金正日vs.SARS:週刊アカシックレコード030624
発行日時: 2003/6/24■金正日vs.SARS〜週刊アカシックレコード030624■
新型肺炎SARSに対して、中国人は次々に感染し重症化し死亡するのに、韓国・朝鮮人はほとんど感染せずだれも死亡しない。但し、例外的に金正日総書記だけは死亡する可能性がある……とご本人は思っているのではないか。
【入港拒否なら子供を殺す?】
北朝鮮の貨物船「スーヤンサン」号が、国際条約の定める安全基準を満たしていないことを理由に、富山県港湾当局(法律上の決定権者は富山県知事)から富山港への入港を拒否され、沖合いに停泊(富山新聞Web版03年6月13日 < http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_today/T20030613003.htm > )。
すると、富山県知事宛てに「富山市内の子供25人を殺す」という脅迫文(時事通信Web版03年6月17日)が…。
以前にもインターネットの掲示板で「富山で子供を殺す」という予告があったそうですが(03年6月17日放送のフジテレビ『ニュースJAPAN』)予告した者と今回の脅迫文(メールでない)の筆者が同一だという証拠はなく、しかも急に脅迫対象が「県知事」になるのは不自然(富山市の子供を殺すなら、市長を脅すべき)……と、もうおわかりですね。
(>_<;)
県知事が脅しに屈せず入港(覚醒剤陸揚げ?)を断固拒否したので、スーヤンサンは荷降ろしを諦め中国に戻るとか( < http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_today/T20030621001.htm > )……脅しに屈しなければ敵は何もできません。
但し昔「敵」に献金していた(元)敵国籍の焼肉屋さんは(狂牛病騒ぎで焼肉屋を廃業して衣料品販売に転業したから、といった口実で献金を止めると)復讐される恐れがあります。
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■SARSに怯える金正日〜シリーズ「SARSの方舟」(3)■
【前回 < http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/genome/sars.html#02 > より続く。】
SARS(重症急性呼吸器症候群、新型肺炎)が、02年秋から中国を中心に世界各地に蔓延し、数千名の患者と数百名の死者を出しているが、03年6月現在、日本人の患者はゼロだ。
いまのところ、韓国も患者3、死者ゼロ( < http://www.who.int/csr/sars/country/2003_06_20/en/ > )で、日本並みに安全な状況にある。また、北朝鮮も患者はゼロだ。
●北朝鮮、SARSを厳戒●
が、北朝鮮は、飢餓による栄養不足と、経済破綻による公衆衛生インフラの貧困(病院施設の老朽化や不衛生化、医薬品の不足)とにより、国民全体が感染症に弱い状態にあり、ひとたびSARSが侵入すれば、国家崩壊につながりかねないほど、大量の患者、死者が出る、という予測もある。
そこで、北朝鮮では「体制の存亡をかけて」厳戒態勢をとっているそうだ。
「テレビでは連日SARS防止情報を流し、中国などSARS発生国からの入国者は10日間の隔離措置」をとり「自国民は国内移動を禁止、中国との国境貿易は事実上、停止」し、さらに「北京と平壌を往復する北朝鮮・高麗航空も5月6日から運航停止」だという(産経新聞03年5月25日付朝刊1面)。
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SARSは日本を襲わない
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●万景峰号が来ない理由●
北朝鮮経済は、中朝貿易への依存度が高いので、それを停止するのは死活問題だろう。が、幸いに、もう1つの重要な貿易相手国である日本が、いまだにSARS患者のいない「安全国」なので、北朝鮮は日朝貿易に唯一の望みを託している。
日朝貿易の最大の動脈は、大型貨客船「万景峰(マンギョンボン)92」号などの船便だ。が、03年5月20日に、米上院公聴会で、北朝鮮の元技師が「万景峰号などを使ってミサイル開発部品の90%が日本から運ばれてきた」と証言したため(読売新聞Web版03年5月21日 < http://www.yomiuri.co.jp/features/eank/200305/ea20030521_41.htm > )日本国内では「万景峰号入港阻止」の世論が沸騰した。
にもかかわらず、北朝鮮当局は03年6月9日に新潟に入港させる予定だった(産経新聞Web版03年5月24日 < http://www.sankei.co.jp/news/030524/0524sha076.htm > )。中朝貿易がなくなったいま、日朝貿易までなくなれば、少なくとも北朝鮮指導層の日用品の充足に支障が出るのは確実で「背に腹は替えられない」からだ。
ところが、直前になって、万景峰号は北朝鮮からの出港を取りやめた(産経新聞Web版03年6月8日 < http://www.sankei.co.jp/news/030608/0608sha059.htm > )。理由は「安全性検査のポートステートコントロール(PSC)を実施すれば(億単位の改修費用が必要だが、北朝鮮の財力では賄えないので、貨物船としてはともかく客船としては事実上)航行停止となるから」と国土交通省筋などは推測する(京都新聞Web版03年6月8日 < http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/2003jun/08/K20030608MKE1Z100000055.html > )。
しかし、北朝鮮に詳しい重村智計(としみつ)拓殖大教授は、出港中止の理由は「石油の手配がつかなかったから」であって、日本の世論や検査態勢とは関係ないと断言する。
いままで万景峰号が新潟に入港する度に給油していた、新潟の石油会社が今回「給油しない」と宣言していたのが効いた、と重村は言う。
元々、94年の米朝枠組み合意に違反して北朝鮮が核開発を行っていたことが暴露されたため、02年12月から、米朝合意に基づいて米国が北朝鮮に与えてきた重油の供給が停止されていた。そのうえ、北朝鮮の数少ない友好国の1つ、ロシアも、代金を外貨で前払いしないと石油は売らない主義で、こちらからの輸入も絶望的。さらに、03年4月中旬以降、SARSによる中朝国境貿易の停止で、中国からの石油輸入も難しくなった(03年6月14日放送の読売テレビ『ウェークアップ』)。
いままで、万景峰号は毎回、北朝鮮の港で片道分の石油50KLのみを積んで新潟に入港し、そこで、満タン(200KL)になるまで給油を受けて戻るので、差し引き150KLの石油備蓄を北朝鮮国内にもたらしていた(つまり、万景峰号は「小型タンカー」でもあったのだ)。
北朝鮮の年間の石油消費量は50万KLで、日本の半日分にすぎないが、03年6月現在、米露中いずれからの輸入も困難なので、ほかの事情がどうであろうと、これだけで万景峰号の出港は不可能だ。
【03年5月23日に北朝鮮当局が新潟県に提出した入港予定表では、6〜9月に10回の入港を予定しており、その1回目は6月9日、2回目は6月23日だった(朝日新聞Web版03年5月28日 < http://www.asahi.com/special/nuclear/TKY200305280326.html > )。が、結局2回とも入港はなかった(毎日新聞Web版03年6月23日)。】
そして、石油の手当てが付きさえすれば、一度の入港で150KLの石油と在日朝鮮人からの上納金数億円(「福岡の元焼肉屋一家4人」などから?事実上脅迫して「上納」させたカネを含む日本円を、何百人もの乗客1人ずつに、外為法規制の上限100万円ギリギリの額だけ持たせる)などのメリットは最低限得られるので、万景峰の新潟入港は強行されただろう(『週刊ポスト』02年12月13日号 < http://www.weeklypost.com/jp/021213jp/edit/edit_1.html > )。
その場合は(いままではともかく)覚醒剤などの違法取引は自制し、PSC検査に基づく改修は上記の数億円で賄って「万景峰の潔白」を在日朝鮮人と日本の世論に宣伝しただろう……が、石油不足のため、そうした宣伝の機会はなくなった(から、在日朝鮮人の離反、帰化が進むだろう。但し03年6月20日に発覚した福岡の元焼肉屋一家4人惨殺事件から「帰化後の帰化妨害」を連想して帰化を思い留まる者も出るだろう)。
【「帰化後の帰化妨害」については、以下の拙著『ラスコーリニコフの日』を参照。】
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●中国より日本が頼り●
したがってもちろん、万景峰号の出港取りやめは、中国で流行したSARSが日本経由で北朝鮮に感染するのを防ぐためではない。
また、日本の世論が北朝鮮のミサイル開発に厳しくなったから、でもない。その証拠に、万景峰号以外の、比較的小型の貨物船は、6月9日以降、盛んに日本各地の港に入港し、当然のように、貿易を求めている(が、厳しい世論を受けて、海上保安庁や各県港湾当局が厳しい検査を実施するため、思うように入出港できていない。産経新聞Web版03年6月15日 < http://www.sankei.co.jp/news/030615/0615sha087.htm > )。
以上から、北朝鮮当局がSARS対策に関して、中国を信用せず、日本を信用しているのは間違いない。かたや世界最多の患者、死者を出す危険国、こなた患者ゼロの安全国なのだから、当然と言えば当然だが、「日本の世論より中国のSARSのほうがこわい」という北朝鮮の本音が見えて、興味深い。
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●韓国を信用しない不思議●
さて、日本と同様に、韓国もほとんど患者のいない「安全国」だ。
したがって当然、中朝国境貿易の停止で経済の苦しい北朝鮮は、韓国との交流にも活路を見出そうとするはず……だが、なぜか逆のことが行われている。
SARSが韓国から流入するのを防ぐためと称して、北朝鮮は、貴重な外貨収入源である韓国からの金剛山観光ツアーを4月末から停止し、さらに5月には、韓国の野党、自民連の金鍾泌(キム・ジョンピル)総裁の訪朝も断った(産経新聞03年5月25日付朝刊1面)。
数か月間に5000人以上の患者を出した中国と、たった3人しか患者を出していない韓国を同列に扱うのはいかにも不自然だ。
そこで、韓国との交流制限は「すでに北朝鮮にSARS患者が出ており、それの拡散防止、発覚防止のためではないか(患者発生がバレると日朝貿易が日本側から停止され、経済が壊滅状態になるから)」とか「金正日総書記自身が感染を恐れている(から)」という臆説まで飛び交っている(産経新聞03年5月25日付朝刊1面)。
しかし、北朝鮮側が、6月9日ぎりぎりまで日本への出港にこだわった(石油の手配がつけば必ず新潟に来たはずの)万景峰号は、大型貨客船であり、これが大勢の人(とSARSウイルス入りの「飛沫」)を乗せて日朝間を移動すれば、金剛山観光ツアーと同様の感染拡大(すでに北朝鮮国内で患者が出ている場合は、その発覚)の危険がある。
とくに、すでに患者が出ている場合、北朝鮮国内でSARSの飛沫を吸い込んで感染し、潜伏期間中に万景峰号に乗って来日し、そのまましばらく日本に滞在する者(工作員?)がいれば、その者から日本に感染が広まり、それによって北朝鮮へのSARS流入がバレる恐れがある。
にもかかわらず、なぜ韓国(人)だけを危険視し、日本(人)との接触を待望するのか?
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●北朝鮮のウイルス研究●
理由は、たとえ3人とはいえ、韓国で患者が出たことを重視したのではないか。
3人、という数は、韓国人が日本人より「遺伝的に」SARSに感染しやすいことを意味しないし、また、韓国の防疫・公衆衛生体制が日本より劣るということでもない。
他方、韓国に多数の工作員を潜入させている北朝鮮諜報機関にとっては、たった3人の氏素性を調べるのは簡単だ。また、核兵器のほか、生物化学兵器の開発も疑われている北朝鮮軍には、優秀なウイルス研究者がいると推定されるから、彼らは独自に収集した情報をもとに(国家の存亡をかけて)SARSを研究し、その韓国における感染経路を突き止め、また日本人が感染しない理由についても(世界で最初に?)一定の仮説を得たのではないか。
香港大学のマリク・ピエリス教授は、主として中国人を検査して「健康なヒト(中国人)の血液には、SARSのコロナウイルスの抗体はない」(から、今回初めて動物界から人間界に侵入したウイルスだ)と断定した(小誌前回記事 < http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/genome/sars.html#02 > を参照)。
が、北朝鮮の研究者にとっては、SARSに中国人がかかるかどうかはあまり重要ではない。朝鮮人および在日朝鮮人がかかるかどうかが重要なのだ。
もし、北朝鮮のウイルス研究者が「健康な日本人の血液サンプルからSARS抗体(またはそれと同じように肺炎を防ぐ何物か)を発見した」と金正日に報告したら、たとえそれが妥当性の乏しい仮説でも、誤報でも、北朝鮮にとっては、体制崩壊の危機につながりかねない問題だ。
SARSは子供では重症化しない、というすでに世界に知られた事実に、この仮説(誤報)を付け足すと、前回紹介した「(江戸時代の疫病流行などで)日本人は全員(幼児期に)SARSに感染済みで、すでに免疫抗体を持っているので、感染しても重症化しない」という説が成り立ってしまう。
そしてこの抗体は、日本の植民地統治により朝鮮半島にも普及していることになる。植民地朝鮮では日本国により多数の学校が建てられ、完璧な日本語教育が行われたが、これは、当時、朝鮮人の子供の大半が、日本人教師からSARSに飛沫感染したことを意味する。
もちろん子供は感染しても発病せず、抗体ができるだけだから問題ない。抗体保有者は成人後SARSウイルスに感染しても健康なままそれと共存し、かつ飛沫をとばして周囲の子供を次々に感染させ、抗体を作らせる(但し抗体のない大人に感染した場合は、そこで「風邪をこじらせて死亡」する者も出る)。これは、もし事実なら、日本の植民地支配が朝鮮半島にもたらした「恩恵」と呼んでよかろう。
問題は、朝鮮半島にはごくわずか、この「恩恵」に浴しえない者がいることだ。
たとえば、韓国建国後、初代大統領李承晩(イー・スンマン)のように、日本の植民地時代の「飛沫」を幼少期に浴びずに他の外国(亡命先の米国や中国)から韓国に戻った者(とその子孫)はわずかだが、いる。韓国の3人のSARS患者が(前回紹介した台湾の「外省人患者」と同様に)そういう少数派のなかから出たとすれば、北朝鮮にとって事態は深刻だ。
なぜなら、北朝鮮にも、植民地時代には外国で過ごして、戦後朝鮮半島戻ってきた者(の子孫。戦後台湾に移住した、中国大陸出身の「外省人」のような者)がいるからだ。ほかならぬ、金正日(キム・ジョンイル)がそうなのだ。
北朝鮮の「正史」では、金正日は、抗日パルチザンの英雄だった父、金日成(キム・イルソン)が朝鮮民族の聖地、白頭山にいるとき、そこで生まれたことになっている。
が、実際は、金日成はソ連のスパイ(本名は金成柱)だったため、金正日はソ連領のハバロフスクで生まれたのだ(2003年2月14日放送のNTV『ザ・ワイド』で紹介された露テレビ局の97年のドキュメンタリー番組、レオニド・ムレーチンの『赤い皇太子、玉座の後継者』)。
もし北朝鮮の諜報機関が韓国の3人のSARS患者の素性をつかみ、彼らが「外省人」であると判明していたら、SARSは「幼児期に日本人の飛沫を浴びた人には感染しない」という仮説はかなり正しくなり、同時に、植民地時代に朝鮮にいなかった金正日はもっとも感染、発病しやすいことになる。
そして、感染したら(たぶん発病するので)たとえ死ななくても、彼の政治生命は終わりだ。
なぜなら、彼が、朝鮮半島の外(ソ連領)で子供時代を過ごしたことが疑われ「聖地白頭山で生まれた」という神話に傷が付くからだ。
●SARS恐怖症●
日米韓はじめ世界各国に、北朝鮮の違法な核開発を非難する世論が高まっている。そんな中で、もっとも北朝鮮に融和的な国は、北朝鮮の暴発で国土を侵略され「一夜にして」経済的繁栄を失うことを恐れる韓国だ。
03年5〜6月に行われた、対北朝鮮包囲網を形成するための米韓、日米、日韓の首脳会談を通じて明らかになったことは、日米韓のうちもっとも北朝鮮に融和的なのは韓国だという現実だ。韓国は、いまだに自国民の拉致問題を北朝鮮に抗議せず、「太陽政策」という名の、テロ国家支援策(野放図な援助のたれ流し)を続けている。
その韓国の有力政治家、金鍾泌が北朝鮮を訪問してくれる、というのは、北朝鮮にとって国益にかなうことだった。彼が個人で訪朝したところで集団感染の恐れはないし、彼に病院や地方都市への視察をさせなければ、北朝鮮にすでにSARS患者がいたとしてもバレる心配はない。
にもかかわらず、金鍾泌の訪朝を断る、という北朝鮮の異様な対応を、もっとも合理的に説明できる理由は、「金正日が『日本統治下で育った朝鮮人とその子孫(だけ)はSARS抗体を持つ』と(筆者の仮説を)信じて、自身への感染を恐れているから」ではあるまいか。
もちろん筆者の仮説がはずれている可能性はある。
が、独裁国家の場合は、独裁者が「バカな思い込み」をしても、だれもそれを止めることができない。金正日がSARSではなく「SARS恐怖症」という別の病気にかかって、理由もなく韓国要人の訪問を拒絶したとすれば、それはまさに滑稽であり、金正日体制の崩壊が遠くないことを思わせる。
【次回は「事実上の経済制裁兵器」の予定。】
(敬称略)
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