3位:週刊アカシックレコード020528
発行日時: 2002/5/28■トルシエ「準決勝に進むな」の真意〜週刊アカシックレコード020528■
サッカー日本代表のトルシエ監督の「日本は(2002年)W杯準決勝に進むべきでない」という発言は暴言ではない。
【3位に浮上〜実質1位】
拙著『龍の仮面(ペルソナ)』は、先週2002年5月20〜26日の紀伊國屋書店新宿本店「週間ベストセラーズ・フィクション部門」売上げ部数ランキングで第3位になりました(下の表の☆は初登場、◆はサイン会を含む)。1〜2位はいずれも本店でサイン会を開いた結果一時的に多数売れたもので、3位は実質1位です。しかも2週連続のベスト10入りです。ご協力 < http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/dragon/okehaz.html#okehaz > 有り難うございました(順位表は新宿本店1Fで配布中です):
1 ◆『沙高樓綺譚』 (浅田次郎 徳間書店02/05刊 \1600)
2 ◆『初夜』 (林真理子 文藝春秋02/05刊 \1333)
3 『龍の仮面(ペルソナ)』 (佐々木敏 徳間書店02/05刊 \2500)
4 『波のうえの魔術師』 (石田依良 文藝春秋01/08刊 \1333)
5 『悪魔のパス天使のゴ−ル』 (村上龍 幻冬舎02/05刊 \1600)
6 『バカラ』 (服部真澄 文藝春秋02/05刊 \1905)
7 ☆『本能寺の変』 (津本陽 講談社02/05刊 \1600)
5 『ライオンは眠れない』 (S・ライダ− 実業之日本社01/11刊 \857)
9 ☆『ゴッホ殺人事件<上>』 (高橋克彦 講談社02/05刊 \1700)
10 ☆『ゴッホ殺人事件<下>』 (高橋克彦 講談社02/05刊 \1700)
【本店に君臨】
先々週(5月13〜19日)は「6位」だったので、拙著は先週1週間、新宿本店「奥」の1階と2階の間の踊り場で、他の9冊とともに展示されました。「ベスト10」の展示方法は飾り棚全体を左から「文庫」「フィクション(単行本・新書)」「ノンフィクション(同)」の3列に分け、さらに各列を3段に分けて最上段に左から1〜4位、中段に5〜7位…と並べます。このため拙著は真ん中の列、真ん中の段の、さらに真ん中、まさに全体の「ど真ん中」に置かれておりました。おまけに、全展示本30冊の中でいちばん厚くて高くてカバーが赤いため、もっとも目立つ、文字どおり「最大の」ベストセラーとして「君臨」し、人目を引くことができました……本日28日からは上の段に上がってしまいましたが、本店でお買い上げ下さった皆さん、「ランク入り」へのご協力有り難うございました。
m(_ _)m
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■トルシエ暴言「日本は準決勝に進むな」の深層〜組み分け抽選の不正■
サッカー日本代表のフィリップ・トルシエ監督が、欧州遠征中「日本は(2002年)W杯準決勝に進むべきでない」という暴言を吐いていたことが報じられた(サンケイスポーツ2002年5月18日)。発言は2002年5月7日、マドリード・サンチャゴ・ベルナベウ競技場で行われた「日本対レアル・マドリード」戦直前練習後、フランス人記者だけを集めた非公式会見で発生。トルシエは「日本のようなサッカー新興国が準決勝に進出することは大会の価値を下げることにつながる」と語ったと、ある仏紙記者が証言した( < http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020517-00000009-sks-spo > )。
日本国内向けには優勝宣言もしてきただけに「ホスト国の監督としてはかなりユニークな発言だった」(仏紙記者)し、「日本のサッカー熱を一気にさましかねない」(サンケイスポーツ前掲記事)。
フランス人同士の会話で気を許したとはいえ、トルシエはなぜこんな「本音」をもらしたのだろう?……この発言の真意を理解するカギは「大会の価値を下げる」という部分にある。
トルシエは、日本のような新興国、つまりサッカーの実力が世界のベスト4でない国がベスト4に進むと、W杯の権威が下がると言っている。たしかに、真にサッカーを愛し、W杯を最高の大会と信じる者にとって、真にベスト4に進む実力のない国が「まぐれで」そこまで進むことは憂えるべきことだ。だから「監督としては」優勝をめざすべきでも、心の半分ではそれを望んでないのだろう。
が、これは裏を返せば、日本がベスト4に進む可能性がある、と「トルシエが思っている」ことを意味する。
そんなバカな、と選手経験などのある「サッカー通」の方は思われるだろうが、そういう方は真のサッカー通ではない。W杯という、政治上、ビジネス上にきわめてユニークな大会を理解するには、技術や戦術に関する知識だけでは不十分で、ほかにも知らなければならないことがあるのだ。
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●組み分け抽選の不正●
2002年W杯の予選リーグ組み分け抽選で、日本は比較的世界ランキングの低いベルギー、ロシア、チュニジアと同じ組にはいった。とくに、チュニジアが監督解任騒動などのトラブル続きでもっとも弱いと予想され、日本の1勝は確実で、うまく行けば予選リーグも通過できよう。
これで、98年フランスW杯へのアジア地区最終予選リーグで「たまたま」苦手な中東勢がほとんどいない組にはいって以来、同本大会で「4チームしかない初出場のうち日本を含む3チームが同じ組にはいる」幸運を得、2000年シドニー五輪アジア地区最終予選リーグでは中東勢はゼロ、同本大会予選リーグでも「ブラジル以外は弱い国ばかり」の組にはいって予選リーグを通過、そして今回2002年W杯本大会の組み分けである。
これを「偶然が続いただけ」と言うのには無理がある。統計学・確率論の世界では、ほとんどありそうもないことが連続して起きることを偶然と呼ばず「作為」と言う。
もちろん、この日本の「異常な強運」の連続は作為である。組み分けを決めるクジに「細工」が施されているのは見え見えである。
筆者がこれを細工と断言するのは、確率論だけではない。それはFIFA(国際サッカー協会)を初めとする世界のサッカービジネス界にとっての日本の位置付けである。
サッカーは(野球、バスケットボールと違って)5大陸すべてで盛んに行われている、真に世界的なスポーツなので、巨大な利権を生む。サッカーW杯は五輪と違って1種目だけの大会であるにもかかわらず「W杯、五輪、F-1」と並び称せられる世界3大イベントの1つだ(「F-1」はほかにないので、それだけで車のレースを意味するのは当然だが、「W杯」はバレーボール、ラグビー、スキーなどもあるのに「種目名なきときはサッカーW杯を指す」ことから、その偉大さが窺い知れよう)。
ところが、これほど世界的に盛んな種目なのに、GDP世界第1位の経済大国アメリカと、2位の日本では、伝統的にサッカーよりも野球など他の種目が盛んで、それらをめぐって巨額なマネーが飛び交ってる。となると、FIFAの幹部の目には「日米の2大国でサッカーが盛んになれば、われわれはもっと儲かる」と映るはずだ。だからこそ、94年にはW杯を米国で、2002年には日本(と「付け足し」で韓国)で、開催することにしたのだ。国際大会の地元開催で、地元チームが健闘することは、スポーツがその国で盛んになるためには不可欠のことだ。
だからといって、もちろん国際大会で日米を八百長で「健闘」させるわけにはいかない。プロレスのような「筋書きのあるドラマ」にしてしまって「真剣勝負でない」という疑念を抱かれれば、スポーツの興行は成り立たない。
そこで「筋書きのない」真剣勝負の形を保ったままで、経済大国(日米)を「健闘」させる方法を、スポーツビジネスのエグゼクティブは模索することになる。
幸いに、球技の場合、リーグ戦の組み分けは抽選で決まる。組み分けは「たまたま」強いチームばかりの組にはいって不利になる場合もあるし、その逆で有利になる場合もある。抽選の結果たまたま「健闘してもらいたい国」が有利な組み分けをされて上位進出を果たしやすいようにしてやることは「筋書きのない真剣勝負」の原則に反しない(観客は結果のわからないドラマを手に汗握って見ることに変わりはない)。
そこで、抽選に細工をしたいという誘惑が避けがたく生じてくる。W杯本大会の予選リーグの組み分け抽選の場合、やれ「同じ組に欧州の国が3か国以上はいらないように」だの、それ「南米の国が2か以上にならないように」などといった口実で、クジのはいった箱の中身を何度も入れ替えるので、細工をするのはさほど難しくない(これについては、W杯から甲子園の高校野球までを比較検討した本誌Web版記事「ドーハのひいき」 < http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/doha.html > を参照)。
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●韓国の露骨な「くじ引き干渉」●
しかも、今回のW杯の抽選に関する限り、不正があったことはすでに具体的に判明している。
韓国では(中学・高校の歴史教科書が自国中心史観の国定教科書しかないため?)偏狭なナショナリズムが幅をきかせ、世界のスポーツ選手になんの敬意も払わない国民性が災いして、韓国代表の出ない試合でのチケットが大量に売れ残(ることが、2001年11月の時点で確定的にな)った。こうした事態はすでに88年のソウル五輪で陸上競技の会場に空席が目立ったときから予測されたことで、韓国は本質的に国際スポーツ大会を開くにふさわしくない国であることは明らかだ(今後、韓国が五輪やW杯に開催国として立候補したら、日本は第三国と連携してつぶすべきだ)。
韓国のW杯事務当局は、自国の「構造欠格」を棚に上げて、チケット売れ残りによる収入源を補うため、韓国に近くて多数の観光客を誘致しやすい中国の予選リーグの組み分けを(日本でなく)韓国の競技場で戦うA〜D組のいずれかにしようと、2001年12月のW杯本大会の「組み分け抽選会」で画策したのだ。
この露骨な「くじ引き干渉」の結果2001年12月1日「予定通り」中国は「抽選の結果」C組にはいった。産経新聞は前日11月30日の社説(主張)で、中国がA〜D組にはいることを「予言」し、そのとおりになったのだ(これによって98年フランスW杯以来の筆者の「邪推」は、もはや邪推ではなくなった。いまや「公然の秘密」なのだ)。
ここまで「バレバレ」の不正抽選があった以上、日本が「アフリカ最弱」のチュニジアや、欧州勢のなかでも比較的弱いベルギー、ロシアと同じH組にはいったことを単なる幸運と思うような者は、一流のサッカー人ではない……トルシエは、一流なのだ。アフリカでナイジェリアを含む(かつての)弱小国を強豪に育て上げた実績があるのだから。
かくして「厳正公平な抽選」なら、予選リーグを通過できないかもしれない日本が、通過しやすい状況になった(逆に、欧州諸国から「貧しいくせに強いから?」嫌われているナイジェリアはいつもながら「たまたま」最激戦区、アルゼンチン、イングランドなど強豪揃いの「死のリーグ」F組にはいり、予選を通過しにくくなった)。このような不公平な状況で、日本が予選リーグ通過後に決勝トーナメントをどんどん勝ち上がる(一方、ナイジェリアは決勝トーナメントに出られない)ならば、W杯は「世界最高のサッカー大会」としての権威を失ってしまう……と、かつてナイジェリアを率いた一流のサッカー指導者が考えるのは当然ではないか。
【日本が準決勝に進むのではないかとトルシエが「懸念」する理由は、上記のような日本の組み分けの有利(ナイジェリアの不利)だけではない。それについては、次回。
先週予告した「やらせ亡命事件を検証する(3)〜『国家消滅』担当補佐官」は、その後にまわしました。】
(敬称略)
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