夜羽細胞壁。 |
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
──────────
暗い部屋に刺す光が、
一すじありました。
カーテンも硝子も突き抜けて、
夢の中にいた彼を起こしました。
その光はしばらくの間、
力を弱めることなく、
刺し続けました。
結果、
彼の頭には大きな傷が残り、
生涯消えることはありませんでした。
──────────
みんなどこかへ行ってしまって
かなしくてかなしくて
泣いてばかりいた
みんなどこかへ行ってしまって
かなしくてかなしくて
うつむいてばかりいた
やさしい声がきこえて
すこしだけかなしいのが消えたけれど
やっぱりみんなどこかへ行ってしまった
そのことだけが心にのこった
みんなどこかへ行ってしまって
かなしくてかなしくて
泣いてばかりいた
泣いてばかりいたんだ
──────────
呼びかけても返事はない
当り前か部屋には僕独り
つまらないから名前を呼んで
返事を待つけれど返ってこない
手のひらにあるのは
鳴らない電話だけだから
僕の名を呼ぶ人は
ひとりもいないから
呼びかけても返事はない
当り前か部屋には僕独り
──────────
そのまま僕は闇の中
目を開けても
瞑っていても
真っ暗で何も見えない
そのまま僕は闇の中
──────────
春の日が
やがて夏になる
秋になって
そしてまた冬が来る
時計の音だけがやけにうるさく
コチコチ、チクタク、鳴り続ける
流れていく静かな時間は
とめどなくあふれて
積もることなく
留まらない
春の日が
やがて夏になる
秋になって
そしてまた冬が来る
冬が来たら
閉ざしたドアを開ける人がいなくて
春になるまで
そのまま凍えて待つだけ
その間も
時計の音は止むことなく
コチコチ、チクタク鳴り続ける
あふれてしまった時間は
何処へも行けずに
過去になって終わる
──────────
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
