宮崎正弘の国際ニュース・早読み
発行日時: 2008/5/10
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成20年(2008年)5月10日(土曜日) 弐
通巻第2180号 臨時増刊号
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((((( 今週の書棚 )))))
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平沼赳夫、与謝野馨、麻生太郎、石破茂『国力会議』(祥伝社)
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評論家の浜田和幸氏が行司役となって、「次の首相の可能性がある」実力派の政治家四人に縦横無尽に国家、民族、未来を語らせている。
凡庸な種族の多い、永田町の住人の中では、光る政治家ばかり。
通読して、うなる場面がいくつかあった。
感動的な箇所もある。とりわけ「漫画しかよまない」と誤解されている麻生氏が、意外に教養深き、日本の保守と再生に夢を抱いている事実を知ったのは収穫だった。聖書と古事記の差違をと透して欧米文化と日本の文化、そのまつりごとの本質を衝く所論は、なかなかのものである。
石破氏は、中学生の頃から『諸君!』を読んできたという「防衛オタク」として知られるが、防衛と安全保障の中核である外交に一家言が光る。
“中曽根事務所の電話番”をしていた頃から与謝野鉄幹の嫡孫のことは知っているが、落選中、よく新宿の零細企業の集まりでお目にかかった。へこたれない勇気と見識をもち、克己心のある政治家を再発見した印象を抱いてきた。
四人のなかで、評者(宮崎)が個人的にもっとも期待しているのは、平沼さんである。
多言を要しないだろう。
平沼新党が次の選挙でブームを作り出せば良いと考えている。青嵐会の中川一郎の薫陶を受けて、艱難辛苦に動じない政治家である。
さるにても、これまで政治家の言葉の軽さを嘆いてきた批評家としては、言葉に重みを感じる政治家に近頃お目にかかれないので、次第に政界に絶望してきた。
平林たい子氏は嘗て中曽根という政治家を評してこういった
「あの男は鉋屑(かんなくず)ほど軽い」
その男が「大勲位」などと持て囃されて、いまの政治の混沌を象徴しているのではないのか。
本書の詳細を紹介するより、久々に読み応えのある政治家の言に感心したと申し上げたい。また四人から巧みに本音を聞き出した行司役の力量に瞠目した。
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岩下尚史『見出された恋 「金閣寺」への船出』(雄山閣)
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猪瀬直樹が『ペルソナ』のなかに、その存在を初めて公開した。三島由紀夫の若き日の、本当の恋人である。失恋の相手ではない。
彼女とは三年つづいた。
著者の岩下氏は演劇の関係で、その女性とは偶然に知り合い、実に親しく細々と、リアリスティックに話を聞いてきた。
フィクションに託すしかないと考えて、若き日の三島由紀夫の恋を描いた小説。
ちょっと驚くべき下町情緒を筆に出来る力量は凄い。
『出来れば、四十五くらいで死んでも好いと思っているくらいだ。そのときには君も三十五になっているね。でも、女の美しさだって、せいぜい二十代までだぜ。
そうは言っても、君は僕よりも十歳若いのだから、僕が死んだら、黄色の薔薇を手向けてくれないか、好いかい、屹度だ、約束したよ!」。
それからしばらくして二人の関係は終わった。
文体は浄瑠璃の調べ、花柳界の華麗な会話が流れ、古式豊かな緞帳があがるような舞台が設えられている。
―――思へばつれなき此身の咎、修羅の炎を逃れむと、すれば聴ゆる恋慕の曲。
「思えばあれから、五十年の月日が流れる。昔のことも今の身も、夢の現(うつつ)も一つとなり、はかない浄瑠璃の節の間に、それからそれへと思い出されるのであった」(中略)
「別かれて以来、男と会うことは一度もなく、かつて満佐子(主人公)に告げた通りの年齢の頃、思いも掛けぬ死出の旅路に赴いた」
満佐子は、彼女なりの総括をする。
「あれほど書くことを楽しんでいたあの人ですもの、いつの間にか書くことが辛くなり、そのうち本当に書くことがなくなって、あのような道をえらんでのではないかしら!」
三島由紀夫の知られざる恋の道行きを伝統的古典演芸の語彙をちりばめて華麗に描ききった力作となった。
副えられてきた作者の手紙には「作品と書く前と擱筆のあとと多磨霊園に、このモデルの夫人と赴き黄色の薔薇を墓前に捧げて来られた」そうである。
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柘植久慶『最後の言葉』(太陽出版)
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面白きことなき世を面白く生きた、熱き男たちの死に様と生き様。
高杉晋作から吉田松陰から、爽やかに、寡黙に美的に生きて死んだ日本の男たちは、同時に刺激的な言葉を残していった。
そのなかに三島由紀夫もはいっている。その箇所に「えっ」と驚かされた。
柘植さん、中校生のおり目黒区緑が丘に住んでいた由だが、近所(百メートルとなり)に三島由紀夫の家があって毎夕のように挨拶したという。
ある時、柘植さん(まだ中校生)、三島由紀夫に尋ねた。
「作家にとって大事なことは何ですか」
「書くより読む方が大変だから丁寧に書くことです」と三島は答えた、という。
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(読者の声1)中国によるチベットの民族自決権・人権への抑圧に抗議し母校早稲田大学への胡錦濤中国主席の来学辞退を大学当局に求める運動、ご賛同ご協力ありがとうございました。
胡錦濤の大隈講堂での演説を阻止することは叶いませんでしたが、大学当局に対しOB有志の憂慮を伝え、またこれを内外メディアに発信することで最低限の目的は何とか果たすことができました。
7日午前11時半、声明書を大学本部総長室秘書課を通じ、白井克彦総長に届けました。また大学周辺の商店街に「チベットに自由を」「早稲田に在野の精神を」と書いたポスターを配布しました。
また同日夜には声明書を首相官邸・自民党・国会野党の各記者クラブ日経・毎日の東京本社政治部デスクにファックス配信しました。
当日には声明書を英訳したものを有楽町の日本外国特派員協会のポストボックスに80部配信、AP・UPI・NANA・PPS・時事の各通信社にファックス配信いたしました。
12時半に穴八幡に学外有志も参加してチベット国旗やプラカードを掲げ集合後、交差点前で同志OBの水島総(チャンネル桜代表取締役)、三輪和雄(日本世論の会会長)を始めとした各氏が抗議の意義を通りかかる現役学生にハンドマイクで演説しました。
1時過ぎ大学本部での現役学生主催の抗議集会に合流しようとすると警備の警官隊の阻止線に阻まれもみ合いになり、穴八幡の線まで押し戻されました。
その後、三々五々神社の裏門から抜け出し、分散して大学大隈銅像前で抗議を続ける現役学生に合流、胡錦濤演説の時間中、声を限りに「FREE TIBET」「チベットに自由を」「チベットに人権を」「早稲田に在野の精神を」「学の独立を守るぞ」と叫び続けました。
学外からのチベット支持派の抗議活動も同時平行的に行われ、最大時で400人強の人間が大隈講堂に向けて「FREE TIBET」の声を上げ続けました。
小田内陽太
(中国政府によるチベット人虐殺・人権弾圧に抗議する早大OBの会、呼び掛け人)
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(読者の声2)5月11日(日)、易錦銓氏を講師に台湾研究フォーラムが第109回定例会
演題は「これからの台湾の対外関係」
■講師 易錦銓氏(台湾経済研究院顧問)
■演題 これからの台湾の対外関係
馬英九政権の発足を控える台湾。対中国宥和路線の強化も懸念されるなか、どのような方向へ向かっていくのか。国連加盟の動きは? 対米関係は? そして対日関係は?
専門家である易錦銓氏に語っていただく。
((( 易錦銓(えき・きんせん)氏 )))
昭和3年生まれ。日本時代の台中高等商業学校を出、陸軍幹部候補生に。東呉大学商学部卒、早稲田大学大学院博士課程修了。東呉大学教授(日本語・国際貿易)、台湾貿易センター東京所長、世界貿易センター日本駐在代表、(財)台湾経済研究院東京研究所長などを歴任。経済学博士。
【日 時】5月11日(日)午後5時45分〜8時00分
【場 所】文京シビック3F 第一会議室
(交通)JR「水道橋駅」徒歩10分
都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩1分
東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分
【参加費】会員500円 一般1000円
【懇親会】閉会後、会場付近にて(会費3000円、学生1000円)
【申込み】Eメール taiwan_kenkyu_forum@yahoo.co.jp
FAX 03−3626−1520
【問合せ】090−4138−6397
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< 宮崎正弘の新刊予告 >
『北京五輪のあと 中国はどうなる』(仮題、五月下旬刊行。並木書房、予価1600円)。
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(( 最新刊 ))
宮崎正弘・黄文雄共著
『世界が仰天する中国人の野蛮』(徳間書店、1500円プラス税)
http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
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((( 宮崎正弘のロングセラーズ )))
『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』 (KKベストセラーズ、1680円)
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』 (徳間書店、1680円)
『世界“新”資源戦争』 阪急コミュニケーションズ刊、1680円)。
『出身地でわかる中国人』 (PHP新書)
『三島由紀夫の現場』 (並木書房)
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宮崎正弘 全著作一覧 (これまでの128冊の著作リストを閲覧できます)
http://miyazaki.xii.jp/tyosyo/index.html
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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