評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析
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宮崎正弘の国際ニュース・早読み
発行日: 2006/11/20
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成18年(2006年)11月20日(月曜日)
通巻第1623号
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これぞ、「官場」政治の真骨頂。APECにおける胡錦濤主席
京劇の肯綮は、こうした中国人の劇的な演出にあり。
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京劇は歌舞伎に似て、しかし日本の歌舞伎とはまったく次元の違う世界である。
かつて訪日した江沢民は、宮中晩餐会に人民服で現れ、歴史を鏡とせよ、と述べた光景を、われわれは何時までも忘れないだろう。
あれほどの屈辱はなかった。
ハノイで開催されたAPECに日本、米国の首脳は、胡錦濤が滞在するホテルまででむき、そこで胡錦濤が鷹揚に出迎えて握手した。
プーチン大統領だけはこれを避けた。プーチンはロシア皇帝、むかしの「キタイ」(ロシアがシナをこう呼んだ)の皇帝より上だという認識からだろう。
日米は、まさしく疑似の「朝貢」を結果的に演じたわけである。
日中首脳会談は、小誌がつとに予測してきたように、「歴史を鏡」「靖国」「教科書」には一言も触れず、前向きのはなしに終始したが、胡錦濤は無言の特典をあげたのである。
江沢民が、よく日本の政治家を人民大会堂にむかえたとき、ふんぞりかえっての写真撮影をしたように、あの「演技」は皇帝を演じている。
これは中国の「官場」であって、人民に皇帝の偉大さをみせつける演技である。
「官場」は日本語にないので、説明しにくいが、中国の歴史認識からくる独特の政治術、京劇の盛り上げ方にも似ている。
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<< 今週の書棚 >>
たくさん寄贈本を頂きました。目下、猛烈に多忙のため下記に列記するにとどめ、後日あらためて書評させていただきます。
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荒木和博『内なる敵を乗り越えて 闘う日本へ』(草思社)
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内なる敵は、むろん偏向朝日新聞や日教組や、左翼文化人だが。
保守陣営の中にこそ敵がいる、と勇ましき主張を網羅したのが本書である。荒木氏は、拉致問題解決で活躍、とくに特定失踪者追求の戦陣をきる強者。
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桜林美佐『奇跡の船“宗谷”』(並木書房)
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南極観測船「宗谷」は戦後、日本が国際社会に復帰したおりの象徴的存在だった。その宗谷の誕生から海軍特務艦だった時代を経て、海のサンタクロースへ。長い取材を経ての労作。桜林女史は桜チャンネルのキャスターでもある。
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特攻最後の証言政策委員会『特攻 最後の証言』(アスベスト)
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人間爆弾「桜花」、人間魚雷「回転」、人間兵器「震洋」、人間機雷「伏龍」、人間兵器「マルレ」等々、八人の元特攻隊員にインタビューした貴重な記録となっている。図絵、写真多数。
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別宮暖郎『韓国の妄言』(並木書房)
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緻密な論客でしられる別宮氏には克明な司馬遼太郎批判の書が二冊あるが、その論理的緻密さで韓国が言っている出鱈目をえぐりだし、その過激なナショナリズムがなぜ起きてきているかを探りあてる。
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石本馨『戦争廃墟』(ミリオン出版)
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虚しくも哀しい戦場の跡地を、若いフリー・カメラマンの石本馨は小笠原から北海道のトーチカ群跡、特攻基地の廃墟を訪ねて歩いて、正確に、しかも芸術的にレンズに記録した。この写真は何かを呼びかけ、人々に涙と感動を誘う。迫力に富む写真集である。
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ジェームズ・キング著『中国が世界をメチャクチャにする』(栗原百代訳、草思社)。
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公害を”量産”し、汚染を輸出する中国
八月末に黒龍江省とロシア沿海州との国境・虎門でウスリー河に浮かぶレストランに入って食事、出されたスープを飲んだ。どぶ水の異臭がして吐きだした。それだけでも評者は二日間ほど下痢に悩まされた。
中国旅行の際にホテルの水でも信用できず歯磨きのうがいさえ、ミネラル・ウォータを利用している。水割りウィスキーは氷が危ないので絶対飲まない。
牡丹江は旧満州時代に日本酒がつくれるほどに水が綺麗だった。アカシアの大連は景観が美しかった。いまや煤だらけ、空気は汚れ、河川の水は飲めず、渤海湾はヘドロの海と化した。まさに産経新聞が比喩したように「汚水に沈む中国」の実相である。
喜びが二重という意味の重慶は世界最大の三峡ダムの上流に位置する。
三峡ダムは高さ185メートル、上流地域から百四十万人が立ち退き、貯水が開始され、発電も部分的に始まった。計画では今ごろ綺麗な水がたまっている筈だったのに汚水ばかり、土石流の集積場と化した。
恩恵をうける筈の重慶で地割れ、砂漠化が同時に発生し、当局は頭を抱えている。重慶は殺風景な重工業都市と化し、天秤棒をかつぐフリーター的な荷物運びが二十万人も市内のあちこちに屯している。坂が多く、中国で一番自転車が少ない町だからである。
蒋介石が拠点を築いていた時代の重慶は美しいとは言えないまでも水は飲めた。いまや環境汚染の悪名が轟き、とくに大気汚染世界ワースト・ファイブにはいる(タイム誌、10月7日付け)。
世界の経済誌、とくに日本のマスコミは、最近ようやく中国の公害のひどさ、河川の汚れ、ゴミの山を報道するようになったが「これこぞ次のビジネス・チャンス」などとする視点を重視し、海水淡化装置、脱硫装置、水処理施設などが巨大なビジネスに繋がるなどとノーテンキ極まりない態度である。
煽られて中国進出を急ぐ環境防止装置のメーカーが続いている。
さてチャイナ・ウォッチャーのベテラン、著者のジェームズ・キングはイギリスの名門老舗紙「ファイナンシャル・タイムズ」の北京支局長だった。かれの鋭い報告は日本のそれと天地の隔たりがある。
「パルプ、製紙、化学、染色、製革工場など何万もの小企業が(黄河の)両岸に立ち並び、有毒な廃液を川に流し始めた。1990年代の前半には被害の兆しは明白だった。水が飲料用に適さない地域が多く発癌率が全国平均の二倍に達した(中略)。中央がこの問題に取り組むと決めると、事態はさらに悪化した。問題の解決を命じられた地方当局が、貯水池やタンクに貯めてきた汚染水を流し、毒素に満ちた黒い潮流を下流へ解き放ったからで、およそ1200噸の肴が死に、数千人が、赤痢、下痢、嘔吐で治療を受けた」。
河川の汚染ばかりか、キングは現在の中国が抱える伝統的産業の崩壊、失業者の群れ、米中関係の険悪化などあらゆる難題を容赦なく暴き出し、鋭い批判のメスを入れる。
(この書評は『正論』12月号の再録です)
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(読者の声1)『週刊文春』(11月23日号)に「中国が北朝鮮との戦争に備えている」との記事がありました。北朝鮮の親中国派は粛清されてしまっているそうです。
(ST生、神奈川)
(宮崎正弘のコメント)土曜日の夜、たまたま来日中だった、池東旭(韓国の知日派ジャーナリスト)氏と食事をしたのですが、親中国派の張成沢は復帰した由です。
文春の記事は多少商業主義的視点ではありませんか。
ただし中国の舞台裏で本当に対北朝鮮政策をきめている二人の影の実力者の紹介があり、読み応えがありました。
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(お知らせ)小誌、地方講演のため明日(11月21日付け)が休刊となります。
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三島由紀夫氏第三十六回追悼会『憂国忌』
< プログラム >
(1800 開場)
1830 開演 (総合司会 菅谷誠一郎)
黙祷
開会の辞 篠沢秀夫(学習院大学名誉教授)
記念講演 村松英子「『薔薇と海賊』をめぐって」
共演者も登場 大出俊、伊藤高、若柳汎之丞
(休憩)
1940 檄文朗読 日本保守主義研究会の諸兄
1950 (即席シンポ 藤井厳喜、田中英道、富岡幸一郎、福田逸、
井川一久、中村彰彦、山崎行太郎、萩野貞樹、井尻千男、
司会=水島総)。
2040 閉会の辞 松本徹
(出演・発言者は予告なく変更されることがあります)
2045 終演
(三島由紀夫を通して日本を考えよう)
日本を代表する文豪、三島由紀夫氏が「楯の会」学生長の森田必勝とともに、憂国の諫死をとげてから早くも三十六年の歳月が流れました。
北朝鮮のミサイル、核実験。中国の反日など北東アジアの軍事・政治の緊張を眺めると、三島氏が予言したように我が国の将来が暗澹たる事態は些かも減じていません。憂国忌は、ボランティアと浄財だけで36年。「三島由紀夫氏の作品と訴えを通して日本の将来を考える機会」とするものです。
記
とき 11月25日(土曜日) 午後6時半(6時開場)
ところ 池袋東口「豊島公会堂」(別名「みらい座いけぶくろ」へは、JR、メトロ「池袋」駅東口、三越裏。豊島区役所隣り。電話は3984―7601)
会場への地図; http://toshima-mirai.jp/center/a_koukai/
会場分担金 おひとり千円(学生五百円)
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参加者には小冊子(12ページ)を差し上げます。
さらに詳しくは http://www.nippon-nn.net/mishima/annai/
どなたでもご参加頂けます!
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(宮崎正弘の三島由紀夫関連三部作)
『三島由紀夫の現場』(並木書房。最新刊発売中!)
『三島由紀夫“以後”』(並木書房、注文すれば入手可能)
『三島由紀夫はいかにして日本回帰したのか』(清流出版、絶版)
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<宮崎正弘の中国関係著作>
『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊、発売中)
『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店、発売中)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書、品薄)
『中国よ、反日ありがとう』(清流出版、注文すれば入手できます)
『中国瓦解』(阪急コミュニケーションズ、同上)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、同上)
『中国財閥の正体』(扶桑社、品薄)
『瀕死の中国』(阪急コミュニケーションズ)ほか。
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<宮崎正弘のロングセラーズ>
『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
『拉致』(徳間文庫、旧題『金正日の核弾頭』を改題、文庫化。品薄)。
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◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
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