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週刊アカシックレコードmail版

発行日時: 2002/3/7

■さらば中東(1)〜週刊アカシックレコードmail版020307■
米共和党(保守本流)は、米国内のユダヤ票ほしさに一時的に親イスラエルの言動をとることはあっても、基本的にはこの1世紀間、中東政策では「親イスラム」路線をとってきた。が、もはや「ポーズに疲れた」共和党(の現ブッシュ政権)は、イスラエルどころか、中東全体と距離をおく路線を選んだように見える。

【大臣という不良債権】
2001年11月2日に朝日新聞が社説で「田中真紀子外相の更迭」を求めた時点で、右から左まで主要紙すべてが「真紀子は無能」で足並みを揃えました。このとき小泉首相が外相を更迭しておけば、人気者の首切りに伴う内閣支持率の低下は10%程度で済んだはず。が、柳沢金融担当大臣のもとでの不良債権処理と同様、時機を逸し、その3か月後のブッシュ米大統領来日決定(で、無能外相の怠慢を言い訳にせずに、ミサイル防衛などでの日米同盟強化の協議を開始せよ)という外圧がかかって、時機を選べなくなってから更迭に踏み切ったために、支持率は80%近くから50%前後まで約30%も急落……不良債権処理も不良大臣処理も、小泉内閣はやるべきことをやろうとはするんだけど、とにかく遅いんだわ、これが。
(>_<;) 
■さらば中東(1)〜米国がイスラエルを見捨てる日■

筆者が、小説家になれたのは「『石油』をネタにスパイ小説を書きませんか」と出版社にスカウトされた際、それに応えた(最終的には、より面白い「バイオテクノロジーと生物兵器テロ」を逆提案して『ゲノムの方舟』を書いた)からだ。筆者は元々国際石油資本やその代表格のロックフェラー財閥(米保守本流、非ユダヤ系の中核)や、そのライバルのロスチャイルド財閥(英ユダヤ系)に詳しい。

●ロックフェラー vs.ロスチャイルド〜中東紛争の始原●
「バカな反ユダヤ主義者」は、この2大財閥の区別ができない(から、なんでもかんでも「いっしょくた」にしてしまう)。が、両者は価値観、世界人脈、財源、得意分野などにおいて、かなり明確に違う。両者の対立と相克の歴史を中東に関して見てみよう。

20世紀初頭、アラビア半島には明確な独立国はなく、オスマントルコ帝国の支配下影響下にあった。やがてオスマントルコが衰退すると、当時大油田が発見されつつあったこの半島の覇権をめぐって現地勢力と欧米列強が絡み合って、熾烈な争いが始まる。

米国は現地勢力のうちサウド家を援助したが、英国は現地諜報員トマス・E・ロレンス大尉(いわゆる「アラビアのロレンス」)の進言に基づきハシム家を推して、両者は死闘を展開。結果は「ロレンスが負け」サウド家が勝ってサウド家のアラビア、サウジアラビア王国が誕生した。

このときからこんにちまで1世紀の間、米国の主流派はアラブを中心に中東政策を組み立てている。

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       「ブリジット・ジョーンズの日記」の正反対
                ↓
     http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/dragon/cntnt.html
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●主流派 vs.始末の悪い「負け惜しみ連合」●
Web版でも言ったことだが、筆者がことわりなく「アメリカ」「米国」と言うときは、米国の主流派、保守本流、石油派・ロックフェラー財閥・共和党を指す。基本的に米民主党、原子力派は外国勢力(英ロスチャイルド財閥)の支援を受けて米国での失地回復をはかる(売国奴的な?)「負け惜しみ連合」であり、国際社会では「無責任野党」になりやすい。筆者はこの「連合」を、英ロスチャイルド家と米国内の一部ユダヤ団体、イスラエルの連合という意味で「イギリス・ユダヤ系」と呼ぶ(この呼称のゆえに、筆者を「反ユダヤ」と誤解している人が少なくないようだが、Web版の記事「米国に棄てられた政治家たち」< http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/usout.html > で述べたとおり、けっして「筆者は反ユダヤ主義者ではない」)。

この「基本的に劣勢」な勢力は米国内ではそれなりに国益を考えて行動するものの、米国外、とくにアジアで無責任な政策をとる傾向がある。
日本人拉致や覚せい剤密売を繰り返す下劣な北朝鮮政府への「人道」食糧援助、同じく北朝鮮政府が自国民を飢餓状態に置きながら核兵器開発をしている「罪」を不問に付したうえでの軽水炉原発建設「支援」や、中台戦争を防止するミサイル防衛計画への(明確な反対ではなく)ずるずる遅らせるサボタージュ政策、自民党橋本派を利用して日本の財政再建の妨害と日本の弱体化を目的とした「内需拡大」名目の赤字国債乱発を求める「外圧」など、その政策はハト派的、緊急避難的なもっともらしい理由が付いているものの、やけくそ気味で卑劣なものが多い。

●次善の策にすぎないイスラエル建国●
サウド家と米国(の中核のロックフェラー財閥と石油資本)に中東最大の産油国サウジを取られ、かつサウド家がイスラムの聖地メッカの守護者となったため、以後英国(ロスチャイルド)が中東に覇権を求めようとすれば、アラブ人・イスラム教徒「以外」の勢力に頼るほかなくなった。そこで、彼ら「負け惜しみ連合」が利用したのが、(英国を除く)全西欧諸国で差別されていたと言われる欧米系ユダヤ人(アシュケナージュ)を、折りからのユダヤ国家再建運動「シオニスト運動」を煽ってそれに結集させ、それを操って、(アラビア半島ほど価値はないが)ある程度役に立つ中東の地政学上の要衝、パレスチナの地に移住させて(米国でなく)英国の衛星国イスラエルを建国することだった。

俗に、ユダヤ人は世界中で差別されているから、祖先の地であるパレスチナ(イスラエル)に国を再建してそこで暮らすしかないのだ、と言われるが、こんなのは見え透いたデタラメだ。もしそれが正しいなら、英国をはじめ欧州諸国でロスチャイルドらの「宮廷ユダヤ人」が名門貴族として、また宮廷の家産官僚(膨大な財産の管理者)として絶大な権力を振るってきたことをどう説明するのだ。とくに英国の場合、ユダヤ人の首相もおり、宣伝の仕方によってはいくらでも「ユダヤ人の楽園」として世界中のユダヤ人にアピールすることは可能だったはずだ(シオニスト運動のなかには、パレスチナではなく、20世紀初頭には豊かで温暖な国として知られていた南米アルゼンチンの一角や周辺での建国を主張する者すらいたから、ユダヤ人国家がパレスチナに建国された理由は、ユダヤ人個々人の意志というより、大国の「国際戦略上の都合」と見るべきではないか)。

いちばん価値のあるアラビア半島中心部(現サウジアラビア)を自らの勢力圏として獲得できなかった英国とロスチャイルド家は、第二次大戦前後、米国の非主流派勢力、米民主党(トルーマン政権)と「負け惜しみ連合」を結成し(戦略的価値はイマイチだがなんとか使えそうな)パレスチナでのイスラエル建国という暴挙に出る。イスラエル建国当時、米国の政権与党は民主党だったため、英・米・イスラエルを股にかけた負け惜しみ連合が成立してしまった(もし共和党政権だったらイスラエルは今頃この世にない)。

このイスラエルが英国にとってもっとも役に立った(ように当初思えた)のは、1956年のスエズ動乱(第二次中東戦争)である。エジプトのスエズ運河国有化政策に対して、当時運河を保有していた英仏は猛反発し、イスラエルを手先に使ってエジプトとその同盟者のアラブ諸国と戦った。この戦争はソ連と友好関係にあったエジプトなどのアラブ諸国を敵としたことから、当時西側諸国では、ソ連共産主義勢力の中東進出を防ぐためと言われたが、実際には他の西側諸国、とくに米国にはなんの関係もない戦争だったので、英仏は米国の支援なしに戦って、結局運河を諦めることになった。

そして、これ以後イスラエルは、英国にとってもあまり役に立たない国に成り下がる。イスラエルは1967年の第三次中東戦争で、シリア領のゴラン高原、エジプトのシナイ半島、ガザ、ヨルダン川西岸を占領してアラブ諸国の怒りを買い、1972年のミュンヘン五輪におけるイスラエル選手団へのテロの原因を作った。また。1973年には、アラブ諸国の反撃(第四次中東戦争)と石油戦略の発動(原油価格の急騰)を招き、西側世界に不況とインフレ(狂乱物価)を引き起こす「元凶」となった(そして、89年の「ベルリンの壁」の崩壊で中東への共産主義の脅威がなくなると、反共防波堤としてのイスラエルは完全に存在意義を失う)。

●国連決議と米民主党の力でできた国●
第二次大戦後発足した国際連合(国連)は、パレスチナで先に住んでいたアラブ人とあとから移住してきた欧米系ユダヤ人との間で対立や紛争が起きている問題を審議し、その論争は、1947年、パレスチナを二分割してアラブ国家とユダヤ国家に分けるという決議案の採決でクライマックスを迎える。サウジはじめアラブ各国は、米国は当然この決議案に反対してくれるものと期待した。が、決議案は米国(民主党政権)を含む西側諸国などの賛成で可決された。

(このとき初めて米国・アラブの蜜月関係にきしみが生じた……などと俗に言われるが、たいていのアラブ諸国の政府要人は日本の一般庶民っと違って共和党と民主党の区別はできている。このとき「きしみ」が生じたのは、アラブ・米民主党関係であって、米国・アラブ関係ではない。20世紀後半に米国で行われた2つの夏季五輪を比べれば明らかだ。
民主党系のABC放送がTV中継権を得た84年のロス五輪の開会式では、イスラエル選手団の入場行進は場内割れんばかりの拍手と歓声で迎えられた。
が、共和党系のNBCが仕切った96年のアトランタ五輪の開会式では、イスラエル選手団は入場直前に「時間調整のため」足止めされたため場内は沸かず、選手団のアップから貴賓席の民主党のクリントン大統領へカメラが一瞬切り替わるなど「共和党ではなく、民主党こそがイスラエルの手先なのだ」と印象づける演出が為された。聖火の最終点火者がイスラム教徒のモハメッド・アリであったり、パフォーマンスのBGMにアラブ的な音楽が使われたりしたことともあわせて、米国・アラブの親密ぶりが強調されたこの開会式には、式に出席したサウジの皇太子も満足したに相違ない)

決議案が可決されると、それを根拠にパレスチナのユダヤ人勢力はパレスチナの半分の地域でイスラエル建国を宣言。続けて翌48年、周囲の敵対的なアラブ諸国からの侵略を予防するためにアラブ側の領土を越境攻撃し、56、67、73年と、その後3度の中東戦争で一進一退しながら、国連決議案でアラブ領とされていた東エルサレムやヨルダン川西岸、域外(シリア領)の要衝ゴラン高原などを占領したまま、こんにちに至る。

●区別は簡単●
イスラエル最大の大都会、テルアビブには「ロスチャイルド通り」という大通りがある。これは、この街のインフラの大半が建国当初はロスチャイルド家の寄付でできていたからだ。他方、国連決議でアラブ領とされ、千数百年前からアラブ人イスラム教徒が多数居住し、岩のドームなどのイスラムの聖地が集中する東エルサレムのイスラム教徒地区には、イスラム美術の粋を集めた「ロックフェラー美術館」がある。

「イスラエル(パレスチナ)は中東の地政学上の要衝で、米国はそこに重要な同盟国を持っている」などと民主党系のリベラルな(イギリス・ユダヤ系の)メディアでよく言われるが、これも明らかなウソだ。米国は中東において、サウジ、トルコなどのイスラム諸国に巨大な軍事基地を持つから、これらの国々こそ正真正銘の「重要な」同盟国である。他方、イスラエルは米国(の共和党)を信用していないので、国内に米軍基地を置かせていない。

これらの厳然たる事実を見れば、どっちがどっちの味方かは一目瞭然であり、「ロックフェラーは血筋の上ではユダヤ人かもしれない」などという邪説は、たとえ事実であったとしても、なんの意味もない。

ロックフェラーはサウジアラビアの建国以来、広大な油田を持つイスラム諸国と組むことに成功したので、ほぼ純粋に「石油派」の道をひた走り、それで巨大な財をなして米国の主流派となって、軍やCIAや共和党を牛耳った(但し、一族のうち、J・D・ロックフェラー4世上院議員だけ民主党に属しているのは、万一民主党が決定的に優勢になった場合の「保険」か)。他方、ロスチャイルドは大産油国サウジアラビアを獲得できなかったうえに、欧州各国にある分家が仏・独・墺など石油のない国々を基盤としたため、原子力発電を推進せざるをえなくなった。

●「往生際の悪い敗者」と付き合うな●
米国内のいわゆるリベラルな(日本語に訳すと「左翼的」「進歩的」な人々)は、自分たちが熱心に応援すればいつかは米民主党は米共和党(保守本流)を倒せると思うかもしれないが、それは間違いだ。アジアやイスラム世界など非西欧圏を含む全世界で劣勢で、CIAも軍も満足に動かせない民主党(クリントン民主党政権は1997〜2000年には共和党員のウィリアム・コーエンを国防長官に任命せざるをえなかった)は、たとえ政権を取っても思い切った政策は取れず、「どうせ自分らは勝てない」「政権を取っても長くはないさ」という負け犬根性で場当たり的に自陣営の刹那的な利益を求めるしかない(彼らは現在、日本を弱体化させて中国利権を追求することに熱心だが、「中国バブル」がはじけたあとのことなど、まるで考えていない。民主党政権下の97年、米投機筋がアジア通貨危機を引き起こし、東南アジア諸国の経済を犠牲にしてハゲタカのように儲けたあと「ほったらかし」にしたことを忘れてはならない)。

もしも、ロックフェラー、ロスチャイルド双方から離れたところから冷静に、共和・民主両党を比較できる立場の良識ある者、たとえば日本や台湾やASEAN諸国の識者に米大統領選挙の投票権を与えれば、半永久的に共和党が勝ち続けるはずだ。米民主党は(国内では)少数派(黒人、女性、障害者、ユダヤ人などの非キリスト教徒)への思いやりある政策を掲げて議会選挙でもしばしば多数派になっているが、それは単なる選挙テクニックの結果にすぎず、真の実力を反映したものではない。

●共和党のリップサービス●
逆に、共和党の候補者も、大統領選挙に出るときは、ユダヤ団体の票ほしさに表面上はイスラエルびいきのことも言う。たとえばレーガンは1980年の選挙運動中の言動から、イランのホメイニ政権に「(ライバルの)カーター(民主党の現職大統領候補)より悪質なシオニスト(イスラエル支持者)」と誤解されたほどだ。

が、そのレーガンでも、大統領に当選すると一転してアラブびいきの本性を表し、イスラエル政府の反対を押し切ってサウジの軍備増強のためにAWACS(空中警戒管制機)を売却した。これによって、すでに西側の反共防波堤としての役割を終えつつあったイスラエルの「役立たずぶり」が決定的になり、米国政府は「イスラエル抜き」の安全保障政策をとる態勢が整った。

そして、このレーガンのもとで8年間副大統領を務めたジョージ・ブッシュ元CIA長官(ジョージ・W・ブッシュ現大統領の父)が1988年の選挙に勝って大統領になると、AWACS配備後の軍事情勢を受けて、イスラエル切り捨てにつながる究極の共和党路線を実行する。それが、湾岸戦争である。
【この項続く。】
(敬称略)

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