さく)と呼ばれる部分が、
徐々に大きく育ち、やがて熟すと割れて、
中からワタがはじけてきます。
この綿毛は、種子の表皮細胞の一部が伸びたもので、
中心に本体である黒い種が入っています。

◆ 栽培種としてのワタは、主に4つに大別されます。
アジアを起源とする、「キダチ棉」と「シロバナ棉」のアジア棉、
南米を起源とする「リクチ棉」と「カイトウ棉」のアメリカ棉の
2系統です。


1.キダチ棉

短繊維の棉で、インダス川流域が原産地。
インド、パキスタン、および東南アジアで栽培され、
「インド棉」、「デシ棉」とも呼ばれます。

インダス文明の遺跡モヘンジョダロ(現在のパキスタンシンド地方)から、
茜染めの綿の小片が出土していることから、
紀元前26世紀頃には、
綿花の栽培が行われていたのではないかと考えられています。
この地方の名前である”シンド sind”は、
”木綿”という意味だそうです。

インド最古の古文書リグヴェーダ(紀元前1300〜1000年)にも、
「糸と織機」についての記述があり、
その頃には、インド全域で広く栽培されていたと思われます。

その後、紀元10世紀ころに陸路を通って中国に伝わり、
紀元12世紀頃から中国南部で本格的に栽培され、
「南京棉」呼ばれました。
中国では紀元前1500年ごろの遺跡から、
綿布が出土しており、
それ以前からも綿花の栽培は行われていたようです。

日本の「和棉」は、品種改良された
南京棉の系統ではないかといわれています。

繊維が短いため、糸を紡ぐのにはあまり向きませんが、
高温多湿の地で育てやすいため、
インド、パキスタン、ミャンマー、バングラデシュなどの国々で、
今でも商業的に栽培されています。

2.シロバナ棉

古代よりアラビア地方で栽培されていた短繊維棉で、
アレキサンダー大王の東方遠征(紀元前4世紀)によって、
ヨーロッパにももたらされました。

地中海沿岸でも栽培されていましたが、
現在ではほとんど残っていません。

東南アジアの国々では、
「キダチ棉」と「シロバナ棉」が混在して栽培されています。
タイ北部では「キダチ棉」、ラオス南部では「シロバナ棉」が
主流だということです。


3.リクチ棉

ペルー、ボリビアを起源にもつ、中繊維の棉で、
「アップランド棉」とも呼ばれます。

紀元前26世紀ころ、ペルーでは「ペルー棉」が栽培されており、
同時期、ブラジルでも「ブラジル棉」が栽培されていました。
その両者が交雑して、リクチ棉とカイトウ棉が生まれ、
紀元前5800年ごろから、
メキシコ、グアテマラでリクチ棉が栽培されました。

早生の1年草で、
温帯から寒帯までの広い気候変化に対応でき、
繊維が長いため機械紡績にも向いていたため、
アメリカ、ロシア、中国北部、オーストラリアなどで栽培され、
現在では世界の9割以上の生産量を占めています。

アメリカには18世紀頃に入り、
その後栽培が広まりました。


4.カイトウ棉

ペルー棉から枝分かれした超長繊維の棉。
西インド諸島で今でも栽培されている「海島棉」がオリジナルです。
”シルクのような”と形容される高品質の棉です。

乾燥に強いため、
エジプト、スーダン、などのアフリカ諸国、
西アジアの乾燥地帯などで、
広く栽培されるようになりました。

エジプトの「ギザ棉」、アメリカの「スーピマ棉」
ペルーの「ピマ棉」、中国の「トルファン棉」、
などが有名です。


このアジア棉とアメリカ棉はまったく違う系統と思われていたのですが、
最近の遺伝子学の研究で、
元は両方とも西アフリカが起源なのではないかと考えられています。

3億年前、かつてアフリカ大陸とアメリカ大陸が地続きだった頃、
両者は同じ地域で共存しており、
大陸の移動とともに、2つに分かれていったらしいのです。

人類のDNAを追跡していくと、
アフリカの一人の女性に行き着くという説を
どこかで読んだことがありますが、
棉の起源が同じ場所というのは、
とても面白いですね。

来月は、ひき続いて日本への綿の伝播についてお送りします。


            (c)Azusa Fukushima 07/12/23
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△


 今月の布通信いかがでしたか?
ご感想など送っていただけると嬉しいです。

このメルマガも相変わらずブツ切れながらも、
なんとかまた1年続けることができました。
お付き合いいただき、どうもありがとうございましたm(_ _)m

来年もこの調子でまったりやっていきますが、
どうぞよろしくお願い申し上げます。

では、皆さん、よいお年をお迎えください。
  
また来月お会いしましょう(^^)/  
      
  
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私は愛知県東三河に住んでいます。江戸時代は「三河木綿」を沢山製造していました。現在蒲郡市で昔ながらの作り方で「三河木綿」「三河縞」を綿の種から栽培してやっています。この棉は三河地方で昔から栽培されていた和棉の種です。
今の西尾市へコンロン人が漂着して綿の種を最初に日本に持込みました。
今回の記事は大変参考になり、次回の記事が大変楽しみです。
日時:2007年12月23日


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