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小泉が殺したかも:週刊アカシックレコード020920
発行日時: 2002/9/20■小泉が殺したかも〜週刊アカシックレコード020920■
北朝鮮による拉致事件の被害者の安否情報の、北朝鮮政府から日本政府(外務省)への伝え方、日本政府から被害者家族を含む日本国民への伝え方は甚だ不明確で、生死は未確認と言わざるをえない。この段階で軽々しく死亡したと「確認」してしまうと、それを見た北朝鮮政府が、まだ生きている(かもしれない)拉致被害者を皆殺しにする恐れがある。
【帰化妨害】
毎日新聞Web版(2002年9月18日11時42分)によると、17日の、北朝鮮による国家犯罪としての拉致「告白」と被害者多数の死亡発表を受けて、在日朝鮮人への脅迫電話や、朝鮮学校女子生徒の制服(チマ・チョゴリ)への「斬り付け」などの嫌がらせが相次いでいるそうです( < http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020918-00001031-mai-soci > )。但し、この記事を書いた記者は冷静で、犯人(実行犯、教唆犯)が日本人とは断定していません……そうなんです。小誌記事「『日本人として恥ずかしい』は考えもの」( < http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/dragon/kyogen.html#shame > )で既報のとおり、犯人は日本人でない可能性があります。
北朝鮮がテロを行う下劣な国だとわかれば当然、多くの在日朝鮮人の方々は祖国に愛想をつかし、日本に帰化したくなるはずです。それを阻止したい、という明白な動機は北朝鮮(の諜報機関)にあり、日本政府にはありません。もし、実行犯が逮捕されずその国籍も判明しないうちから「同じ日本人として恥ずかしい」などと断定する日本人がいたら、まずその人の「背後関係」を疑うべきです。
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■小泉が殺したかも〜日朝交渉は金正日失脚まで待つべきだった■
【今回は前回の「トップ下」コラム
「(まだ生きてるかもしれない)有本恵子さんへの『口封じ』を阻止せよ」
< http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/y2002/nk.html#02 >
の関連記事です。】
●北朝鮮政府と「いま」交渉する必要があるか●
日本は過去に朝鮮半島を侵略し、植民地支配したのだから、そのことを北朝鮮に謝罪し、与えた損害を賠償する(賠償に代えて経済協力を与える)べきだと言う意見がある。
また、北朝鮮が拉致やテロやミサイルの開発・輸出のような野蛮なことをしないようにするためにも政府間で対話をし、国交を結び、関係を正常化して国際社会に取り込むべきべきだ、との主張がある。
さらに、北朝鮮は経済が破綻して食糧不足で多くの国民が飢えに苦しみ、数百万人が餓死しているから、人道的見地からの食糧援助を、日本政府は北朝鮮に与えるべきだとの意見もある。
仮にこれら3つの意見がすべて正しいと仮定しよう。
しかし、だからといとって、いま(2002年秋)それらを実行すべきだと言う理由はない。
日本が謝罪、賠償、援助をするのが正しいとしても、その相手は北朝鮮の「国民」であり、その国民を苦しめている独裁者ではないはずだ(国民の1割以上が飢える中、国内総生産GDPの半分を軍事費に注ぎ込むような独裁政権に援助を与えても、それが一般国民に届く保証はない)。
そもそも、北朝鮮政府には、日本に賠償を要求する資格などない。「日本の植民地支配によって苦しめられた」と北朝鮮政府は言うが、日本の植民地時代には朝鮮半島住民が何百万人も餓死するような飢饉や飢餓はなかった。北朝鮮国民には言論の自由がないので、国民のホンネは表に出ないが、地獄のような飢餓に苦しむ彼らには、日本の植民地支配を受けていた時代は「天国のような素晴らしい時代」として思い起こされている可能性だってある。
飢饉、飢餓という形で北朝鮮国民を何百万も「虐殺」している政府に、一度もそのレベルの被害を与えたことのない日本国の政府がなぜ謝罪や賠償をしなければならないのか。世界史的に見ても、誠に理解に苦しむ論理である。どう考えても、戦前の日本の植民地統治者のほうが、現在の北朝鮮の政府指導者より、こと経済政策にかんする限りは朝鮮をうまく統治していたことは間違いない。日本は感謝されてもいいぐらいだ。
もしいま日本軍が北朝鮮に侵攻したら、北朝鮮の、軍はともかく、一般民衆は、喜んで無条件降伏するのではないかと思われる。どの政府に支配されるのがマシか、がわからないほど朝鮮民族は愚かではないはずだ。
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●「崩壊」するまで待て●
2002年9月12日、訪米中の小泉首相はブッシュ米大統領と会談したが、この席で「北朝鮮に、核・ミサイルなどの大量破壊兵器(WMD)のほかに、(南北の軍事境界線をはさんで韓国と対峙している、戦車や歩兵などの)通常兵力の削減も求めてほしい」と釘を刺された。会談後に小泉首相も記者団の前で「(北朝鮮が)韓国にピストルを突き付けたような状態で(北朝鮮と)交渉することはできない」と述べたので、このことの重要性を認識したのは間違いなく、従って、9月17日の日朝首脳会談の席でも言及したはずだ。
が、日朝首脳会談後に採択された共同宣言文書(平壌宣言)には「通常兵力削減」の文言はなく、「北東アジア地域の平和と安定云々」とぼかされている。なぜか?
理由は明白だ。金正日の権力基盤は軍であり、通常兵力削減とは「軍のリストラ」(支持基盤の掘り崩し)だからだ。もし、共同宣言に「通常兵力削減」などと盛り込んでしまったら、軍が金正日に怒り「いつクーデターが起きてもおかしくない」(産経新聞2002年9月18日付朝刊2面「金総書記 米政権にらみ『決断』」)(したがって、ブッシュが小泉に刺した「釘」は、日朝交渉を失敗に追い込むための罠であった可能性もある。これについては別の機会に検討する)。
おそらく、17日の会談で金正日は、通常兵力への言及を避けるため、あらゆる努力をしただろう。もっとも効果的な方法は日本側の最大関心事である拉致問題に日本側の神経を集中させ、そちらで大幅に譲歩することで、通常兵力問題への追求をかわすことだ。
拉致問題での譲歩とは何か……それは、北朝鮮が拉致の事実と責任を認めて謝罪し、拉致被害者のうち生存者を帰国させる(死者の場合は帰国させない)ことだ。
●4通りの返し方●
さて、拉致被害者を日本に帰国させる、つまり「返す」となると方法は4通りある:
#1 洗脳して(北朝鮮に不利なことを言わないようにして)返す(または、北朝鮮国内で家族に会わせる)
#2 洗脳せずに、または洗脳に失敗した状態で、正気で返す(暴行を受けた傷痕を抱えて戻る場合もある)
#3 遺体、遺骨にして返す
#4 死んだという情報だけ返す(とっくに死んだことにして、遺体も何も返さない)
このうち北朝鮮政府にとっていちばん都合がいいのは「#1」だ。これなら、北朝鮮への日本内外の世論の非難(とくに、在日朝鮮人の祖国への「愛想づかし」)は相当程度、回避できる。
17日昼に一時、有本さんら3人の「一時帰国」の情報(読売新聞Web版2002年9月17日12時55分 < http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020917-00000106-yom-pol > )が、日朝関係筋の話として報道されたところを見ると、北朝鮮当局もなんとかして2〜3人ぐらいは返したい、と努力したのではないか(3人のうち2人は男性の松木薫、石岡亨の両氏で、警察庁が北朝鮮に拉致されたと断定した11人には含まれない「灰色」の拉致被害者だった)。
拉致被害者が洗脳されて帰国して「私は共和国(北朝鮮のこと)で幸せに暮らしている」と「証言」してくれれば、北朝鮮は「拉致疑惑は誤解であり、真相は自発的意志による移住」と言い張ることができる。
拉致被害者の家族も、日本の国民世論も「一部帰国」を評価する者とそうでない者に分断される恐れがある。そうなれば北朝鮮は日本側の「拉致批判」を封じ込め、外交交渉上極めて有利な立場に立つことができる。
北朝鮮政府は、自分たちの手先を使って1969年にハイジャックした大韓航空機のスチュワーデスを拉致して洗脳し、共産主義体制の忠実な信奉者に仕立てて「対南(韓国向け)宣伝放送」に出演させ、その韓国人家族の心をずたずたに傷付けたことがある(産経新聞2001年3月10日付朝刊5面「北に消えた『YS11』」)。また、近くは日本で、オウム真理教の教祖が、高学歴の信者を次々にマインドコントロールにかけて批判能力のない操り人形にした例もある。北朝鮮当局が拉致被害者を洗脳しようと考えるのは、至って当然のことだ。
17日当日の「日朝情報筋」の話だけでなく、事前の週刊誌等の報道でも「(有本さんら)一部の被害者だけ帰国」の予測がしきりに流れていたのは、北朝鮮政府が「#1」を追求したからに相違ない。
が、なんらかの理由で「#1」は失敗した。洗脳を担当する技官が北朝鮮の経済失政による物価高や給料の遅配に怒ったからか、あるいは、その時点で生存していた被害者が洗脳されにくいタイプの人ばかりだったからか(最初から試みなかったからか)とにかく成功しなかったことは間違いない。
となると、残る選択肢は#2、#3、#4しかない。
このうち「#2」の「正気で帰国」は北朝鮮側には耐え難い。帰国した拉致被害者が被害の実態(とくに望まない結婚や妊娠、中絶、暴行や拷問、洗脳の実態、あるいは産んだ子供を取り上げられ、国家権力によって勝手に「金正日の崇拝者」として育てられたことなど)を訴えれば、北朝鮮は日本どころか世界中の非難を浴びる。また被害者が、日本の警察の事情聴取で「11人以外にも○○さんという拉致被害者がいる」と答えれば、その度に「灰色」は「黒」に変わり、拉致問題はいつまでたっても解決しない(から、日朝の国交交渉は停滞し、北朝鮮は国交正常化後に受け取るはずのカネをいつまで経っても受け取れない)。
「#3」も司法解剖で死因などが詮索され「つい最近殺された」とわかると、「つい最近までテロ国家だった」ことになり、日本内外の非難の集中砲火を浴びるので、危険だ。
結局、いちばん「安全な」選択肢は「#4」、つまり殺しておいて、または死んだことにして「返さない」となる。
●生きて帰れる唯一の可能性●
2002年9月17日に北朝鮮側が「死亡」と告げてきた(警察庁が認定した北朝鮮による拉致被害者11人のうちの)6人全員が、2002年8月30日の、小泉訪朝決定の時点で生きていた可能性は高くないだろう。が、全員が死亡していた可能性もまた高くない。なぜなら、彼らを北朝鮮特殊部隊がわざわざ日本から拉致して来た(17日の日朝首脳会談における金正日の発言)のは生かしておいて何かをさせるためであり、拉致被害者は衣食住や医療のサービスでは(飢餓に苦しむ北朝鮮の一般国民よりも)優遇されていたはずだからだ。粗末に扱ってすぐ死なせてしまうなら、元々拉致する必要はなかろう。
となると、今回亡くなった(ことになっている)6人が1人も生きて帰れなかった理由の1つが、日朝首脳会談を設定したことである疑いも出てくる。この拙速な首脳会談さえしなければ、生きて帰れた可能性のある人は何人かいたかもしれないのだ。
では、どうすれば「生きて帰れた」のか?……北朝鮮の金正日体制を崩壊させればよかったのだ。すでに北朝鮮の経済は破綻の危機に瀕しているから、あとひと押し、在日朝鮮人から本国への送金停止や、カネの運び屋である在日朝鮮人が北朝鮮に行った場合の、日本への「再入国禁止」などの制裁措置で痛め付ければ、遠からず崩壊するはすだ。
「とどめを刺す」方法は北朝鮮内部の軍事クーデターでも、米国の武力攻撃でもなんでもいい(攻撃すれば、誤爆で北朝鮮国民は巻き添えになるが、どっちみちいまでも毎日大勢が餓死し続けているのだから同じことだ。「民間人の犠牲」は北朝鮮への武力制裁をためらう理由にはならない。犠牲を最小限にするには、両者を組み合わせて、金正日の現体制に「内憂・外患」を同時に与え、国連軍や米軍の、北朝鮮への戦争を事実上「不戦勝」にする手もある)。
そうやって政権が交代してしまえば、「ポスト金正日」の新政権は「拉致はすべて旧政権の悪い独裁者の仕業」ということにして、全責任、全真相を明らかにできる。もちろん、生存者が帰国して日本で「拉致被害」の実態を証言しても、新政権は、失うものは何もないから、安心して帰国を許し、むしろそのことを通じて日本国民に恩を売り、自らを(金正日よりマシな)りっぱな指導者として印象付け、援助を引き出そうとするだろう。日本国民だって、そういう事態になれば、喜んで復興支援に血税を出す気になるだろう。
なぜ、金正日体制を追い詰め、潰さなかったのか。なぜ潰れるまで待てなかったのか。
●死亡を「確認」したのはだれか?●
9月17日、北朝鮮政府は日本政府の安否「確認」要請に応じ、拉致被害者「11人+α」の生死を告げた。
が、それは具体的な証拠や詳細な説明を伴うものではないから、およそ「確認」と呼べるような代物ではない。にもかかわらず、日本のマスコミが17日夜「死亡が確認された」と報道したのはなぜか……小泉首相が「確認」したからだ。
2002年9月17日午前、小泉首相が、被害者の生死を告げられたあと(と亡くなった方の命日と死因を記したリストを見せられたあと)、
「どこで、どんな病気や災害で死んだのか、墓はどこにあるのか、遺体、遺骨、遺髪、遺品、DNA鑑定書や死亡診断書はあるのか……それらがなければ死んだとはみなさない」
「死亡確認ではなく『調査中』と受け取る」
と言えば、あるいは共同宣言文書に署名しなければ、マスコミは「確認された」とは報じなかったはずだ。
が、小泉首相が首脳会談の席で「(拉致された人が大勢死亡したことに)強く抗議する」という言葉で(うっかり?)死亡を確認し、文書にも署名したため、マスコミも「確認した」と報道してしまった。
こうなると、北朝鮮当局者は、たとえ有本さんらがその時点で生きていたとしても、もう生かしておくわけにはいかない。
北朝鮮の体制は動揺している。それは、外交常識に反する国家犯罪(拉致)を認めたうえでの謝罪や、飢餓・貧困に耐えかねて中国などへ逃れる大量の「脱北者」を見れば明らかだ。
体制が盤石なら、有本さんらをどこかの牢獄に「岩窟王」のように閉じ込めて生かしておくこともできるだろうが、体制が動揺し、国を棄てる者が相次ぐ中ではそれは危険だ。とくに今後増えるであろう政府高官や軍人の亡命者が外国で「実は有本さんらは生きている」と証言したらどうなるか……その瞬間に日朝国交正常化交渉は中断に追い込まれ、北朝鮮政府は国交正常化後に受け取ることになっている経済援助をなかなか受け取れず、経済的に極めて苦しい事態に追い込まれるではないか。
となると、小泉首相が有本さんらの死亡を(証拠もなしに)「確認」した瞬間から、北朝鮮当局者は、たとえ彼女らが生きていて、生かしておく意志が少々あったとしても、彼女らを殺さざるをえない立場に追い込まれたことになる。
将来、北朝鮮の現体制の崩壊後、歴史の真相が明らかになったとき、「あのとき小泉首相が『確認』しなければ、何人かの日本人の命が助かったのに……」と後世の史家やジャーナリストが悔やむ可能性は十分にある。
つまり、彼女らを殺したのは、北朝鮮ではなく小泉、ということになる。
「北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟」(拉致議連)の西村眞悟・自由党衆議院議員が「(11人のうち)一部の者の生存を確認、他は調査中」となった場合、日本側がそれで満足して国交交渉にはいってしまうと、北朝鮮側は今後拉致問題で国交交渉が妨げられるのを防ぐために(「調査中」とは洗脳の失敗など、なんらかの理由で日本人に会わせることのできない、「口封じ」したほうがよい拉致被害者を指すと考えられるから)「調査中」の拉致被害者を全員殺してしまう恐れがある(フジテレビ『報道2001』2002年9月15日放送)と事前に指摘していたことを考えれば、小泉の不見識は、日本国の首相であるだけに、許し難い。
相手をまともな国家と思うからいけないのだ。オウム真理教と同様の犯罪(テロ)組織と認識していれば、北朝鮮側の「死亡確認」を鵜呑みにすることなどありえない。これは外交交渉ではなく、誘拐殺人の常習犯を相手にした「人質解放交渉」と認識すべきだ。凶悪な誘拐殺人犯は人質を殺したあとに身代金(賠償または経済協力)を要求する場合もあれば、身代金だけもらってそのあとで人質を殺す場合もある……相手は誘拐殺人鬼なのだ。「強く抗議する」などといった、まともなにんげんの心情に訴えるようなことをしても無駄だ。やつらに通用するのは、経済制裁、武力制裁などの「脅し」だけだ。現に北朝鮮の外交路線が柔軟になってきたのは、米ブッシュ政権が2001年に北朝鮮を「悪の枢軸」と呼んで恫喝したあとではないか。
上記の筆者の見解は単なる「仮説」ではある。が、この仮説に基づかない限りすくなくとも、2002年9月17日の時点で、有本さんら6人のうち生存していた拉致被害者がいた場合、殺されてしまうことは確実なのだ。
被害者家族の心情を考えれば、日本国民の生命を守る最高責任者である首相は、最後まで「死んだ証拠がない限り生きているとみなす」という仮説に基づいて行動すべきではなかったか。
しかし、小泉にはそうした慎重な配慮はなく、だからこそ軽率にも「崩壊前」の独裁者と交渉し、急いで交渉をまとめようとする愚を犯し、生存者の「最後の可能性」を摘み取ってしまったのだ。
(一部敬称略)
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