評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析
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宮崎正弘の国際ニュース・早読み
発行日: 2008/8/5◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成20年(2008年)8月5日(火曜日)
通巻第2277号
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カシュガルのテロ事件:かれらは武器を何処から入手したのか
世界ウィグル会議は爆破事件との関与を否定
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4日午前にカシュガルで起きた爆破テロ事件は、五輪直前の北京指導部を震撼させた。
退役軍人で爆弾処理のベテランがひとり、行方不明となった2ヶ月近くなるという情報も飛び交い、或いは日本の秋葉原殺人事件にヒントを得た自暴自棄の偶発事件という噂まででている。
十四年前に田明建事件がおきた。これは不満、差別に無差別テロでたたかった事件である。
タリバンの軍事基地で訓練をうけたウィグルの若者は6000人という説まで飛び出した。従来は銭基深元外相回想録にあるように1000人の規模と観測されてきたのだから、六千となると一個師団に相当する大きな軍事的脅威となる。
またNY市立大学のシャミン教授は「五輪を狙っての効果的政治宣伝の場でもあるが、1963年イリ暴動では、その後の弾圧を恐れて約六万人のウィグル人が周辺諸国へ逃亡している。彼らの末裔も潜在的なウィグル独立運動の主要メンバーに育っている」と分析している。
世界ウィグル会議は穏健、非暴力路線での「東トルキスタン独立」を主張していることで知られるが、同組織のスポークスマンであるユリシャテン・ルオィシ氏は事件直後に「多維新聞網」とのインタビューで関わりを否定している。
「この問題は話し合いで解決しなければならない」とするのが多数のウィグル人の立場である、と強調した(多維新聞網、8月5日付け)。
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(読者の声1)貴誌2276号に速報のウイグルの事件。
「鉄砲が政権を生み」、「政権が強権に変じ」、「強権が文革を招き」、「文革が狂気に奔り」、「狂気が混乱に行き着き」、「混乱が開放を希求し」、「開放から格差が生まれ」、「格差が和諧を行き着き」、「和諧がテロを呼ぶ」とは・・・。
身勝手なヤツラは身勝手な振る舞いで自滅すればいいのです。
かりに北京をキッカケに五輪という壮大なバカ騒ぎに対する疑念が世界的に起こってくれればいいのですが・・・。
(KH生、愛知県)
(宮崎正弘のコメント)本日発売の『週刊朝日』(8月15日号)に書きました。
この時期を選んで靖国参拝をするのが、福田首相の任務です。敵が弱っているうえ、五輪の最中、なにも反論が出来ないでしょう。緊張感を演出するというのも政治家の役目、ま、それができたら福田政権は五年続きますが(爆笑)。
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(読者の声2)貴誌でパール博士の極東軍事裁判での判決文が議論されています。
たしかに、画期的な業績ではあります。しかし、欧米の論者と議論を戦わせるために参考とするのなら、極東軍事裁判でオランダ代表の判事であったやはりB.V.A.レーリンク氏がA.カッセーゼ氏との共著であらわした「レーリンク判事の東京裁判」小管 信子 訳 新曜社 版2,310円(税込) 1996年09月 発行 ISBN 978-4-7885-0569-8
の方が参考になるのではないのでしょうか。
レーリンク判事は、25人の被告のうち東條氏を含む5人を無罪とし、他の被告も刑が重過ぎるとし、裁判の過程の不当さを指摘しています。フランス代表のベルナール判事も裁判手続きの不当さを裁判終了後にしてきしています。
さらに、レーリンク判事は、自身が国際法の専門家ではないにもかかわらず、極東軍事裁判の判事となったことに裁判終了後もこころを痛め、その後国際法を研究して、極東軍事裁判を批判しています。
なによりも欧米の法の世界にとっぷりとつかって、その中から、東京裁判の不当さを指摘していることが、反欧米という観点からの批判であるとの反論を許しません。
(ST生、神奈川)
(宮崎正弘のコメント)「平和に対する罪」と「人道に対する罪」が如何にして国際的法律議論としてなったか、詳しい資料が(抄訳)でました。
発売中の福富健一『東条英機 天皇を守り通した男』(講談社)の巻末にあります。
なお当該書籍の拙評は、ちかい裡に。ようやく読み終えたので。。
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(読者の声3)宮崎先生の愛読者でいつも感謝しております。
このところ、粟田朝臣真人についての出典文献のことが幾度か話題になっておりますが、遠山美都男「白村江」(講談社現代新書)の12〜13頁によると「続日本紀」のようです。
(AM生)
(宮崎正弘のコメント)ご指摘有り難う御座います。昨日付けに一部援用された読者がおられました。
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【知道中国 177回 樋泉克夫の書評コラム】
――中国文明には「欲望にたがをはめる原理がない」
『環境と文明の世界史』(石・安田・湯浅 洋泉社 2001年)
「人類史20万年の興亡を環境史から学ぶ」とのサブタイトルを持つ本書で、「人類が営々と築き上げてきた文明は、頻繁に変化する環境とともに興亡を繰り返してきた。人類の飽くなき知恵と欲望は、今日の『繁栄』をもたらしたが、次々に自然を破壊することで、地球環境の悪化をもたらした」。それゆえ「人類の歴史は、自分たちが自然環境に生かされることを忘れた滅亡への道でもあった」という視点に立つ3人の著者が、専門とする環境学、環境考古学、比較分明史、経済人類学の最新の研究成果を披瀝しながら、対談という形で人類の歩みと環境の深いかかわりを説き明かそうとする。
戦後の日本では、高度経済成長とマルクス主義史観が環境史を押しつぶすという“犯罪”を引き起こしてしまった。いったい、なぜ、そんなことが起こってしまったのか――と、先ず問題提起した後、「ネアンデルタール人とマンモスはなぜ絶滅したのか?」を皮切りに、「第一部 現代型新人の誕生から古代文明の崩壊まで」「第二部 グレコ・ローマ文明の誕生から中世ペストの大流行まで」「第三部 ヨーロッパ世界の拡大から『欲望全開』の世紀まで」「結び 環境史から人類の未来を問う」までが縦横無尽に語り尽くされている。
生きていくために自らが手を加えた環境にシッペ返しされる文明――人間の営みというものが世界史レベルで俯瞰されながら進められる3人の対談は、中国文明と森林との関係に論がおよぶや面白さはいや増しに増し、まさに目からウロコ状態だ。
「(かつて長江流域も)大森林地帯だった。それに比べ華北地域は、すでに九〇〇〇年前くらい前から森林破壊が進行し、華北平原はあまり森林のないところでした。そのため漢民族が紀元二〇〇〇年以降大挙して南下し(江南に)徐々にコロニーをつくっていき。
「古代中国の場合、長江流域には日本列島の照葉樹と同じようなカシやシイの森があり、それを破壊していった。たとえば湖南省長沙の馬王堆は前漢時代の地方の王ですが、彼の遺体は直径三メートルほどの木槨の棺の中に入っている。そんな木を十分に手をいれるだけの森林資源があったわけです。(改行)そうした森林が消滅していくプロセスもだいぶわかってきた。森林が消滅したことによって、文明がどのように崩壊していったのか?
「いろいろな研究成果によると、黄土は巨木を支える力を持ちません。もともと華北大平原には自然林がなく、造林にも向かなかった、と。
「大行山脈の森林は唐代に消滅する。黄土地帯は、春秋戦国時代には森がほとんでない状態です。山東半島は別ですが、唐代には依拠できる森林資源はほとんどなかった。
「気候の寒冷化によって漢民族が北方から怒濤のように南下してくる。それによって、もともと長江流域にいた人々が追い出され・・・」
かくして「森を破壊する元凶は鉄と中華料理だった」となり、3人の対談者は声を揃えて漢民族をインド・ヨーロッパ語族と肩を並べる「森林の破壊者」とし、中国文明には「欲望にたがをはめる原理がない」と結論づける。
一見して荒唐無稽で過激すぎるようだが、“爆食”とまで形容される昨今の食糧消費から貪欲なまでのエネルギー資源漁りまでをみせつけられると、たしかに「欲望にたがをはめる原理がない」とのと考えに与さざるをえない。このまま放置すれば、地球は中国文明に食い尽くされてしまう運命なのか。
《QED》
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この記事へのコメント
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