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共謀しない黒幕:週刊アカシックレコード020725

発行日時: 2002/7/25

■共謀しない黒幕・ネット編〜週刊アカシックレコード020725■
住基ネット(住民基本台帳ネットワーク)は技術上制度上は安全だが、某勢力の画策により、小泉内閣崩壊、自民党分裂、あるいは石原慎太郎内閣の誕生などにつながる「引き金」とすべく、人工的に混乱が引き起こされるようだ。

【『週刊東洋経済』に登場】
小説『龍の仮面(ペルソナ)』(佐々木敏著、本体\2500)で注目された筆者は、雑誌『週刊東洋経済』からコラムの執筆依頼を受けました。テーマは「日本史上の真の変革者」で、筆者が選んだ人物は「非情の仮面(ペルソナ)に殉じた男・大久保利通」(仮)です。8月上旬(か中旬)発売予定ですので、発売日がわかりましたらお知らせします。

雑誌発売前に「ペルソナ」についてお読みになりたい方は、小説を御覧下さい。

拙著のご注文は → < http://www.kinokuniya.co.jp/04f/d01/sinjyuku.htm >
■共謀しない黒幕・ネット編〜住基ネットで政局が動く(2)■
【前回の記事 < http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/y2002/isihar.html#01 > から続く。】

筆者は本誌Web版で、2001年3月17日、小泉純一郎(現首相)が自民党総裁選に出馬する「前」に1年以内に小泉内閣ができると予言(でなくて科学的に予測)して、的中させた( < http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/usout.html#koizumi > )。理由は、米国の政権が民主党(原発派、親中国派、日本軽視派)から共和党(石油派、親台湾派、日本重視派)に交替したからだ。

90年代、クリントン米民主党政権は、アジアを蔑視して米投機筋によるアジア通貨危機を引き起こし、「中国バブル」に目を奪われ、目先の中国利権の追求にうつつをぬかし、日本を軽視し、自由主義国家・台湾への武器供与を渋り、共産独裁国家・中国の軍拡を容認し、中国の台湾侵略を防ぐ盾となるMD(ミサイル防衛)の実戦配備を(それが技術的に不可能なものと見せかけるために開発実証実験の回数を減らすなどの姑息な手段で)故意に遅らせようとするなど、東アジアの民主主義と市場経済に有害な(ある種人種差別的な)政策をとっていた。

こうしたクリントンの反アジア、反日政策の一翼を日本国内で担っていたのが、日本国内最大の親中国派勢力である自民党の橋本派、なかんずくその実力者である野中広務元幹事長と、彼に代表される道路族、郵政族などの「族議員」だった。

彼らは日本が、安定した市場経済大国として、またアメリカの同盟国として、中国の侵略主義に対抗するのを「阻止」するため、意識的に日本の国力を落とす政策を推進した。そのために彼らは日本経済の回復につながる行財政構造改革や金融機関の不良債権処理を故意に遅らせて、ゼネコンを儲けさせるだけの無駄な公共事業に税金を浪費し、連立内閣のパートナーである社民党(の有力支持基盤である自治労)に配慮して(98年に自民党と社民党の連立が解消されるまで)IT産業基盤の整備や地方行政のネット化による地方公務員の人員削減も妨害した。また、日米同盟の強化やそのためのまともな有事法制の整備、MDの推進もサボり、台湾を外交的に冷遇し、中国が台湾海峡に配備するミサイルを増強しているのを知りながら、それを財政的に側面から支援する円借款などのODA(政府開発援助)を中国に供与し続けた。

橋本派(の野中)は橋本派の小渕恵三首相が2000年に急死したあとも、後継首相の森喜朗の最大支持基盤として、首相を遠隔操作したため、森自身は橋本派でないのに「橋本派支配」は続いていたし、また、クリントン米民主党政権は「日米貿易摩擦の解消のためにも内需の拡大を」と日本に外圧をかける形で、橋本派と族議員の主導する「無駄な公共事業」を奨励した。

●首相の首をすげ替える「大きな勢力」●
が、2001年1月に米国の政権が共和党のブッシュ政権に替わると、日本に無駄な公共事業を求める外圧は止まり、逆に構造改革・不良債権処理による日本経済の本格回復と日米同盟強化を求め始め、「なぜか突然」森は退陣に追い込まれ、橋本派の支援を受けない小泉純一郎が政権を握った(この間、米共和党は、諜報機関などを使って日本の世論を操作し、「小泉待望論」を多数意見とするために日本のマスコミを巧みに誘導したと推測される)。

2001年4月、小泉は米共和党の期待どおり首相になった。が、その後、小泉は期待を裏切った。
彼は首相就任当初「自民党をぶっこわす覚悟で(構造改革を)やる」と言ったが、党をぶっこわさず、大人しく自民党の総裁であり続けた。彼は、彼の改革に反対する橋本派や族議員などの「抵抗勢力」の抵抗に遭うと、政治家として当然のことをしなかった。

「当然のこと」とは、自民党総裁としての権力(次期国政選挙における公認権)やスキャンダル暴露などの脅しを使って政敵を恫喝し、圧倒し、それができなければその政治生命を奪って路頭に迷わせることだ。

維新の英雄・大久保利通は明治初頭の大改革で、近代的国民軍創設と財政再建のため武士階級を消滅させ、失業した武士すなわち「不平士族」(抵抗勢力)の不満を買って暗殺されたし、自民党を離党して非自民連立内閣を作った小沢一郎は「小選挙区制による政策本位の政権交代のできる体制」をめざしたばかりに旧来の万年与党型「族議員政治」を懐かしむ政治家(同志)に次々に離反され、小政党の党首に転落した。つまり、「痛みを伴う大改革」は敵を作らなければできないのだ。

が、小泉は抵抗勢力を「説得」して「味方」にすることにのみエネルギーを使い「敵を切り捨てる」覚悟はなかった。そのうち、改革のための説得が本末転倒し、味方を確保するためだけの「説得のための説得」に変質し、財政構造改革も不良債権処理もさして進まなくても、政権運営に必要な「味方」をつなぎ止めるための「実を捨てて名を取る」法案を通すことで満足するようになった(つまり「改革のための政権」でなく「政権のための政権」になった)。

また、小泉は日米同盟の強化でも失敗した。
中国の台湾侵略を防ぐ(技術的に、ではなく)「政治的に」有効な最大の盾はMDで、MDの最大の構成要素として予定されているのは、極東では海上自衛隊の保有する高性能駆逐艦「イージス艦」なので、MDの極東における円滑な運用のためには、日本がイージス艦を最大限活用することが不可欠だ。そこで、米共和党は2001年9月以降の「反テロ戦争」に日本が参加する際、海自のイージス艦を索敵・情報収集の後方支援分野で実戦投入し経験を積ませることを強く希望した。小泉もこれに同意し、いったんはイージス艦のインド洋派遣を決めた。

が、(台湾を侵略したい中国の意を受けた?)野中と、野中に説得された山崎拓・自民党幹事長の反対に遭うと、小泉はあっさり派遣を断念した。その後も反テロ戦争は続いているので、米側はイージス艦の派遣を求め続けているが、小泉は野中らの言いなりになって派遣できずにいる(これはけっして「日本が主体的に判断して平和のためにイージス艦を出さない」のではなく「米国の要請どおり反テロ戦に参戦する振りをしながら、中国の侵略主義者を恐れて対米協力を中途半端にした」という情けない事態なのだ)。

【MDと台湾(と北京五輪)の関係については拙著『龍の仮面(ペルソナ)』をお読み下さい。原則的に本件の質問メールはお受け致しかねます。】

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2002年5月に訪米した自民党の山崎幹事長(任命したのは小泉自民党総裁)に、米政府高官がイージス艦派遣を「再度」打診したが実現せず、また6月のカナナスキスG8サミットで小泉首相は不良債権処理や行財政改革の具体策・具体的日程を示せず、その後の国会でもなんの意味もない形だけの郵政民営化法案(信書便法案)を成立させたほかは、具体的な改革の成果は何一つ示せなかった。

おそらく5〜6月に米共和党政権と諜報機関(CIA?)の対日工作責任者は、小泉を退陣させ、不良債権処理とMD推進のできる保守派政治家「たち」の政権にすげ替えることを検討したはずだ。そうでなければ、なんのために森内閣を「潰した」のかわからない。

【共和党は、日本が不良債権を抱えたまま経済力を落とすことを米国の国益とは考えない。中国は見かけは大きいが政治的に不安定で国家分裂の危険を抱えているうえ、地続きの未確定の国境線が多いため戦争の危険も絶えず、地政学上脆弱で「安全保障のコストが高く」とても米国の同盟国にはなれないのに対して、日本は分裂の危険がなく国境線もすべて海で安定しており、未来永劫、米国の市場、投資先、同盟国として確実に機能しうるからだ。
日本を軽視し、中国を重視しようとする米民主党の一部勢力は、米政財界で主流派になれなかった連中の「負け惜しみ連合」であり、彼らの親中国路線は、一時的な利益を求めた場当たり的なもの、地政学の王道を無視したいびつなもので、米主流派の国家戦略にも米国の国益にも、長期的には合致しない。】

小泉の失敗から得られた教訓は、首相個人に改革の意欲があっても、その政治基盤(与党)にそれがなければどうしようもない、ということだ。だから、米共和党は、首相個人のキャラクターに依存せず、構造改革や日米同盟強化に賛成の、あまり族議員的でない、浮動票の得られる知名度を持った都市型政治家を幅広く結集して、そういう政治勢力(○○新党)全体を、小泉政権と入れ替える、と考えているのではあるまいか。

そう思って、住基ネット反対を表明している国会議員や文化人の顔ぶれ(国民共通番号制に反対する会 < http://kokuminbango.hantai.jp/ > の賛同者一覧 < http://kamakuranet.ne.jp/~seki/kb/list.html > )を見ると、興味深い。
自己保身のために住基ネット反対を唱える地方公務員労組とそれに支持された左翼勢力、左翼文化人を除くと、国会議員では自民党の22名、すなわち亀井静香(元警察官僚)、中川昭一、小林興起、塩崎恭久らが目立つし、民間人では佐々淳行(元内閣安全保障室長、警察官僚)、櫻井よしこら保守系文化人の大物が多い。彼らは総じて(ハト派=親中国派ではなく)伝統的な保守派で、親台湾派、危機管理重視派(有事法制にも日米同盟強化にも賛成)で、この30年間の日本政府の対中国(対北朝鮮)弱腰外交に批判的なのだ。

このうえ、亀井と佐々は石原慎太郎・東京都知事の永年の盟友であり、小林は自民党内の親台湾派議員連盟の中心メンバーで、言うまでもなく石原は台湾の陳水扁総統の就任式に出席するほどの親台湾派で反共主義者だ。そして、塩崎は参議院議員の舛添要一らとともに小泉内閣の経済政策に否定的で、インフレ目標設定などの抜本的な対策を打てと主張している……これはいったい何を意味するか?

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●「凍結法案」の攻防●
野党が現在開会中の通常国会に「住基ネット凍結法案」を出す可能性はあるが、上記の亀井ら、自民党内の反対派国会議員が政府・与党に造反して野党に同調しても、過半数に達しないので、否決されてしまう。凍結法案が衆議院を通るには造反議員は(衆議院だけで)50名必要で、自民党の「住基ネットを考える議員連盟」(小林興起会長)のメンバーは50名は集められると豪語している(産経新聞2002年7月24日付朝刊5面)が、それが実現しても国会の日程から見て、参議院で審議し可決できるほど国会会期は残っていないから、結局「凍結法」は成立しない。

この「衆院だけ通過」の場合は、小泉内閣(の住基ネット政策)が衆議院で「不信任」されたのに、法律上は「凍結」されていないので8月5日には予定通り稼働する、という、小泉内閣をゆさぶりたい犯罪的ハッカー(クラッカー)にとっては誠に興味深い(サイバー攻撃の大義名分が得られる)事態になる。クラッカーの悪意で8月5日以降に混乱が起きれば、マスコミや野党が「民意と国会(衆議院)を無視して住基ネットを強行した内閣の責任」を追求するのは必至だ。

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●「住基ネット政局」への道●
8月5日以降、稼働中の住基ネットが大混乱を起こせば(あるいは、小さな混乱を「大混乱だ」とマスコミが報道すれば)野党と上記の自民党議員22名は一斉に小泉内閣を非難する。幸か不幸か8月5日は通常国会閉会(7月31日)後なので、たとえ稼働初日に混乱が起きてもただちに内閣不信任案の提出、可決という事態にはならない。

が、上記の22名は(親台湾派の同志を募りつつ)小泉内閣を批判し自民党を離党する大義名分を手に入れたことになるから、小泉は「秋に臨時国会を開けば即不信任」という事態にもなりうる。

かつて93年には小選挙区制導入を核とする小沢一郎(当時自民党)らの政治改革路線が自民党執行部に否定された際、小沢ら数十名の自民党(竹下派、現橋本派)代議士が自民党を離党して新生党を結成し、直後の衆議院総選挙で躍進して、共産党を除く全野党と連立して非自民連立政権を作り、首相には無党派層の支持の強かった細川護熙元熊本県知事を据えた。

よく、石原慎太郎が総理になれるかどうかを論ずる際に「他人の面倒見が悪く永田町で人望のない石原が『石原新党』を作れるのか」という議論があるが、無意味なことだ。93年の細川(当時は日本新党という小党の党首)を思い出せば、べつに「知事出身の無党派候補」は、自身で国会議員を何百人も抱える大政党など作らなくてもよいことは明らかだ。つまり、小沢一郎(や亀井静香)のような国会対策に長けた「寝業師」に頼んで非自民勢力を結集する「連立方程式」を解いてもらって枠組みを作り、その上に「象徴的に」乗っかればいいだけだ(石原新党など自力で作らずとも、小沢一郎の自由党に「間借り」してもいい)。

93年の細川と小沢の関係は2002年の石原と亀井の関係にかなり似ている。93年に小沢らが自民党を割って政局を大転換したように、2002年に亀井が自民党を割って出れば、戦後日本史上かなり大きな変化が起きると予測できる。

【明らかに「建設族議員」である亀井が「自民党の族議員政治に引導を渡す」とすると、妙な感じだが、93年に小沢とともに自民党に叛旗を翻した連中のなかにも族議員はかなりいたのだから、さほど驚くには値しない。
族議員は万年与党(自民党)にいれば無駄な公共事業の元凶だが、党を替われば「自動的に」ライバル政党に勝つための「より効率的な公共事業の提唱者」になる。これは、ペルソナの問題であって、政治家個人の資質や人柄とは関係ない。詳しくは上記の『週刊東洋経済』の拙稿か、拙著『龍の仮面(ペルソナ)』を参照。
亀井は最近はなぜか唐突に「死刑廃止を推進する議員連盟」( < http://www1.jca.apc.org/aml/200112/25812.html > )の会長になり、社民党の保坂展人のような左翼政治家や人権派弁護士との接触に熱心だし、小沢の自由党も地方選挙では社民党、共産党との選挙協力を進めているから、2人は「非自民連立石原内閣」の実現のために国会議員の数が足りなくなったら、93年のときのように左翼勢力に頼るつもりなのだろう。単なる「数合わせ」や「理念なき野合」になる恐れは大いにあるが。
まあ、住基ネットを数年凍結してくれれば「石原でも亀井でも喜んで支持する」(靖国神社参拝問題なんかどうでもいい)という自治労組合員は少なくないだろうから、案外「誘惑」は左翼側から来るかのではないか。】

では、そのような「政局」につながる住基ネットの大混乱は、技術上どんな「共謀しない」手口で引き起こされるのか?
【それについては、次回。】
(敬称略)

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