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染織工房studio-taoが発行する、アジアの布と工芸の紹介マガジン。マニアックな情報からファッションまで、幅広い話題をお送りします。




[ アジア布通信 第24号 ] 2001/12/16

発行日: 2001/12/16

2001/12/16

   ☆=☆=☆=
     
   アジア布通信 第24号
           「喜如嘉 芭蕉布」

     手織り手染めの布工房studio-tao.com
            http://www.studio-tao.com/

                ☆=☆=☆=

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 このメールマガジンは、
 手織り手染めの布工房studio-tao.comがお送りする、
 アジアの布と工芸のメールマガジンです。

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   みなさん、こんにちは!studio-taoのあずさです。
  今、わたしは石垣島にいます。
  昨日まで、3日間滞在していた沖縄本島は、
  毎日小雨の降る肌寒い天気で、
  冬でも南国パラダイス♪をイメージしていたわたしは、
  ちょっと拍子抜け(^^;
    ここに来て、ようやく沖縄っぽい青空をみれました。

   本島にいた間に、以前からぜひ行ってみたかった、
  喜如嘉の芭蕉布会館を訪ねました。
   今回はそのレポートをお送りします。

   本島では、那覇の”沖縄ゲストハウス”という
  ほとんどアジアのゲストハウスそのものの宿に泊まっていました。
  喜如嘉のある沖縄北部の「山原」(やんばる)と呼ばれる地方は、
  那覇から車で2時間半ほどかかるため、
  レンタカーで出かけることにしました。

   那覇から沖縄自動車道に乗り、終点の名護市まで、約60km。
  名護からさらに、国道58号を北上すること1時間半。
  ようやく、大宜味村 喜如嘉に到着します。
   「山原」に近づくにつれ、だんだん草木の緑が
  深く濃くなっていくのがわかります。
  
   喜如嘉の部落に入ると、那覇では珍しかった、
  赤瓦の沖縄の昔ながらの民家がちらほらと目につきます。
  そういった家のまわりには、必ずといっていいほど、
  芭蕉布の原料である「糸芭蕉」の木が植えられ、
  さらにその周りを黄色の染料にもなる「福木」の生垣が囲んでいます。
   今でも、染めと織りが生活の一部として自然に溶け込んでいるようで、
  なんとも、風情があります。

   芭蕉布会館は、喜如嘉の村役場の前の道を少し入ったところにあります。
  一階は、芭蕉布とアジアの草木布の資料館と製品のショップ、
  二階は工房になっています。
   
   喜如嘉の芭蕉布は、戦争によってその伝統が途絶えかけていたのと、
  平良敏子さんという喜如嘉出身の女性が復興して、
  今にいたっています。
  黄金の糸にもたとえられる金茶の地に絣で文様を織り出した、
  素朴でありながら気品のある布です。

   芭蕉布の原料の「糸芭蕉」は沖縄全土に自生していますが、
  より柔らかく均一な糸をとるため、
  手をかけて栽培します。
   10月から2月の間に、成熟した芭蕉を切り倒し、
  糸を取ります。
   
   切り倒した芭蕉は、すぐに皮をはぐ作業に入ります。
  玉ねぎの皮のように、外側から一枚ずつはいでいきます。
   一番外側の皮は「ウワーハー」と呼ばれ、
  かたく荒いので、座布団やテーブルセンターなどに使われます。
   次が、「ナハウー」と呼ばれ、帯などに使われます。
   三番目の皮が「ナハグー」と呼ばれ、
  着尺の生地になります。
  「ナハグー」の中でさらに、少しかたいものを縦糸用、
  柔らかいものを横糸用に分けます。
  その判断基準はひとえに、糸を作る人の”勘”だけだそうです。
   芭蕉布つくりには、とかくこの”勘”が必要な作業が多く、
  そのため、なかなか後継者を育てるのが困難だということでした。
   最後にとれる「キヤギ」という部分は、芯に最も近く、
  一番柔らかいのですが、変色しやすいため、染色糸として利用します。
   
   こうして分けられた皮は、それぞれ灰汁で炊き、不純物を取り除いた後、
  繊維を取り出す”苧引き”(うー引き)、
  糸を機結びでつないでいく”苧積み”など、数々の工程を経て、
  やっと糸となります。
   わたしが行った日は、ちょうど前日”苧引き”が終わったばかりということで、
  工房に芭蕉の繊維が一面にかけられて、壮観でした。

   それから、絣糸を染色する作業に入ります。
  芭蕉布の染色に使われる色は、琉球藍の紺と、テーチ木(車輪梅)の茶のみ。
   それは、最終段階で織りあがった布を柔らかくするのに
  灰汁で煮るため、他の染料では落ちてしまうからだそうです。

   琉球藍は、沖縄中部の本部町伊豆味というところで製造されている泥藍を、
  水あめ、泡盛、灰汁で建てます。
   テーチ木は大鍋で木片を一昼夜炊き、鉄媒染で染めます。
 
   染色が済むとようやく織りの作業になります。
  絣糸をずらしながら、模様を織り出していきます。
   伝統的な絣の文様にはそれぞれ名前がついています。
  小さい鳥という意味の「トゥイグワ」、
  眉毛という意味の「マイビチ」、
  あきるほど織ったという意味の「アキファテ」という
  ユーモラスな名前もあります。

   織り上がった布は、再び灰汁で煮た後、
  「ゆなじ」という、おかゆと米ぬかを発酵させた液につけ、
  アルカリを中和させます。 
   最終的に湯のみ茶碗でこすって布面を整えて、
  ようやく、一枚の芭蕉布が完成します。
   ここまで、約5〜6ヶ月.
    大変な手間と労力です。
   
   これだけの、仕事を数十年も続けられ、
  後継者を育ててこられた、平良さんにぜひお会いしたいものだと思っていました。
  ところが、工房を見学しに二階にあがり中に入ったとたん、
  目の前で平良さんが、ちんまり座って
  苧積みをしていらっしゃるのにぶつかり、
  「おっとー」と不意をつかれてしまいました。

   しかし、作業中の工房内は、機と糸車の音しか聞こえない、
  ピンと張り詰めた空気で、
  とても、声をかけられる雰囲気ではありません。
   まあお姿を拝見しただけでもいいかーと一階に降り、
  作品集など買い求めていたところ、
  ちょうど3時になり、工房の休憩タイムに。
   これはチャンス!と再び工房内に突入。
  休憩中に乱入したわたしへの、
  皆さんの”なんじゃこいつ?”という視線にたえつつ、
  平良さんに本にサインをいただいてしまいました。(ミーハー^^:)
   ついでにずうずうしく、握手を求めると、
  「手がきたないけど…」とおっしゃいながらも、
  快く握手してくださいました。
   その手は、藍の青で染まって、小さくてひんやりと静かな手でした。
  その後、なんと平良さんご自身に染め場を案内していただき、大感激でした。
  
   会館を見学したあと、
  この布通信にも、時々ネパールのヘンプ糸などを紹介していただいている、
  オハルさんに会いました。
  オハルさんは、4年前に喜如嘉に移り住み、
  芭蕉布会館で研修を受けたあと、
  今は同じ喜如嘉にある工房で芭蕉布と織っていらっしゃいます。
   いろいろ、布や沖縄のお話を聞いてから、
  喜如嘉にある「七滝」というすばらしい聖地に案内していただき、
  またまた感動。
   
   オハルさんと別れて、那覇までたどりついたころには
  もう夜の7時過ぎでしたが、
  とにかく、大満足、大感激の一日でした。
  (この場を借りてオハルさんありがとう!)
                               azusa@studio-tao

  ***********************************


   さて、今月の布通信いかがでしたか?
   感想などメールいただけるとうれしいです♪
   次の満月は多分タイのバンコクです。
   では、またお会いしましょう(^^)

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       手織り手染めの布工房 studio-tao.com
                           URL:http://www.studio-tao.com
                       e--mail:tao@studio-tao.com
                 
                 福島あずさ
                 
   

 
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