中学の国語の教師いのっちが、授業につかえそうな情報をお届けします。
- 最新号:2007-02-12
- 発行周期:隔週
- 読んでる人:151人
- 創刊日:2001-08-05
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いのっちの国語教室70
発行日: 2003/12/6☆‥………………………………………………………………………‥☆
《いのっちの国語教室》 NO.70 2003/12/06
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今号は、「いのっち朗読館」の最新情報です。
Pubzineでお読みのみなさんへ
以下のアナウンスが届いています。
1999年3月の開始より、皆様にご愛顧いただいて参りました当サービスですが、
2004年2月9日を持ちましてサービスを終了させていただくこととなりました。
○いのっちの国語教室のPubzineでの発行はサービス終了まで継続しますが、
ぜひサービス終了前に他のメールマガジンへの登録変更をお願いします。
*〜今号の話題〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*
《いのっち朗読館最新情報》
・語り手(一人称人物)が直接に語りかけている地の文の読み声
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《いのっち朗読館最新情報》
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・語り手(一人称人物)が直接に語りかけている地の文の読み声
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このところ、朗読について具体的な読み声をもとにした情報交換をするために、
自分自身の読み声を「いのっち朗読館」というサークルにアップしています。
今回は、その最新の情報です。みなさんからのアドバイスなどいただけると、
ありがたいです。
「日刊・小学校教師用ニュースマガジン 779」の荒木茂さんの「地の文の
読み方(1)」に取り上げられている例文を読んでみました。
音声データのサイズの制約のため、例文4までしか録音できませんでしたが、
みなさんもチャレンジして録音して「いのっち朗読館」にアップロードしてみ
ませんか。
いつものとおり、
いのっち朗読館のURLの
http://circle.excite.co.jp/club.asp?cid=o1800233
サークルメニューの《音声データ・資料》に「地の文の読み:いのっち」ファ
イルとしてアップロードしました。
《荒木茂さんの朗読資料 引用紹介》――――――――――――――
(イ)語り手(一人称人物)が直接に語りかけている地の文
この地の文は、作品世界の中に語り手が一登場人物のように出現し、つまり
具体的なキャラクターとして登場し、当然のように口(顔、姿)を出し、聞き
手(読者であったり、一登場人物であったり)に向かって、語り手が直接に語
って聞かせている書かれ方になっています。
★(イ)の例文1★
広樹、あんたも、ここへきて、腰かけなれ。 わたしはな、お墓まいりにく
るとかならず、この鐘つき堂の石段に、腰おろして、ひと休みするんや。
いつもはひとりやけど、きょうは、うれしいな、孫といっしょで。
さあ、ここへおいで。
ここからは、村が、ひと目に見わたせる。
村のむこうを流れとるのが大川。丸山川の上流でな。
ずーっと流れて、日本海へ流れこむんや。(以下略)
森はな「じろはったん」
一人称の登場人物「わたし」が出てきます。この地の文は、おばあさんが
「わたし」という語り手となって登場し、わたしが孫の広樹に向かって語り聞
かせている地の文です。語り手のおばあさんの気持ちになり、孫に語り聞かせ
ている音調で音声表現するとうまくいきます。
★(イ)の例文2★
さあ、子どもたち、これからわがはいのぼうけんりょこうのお話をして聞か
せよう。
とてもほんとうとは思えないことばっかりだが、これは決してうそではなく、
ほらなのだ。だから、みんなわがはいのことを、ほら男しゃくと呼んでいる。
なに、ほらってなんですか、だって?
ほらは、うそとはちがうのだ。(以下略)
ビュルガー作、松代洋一訳「ほらふき男しゃくのぼうくん」
一人称の登場人物「わがはい」が出てきます。この地の文は、「わがはい」
が「子どもたち」に向かって語って聞かせている書かれ方の地の文です。
語り手が、自分のほら話を、自信たっぷりに自慢げに意気込んで語り聞かせ
ている音調で音声表現するとうまくいきます。
★(イ)の例文3★
これは、わたしが小さいときに、村の茂平というおじいさんから聞いたお話
です。
むかしは、わたしたちの村の近くの中山という所に、小さなおしろがあって、
中山様というおとの様がおられたそうです。
その中山から少しはなれた山の中に、「ごんぎつね」というきつねがいまし
た。(以下略)
新美南吉「ごんぎつね」
「ごんぎつね」の冒頭部分です。一人称「わたし」が語り手となって、「わ
たし」が村の茂平じいさんから聞いた話を読者(聞き手)に向かって語って聞
かせている書かれ方の地の文です。「わたし」の目や気持ちになって、きつね
のいたずら話を語って聞かせていく音調で音声表現するとうまくいきます。
★(イ)の例文4★
すずかけ写真館のことは、まだ、話していなかったね。え、なんだか、ふし
ぎな名前って? そう、たしかにふしぎな写真館だったなあ。
あれはこの家にくらすようになって、ほんの一月もすぎていなかった。
そうだよ。ぴっこも、たあぼうも、まだ生まれていないころだよ。
そのころ、うちには、自転車がなかった。まだ、買えなかったのさ。
会社の帰り、父さんは、夕暮れの道を急いでいた。(今夜のおかずはなにか
なあ)なんて考えながらね。
そんな時、声をかけられたのさ。
「もしもし、すみませんが。」
見ると、十字路のところに、せの高い男の人が立っていた。グレーの短いコ
ートを着、黒っぽい旅行かばんをさげていた。
「星の池はどこでしょうか。」
「さあ。」
と、父さんは、小首をかしげたよ。(以下略)
あまんきみこ「すずかけ写真館」
この地の文は「父さん」が語り手となり、わが子(ぴっこ、たあぼう)に向
かって、語り聞かせている書かれ方になっています。
「父さん」の目や気持ちになって子どもたちに語って聞かせている音調で音声
表現するとよいでしょう。
「父さん」は一人称でなく、三人称ですね。これは話し相手がわが子(ぴっ
こ、たあぼう)なので、たまたま語り手は自分「わたし」のことを「父さん」
という名称を使っているわけで、ほんとは語り手は「わたし」とか「ぼく」と
か「わし」とかであるべきはずのものです。ですから、「父さん」を、例えば
「わたし」と入れ替えて記述していったとしても、そのつもりで読んでいった
としても、少しもへんでなく、当たり前に、素直に読み進めることができます。
もともとは潜在する語り手「わたし」がいるのです。これは一人称人物の語り
手の変型と考えるべきものです。
作中に語り手がひょっこり顔を出し、口を出して、聞き手を想定して、語り
聞かせている地の文には、数は少ないですが、こんなのもあるから気をつけな
ければなりません。次のような例もあります。
★(イ)の例文5★
うう、さみさみ。これから、半日村の話をしようと思うんだが、そう思った
だけで、みぶるいが出る。
その村は、えらく寒い村なんだ。なんしろ、半日しか日が当たらないんだか
らな。
なぜ、半日しか日が当たらないかって?
そりゃ、後ろに高い山があるからさ。(以下略)
斎藤隆介「半日村」
この物語には、語り手、つまり「わたし」、「ぼく」などが、登場人物とし
て(文章となって)最後まで出現しません。しかし、この物語を読むと、明ら
かに語り手が読者(聞き手)に向かって、語り聞かせている文体の記述(書か
れ方)になっています。潜在する語り手は厳然と存在しております。ここでの
語り手は、口承伝承時代の語り部やお伽の衆のような語り方、現在の落語家や
講談師のような語り方になっています。つまり語り手は、作中に人物として登
場せず、半日村の人々が山を削る作業を一平がきっかけとなり次第に全村民が
共同作業する感動的な様子を、語って聞かせる語り口調で描写し説明していま
す。読み手は、潜在する語り手になって、読者(聞き手)に語って聞かせてい
る音調にして読むとよい文体になっています。これも、一人称の語り手の変型
と考えられます。
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《いのっち朗読館メニュー 紹介》
○お知らせ
・記号づけのし方について
○自己紹介・朗読談話室
・メンバーのみなさん自己紹介を書きこんでください
・アップした読み声への感想や、朗読についての情報交換など気楽にどうぞ。
○音声データアップ情報
・音声データ、資料の部分にアップしましたら、アナウンスをしてください。
○音声データ・資料
・みなさんの読み声、記号づけなどをアップしてください。
○みんなのカレンダー
・朗読の公演などありましたら、いつ・どこでやるのかなど書きこみくださ
い。
○ミニチャット
・こんなこともできるようです。時間を決めてフリートーキングもおもしろ
いかなあ。
○おすすめリンク
・おすすめのサイトなどありましたら、ご紹介ください。
○会員名簿
・メンバーの一覧が見れます。
○サークルのカスタマイズ
・オーナー用です。
○お知らせメール受取り
・オーナーからのお知らせメールを受け取る、受け取らないの設定が各自で
できると思います。
○名刺の編集
・自己紹介の情報を書きこむことができます。
○友達を招待
・このサークルにお友達を招待するときに、使えると思います。
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○感想等は本誌や私の開設したメーリングリストで紹介させていた
だくことがあります。
○無断転載をお断りします。転載希望の方はメールでご相談をお願
いします。
○発行者 井上秀喜 hideki55@fox.zero.ad.jp
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