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古森義久氏はNo.1中国ウォッチャー:週刊アカシックレコード020425
発行日時: 2002/4/25■究極の外務省改革〜週刊アカシックレコード020425■
外務省を「省庁再編」の埒外に置いたのは間違いだった。日本の外務省には「親中国派」や「親露派」の官僚はいるが「親日派」はいない。この「売国的」な現状をただすには、外務省という名の役所をなくすことから始めるべきだ。
【産経新聞の古森義久氏より推薦】
中国問題の権威として国内外の学者の方からも尊敬されている、産経新聞元中国総局長(現ワシントン駐在特別委員)の古森義久様(10万部のベストセラー『日中再考』の著者)より、拙著『龍の仮面(ペルソナ)』(徳間書店より5月刊)に、以下の推薦文を頂きました:
「知的興奮をぞくぞくと感じさせるこの巨大国際ドラマは、内向きで暗い従来の日本的私小説をこっぱみじんに打ち砕く雄大な作品である。北京オリンピック開催の2008年に向けての中国、アメリカ、台湾の激闘を描く迫真に思わず惹きこまれた。」
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■究極の外務省改革〜マジで外務省を解体(再編成)せよ■
2000年の外務官僚の金銭不祥事発覚以来、その後の外務官僚と鈴木宗男代議士の「社会通念上許されない関係」の発覚もあって、いわゆる「外務省改革」(官僚の綱紀粛正)をすべきことでは日本国民の大半の世論は一致している。
が、その「外務省改革」が成功した場合、いったい外務省はどんな役所になるのかという議論はほとんどない……というのは、評論家の櫻田淳の卓見である(産経新聞2002年2月13日付朝刊「正論〜外務省『改革』とは何なのか」)。
田中真紀子前外相は「悪い外務官僚と戦って外務省改革をしようとした」というイメージはあるものの、本誌既報のとおり、改革のための外務省内の会議に一度も出席しない < http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/dragon/psycho.html#03 > など、自堕落な勤務態度に終始した。
が、仮に田中がこうした会議に出席し、外務官僚の「機密費」などを名目にした税金の無駄遣いや横領がなくなったとしても(実は外務官僚松尾某の横領発覚以降、この種の無駄遣い不祥事は新規には起きていない。その後の暴露報道はほとんどすべて過去の不祥事の「発掘」である)、それで外務省の何がどう変わるのか?……田中は明白なビジョンを示したことはない。
たとえば「外務省改革」が成功すると、日本の対中国、対北朝鮮弱腰外交がなくなるのだろうか?
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●外務省の「反日外交」〜河野洋平外相の時代●
河野洋平元外相は在任中、中国海軍艦船の日本の排他的経済水域内での違法な測量調査活動(目的は日本近海の海底油田の「盗掘」や、台湾、米国への核威嚇を含む軍事行動のための情報収集)に遭遇し、息子の河野太郎を含む自民党の若手代議士から「中国による日本の国益侵害への抗議として、対中国ODA(円借款などの政府開発援助)を停止せよ」と迫られたが、無視し、結局従来どおり、対中国援助の供与を決めた。
また彼が在任中行った北朝鮮への「人道食糧援助」も、北朝鮮による多くの日本人の「拉致事件」の被害者の家族から「拉致問題の解決と引き換えでなければ援助するな」と抗議されたが、河野は「政治責任をかけて」「援助を通じて日朝関係を好転させ拉致問題の解決につなげる」と称して援助を強行した。が、北朝鮮はなんの感謝もせず、拉致被害者は1人も戻って来なかった(が、河野はなんの政治責任も取らなかった)。
河野に代表される「売国的な」日本の親中国派、親北朝鮮派の政治家や外務官僚(入省後、中国に勤務しながら外交用の中国語を学び「チャイナスクール」と呼ばれる派閥を形成)が、松尾某の不祥事を口実に政官界から一掃されるなら、日本の国益にとってこんな望ましいことはない。2001年4月の自民党総裁選に河野が出馬できなかったのは、松尾スキャンダルの責任を取らされたためだが、結果的には親中国派の有力政治家を1人葬った形になり、それだけで改革のための第一歩は踏み出されたと言えよう。
評論家の大宅映子はかつて「外務省には、親中国派(や親露派、親北朝鮮派)はいても親日派はいない」と嘆いたが、河野洋平のような「反日派」追い落としの口実としての金銭不祥事暴露なら、その追求はまさに改革そのものだ。
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●外務省の「反日外交」〜田中真紀子外相の時代●
が、その後2001年4月に外相に就任した田中がやったことは、自分が個人的に不仲の鈴木宗男や、その影響下の一部外務官僚をたたくことを口実に親中国派官僚と敵対する勢力(川嶋外務事務次官ら「英米スクール」の高級官僚)を追い出すことであった。理由は、田中自身が親中国派、親北朝鮮派であり「反日派」だからだ。
このことを端的に示すのが2001年のゴールデンウィーク中に発覚した、北朝鮮の独裁者金正日の息子金正男と思われる人物が偽造パスポートで入国した際の、田中の外相としての対応だ。
< http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/chngt.html#bakamusuko >
言うまでもなく、北朝鮮ははっきりわかっているだけで十数人(状況証拠でほぼ間違いないと警察庁が判断したケースも入れると100人以上)もの日本人を拉致し、人権を侵害している非人道国家である。
その独裁者の息子とおぼしき人物が偽造パスポートで成田の出入国管理事務所で摘発されたのなら、日本の司法当局はその身柄を押さえ、正体をあばき、北朝鮮あるいは金正日に対して「息子の身柄を返してほしくば拉致された日本人を返せ」と迫ること……具体的には、法律上認められた出入国管理関係の取り調べを数十日間、限度いっぱいまで続けて「息子」の身柄を日本に拘束し、その行状や身元を示す証拠を世界のマスコミにリークして「さらしもの」にし、北朝鮮に「やめてほしければ同胞を返せ」と示唆することが可能になったのだ。
ところが、外務省内の親北朝鮮派(事実上、親中国派「チャイナスクール」と同じ顔ぶれ)は「事を荒立てない」「日朝国交交渉がうまく行くように北朝鮮に恩を売る」などの理由で、息子の「早期国外退去」を決定し、田中も「すぐに(国外に)出しなさいよ」と追い打ちをかけて、結局「息子」を国外に逃がし、拉致事件被害者の人権を無視し、その家族の方々の心情を平然と踏みにじった(『週刊ダイヤモンド』2002年3月2日号「オピニオン縦横無尽 435 集中審議で再確認した鈴木宗男氏と田中前外相の“いかがわしさ”」 < http://www.yoshiko-sakurai.net/works/works_diamond_020302.html > )。
それから9か月、田中は外相ポストに居座ったが、上記のとおり、改革のための会議はみごとに「皆欠」した(これは複数のマスメディアが報じ、田中本人が反論していないので、絶対に事実である)。ときどき田中は一部外務官僚の行状をマスコミに暴露してあれこれたたいてみせたが、松尾某の事件発覚後外務官僚は機密費横領をやりたくてもやりようがない事態になっていたのだから、それは無意味な旧悪の暴露(あるいは、大臣の職務と無関係な田中個人の憂さ晴らし)にすぎず、「外務省改革」とはなんの関係もない。
田中が外務省改革に意欲を見せた(のに悪い外務官僚や首相官邸にいじめられて果たせなかった)ように見えるのは、政治に無知なワイドショーの司会者やコメンテーターがそのように発言し続けた結果であり、事実無根の「風評」である。
河野、田中と2代続いた外務大臣の「売国奴的な」態度を見てわかるとおり、外務省改革の目的は、税金の無駄遣いをなくすなどという「内向き」の問題ではなく、外向きに「売国奴的な」振る舞いをする連中を一掃することとすべきではないのか。日本の国益を守るため(なかんずく日本国民の人権を明白に侵害している下劣な独裁テロ国家への姿勢を改めるため)研修言語に基づく官僚の派閥「○○スクール」(なかんずく「チャイナスクール」)を解体し、必要に応じていつでも外国を「恫喝」できる態勢を築かなければ、北朝鮮の拉致事件も、中国の「盗掘」計画も永遠に解決できまい。
鈴木宗男が「ロシアンスクール」を牛耳り、北方領土問題を含む対露外交をゆがめたのは事実だが、それを田中がたたいてその影響力を排除したところで「売国奴が別の売国奴に替わるだけ」で国民にはなんの利益もなかろう(から、遅きに失したとはいえ、小泉首相が田中外相を更迭したこと自体は正しかろう)。
鈴木も田中も官僚を恫喝することは得意だが、外国を恫喝することはできず、外国人の前に出ると「いつもへらへら笑っている」のが常だった(そして、残念ながら彼らに恫喝されていた外務官僚たちもそうだった)。これは、社交ではあっても外交ではない(「外国と仲良くすること」は外交の目的でなく、手段なので、たとえ相手が友好国でも必要に応じて恫喝するのは外交の常識である。外交の目的はあくまで外に向かっての国益の追求であり、国益を侵害する国とは無理に「仲良くする」必要はないのだから)。
こうした「外交不在」の状況を打開するための方策として、上記の櫻田も「スクール」の弊害除去をこそ喫緊の課題として挙げている(産経新聞2002年4月15日付朝刊「正論〜外務大臣を外務官僚から任命する意味」)。
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●外務官僚を外相に?●
その方法として、櫻田は、すべての外務大臣を(制度上か慣例上かはともかく)外務官僚から任用するようにしてはどうかと述べている(産経前掲記事)。
一見すると、この意見は官僚の横暴を(選挙で国民に選ばれた)政治家が抑えるべしとする「政治主導」を求める世論に逆行するように見える。が、実は「拉致事件」「中国海軍の違法調査」のような国益をかけた外交問題が選挙の争点にならない(国民が無関心)という現状がある以上、外交に限っては政治主導をやめ、中立性の高い専門家(外務官僚)を養成してそれに任せたほうがいい、と櫻田は言う。
「チャイナスクール」の官僚のめざすゴールは慣例上「将来、駐中国大使になること」に限られ、けっして外務省のトップ(外相、外務次官)になることではない(「ロシアンスクール」の場合は駐露大使、「フレンチクール」の場合は駐仏大使をめざすが、「英米スクール」のみ駐米大使に留まらず、国連大使、外務次官をめざす)。大使の赴任には形式上相手国政府の承認がいるので、チャイナスクールの官僚たちは在任中、中国政府に嫌われないことを第一に、中国(とその子分である北朝鮮)とは「事を荒立てない」ことを第一に考えて勤務することになる(上記の「息子」を腫れ物にさわるように扱って早々と出国させてしまったのは、このためである)。
そこで、チャイナスクールを含む外務官僚全員に「外務大臣になる」というゴールを与えてやれば、将来(対米、対露外交もしなければならないから)おのずと(国益に基づく)各国との外交のバランス感覚が養われ、特定の国(中国)の顔色ばかり見ていることはできなくなるだろう、と櫻田は指摘する。
たしかに、この考えには一理ある。
たとえば中国の歴代外務大臣は職業外交官(外務官僚)から任命されるのが慣例で、職業上身に付けた語学、国際法、各国情勢の豊富な知識を背景に、中国の国益を外国に対して主張する。2001年夏、小泉首相の靖国神社参拝直前に中国の唐家セン外相が、日本人記者団を前に流暢な日本語で「(参拝を)やめなさいと言明(厳命?)しました」と述べた逸話は有名だが、これなど中国国民の立場に立てば誠に愛国的で頼もしい姿であり、日本語を学んでもけっして「ジャパンスクール」(日本の手先)に成り下がらなかった彼の姿は、日本の外務官僚にぜひ見習ってもらいたいぐらいだ。
官僚出身の唐家センは、改革派(江沢民国家主席)と保守派(李鵬全人代委員長)の政争には中立で、将来中国の最高権力者になろうという野心はないが、その豊かな教養と愛国的な態度は、軽佻浮薄で「社交」しか能のない河野や田中の比ではない。
が、元外務官僚で「某スクール」OBの、日本の政治家の言動を想起するとき、筆者は櫻田案には大きな疑問符を付けざるをえなくなる。その政治家とは……。
(敬称略)
【この続きは、次回2002年5月2日頃に配信する予定です。】
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