評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析
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宮崎正弘の国際ニュース・早読み
発行日: 2008/7/9◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成20年(2008年)7月9日(水曜日)弐
通巻第2250号
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香港の民主の灯が消えつつある
女性闘士・アンソン・チャン引退声明の衝撃
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香港で言論の自由と高度の自治が窒息しつつある。
これまでも窮屈だった。真綿で首を絞められているように、反北京色鮮明だった民主派の存在価値が日々薄らぎ、香港は気がつけば共産主義独裁の奴隷になっていた。
カラテのスター・ジャッキー・チェンだってすっかり北京の顔色伺い。
自由経済、市場メカニズムに動くはずの香港市場も中国共産党の影が濃い賭場に変貌していた。
08年7月、アンソン・チャンが引退を表明した。かつて香港政庁のナンバー2として、香港政務官を経験した陳方安生(アンソン・チャン)は次の立法会議員選挙に出馬しないと宣言した。
記者会見で「若手の台頭を希望する」と述べ、アンソンは政界からの引退を示唆したが、香港の民主派が退潮傾向にある事態を裏書きしたかたちとなった。
そもそも陳方安生議員は07年師走の補欠選挙で立法会議員になったばかり。次期本選挙での当選は確実と見られていた。
同時に香港民主派のシンボル李柱銘(マーティン・リー)氏も引退する。
これで香港から民主主義のともしびは消えることになる。
もともと97年香港返還は、「返還」というより、百年後の英国の敗北であり、闘わずして勝ったトウ小丙の勝利である。中国は、これを「回収」と表現し、“一国両制度”は半世紀のあいだは護るとした。
サッチャーは武力に訴え、軍を遠く派遣してアルゼンチンと戦争を遂行しても、自国の領土であるフォークランドを奪回した。しからば、その同じ英国がなぜ武力で香港を守らなかったのか、と香港市民は失望した。
「ならば何故あなた方は香港独立をもとめて闘わないのか?」と筆者は返還前に何回か香港へ通ったおりに民主活動家、反体制運動家、国民党関係者、中国之春の諸氏に聞いたことがある。
最初から敗北主義ではあったが、「水と食料を大陸に依存している香港が、戦争しても三日で降伏することは目に見えている。とすれば条件闘争が重要であり、返還後も高度の自治と言論の自由を獲得することが肝要だ」と一斉に反論された。
考えてみれば筆者のほうが無謀な質問をしたわけだが、返還後十年でマスコミはおしなべて北京寄りとなり、かろうじて月刊誌の一部が北京批判を展開している。
この間、香港市民数十万は英・米・カナダそして大英連邦の豪州とニュージーランドへ逃れた。
返還から十年余の歳月が瞬く間に流れた。
たとえばカナダからは国籍をそのままに香港へ戻ってビジネスを展開している中国人が二十万人近く、他方で同数のイギリス人が本国へ帰国した。行政は全面的に北京支持派に取って代わられ、香港から希望が失われた。
マカオに関しては論ずる紙幅がないが、香港とほぼ同じ、もはや旧宗主国ポルトガルの影さえない。
▼台湾も香港方式で飲み込む策動を続けている
台湾を飲み込む野心を捨てない北京が、実際に熱い戦争を仕掛けて台湾の軍事力と対決するなどという無謀なシナリオは、あまり現実味がない。
孫子が言うように「上策とは闘わずして勝つことであり、下策は実態に軍事力で死闘を繰り返す愚だ」。
ならば中間策こそが、近年の中国共産党が編み出した陰険なる台湾作戦、「武嚇文攻」である。
つねに武力で台北を威嚇し(実際に千二百基のミサイルを台湾に照準を合わせて実戦配備している)、一方では言葉の戦争をしかけ、台湾をいつの間にか飲み込んでしまおうという長期戦略が北京の指導者の認識である。
軍人幹部のメンタリティもほぼ同様で、たとえば最近も徐才厚・中央軍事委員会副主席は、日本から訪問した自衛隊佐官級訪中団(団長・小田光登統合幕僚学校第一教官室長)と会談したときに、台湾問題に言及、「両岸関係は緊張緩和の兆しもあるが、敵対関係の解消には至っていない」とした。
また「中国軍の海軍と空軍の装備は先進国に大きな差がある。とくに海軍は費用が膨大であっても空軍より重点的に(予算を)配分している」と海軍装備のハイテク化が目標であることを鮮明にした。
台湾はこういうおりに大陸との直行便の話ばかりをしているのである。
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(読者の声1)貴誌前号での「許昭榮さんの抗議焼身自決は、国民党に洗脳された台湾人が、今度は自分が台湾人の若い世代に洗脳教育を行っている事に対する抗議だったと思います」
この石戸谷さんの追悼文にある自決理由、簡にして要。
日本時代に少年期を送った台湾人の悲劇、それは叙事詩になる一人の人生を淡々と記しており、感銘を受けました。ありがとうございました。
問題は、国民党教育を受けた世代に、許先生の自決の意味するものが伝わったかどうか、です。これからの世代に語り継がれていくことを願って、合掌。
(SJ生)。
(宮崎正弘のコメント)その台湾老兵 許 昭榮烈士追思会が靖国神社で行われます。
日時 平成20年 7月 20日
開場 午後1時 開会 午後1時半
台湾老兵 許昭榮烈士の生涯 石戸谷慎吉
許 昭榮烈士と潮音寺 小川智男
戦争と平和祈念公園と許 昭榮烈士 周振英
DVD 台湾烈士許昭榮祈念専輯
(VHS希望の方は7月15日までにお申し込みお願いします。
於 靖国会館 偕行の間 (靖国神社境内)
最寄り駅 半蔵門線・東西線、 都営新宿線 九段下駅 1番出口
会費 2,000円
参加申込 電話 03-5368-0145 fax 03-5368-0146
mail tolion777@yahoo.co.jp 担当根本
携帯 090-1534-6435 (渡邊)
主催 許昭榮烈士追思会実行委員会
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宮崎正弘の新刊
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宮崎正弘・黄文雄共著
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『世界“新”資源戦争』(阪急コミュニケーションズ刊、1680円)。
『出身地でわかる中国人』増刷!(PHP新書)
『三島由紀夫の現場』(並木書房)
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この記事へのコメント
全2件表示この時期に馬鹿な政治家が1000万移民だ、道州制だ、国家意識にない一番悪い政治家がいる現状では何もしない、新しい法案は集団的自衛権の確立一つで後は当分不要、法律の新作毎に国家が崩れていく様な気がしています。
明治の気概ある人間が作った憲法でも熟読していてほしい、後は議場で昼寝でもしておけと言いたい。日時:2008年7月9日
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