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外相の相続税問題:週刊アカシックレコードmail版011220

発行日時: 2001/12/20

■外相ポストで相続税対策〜週刊アカシックレコードmail版011220■
田中真紀子が外相に就任して以来、外務省改革のための会議は省内で頻繁に開かれているが、田中は一度も出席していない。田中が外相に就任した最大の動機は外務省改革ではなく、自らの「相続税対策」に相違ない。

【ラマダン日記】
ラマダン終了!(^o^)/
「キリスト教暦」の2001年11月17日に始まった私のラマダン(日の出後、日没前の飲食禁止)体験は、「異教徒との会食」(といってもコーヒー1杯)に伴う延長分も含めて、さる12月16日無事に終わりました。
一般にイスラム教徒のあいだでは、ラマダン明けの夕方に空腹の反動で大量に食べるので、かえって太ると言われています。が、筆者の場合は、何年ぶりかで「無駄にものを食べない時間帯」を設けたため、生活が規則正しくなって胃腸が健康になり、かつ(元々やせてましたが、さらに)「ベルトの穴1つ分」もやせました。
サッカー日本代表のトルシエ監督は「コンビニが日本サッカーを弱くしている…(どこにでもコンビにがあっていつでも何か食べられるから、食べるべきときにしっかり食べない)食事への緊張感がなく、試合への集中力も衰える」と述べたとか(朝日新聞2001年4月14日付「天声人語」)……同感ですね。筆者は1年中ラマダンでもいいような気がしたくらいですから。
■外相ポストで相続税対策〜田中真紀子外相のカルテ(2)■
(2001年11月15日配信「田中外相のカルテ」
http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/dragon/psycho.html
から続く)

●検察・国税当局の脱税捜査への「手心」●
本誌が「田中外相のカルテ」を配信した約2週間後、阪神の野村克也監督夫人の野村沙知代(サッチー。夫婦の資産管理会社社長)が脱税容疑で、東京地検特捜部に逮捕された。すると、読者の方々から「某外相もさることながら、サッチーこそサイコパスではないか」とのご指摘を頂いた(「サイコパス」については
http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/dragon/psycho.html#goiken
を参照)。たしかに両者には共通点がある。場当たり的にすぐバレるウソを平気でつくが、正体を隠して人を魅了する能力だけには長けているため、数多くの連続殺人鬼と同様に「正体がバレ(てカッとなって犯行に走)る直前までは、被害者や周囲の者にとって魅力的な者(人気者)として存在し続ける」ことが可能なのだ(但し、筆者は本誌上では一度も「某外相はサイコパス…」とは書いていない。プロはそういうミスはしないものだ)。

余談ながら、野村沙知代の逮捕劇は、はからずも日本の検察・国税当局の「暗黙の脱税捜査方針」なるものを白日のもとにさらした。後段と関係があるのでここに紹介する。

週刊誌等によると、一般的に検察・国税当局は、たとえ金額が大きくても、容疑が脱税のみの場合、修正申告を指導して脱税容疑を「解除」してやったり、起訴するにしても逮捕・拘束はせず在宅起訴に留めたりして「穏便に済ませる」ことがありうる、という(これは筆者の推測だが、日本の課税基準は細部が曖昧で、納税者、国税局双方が都合よく解釈できる余地があるため、納税者側に悪意がなくとも、国税局側が脱税と思ってしまうケースが少なくないから、ではあるまいか)。

では、なぜサッチーは逮捕されたのか。
彼女の取り調べ中の態度はお世辞にも殊勝と言えるものではなかったようだ。が、その種の横柄な言動は「サッチー・真紀子型」のなれなれしく騒々しいキャラクターを崇拝する「感受性の鈍い人々」にとってはさほど嫌なものではなかったはずだ(だから、この種の連中は人気者でいられるのだ)。沙知代の発言は捜査中二転三転したし、領収書等の書類管理や経理上の規則にもだらしないところは多々あった。が、その種の規則違反や「だらしなさ」は、「遅刻」「指輪事件」に見るごとく田中真紀子にもあり、かつその種の不祥事を承知で依然として国民の約7割が真紀子を支持しているという世論調査結果があることを踏まえれば、「だらしなさ」や「不安定」では検察・国税が怒らなかったのは納得できるであろう。
捜査官の心証を決定的に悪化させたのは「だらしなさ」ではなく「偽善」だった。当局が「決断」する直前、捜査官と沙知代の間には次のようなやりとりがあったという。

捜「(高額で購入したという)机は、どうされたんですか」
沙「会社で使うために買ったんです」
捜「でも、実際にいま、これらの机がないじゃないですか」
沙「恵まれない人たちの施設に寄付したんです」
捜「は?」
沙「だから、私の慈悲の精神で、恵まれない人たちに差し上げたんです」
捜「では、譲渡先はどこの施設ですか」
沙「そんなものいちいち覚えてません」
捜「会社で使っていないものを経費としては認められませんね」
沙「どうして? 誰かにあげた物でも、当時は会社で使っていたのだから、経費として認められるのは当然でしょ」

心にもない慈善慈愛の精神を振りかざした、この「善人ヅラ」に激怒した国税当局は「身柄を取る。逮捕まで行くぞ」と決断したという(『週刊文春』2001年12月13日「当局が逮捕を決断したサッチーの不遜な一言」p.p 35-36)。

裏を返せば、サッチー並みの「人気者」の場合は、ここまで心証を悪くしさえしなければ、検察・国税当局も遠慮して「穏便に済ませる」のが暗黙のルールだということだ。

この暗黙のルールを、首相まで務めた政治家田中角栄のもとで育った娘の真紀子が知らないはずはない。そして、真紀子は、宿命的に父角栄の「金脈」がのこした遺産相続問題が逃れられない。

●田中家の遺産相続問題●
田中真紀子の父角栄は、ロッキード事件の収賄容疑で起訴され、一審、二審ともに有罪になったが、三審の最高裁で審理中に死亡したため、刑事事件そのものが「なかったこと」になっている。

が、一、二審判決はともに角栄が賄賂として5億円を受領したと認定しているので、国税当局はこれを踏まえて、真紀子や、その夫の田中直紀・衆議院議員ら角栄の遺産相続人はこの5億円も相続したはずだ、と考え、課税対象に含めた。

他方、真紀子は、ロッキード事件は米国保守本流グループ(その中核はロックフェラーら国際石油資本)の陰謀とみなしており、5億円の収賄はなかったという立場である。真紀子が2001年5月28日(自分は「新潟の土建屋さん」のくせに)ブッシュ米大統領のことを「テキサスの石油屋さん(にたぶらかされてミサイル防衛構想を推進している)」などとオーストラリアの外相との懇談の席で誹謗中傷した(産経新聞2001年6月2日付夕刊)理由はここにある。角栄は、1973年の石油危機発生後、中東産油国から国際石油資本(メジャー)を通さずに石油を輸入する道を模索し、またオーストラリアのホイットラム首相と組んでウラン開発、原発推進に乗り出した。メジャーによる石油価格支配から日本を守るためだった(のちに角栄とホイットラムは相次いで、不自然な形で政権を失う)。真紀子は95年、ロッキード事件の最後の被告人、榎本敏夫らに判決が出て事件全体が終了したのを受けてこう述べている。

「この事件はアメリカの証券取引委員会に間違って郵送された郵便物に端を発しており、その不自然さがこの事件の本質を物語っています」
「日本の最高裁が異例な形で検察の捜査に協力(ロッキード社のコーチャンの嘱託尋問調書の証拠能力を認定したあと、のちの判決で撤回)し、被告人は一方的な不利益を被った」(産経新聞1995年2月23日付朝刊)

98年、産経新聞の高山正之記者(当時)も真紀子とほぼ同様の分析を述べている(1998年8月22日付夕刊「コーチャンと大統領 神に誓った偽証」)。朝日新聞のみを読んでいる人には意外だろうが、日本でいちばん反米的な新聞は産経新聞である(逆に米国発の陰謀にほとんど「無抵抗」なのは朝日新聞である)。記者に軍事・地政学の事情通を多数抱える産経新聞は、かなり深いレベルで米国の陰謀を見抜き、示唆してきた。

【米中枢同時テロについて「米国の自作自演」を示唆する記事を載せたのも、仏フィガロ紙を引用する形でテロ前の7月にウサマ・ビンラーディンとCIAが接触したと報じたのも、日本の大手紙では産経だけだ(2001年9月18日付「産経抄」、同年11月1日付朝刊5面)。産経は米国の陰謀の可能性をわかったうえで、国際政治の「非情な現実」と日本の国益をふまえ「それでも米国の対テロ軍事制裁に日本は協力すべき」と言っているのであって、無条件の対米追従を説いているわけではない。】

したがって、真紀子夫妻は当然、5億円に関しては相続税を払うべきでない。税務署が追求してきたら、裁判で争ってでも、この納税だけは拒否すべき……のはずだが、なんと真紀子は納税に応じている。この理由は、裁判で争ってもその間毎年14.6%の延滞税がかかり「裁判で負けた場合に破産する」ことが怖いからのようだ(毎日新聞2001年5月30日付朝刊)。しかし、当初「5億円の授受はない」と突っ張っていた数年間に延滞税が発生しており、真紀子夫妻は相続税本体の支払いには応じたが、延滞税分の約1憶7000万は未納である。

●目白邸落城●
実は、これを含めて税の延滞額は3億7000万もあるのだ(毎日前掲記事)。となると、差し引き2億円(角栄の死後その妻はなを経て、はなの死後真紀子らに相続された分への課税を含む)に関しては、まったく同情の余地はなく「単なる延滞」ということになる。これはけしからんではないか。

角栄は生前、その権力を駆使して膨大な資産を蓄えた。93年に角栄が死に、94年に真紀子らは遺産総額119億円と申告した。ロ事件の追及者として名高い評論家の立花隆は、この申告額に激怒し「(角栄が不正に取得した)信濃川河川敷(の土地)だけで500億円はゆうに超す」「(遺産)総額700億円は超していたはず。それを父親ゆずりのユウレイ会社を利用するテクニックで税金逃れをしてきた」(産経新聞1995年12月22日付朝刊)と批判した。案の定、その後東京国税局の税務調査で78億円もの申告漏れがみつかっている。

が、このとき真紀子は科学技術庁長官であり、例によって「事務方」をバカにしながらテレビカメラの前で「なれなれしく騒々しい」コメントを発するので人気閣僚であった。そこで、国税局は修正申告を指導し、目白邸の土地の半分の物納と引き換えに、96年脱税容疑を「解除」してやった。この間同時に、真紀子と直紀とその長男が角栄の同族会社「東新開発」の株を各5%、3万株、1500万円ずつ生前贈与されていたが、生前贈与は税率が高いので、これを角栄の死後遺産相続に訂正していたことも発覚した。これに対して、国税当局も「税金逃れ」ではないか、といったんは追求した。が、なぜか途中で矛を納めている……人気閣僚だからに相違ない。

真紀子の立場に立ってみると、閣僚の地位を利用し、きたない手まで使って税金逃れをするには理由がある。それは、父が築き上げた広大な不動産資産という「お城」で生まれ育ったので、高い相続税をまともに払っていけば、土地の切り売りしか方法はなく、いずれ狭い家でのみじめな生活に追い込まれることが目に見えているからだ。

父が死んで外堀が埋まり、母が死んで内堀も埋まった。親が死ぬたびに、資産を剥ぎ取られる竹の子生活では、いずれ「落城」は避けられない。どうせ国税当局は、ありもしない5億円授受を認めて課税するような役所ではないか。それなら、こっちもこっちで可能な限り税金は踏み倒してやる……という気持ちに真紀子がなったとしても不思議ではあるまい。

●必死の防戦●
が、なまじ高価な不動産を相続したがために苦しんでいるのは真紀子だけではない。「持ち家」を受け継ぐ大勢の一般庶民は、まじめに納税しているのだ。まして角栄の場合、ロ事件の5億円が冤罪だったとしても、信濃川河川敷の500億円が免罪されるわけではないし、たとえそれが刑事事件にならなくとも課税されるのは当然だし、ましてそれは角栄の稼いだものであって真紀子のものではないのだ。本来なら、さっさと土地を切り売りして納税して「みじめな生活」に陥って当然ではないか。

この点は国会でも追求されている。2001年11月13日、衆議院予算委員会で民主党の上田清司議員は、納税の方法は「現金→不動産や国債→上場株式」の優先順位で選ばれるべきで、これらがないときに例外的に未公開株による物納が認められると指摘。真紀子夫妻が、角栄未亡人はなの遺産相続に際して、課税額52億円のうち、8億円のみを現金で払い、残り44億円は(山林などの不動産があるにもかかわらず)いきなり評価の定まらない未公開の同族会社の株で物納したのはおかしい、と上田は指摘した……が、もちろん真紀子は聞く耳持たなかった(読売新聞、産経新聞11月14日付朝刊)。

●外務省改革、やる気なし●
【以下次回、明日12月21日配信号に続く。】
(敬称略)

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