宮崎正弘の国際ニュース・早読み
発行日時: 2008/4/11◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成20年(2008年) 4月12日(土曜日)
通巻第2153号 (11日発行)
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『馬英九の台湾』はどこへ?
宮崎正弘
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第十三代台湾総統に当選した馬英九は長身でスポーツマン。その上にハンサムだから若い女性の「追っかけ」がでるほどの人気者である。ハーバード大学で博士号。
若き日の石原慎太郎に似ているので、イデオロギーにこだわらない若い世代と中間層が外省人の馬に投票した。彼の得票率は58%だった。
浮動票をかっさらい、国民党のイメージ戦略がずばりあたった。
直後から台湾株式指数は跳ね上がり、台湾ドルも高騰を示した。市場は明確に馬当選を祝福、そこに不安よりも希望を見いだしたのだ。
台湾民衆はさりとて国民党の独裁強権政治、あの白色テロの恐ろしい時代を忘れているわけではない。
馬英九を嫌悪し民進党を支持した鉄票の42%は不動である。六十歳台以上の本省人は「なんで外来政権を支持するのか、再び屈辱と被支配に忍従しようとするのか」と激しく激昂する。
しかし時代は急速に変化していた。
「独立」「統一」論議を脇に置いて底流には目に見えない台湾社会の様変わりと世代間の認識の格差拡大だ。
統一は長期目標で、当面は経済協力の話し合いの政治日程しかなく、今後、決定的失策がないかぎり馬英九新政権は二期八年になる可能性が高い。
経済政策がもたついた陳水扁(民進党)政権を見限った最大勢力は台湾の財界、経済界だ。かれらこそ現状維持が全てなのである。
世界の集積回路を代表する台湾の「TSMC」(台湾積体電路製造、曹興誠会長)が「両岸和平法」の制定を提唱し、財界人の多くが賛同、このあたりから流れは変わった。
▲民進党を大胆に見限ったのは台湾財界だった
すでに六万社、百万人の台湾人マネジャー、エンジニアが中国大陸で工場をつくり、店舗を開き、大きな商売を展開している。
北京が批判する民進党より、国民党政権のほうが商売がやりやすいと台湾人ビジネスマンは判断した。国民党は産業界をさらに引きつけるため中国との「共同市場」構想を掲げた。
当選直後の会見で馬英九は勝ちすぎた嬉しさを隠しつつ、「独立しない」「統一しない」「武力を用いて問題解決にあたらない」という「三不」(三つのNO)路線を繰り返し、現状維持を前面に出した。
当選翌日、海外から取材に来ていたおよそ300名の外国人ジャーナリストをあつめて緊急に馬英九会見が行われ、一時間半の熱演があった。
馬英九が一番先に表明したのはブッシュ大統領からの祝賀メッセージだった。
米国との緊密な関係を誇示し、国民に安心感を与えた。そう、彼は親米派なのである。
反日姿勢を問うため筆者が質問した。
「あなたは反日活動家の前歴があり日本でいまも『反日家』とされている。どうやって日本と台湾との関係改善をするのか?」
馬英九次期総統は「それは今世紀最大の誤解。わたし自身、日本で誤解されている事実認識があったので昨秋十一月にも訪日し多くの人に会って理解を深めた。訪日は有益だった。自民党、民主党、公明党に友人もできた。日本のマスコミはわたしが尖閣諸島の帰属問題で反日的と言っているが、世界中どの国も領土係争を抱えており、偶発的衝突をさけ、貿易や投資を増大させてゆくことが重要だ」。
台湾にも新しいタイプの政治家が現れた。
(この文章は『北国新聞』、4月7日付けコラム「北風抄」からの再録です)
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(読者の声1)阿比留瑠偉さんのブログに下記の書き込みを見つけました。
先生方がおやりになった国民集会の模様です。
「北京五輪にNO「中国の実態を告発する国民集会」の報告です。昨夜(10日)は雨にもかかわらず定員800人の豊島公会堂がほぼ満席で、熱気に満ちた集会となりました。
国歌斉唱、弾圧で亡くなられた方への黙祷から始まりました。
それぞれの専門家が得意分野について語ったので大変勉強になりました。以下、気になった点だけを紹介。
加瀬英明氏 全体主義国の五輪は三回目。ベルリン、モスクワは開催してから九年後に崩壊しています。中国もそうなる可能性が高い。
西村真吾氏 中国共産党、台湾国民党は同根。国民党の武力が日本に向けられる可能性
があることを覚悟すべきだ。
ペマ・ギャルポ氏 冷静な方と思っていたが、今回の話が一番テンションが高く、決起集会におけるアジテーターのような迫力がありました。
危機感と怒りが感じられました。
殿岡昭郎氏 東トルキスタン、内モンゴルの青年が登壇、独立に向けて日本の支援を依頼。氏はチベットも加えた三国の抑圧されている民族と連携することが日本の安全保障にも繋がると強調。
宮崎正弘氏 中国の経済は既に危機的。上海株が昨年10月以来44%も下がっている。五輪が終われば更に下がるだろう。
大原康男氏 産経はナシと報じてくれたが、北京五輪への皇太子出席の目はまだ消えていない。福田首相の言動を注目すべきだ。
司会進行は三輪氏でしたのでチャンネル桜でも報道されるでしょう」(花ウサギ)。
以上。
(宮崎正弘のコメント)簡潔明瞭無比の報告ですね。有り難う御座います。
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(読者の声2)ダライラマ法王ははやくも米国に到着されて、明日から講演活動にはいる様相です。北京五輪開会式ボイコットは西側の合意となり、また聖火リレーは各國で頓挫しているのに、日本政府は何もしない。日本国民として恥ずかしい思いをしています。なんとかならないもんでしょうか?
(YM生、世田谷区)
(宮崎正弘のコメント) 米国連邦議会はブッシュ大統領に開会式ボイコットを要望する旨の決議案を圧倒的多数で決議しました。マスコミもトップニュースです!
下院で委員が十名ほどに減った隙を狙って、“こそこそと”出した「反日決議案」とわけが違います。
北京はおこって「粗暴なる内政干渉」などと声を荒げています。
さて、北京政府は「ダライ」と呼び捨てにしていることにお気づきでしょう。これは我が天皇陛下を「天」と読んでいるに等しい侮蔑行為です。
日本の聖火リレーは各人権団体が立ち上がり前日の25日から陸続と長野入りするとの情報が多く寄せられております。
日本でもサンフランシスコの二の舞か、或いは警備当局の判断で実施されない可能性も残ります。
それより或るグループは下記の提言をしています。
福原愛、萩本欽一、北島某(水泳の選手)ほか、十八名の聖火リレーのランナーに「公開質問状」を送る、或いは意見広告を載せる。
「あなた方は人間の尊厳という名において恥ずかしくはないのですか?」と。
ほかにも色々とアイディアがあるようですね。ダライラマは非暴力に徹した方で、いまとなってさえ、「中国はオリンピックをやる資格はある」と寛大無比のおこころを示されておりますが。。。。。。。
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(休刊のお知らせ)小誌は4月26日から5月6日まで海外取材のため休刊です。
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(サイト情報) ブッシュ大統領は4月10日ホワイトハウスで演説を行い、イラク駐留米軍については今年7月の撤退をもって一旦中断し、その後については一定の判断期間を置き、状況に応じて決定していく方針とした。
(1)ブッシュ大統領の演説
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2008/04/20080410-2.html
(2)ファクトシート
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2008/04/20080410-4.html
これに先立ち米上院軍事委員会と外交委員会で4月8日に行われた公聴会では、クロッカー駐イラク大使とイラク駐留米軍のぺトレイアス司令官が証言に立ち、イラク情勢について報告を行うとともに、今後のイラク駐留について提言を行った。
(3)Situation in Iraq and Progress Made by the Government of Iraq in Meeting Benchmarks and Achieving Reconciliation 、U.S. Senate Committee on Armed Services. April 8, 2008
http://armed-services.senate.gov/e_witnesslist.cfm?id=3237
(4)Iraq after the Surge: What Next? U.S. Senate Committee on Foreign Relations. April 8, 2008
http://foreign.senate.gov/hearings/2008/hrg080408p.html
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(宮崎正弘の新刊)
宮崎正弘・黄文雄共著
『世界が仰天する中国人の野蛮』(徳間書店、1500円プラス税)
http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
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(宮崎正弘のロングセラーズ)
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『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』 (KKベストセラーズ、1680円)
http://www.junkudo.co.jp/detail2.jsp?ID=0258413048
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『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』 (徳間書店、1680円)
『2008年 世界大動乱』 (改訂最新版、1680円。並木書房)
『世界“新”資源戦争』 (阪急コミュニケーションズ刊、1680円)。
『中国から日本企業は撤退せよ!』 (阪急コミュニケーションズ刊)
『出身地でわかる中国人』 (PHP新書)
『三島由紀夫の現場』 (並木書房)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url?%5Fencoding=UTF8&search-type=ss&index=books-jp&field-author=%E5%AE%AE%E5%B4%8E%20%E6%AD%A3%E5%BC%98
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宮崎正弘全著作一覧 (これまでの128冊の著作リストを閲覧できます)
http://miyazaki.xii.jp/tyosyo/index.html
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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この記事へのコメント
全4件表示「今回は私たちはあなたたちを素直に応援できません。ホスト国である国が現在進行形で
非道行為を繰り返しているのになんで参加する
選手のプレイを楽しみ応援できるのでしょうか。スポーツと政治以前の問題です。」日時:2008年4月15日
親中派>「あなた方は人間の尊厳という名において恥ずかしくはないのですか?」
「人間の尊厳の名において、スポーツに政治を介入させない介入させてはならない」と答えましょう。日時:2008年4月15日
チベット問題に関して、掲示板等では最近、チベットの中国侵略を正当化する、チベット仏教を貶める等の中国人「工作員」?が目立ってきているような印象を持ちます。
例えば、2チャンネル「世界史」板「チベット侵略3」スレッド
http://c.2ch.net/test/-/whis/1207760710/i
また、
「佐藤守のブログ日記」3月24日より:
http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/20080324/1206326764
>たまたま2月末に沖縄を旅行されたある大学教授から次のような内容の手紙が届いた。
>「沖縄は“中共に併合される。左翼でないと生命は保障されないそうだ・・・”
>との風説が有力で、一般市民の(特に次世代の)動揺が烈しいことにびっくりしました。
>中共の有力者が毎週のように“時局解説”と称して琉球独立論をあおっている様子には、>何とか”歯止め”をと思いました」
沖縄問題に関しても、具体的に指摘はしませんが2チャンネルなどの掲示板等では、本土と沖縄との対立を煽るような書き込みも増えているように感じられます。
組織立てられて行われているのかどうなのか分かりませんが、中国はチベット問題では他国の正当な批判を「内政干渉」と切り捨てる一方、自らは、内政干渉まがいの対日情報工作を強めているのではとの懸念と憤懣とを感じます。
日時:2008年4月13日
アメリカ・ロシヤ・チャイナ全部同じ様な生い立ちですからチャイナもでかい顔をして領土拡大を図って居るのでしょう。多分内部崩壊以外に止める手立ては無い様な気がします。
核・人口・独裁、何処を見ても普通に対応できる国はないでしょう。日本も覚悟すべきなのですが9条でフラフラしている、将来を見るマトモな政治家の応援をするしかない?出来るのも出来ないのも日本人次第実に危うい時代に生きている時こそチャンスに出来るのでは〜と思います。日時:2008年4月11日
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