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宮崎正弘の国際ニュース・早読み
発行日時: 2008/4/14
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成20年(2008年) 4月14日(月曜日)
通巻第2155号
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(((((((( 今週の書棚 )))))))
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村上正邦・佐藤優『大和ごころ入門』(扶桑社)
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四半世紀以上前、評者(宮崎)は雑誌の編集に携わっていたので、取材でよく関西に出張した。
ある日、行程が一日空いたので、大阪から吉野を日帰りで往復した。
吉野の駅で地元のタクシーを掴まえ、「後醍醐天皇陵墓はやって下さい」と言うと、しばし考えた風情の運転手さんが、「あ、皇居やね」と答えるのだった。
(そうか、いまでも吉野の人々にとって南朝の皇居であるわけだ)。
後醍醐天皇陵は北を向いている。
天皇陵墓で北を向いて建立された、唯一のものである。後醍醐天皇は数奇の運命をたどられ、帝都奪回の志半ばに崩御された。だから陵墓は京都を指しているのである。
忠臣・楠木正成・正行親子らの闘いはそれから数十年に長引き、千早城、四条畷は浪曲にも、映画にもなった。
さて国策捜査で無理矢理犯罪者にでっち上げられ、一審二審に破れて上告、いまも最高裁判所で戦う三人衆は、村上、佐藤の二人に鈴木宗男代議士を加えるべきだろう。
佐藤優氏は獄中で読書に明け暮れ、娑婆へ復帰したのちは異様な才能を発揮されてベストセラー作家となった。
対談相手の村上正邦氏は、動静が伝わらなかった。村上氏はしばらく二十人以上の会に出られなかった。
ふたりは吉野を舞台に三年に亘って対談を重ねていた。
本書は、その集大成で、蘊蓄深く、また宗教の智慧が随所に活かされ、それでいて現代日本を激しく風刺する。ふたりの苛烈な人生の喜怒哀楽が政治論に滲み出ている。
二人が宗教者であることに、この対談の出発点がある。
村上正邦氏は篤信の「生長の家」信者であり、吉野のもっと先、熊野三山の奥宮といわれる玉置神社(神武天皇が御祭神)と縁の深い玉置和郎氏の秘書から政治活動を出発させた。
佐藤氏は同志社神学科に学んだクリスチャン、ながくロシア大使館で政治の闇に挑んだ。外務省のラスプーチンと言われた。
明治からこのかたの日本の政治を近・現代の歴史観で解釈したりするのではなく、天皇論にしても北畠親房の『神皇正統記』にまで戻って議論をやり直そう、と二人は一致する。
このあたりの対話は宗教に造詣が深い二人だけに圧巻である。
さて三島由紀夫を評価する箇所で、佐藤優氏がまずこういう。
「あの全共闘運動などで日本の知的な世界、大学は決定的に混乱していた。それに終止符を打ったっていうのは、やはり三島先生の市ヶ谷での事件だった」、「左翼に自分の理念に殉ずる人たちがいなかった。(中略)思想というものは、ぎりぎりのこと路で命をかけなければ行けない。三島先生はそれを実践で示したことに重要生がある」
かたや村上正邦氏は、
『当時、佐藤栄作先生、それから防衛庁長官であった中曽根康弘先生が「正気の沙汰ではない」「迷惑千万」という発言をされ、体が震えるような怒りを覚えた』。
かくして二人の愛国対談は激しい憂国の情念に貫かれている。
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(読者の声1)貴誌4月3日(木曜日)通巻第2141号に報じられた「広い世界にただひとつ、タイに親日歴史記念館。タイ人の館長夫妻を招いて有志が立ち上がり、東京での歓迎集会、大盛況」に関して。
当日、参加させて貰いました。産経新聞の囲み記事(4月13日)を見て、歓迎会の和やかで熱い雰囲気が蘇ってきました。
生還できなかった英霊の思いを胸に靖国に参拝されたチューチャイ館長。未帰還兵を偲び、「祈ります」と記すタイの女学生…。写真には日の丸もあって、『未帰還兵』を著した将口記者の思いもともに伝わってきました。
(YS子、東京)
(宮崎正弘のコメント)たくさんの記者が当該のあつまりに取材に来ていたので、翌日、報道があると思っていました。
何日も動静が伝わらずどうしたのだろうと訝しんでおりましたが、会から二週間後、ようやく産経新聞の記事となりました。ひと安心です。
ほかに週刊紙も特集予定でしたが、チベット問題と聖火リレー妨害事件などで、親日記念館の紹介スペースが割愛されたようで個人的には残念でなりません。
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(読者の声2) いつも貴重な情報をありがとうございます。
日本での聖火リレーですが,起点が長野の善光寺であることは,チベット仏教に対する否定であるのか,それとも同じ仏教徒としての連帯を示すことになるのでしょうか?
信仰心の薄い多くの日本人にとってはどうでもいいことでしょうが,外国メディア,あるいはチベットの人々がどう感じるのか気になります.
(HS生)
(宮崎正弘のコメント)いまのところ善光寺、仏教、チベット仏教をむすびつける論評は現れておりません。
わずかに『アジア・タイムズ』(4月14日付け)にインド人記者の書いた、魂と仏教と中国の物質主義に関する評論が目立つくらいですが、善光寺への言及はありません。
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(((((((( 資料 )))))))
対馬沖が、38度線になる
衆議院議員 西村 眞悟
昨年に続き、対馬を訪れた。
気になることがあるので、毎年対馬を訪れることにしている。
結論から言うならば、国境の島においては、外国人の土地所有を規制する必要がある。
ということは、外国人への土地所有権譲渡を規制するということであるから、国境の島における土地所有権そのものが、国境を守るという観点から一定の制限を受けるべきである。
昨年二月に対馬を訪れたとき、平成18年の韓国人訪問者は4万2000人といわれた。
四月に訪れて聞けば、平成19年の韓国人訪問者は6万人で、本年は、9万人に達する見通しであるという。
なお対馬の人口は、3万8000人であるから韓国人訪問者は、人口を遙かに超えているのである。
観光客が多いことが気になるのではない。観光客が多いということは、対馬が景勝地であるからであり、誇るべき自然を残しているということである。事実その通りである。
問題は、その訪問者が観光客ではなく「運動家」であり「漁民」であり「工作員」であれば「国家的問題」になる。
また観光客であっても郷に入って郷に従わないどころか、郷に入って「ここは韓国のもの」という前提で振る舞われると、いざこざの元になり「治安問題」となる。
さらに私の関心は、韓国人が対馬の要所の土地建物を盛んに買収していることである。
従って頭書の結論をまず掲げた。
訪問者の中の「運動家」とは、団体を率いて対馬に来て、対馬が韓国の領土であると教えて廻る者のことである。
この集団は、昨年には国定公園でみだりに植樹することが禁じられている対馬の山に、韓国の国の木である「むくげ」を勝手に植えた。
「漁民」とは対馬の豊かな藻場で育った魚介類を取り尽くして釜山に帰って売る者のことである。
「工作員」とは正体不明であるが言わずと知れた雰囲気の者。
さて対馬の厳原に上陸して対馬在住の同志の案内に任せて見聞した。
対馬の方々の説明によると、韓国人観光客の中には、「運動家」も「漁民」も「工作員」もいるということである。
一般客の行儀については、マナーは良くなったという人と、我々が馴れたから気にならなくなっただけだという人がいた。
確かに、以前にあったようなホテルの部屋に設置されているテレビを勝手に持って帰るとか、道を占拠するとか、道の真ん中を集団で歩いて車の通行を止めても平気であるとかの傍若無人の振る舞いは聞かなかったし見なかった。
スーパーの前で並んで説明を聞いている大勢の訪問者は、近い異国の対馬観光を楽しんでいる人々であった。
問題は土地である。憂慮すべき典型的な例を次に挙げる。
対馬中南部の美津島町竹敷には西の海に面して海上自衛隊の基地がある。その基地から海の中にコンクリートの坂が緩い傾斜で入っているが、これは船や飛行艇を陸に引き上げるためである。
このコンクリートの坂の奥には基地を取り囲むように平成2年に天皇皇后両陛下が行幸された広大な工場の跡地がある。
この広大な工場跡地が外国人の所有地となった。工事中であったので中を歩かせてもらうと、両陛下の行幸記念碑は残されていたが、敷地全体が韓国風の建物が各所に建てられた韓国リゾート村に生まれ変わろうとしている。
海から基地を眺めれば、西に向かった基地は、北側境界から東側境界まで韓国村に囲まれている。また基地の境界には接していないが基地の南側の一部の土地も外国人に買収されていた。
このような買収資金はどこから来るのか。
北朝鮮系資金であるとか韓国系宗教団体の資金であるとか言われているが、分からないというのが現在の状況である。
我が海上自衛隊の基地は、有事のためにある。この基地が外国人所有地にほとんど取り囲まれて果たして大丈夫なのか。
有事であるが、次の通り、楽観は許されない。
我が国の政界やマスコミ界は、韓国に李明博大統領が誕生したことで安堵している。
しかし次の一点に注目して判断すれば安易な楽観はできない。
すなわちもし北朝鮮の体制が崩壊した時に、韓国は同じ民族として北朝鮮の面倒をみるのかということである。
つまり韓国は東西ドイツが統一した時の西ドイツのようにがんばるのか。
この点に関して実利を訴えた韓国の新大統領と韓国人は膨大な費用をかけて北朝鮮の面倒をみるのを回避して、北朝鮮の国連管理を望んでいるという。
この国連管理とは、実質上、北朝鮮と国境を接する中国の北朝鮮管理である。そして、中国が38度線まで南下してくれば、即ち、韓国も中国の勢力圏内に入るということになる。
これは、日清戦争以前の状況に朝鮮半島全体が戻ることを意味する。よって38度線は、対馬沖に来ることになる。
この事態は、決して架空のことではない。
近未来に起こりうる。
そして時間の長さから観れば、日清戦争後百十年間の朝鮮半島が例外的時期で、日清戦争前の中国の勢力圏に入っていた朝鮮半島の方が常態なのだ。
ここが朝鮮半島と日本文明圏との決定的な違いである。
対馬は昔も今も不安定な朝鮮半島の影響をもろに受ける地理的条件の下にある国境の島である。
また朝鮮半島全体の動きというよりも、かつてあった「李承晩ライン」が設定されたような事態も起こりうるのである。
このようなとき、対馬の基地周辺を始め多くの土地が外国人に占有されていて果たして国益が守れるのであろうか。
国境の島、対馬、危うしではないか。
対馬は対馬市が作成した「対馬ガイドブック」に書かれているとおり、「雄大な自然と、永遠の神秘が息づ島・・・」である。
九州、四国、本州そして北海道から多くの皆さんがこのかけがえのない自然と歴史をたたえた国境の島を訪れてほしい。
そして対馬から我が国の「国境」に関心を持ってほしい。
(この文章は西村真悟通信、4月12日号からの再録です)
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(宮崎正弘の新刊)
宮崎正弘・黄文雄共著
『世界が仰天する中国人の野蛮』(徳間書店、1500円プラス税)
http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
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(宮崎正弘のロングセラーズ)
『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』 (KKベストセラーズ、1680円)
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』 (徳間書店、1680円)
『2008年 世界大動乱』 (改訂最新版、1680円。並木書房)
『世界“新”資源戦争』 (阪急コミュニケーションズ刊、1680円)。
『中国から日本企業は撤退せよ!』 (阪急コミュニケーションズ刊)
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