評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析
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宮崎正弘の国際ニュース・早読み
発行日: 2008/3/6
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成20年(2008年) 3月6日(木曜日) 弐
通巻第2114号
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台湾総統選、民進党「逆風行脚」を開始。馬英九の「米国籍」問題を追及
16日(「反国家分裂法」制定から三周年)に百万人集会で奇跡の逆転を狙う
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テレビ討論で謝長廷(民進党総統候補)と馬英九(国民党候補)が激突した。
国民党系の「連合報」と「中国時報」によれば、ディベートは馬が勝った、人気調査では馬51%、謝29%などと伝えている。
日本のマスコミには、この数字だけが伝わり、どうやら馬の圧勝ではないか、と思いこむ人も多いだろう(台湾の世論調査は、とくに国民党系のメディアがいつも自陣営に有利なように大きなサバを読むので、20%割り引く必要がある。それにしても10%程度、馬がリードしているのは現実であるが)。。
ところが「自由時報」は「ディベートの結果は謝のほうが優勢だった、とくに馬のグリーンカード取得問題で、馬がしどろもどろの弁明に終始した印象は、候補者の清廉イメージを壊したのではないか」と分析した。
反撃にでた民進党は、2月28日に「2・28記念大集会」を開催した。
台北市内の中山サッカー場で「台湾のために祈る集い」と銘打って開催され、巨大なスタジアムには立錐の余地なき支持者が集まって満員、台湾の大きな旗、緑の台湾旗が振られた。
選挙本部(葉菊蘭・選対本部長)の戦略は「逆風を作り出すこと」にある。
じっとタイミングを待っていた謝陣営は、228集会にあつまったおよそ10万の台湾与党支持者を前に、「316逆風大行進」を訴えた。
これは04年の「人間の鎖」で台湾全土、北から南までを200万人が手を繋ぎ、民進党勝利のバネとなった教訓を活かそうとする試みである。
▲「逆風大行進」が台湾各所を行進している!
また「逆風大行進」キャラバン隊は同日に中山サッカー場を出発、謝長廷、蘇貞昌(副総統候補)らが見送った。キャラバンは22日の投票前日までに時計と逆回りで台湾全土1000キロを行進し、さらに大集会が3月16日に台湾各地で行われる。
各地で「時計の逆回り」に五キロから六キロを歩く。「逆転」を呼び起こすには「逆回り」から。
3月16日は台湾独立宣言を行えば武力侵攻すると豪語した中国の「反国家分裂法」の制定三周年にあたるので、この日に「台湾の尊厳、自由、民主」を訴え、同日3時14分に全土で一斉行動を起こす。
一方、国民党の馬陣営は防戦の態勢である。
飛び出した馬の二重国籍(グリーンカード取得問題)が尾を引いているからだ。
もともと馬のグリーンカード疑惑は「家族はまだ保有しているが、自分のものはとうに棄却した」と言明していることが事実か、どうか、という疑問にある。
2月29日には謝陣営がAITを訪問し調査を依頼した。
翌日から土日に重なったため、馬英九の側近で外交アドバイザーの憑寄台(元大使)らはAIT(米国協会=事実上の駐台湾米国大使館)幹部らと会合をもち、対策を協議した模様だ。
「場所は円山大飯店(グランドホテル)の八階にある特別喫茶室。米国側は「総統選挙に米国は中立、不介入」を約束した」(『自由時報』、3月2日付け)という。つまりデータの公表は総統選挙前に行わないともとれる。
米国では大統領民主党予備選レースでオバマへの熱が突如冷めた。オハイオ、テキサスの人口大洲では、小誌の予測通りヒラリー・クリントン上院議員が勝った。
「米国マスコミはオバマへの愛を不意に失った」とヘラルドトリビューン(3月6日付け)が書いている。
中国はおりから全人代の最中、台湾への強烈な干渉を避け、食品の安全とインフレ対策に終始する基調で全人代を乗り切ろうとしている。
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