ミステリー’z |
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┼─◇毎月5・15・25日発行◇無料◇─────────────────┼
_______ __ __ ミステリー’z 2000.12.25
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http://www3.plala.or.jp/mistery/ |_____|
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◇今回の発行部数:3676部◇
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│I│〔2〕HP更新状況<4万アクセス達成!> │I│
│N│〔3〕ミステリニュース<サイン会情報他3本> │N│
│D│〔4〕新刊情報<9作品> │D│
│E│〔5〕文庫化情報<6作品> │E│
│X│〔6〕今回のミステリ作品紹介<今年注目の3作品> │X│
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┼〔1〕ご挨拶───────────────────────────┼
こんにちは。ミステリー’z編集兼発行人のひでです。
今年の「このミス」「本格ミステリベスト10」「文春ミステリ」と有名ミス
テリランキングが出ました。文春では首藤瓜於氏の『脳男』がトップという
すごい結果でした。今年は、万人共通の大作がなく、人によって自分の中の
トップは違う、そんな年だったような気がします。ちなみに私の今年のベス
トは、井上夢人氏の『オルファクトグラム』でした。皆さんのNo.1は何だ
ったでしょうか?
┼〔2〕ホームページ更新状況────────────────────┼
▼いつの間にか、4万アクセスを超えました。ありがとうございました。今
後はメルマガだけでなく、HPでも色々な情報を追加していく予定です。
ぜひご覧ください。
▼リンクを2件追加しました。相互リンクサイトは随時募集しています。た
だし、HPのアドレスも書かずに連絡してくる方が結構います。最低限の
重要事項ですので、忘れずにお知らせください。
▼ホームページは年末、年始も随時更新していく予定です。情報が入り次第
更新しますので、ぜひご覧ください。
▼HP限定企画を追加する予定です。今年中にはアップしますので、是非ご
覧ください。
▼HPご訪問時にはぜひ掲示板へ書き込んでいってください。必ずレスをつ
けますので、ご感想等、ご意見等をぜひお願いします。
▽ミステリー’z⇒http://www3.plala.or.jp/mistery/
▽掲 示 板 ⇒http://cgi16.plala.or.jp/mistery/resbbs/resbbs.cgi
▽ゲストブック⇒http://www3.plala.or.jp/mistery/guest.htm
┼〔3〕ミステリニュース──────────────────────┼
▼掲載情報についてのお問い合わせは、連絡先がある場合はそちらまでお願
いします▼各種情報募集中。サイン会、映画化・ドラマ化、講演会等の情報
を教えてください▼HPでは、随時最新情報を掲載しています。こちらもご
利用ください ⇒http://www3.plala.or.jp/mistery/mysteryn.htm
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■梁石日氏サイン会開催
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梁石日氏が新作『死は炎の如く』(毎日新聞社新潮社、1800円)の発売を記
念してサイン会を開催する。詳細は以下。
日 時;1月12日(金)18時〜 要整理券
場 所:三省堂 神田本店 イベント会場
問い合わせ:03-3233-3312
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■北村薫氏サイン会開催
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北村薫氏が新作『リセット』(新潮社、1900円)の発売を記念してサイン会
を開催する。詳細は以下。
日 時;1月26日(金)17時30分〜 要整理券
場 所:三省堂 神田本店 イベント会場
問い合わせ:03-3233-3312
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■推理作家協会、HPオープン
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日本推理作家協会は、オフィシャルサイトをオープンさせた。ここでは、協
会に登録されている作家の自筆プロフィールや、協会主催の推理作家協会賞
及び江戸川乱歩賞の受賞者、候補者などが検索できる。アドレスは以下の通
り。
………HP⇒http://www.mystery.or.jp/
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┼〔4〕新刊情報──────────────────────────┼
▼発行日は出版社の事情により変更されることがあります。御了承下さい。
▼HPでは、随時新刊、近刊情報を更新しています。最新情報はこちらへ。
▼HP⇒http://www3.plala.or.jp/mistery/bookn01.htm
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12/25 『エレクトロンの悪夢』釣巻礼公 角川書店 1500円
介護用ロボット開発に取り組む元大手電気メーカー社員の花村は…。SFホ
ラー大作!
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12/25『地果て海尽きるまで 上・下』森村誠一 角川春樹事務所 1900円
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12/25 『スティームタイガーの死走』霞流一 勁文社 800円
気鋭が贈る、レイルウェイ・アクション。書下ろし大列車殺人!
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12/26 『ステーション』マイケル・フラナガン 角川書店 2600円
美しい駅を描いた38枚のイラストと物語を辿るうち、様々な人生と一つの悲
劇が蘇る…。
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12/26 『サン・ジャンの葬儀屋』ジョエル・エグロフ 角川書店 1000円
平穏すぎる町サンジャンでは、葬儀屋稼業もあがったり。そこに突然、人が
死ぬ。葬儀の後、従業員のジョルジュとモロは霊柩車で墓地へ。だが、遺族
とはぐれ道に迷う内、棺の死体に異変が!二人は事態を収拾できるのか
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12/26 『幽霊の径』赤川次郎 角川書店 1400円
黄昏の小径で出会った幽霊に、「あなたが生まれてきたのは間違いなの」と
言われた令子。それをきっかけに令子は、自分の出生の秘密を探り始める…
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12/26 『時宗 巻の2 連星』高橋克彦 日本放送出版協会 1600円
高橋克彦が挑む歴史巨編!成長した時宗の姿を描く。
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12/26 『死は炎のごとく』梁石日 毎日新聞社 1800円
大統領の屍におれの名前を刻み込んでやる!1974年夏。23歳のテロリストは、
大統領を標的に、韓国、北朝鮮、日本、アメリカの政治謀略が渦巻く闇の奥
へと疾走してゆく。
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12/30 『イタリア・奇蹟と神秘の旅』坂東眞砂子 角川書店 1200円
聖人アントニオの舌が残るパドヴァ、魔女が住んでいたといわれるトリオラ、
鞭打ち苦行の儀式が今も伝えられるチェリアーナ、魔都と呼ばれるトリノ。
直木賞作家がたどる、イタリア中世の謎と神秘の歴史。豊穣な旅エッセイ。
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┼〔5〕文庫化情報─────────────────────────┼
▼1月の文庫化情報は、今月中にHPにアップします。
▼HP⇒http://www3.plala.or.jp/mistery/bookn02.htm
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12/下『赤川次郎公式ガイドブック』 郷原宏 王様文庫 495円
12/下『ストーキング・ホース』 ジル・マゴーン 創元推理文庫 660円
12/下『スパンキイ』 クリストファー・ファウラー 創元推理文庫 840円
12/下『妻に捧げる犯罪/盲目の鴉』 土屋隆夫 創元推理文庫 1200円
12/下『的の男』 多岐川恭 創元推理文庫 920円
12/下『エルミタージュの罠』ロバート・カレン
ミステリ・コレクション 952円
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│〔6〕│今回のミステリ作品紹介 │
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今回は、今年注目の3作品を紹介します。1作目の『動機』は、今年推理作
家協会賞を受賞した味のある短編集です。2作目の『ネバーランド』は、今
年一気に人気作家へと上り詰めた恩田陸氏の作品です。そして3作目の『幽
霊刑事』は、有栖川版ゴーストとして人気を集めた美しい作品です。どの作
品も読んで損はないと思います。機会があればぜひ読んでみてください。
▼本多孝好氏のデビュー第1作目『MISSING』の書評をHPで公開していま
す。初のHP限定書評です。
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■『動機』横山秀夫
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00/10 文藝春秋 1571円 ISBN4-16-319570-X
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●横山秀夫(よこやま・ひでお)
1957年、東京都生まれ。国際商科大学(現東京国際大学)卒業。上毛新聞社で
12年間の記者生活の後、フリーライターに。児童向けノンフィクションや漫画
原作等を執筆。91年、『ルパンの消息』で第9回サントリーミステリー大賞佳
作を受賞。98年、『陰の季節』で第5回松本清張賞受賞。00年、「動機」で第
53回日本推理作家協会賞(短編部門)受賞。
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横山秀夫氏の名前を、今年まで知らなかった読者は多いと思う。私自身もまた
その一人である。そんな氏が今年、日本推理作家協会賞短編賞を受賞。そして、
受賞作を表題作とした本作が「このミス」を初めとする各種ランキングで高い
評価を受けた。文学賞受賞作や、ランキング入賞作が、読者の評価と大きくず
れることはよくあるが、本作にはその心配はいらない。読了後には、高評価の
意味を十分に理解できる作品である。
本作は、推理作家協会賞受賞作「動機」を初めとする4編が収められた短編集
である。「動機」では、一括保管された30冊の警察手帳紛失の謎を描く。また
「逆転の夏」では、刑務所から社会復帰した男にかかる殺人依頼の意味を、
「ネタ元」では地方紙の女性記者に向けられた引き抜き話から始まる物語を、
「密室の人」では、法廷で居眠りした裁判官の失態とその意味をそれぞれ描く。
前作『陰の季節』では、警察内部の一般には知られることの少ない部署を舞台
にそこに生きる人間像を、謎解きを中心にしながら描いている。しかし、本作
では警察だけではなく、様々な場所、様々な人間がその中心にいる。前作もそ
うだが、一見すると最近流行の情報ミステリ的な作品かと思ってしまう。しか
し、確かに珍しい舞台は用意されているが、それは本質ではない。
本作の魅力は、圧倒的な緊迫感にある。それぞれは他人にはあまり大きな意味
を持つ事件ではないが、主人公たちの切迫感、現実感といったものが読者には
ひしひしと感じられる。そしてもう一つの魅力が、結末にある普遍性である。
小説で描かれ続けてきた普遍的なものには、家族、友情、恋愛等といったもの
があるが、氏の短編の背景には常にそれがある。そしてその普遍的なものは、
徹底的に高められた緊迫感の解放と共に、安堵できる存在、意味として描かれ
る。
この両者の絡み合いが、短編の短さの中で密接に引き合うことで、互いを惹き
たて、作品としての完成度を高めている。そして、導入部の入りやすさ、中盤
のサスペンス性、後半の逆転、結末の安堵感といった構成の見事さと共に、深
い味わいをもって、心地よい読後感を与えてくれる。ともかく、2000年を飾る
にふさわしい作品である。
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☆一言書評☆
【るかさん】このミス2位!ということで、期待して読んだ。文章はすごく
簡潔で洗練されている。無駄がない。自然。スピード感。主人公が「犯人」
を推理する描写は、不思議と気持ちが寄り添うのを感じました。上質のミス
テリーとは、どんなトリックを使って犯罪がおこなわれたのかではなく、そ
こにどんな「動機」があったのかをうまく組み立てられているのかというも
のだろう。読者が納得できるような。そして、この小説にはそれがあった。
けして意外ではない結末でありながら、この小説が評価された理由なのだろ
う。
【Akioさん】
「動機」
警察手帳の紛失事故防止を狙った新制度、「一括保管」がテスト導入されたU
署で大量の警察手帳が盗まれた。内部犯行か? 犯行の動機は? 背後にある
のは警務部と刑事部の対立か? 二世警察官ゆえの警察観を胸に、「一括保管
制度」の起案者である貝瀬は組織での生き残りと信念を賭けて真相究明に向か
うが、記者発表の時間が迫る。派手さはないが、緻密な文章で書き上げられた
本作品はまさに職人技。日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞した珠玉の短
編。
「逆転の夏」
十年余の服役生活を経て無事社会に復帰した山本の元に謎の電話がかかる。用
件は殺人の依頼。そして、山本を新たな犯行に駆り立てる様々な出来事。果た
して謎の人物の真の目的は何なのか? 山本を取り巻く人間模様を落ち着いた
筆致で描いた書下ろしの名作。
「ネタ元」
地方新聞の記者、水島真知子は独自の情報ルートを持っていた。それゆえか、
主婦殺しの真相をめぐってエスカレートする各社の紙面と取材合戦のさなか、
全国紙から真知子に引き抜きの手が伸びる。取材の現場を舞台にした臨場感
溢れる作品。
「密室の人」
裁判官が法廷で居眠りをした。実直な裁判官、安斎にとっては取り返しのつ
かない失態だった。所長の厳しい言葉により、穏やかだった安斎の生活は一
転、緊張感に包まれる。結末の意外性は小さいが、うかがい知るチャンスの
少ない裁判官の生活は興味深く読める。気の利いた小品。
収められた4作のコメント。ちょっと誉め過ぎかもしれない。しかも、あり
きたりの誉め言葉で。それにしても、「動機」と「逆転の夏」が頭一つも二
つも抜けているのは間違いないはず。僕にとっての要注意ライター誕生!
この後読みたくなった「陰の季節」、ネットで注文したが二週間経つのにま
だなんの連絡もないのが悲しい。
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■『ネバーランド』恩田陸
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00/07/10 集英社 1500円 ISBN4-08-774463-9
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恩田小説の魅力は、冒頭部に集約されているといっても過言ではないだろう。
その作品を生かすも殺すも冒頭部にあるといってもよい。例えば本格もので
は淡々としながらもその後に起こる壮大なるストーリーを期待させてくれる
序文がある。サスペンスものでは、一気に気持ちを盛り上げてくれる勢いが
ある。そして、恩田小説には、その冒頭の一文を読んだ瞬間から一気に作品
世界へ放り込まれる味わいがある。
年末、高校の学生寮「松籟館」に残ることを決めた美国。彼と同じく、寛司
と光浩も残ることになった。そこへ近くに住む通学生統を含めた4人の生活
が始まる。夜になりゲームの敗者への罰として始まった「告白」。最初の敗
者となった統は、母を殺したのが自分ではないかという不安と母の幽霊の話
しをする。そんな彼らが朝起きると、首吊り死体を模した人形が部屋に飾ら
れていた。そして次の日からも続く告白ゲームは、それぞれが胸のうちに秘
めた秘密を明らかにしていく。昼間は何事もなかったかのように仲良く暮ら
し、夜には秘密を共有していく。そんな彼らの生活の終わりに待つものとは。
よく友達が少ないという悩みをぶつけられるときがある。そして、誰しもが
同じ悩みを持っていることに気付かされる。自分のすべてを知ってくれてい
る人、虚飾を剥いでつきあえる人、そんな友人を誰もが求める。だがそれは
同時に自分自身を深く傷つけることもある。そして深く分かり合えばあうほ
ど、他人の心の苦しみを自分が抱えなくれはならないうざったさもある。い
つしかそんなことがどうでもよくなり、利害関係やそんな世俗にまみれたつ
きあいしかできなくなっていったりもする。
本作では、それぞれが学校内で演じてきた役柄を破棄し、新たな自分自身と
して他人とぶつかり合っていく、そんな青春小説の側面が強い。作者が後書
きで書いているように、さわやかすぎる面もあるが、心の内は皆結構ダーク
である。しかしそれを4人だけの学生寮という舞台を作ることにより、暗さ
だけでない明るさをも取り込んでいるところが、この作者のこだわりであろ
う。最後にちょっとしたミステリ的な仕掛けをするところには、作者の遊び
心であろうか。それともそこにこそ本作の書かれた意味があるのかも知れな
い。
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☆一言書評☆
【カツエイさん】同じ年齢の子供同士がそれぞれに心に澱を持っており、そ
れを吐露することによって友情を深め、それぞれの道へとしっかり踏み出し
ていく。さすが恩田作品です。4人の高校生みんなが主人公であり、かつ必
要不可欠な脇役とも感じられました。ついついこの作品に引き込まれてしま
いました。
【yuriさん】恩田陸さんの書かれる本は、どれも題名がステキです。どの本
の登場人物も、恩田陸さんの美意識にそって書かれていて、ここに出てくる
少年達の健気さには、思わずガンバッテと声をかけたくなりました。
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■『幽霊刑事』有栖川有栖
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00/05/30 講談社 1800円 ISBN4-06-182122-9
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純愛という言葉は永遠不変のテーマであり、様々な小説で様々な答えが示さ
れている。渡辺淳一氏の『失楽園』が出た頃には不倫こそ純愛であるといっ
た答えもあった。そして本作でもまた、純愛の答えが出されている。どこに
真実を見るかは人によって自由である。本作の答えもまたある一面からみれ
ば真実の純愛ということになるのであろう。
神崎達也は、理由も分からず上司の経堂課長に射殺された。そして彼が気付
いたとき、彼は幽霊になっていた。誰にも気付かれることなく浮遊していた
彼であったが、同僚の早川刑事だけが彼に気付く。イタコの血をひく早川は
唯一彼の存在に気付き、話しをすることもできる。そんな早川と共に彼は経
堂課長が何故彼を殺したかを探り始める。だが経堂課長は密室と化した取調
室で射殺体となって発見される。自殺なのか、他殺なのか。それぞれが秘密
を抱える仲間の刑事たち。彼が再び自分の殺された海岸に戻ったとき、すべ
ての真実が明らかにされる。
有栖川ミステリは、本格ミステリの味を生かしながらも、そこに繊細な文章
と叙情的な雰囲気を組み合わせた絶妙なバランスが魅力である。本作でも、
幽霊となった主人公が、同僚の刑事の協力を得ながら自分自身の殺人事件を
解明していく本格ミステリの味と、幽霊となり恋人にすらその存在を証明す
ることのできない哀しさと恋人への想いがうまく絡み合い、両者がお互いの
良さを引き立てる魅力を出し切っている。
人は死ぬことを恐れる。死とは生の延長線上にあり、この世に生を受けた瞬
間から、人は死へとつながる道を歩み続けることを知っている。にも関わら
ず死を恐れるのは、自分自身が生きたという証を失っていくその恐怖なのだ
ろうか。かつて神戸で連続殺人を起こした少年の送った声明文の中にあった
言葉「透明な存在」。人は人と触れあうことでしか自分の存在を証明できな
い。つまり死ぬことは自分自身の存在を証明できないことと同義である。
純愛と死と本格。本作は、様々な謎と多くの答えを秘めた大きなテーマに正
面からぶつかった魅力的な作品である。
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┼〔7〕編集後記──────────────────────────┼
先日放送された「安楽椅子探偵」。ネット上ではあくまでフェアにとのこと
で、回答締め切りの8時以降に急激に各所で推理合戦が繰り広げられていま
した。実際私自身も色々考えてましたが、どうしても決め手に欠けるな〜と
思っていたら、結局締め切りを過ぎてしまいました。というわけで、色々な
人の推理を見て、足りない部分を知ったり、そういう考えもあるのかと思っ
たり、色々と面白かったです。実際の正解はどうなのでしょうか。というわ
けで、今年最後のミステリー’zはいかがでしたでしょうか?また来年もよ
ろしくお願いいたします。次回発行は来年15日になる予定です。それでは、
良いお年をお迎えください。ひででした。
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│T│Copyright(C)1999-2000 ミステリー’z All rights reserved.
│A│◇本誌に掲載された記事を許可なく無断転載することを禁じます。 │
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☆今日の一言☆
1.4東京ドーム大会で橋本・長州戦が決定。どうかな?橋本何のために解
雇したのかな?ていうか何で長州、現役復帰するかな?ともあれ、見ちゃう
んだろうな、これが。
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