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共謀しない黒幕:週刊アカシックレコードmail版011018

発行日時: 2001/10/18

■共謀しない黒幕:週刊アカシックレコードmail版011018■
「全世界のテロの根絶」は「非武装中立」と同様の机上の空論だ。各国の危機管理担当者はもっと現実的な方法で対処してきた。

【「共謀」と「無関係」の間】 「本能寺の変の真の黒幕は豊臣秀吉」と聞くとすぐ「秀吉が明智光秀と共謀したのか」と反論する人がいます。が、「共謀」と「無関係」の間には何通りもの階梯があります。罠にはめて(織田信長殺しに)利用してから(光秀を)倒す「砕氷船」、スターリンとヒトラーのように「途中までグル、ある時点から真剣勝負」に移行する方法、さらには囮捜査や「泳がせ作戦」の失敗(やられちゃった!)や、敵(光秀)の陰謀を知りながら見逃す「未必の故意」まで含めて考えると、本能寺の変のあとの政局はすべて秀吉の思惑通りに運んではいるものの、秀吉はだれとも共謀せず、信長の死に関して責任も関与の事実もない(が、広義の「黒幕」である)可能性は十分あります。
■「20日に第2波テロ」説を検証する(5)〜米中枢同時テロで加速する日本改革■
(前回に続きシナリオ「2001年10月20日、日本にテロ」
http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/dragon/scnd.html
についてです)

●アンダーカバーでガス抜き●
某国の警察はこの半世紀、左翼過激派の取り締まりに独特の策を用いてきた。
たとえば、この国ではG8サミットのような重要な国際会議が開かれる前には「夜中に米国大使館の庭にロケット弾が撃ち込まれたが、幸い庭は無人で死傷者は出なかった」といったテロがよく起きる。これは取り締まりの失敗……ではない。こういう「無害テロ」は、人がいない時間帯を選んで警察が仕組むのだ。

国民に人権や自由を(ある程度)認めている国では、テロを完全に防ぐことは不可能だ。たとえばイスラエルは周囲のアラブ人とのテロや戦争に勝つために、女性を含めた国民皆兵制を敷き、諜報機関モサドに凄腕の工作員を集め、劇場でも競技場でも全入場者をボディチェックし、世界一精度の高い金属探知機も開発してきたが、それでもテロは防げない。

もしイスラエルが完全にテロを根絶しようと思うなら、あとはもう全国民のプライバシーを盗聴し自由を奪うしかあるまい。が、そんなことをすれば、かつての東ドイツや現在の北朝鮮のような超警察国家、密告社会になってしまう。まともな文明国では危機管理や治安維持は人権や自由を守るための手段であって、目的ではない。日本人や米国人が「テロはないが自由もない」北朝鮮のような下劣な社会体制を受け入れることはありえない。

(もちろん中東和平が進展すればテロは減るが、代わりに現在のイスラエルにほとんどない「普通の」暴力犯罪が増える。他方、米中枢同時テロ後の米国ではそれまで頻発していた高校生の銃乱射事件はなくなり、代わりに?大勢の若者が軍に志願するようになった。人は周囲に退屈な「生」が溢れているとつまらない理由で人を殺すが、「死」の緊張感に満たされると「ちゃんとした理由」でしか殺せなくなるらしい。結局この世から殺し合いをなくすことはできないようだ)

同時テロのあとブッシュ米大統領は「戦争」を宣言し、その目的はテロの根絶だと述べた。が、それはテロの被害者や遺族の心情に配慮したからであって、こんな「大本営発表」は鵜呑みにすべきでない。

「庶民の立場」で考えてわからないことも「統治者の立場」で考えるとわかることがある。
人権と治安の両方を実現しなければならない統治者の立場で言えば、テロ撲滅は手段であって目的ではない。目的は(タテマエかもしれないが、とにかく)自由と人権の擁護だ。冒頭の某国の例で明らかなように、テロ集団が生き残ってもそのもたらす被害が小さければ、それでよい。

オーウェルの『1984』のような超監視社会でなければテロの根絶はできないが、それは金銭面でも人権面でもコスト(代償)が高すぎる。ならば、テロ集団をある程度弱めたうえで生かしておき、内部にアンダーカバー(覆面捜査官か警察のスパイ)を潜入させ、上記のようなテロを「やらせる」ほうが、はるかに少ないコストで「有害テロ」が防げる。

テロを実行するには緊張感が要る。だから、たとえ無害テロでも、ドカン!といった直後はテロリストたちは緊張感が抜け、そのあとテロが失敗(無害)だったと気付いても、すぐにやり直すことは不可能だ。したがって統治者の立場で見て、いちばん安全な時間はテロ決行の直後にやってくる。国家的行事の前日や、王室のパレードや葬列が通る直前に、わざと無害テロをやらせてテロリストたちのエネルギーを「ガス抜き」するのは常套手段である。

●凶悪犯の「受け皿効果」●
アンダーカバーに操られたテロ集団を生かしておくことには別の利点もある。放っておけば単独犯で凶悪殺人でもやりかねない連中の「受け皿」となり、ほんものの「不測の事態」「無差別殺戮」を防ぐ機能である。殺人犯の卵をテロ組織が吸収し制御してくれるなら(アンダーカバーを通じて監視できるので)治安上はむしろ好都合だ(世界各国の警察が暴力団の存在を許している理由もここにある)。

だからアルカイダらのテロ組織(をかくまうタリバン政権)に対して国際社会が、軍事、金融、司法の各面で圧力をかけて弱体化し、そのうえでアンダーカバーを送り込んで無害化する、というのがもっとも現実的で安全な「着地点」だ。

●許せぬマスコミの煽情報道●
ところが9月11日以来日本のマスコミは連日「興奮」して国民の不安と無力感を煽っている。その典型は大手通信社の某記者(そのホームページ
http://www.yorozubp.com/0109/010917.htm
を参照)だろう。

「今回(の対テロ軍事制裁)はどのような『戦い』のなるのか誰もまったく分からない」
「今回はアメリカでさえ…特定できていないテロ集団がその『悪』(制裁対象)となった」
「今回はテロ集団の完全なる殲滅以外には終結はないのである」

思い上がりも甚だしい。自分がわからないから「誰も…分からない」とは何事か。「分からない」なら黙っていればいいではないか。
こういう報道に、ワイドショーやタブロイド紙の衝撃的な見出しが加わると、どうなるか。
「さあ、誰もわからないぞ」「なんでもありだぞ」「原発テロだ」「生物兵器だ」……まるで、人々が冷静に考えるのを妨害したいかのようだ。こんな報道ばかり目にしていれば、人々は無益な恐怖感にさいなまれて消費をためらい不況を深刻化させるか「どうせ何をやっても無駄だ」という無気力や無責任に陥りかねない。

現に日本国内(とくに政界)には、地下鉄サリン事件以降、生物化学兵器テロ対策がほとんど採られていないことへの怒りも批判も皆無に近い。政治家も国民も、はや「あきらめモード」なのだ。

筆者が本誌で「20日にテロ」説を検証するシリーズを連載したのは、無知で無責任なジャーナリズム(面白半分のセンセーショナリズム)を糾し、冷静に考えれば必ずしも「なんでもあり」ではないことを大勢の方々に知って頂きたかったからだ。べつに「日本へのテロ第一撃は大したことないから安心しよう」と言いたいのではなく、彼我の取り得る選択肢を冷静に検討すればそれなりに対処は可能だ、と言いたいだけだ。平和は努力せずに手にはいることはないが(日本のような国力の高い国では)努力しても手にはいらないほどのものでもない(もちろん「努力」とは危機管理の努力であって、無意味な平和運動や「正義の味方ごっこ」ではない)。ただしまったく犠牲を払わずに済むわけでもない。

●共謀しない黒幕●
「アンダーカバー作戦」には宿命的な弱点がある。アンダーカバーが「同僚」テロリストに正体を見破られると、そこで終わってしまう、という点だ。それを防ぐには、同僚に疑われないために、ある程度テロを「やってみせる」必要がある。

この辺がCIAや「公安警察」が悪く言われる(万人に好かれない)最大の原因だろう。理由はどうあれ、彼らは任務として無害テロや小規模な破壊を「企画立案」する立場にある。となると、CIA長官らの人事権を持つ政権与党は「どうせテロをやらなきゃいけないのなら」その企画立案を自分たちの都合に合わせたい、という誘惑からは逃れがたい。

となると、米共和党政権下の現在のCIAが、過激派に日本への小規模なテロを「やらせる」ことはありうる。前々回述べたように、10月20日頃に日本への小規模なテロが起きることは米共和党が望む日米同盟の強化や日本の構造改革に役立ちそうなので、もしも過激派内のアンダーカバーがCIAの完全な管理下にあるなら、CIAは彼(彼女)と「共謀して」小規模テロを行う真犯人と言えるかもしれない(が、アンダーカバーが同僚の過激な計画を知っていながら止めなかった場合は「未必の故意」にすぎず、それをCIAにわざと報告しなければ、CIAは無罪だ)。

では、大規模テロが起きた場合はどう解釈すればいいのだろう……それは、アンダーカバーが正体を見破られて同僚に殺されるか敵方に寝返るかして、CIAの管理を離れた場合だ。が、この場合は両者の間に共謀関係はないので、またもCIAは無罪だ(これは「無関係ではないが共謀はしていない」パターンで、米国政府が同時テロを防げなかったくせにテロ発生直後に「犯人はビンラーディン」と名指しできたことを合理的に説明できる、数少ない理論の1つだ)。

同時テロについてイスラム圏で「ユダヤ人犯人説」なる怪説が流れていることは前回紹介した。が、この種の説を説く者は、物ごとを単純化して考えている。

曰く「中東和平問題での国際世論のイスラエル非難をかわすため、イスラエルのユダヤ人がアラブ人イスラム教徒に化けて飛行機を乗っ取って、ユダヤ人の金融ビジネスマンが大勢勤めるWTC(世界貿易センター)を自爆攻撃し、国際世論を『イスラム憎し』の方向に持って行こうとした」。

曰く「CIAはユダヤ人と結託してるに決まってるから、米中枢同時テロは米国の自作自演だ」。

……こういう夜郎自大なことを言う連中は「共謀」という言葉の意味を庶民の立場でのみ考え、統治者の立場では考えないのだ。同じ「共謀」でも、そこらのゴロツキがやるのとCIAがやるのとでは、目的も知的レベルもまるで違うのに……

などと言うと「きさまはCIAを弁護しすぎだ」「CIAとアンダーカバーが完全に共謀して(小規模でなく)大規模テロをやらない保証はない」という反論が聞こえてきそうである。

が、同時テロでニューヨークが受けた被害は、死者・行方不明者6000人以上、被害総額約12兆円だ。これに全米の航空、観光サービス需要の落ち込みや、個人消費の減退を勘案すると、一夜にして全米で数十兆円の富が消えたことになる。これは明らかにやりすぎだ。単に米国民の意識や国防予算の配分を変えたいだけなら、その10分の1、いや100分の1以下の犠牲で十分だ。WTCを避けてペンタゴン(国防総省)を攻撃するだけでもおつりが来る。80年代のソ連の例で明らかなように「赤の広場」不時着事件(これについては
http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/dragon/md.html#01
を参照)のような「無害テロ」を国防総省に敢行するだけで、共和党の軍事改革は十分に推進できる。

にもかかわらず9月11日にあれだけ過剰な被害が出たことは、少なくともその時点ではアルカイダがCIAの管理下になかったことを意味する(が、その後どうなっているかは不明)。

●8項目の提言●
いずれにせよ「実行犯」の元々の管理者がだれであろうと、10月20〜22日に日本周辺でテロがある場合は、その様相はある程度予測できる。以下の8項目は、本件についての筆者の、公式の提言である。ご参考となれば幸いである。

#1
2001年9月半ば以降、アルカイダら世界のテロリストは、国連や日米欧の金融資産凍結策で困っているため、今後のテロでは、特定国政府に資産凍結解除または金銭を求めるはずだ。

#2
日本は世界一テロに弱腰な国で、欧米と違ってテロリストに身代金を払ったこともある。彼らが日本をねらうなら「カネ目当て」だ。

#3
10月20-22日に上海でAPEC首脳会合があり、米大統領らが集まる「特別な日」になることは半年以上前からわかっている。この期間にテロを行う場合米国を含むAPEC加盟国の政治的リアクションを期待して行うことは間違いなく、したがっていつ効果(死傷者)が出るかわからずテロと思われるかどうかもわからない(自然発生した病気と誤解されるかもしれない)生物兵器(細菌等)はこの期間中は使えない(ただし9月や10月上旬、10月末以降には生物兵器テロはありうる)。この期間に日本や極東でテロがある場合、使われる武器は化学兵器、爆弾、飛行機などである。

#4
日本にカネ目当ての要求をする場合、日本への第1撃の被害は比較的小規模(死者数十人、被害額数十億円以下)でなければならない。いきなり原発や新幹線を破壊して大損害(死者数千人、被害額数兆円)を出すと、テロリストは日本政府から人質(日本国民や日本経済)の身代金をもらえなくなる。

#5
したがって10月20日前後にテロがある場合、都心の重要施設ではなく、郊外や地方の交通インフラ(成田空港を含む)やその工事現場(整備新幹線など)、バブル期に造られたあまり使われていない巨大ハコモノ(東京臨海新都心の施設など)、現在プロスポーツの本拠地になっていないスタジアム(宮城スタジアムほか一部のW杯会場)……などが効果的な標的となる。

#6
とくにW杯サッカー会場の破壊は(犯行声明を出さずとも)2002年のW杯「本番」を人質にする意図を暗示することになり、たとえ無人のスタジアムの破壊でも心理的効果は絶大である。韓国の開催会場の上空は現在すべて飛行禁止区域に指定されているが、日本はそうではないので、日本の会場をセスナ機やヘリで自爆攻撃するのはたやすい。

#7
10月9日にアルカイダのスポークスマンがカタールのテレビを通じて「飛行機を使ったテロは今後も続く」と予言したことは「#6」の根拠になる。

#8
同時テロ以降、世界中の空港、とくに米本土の空港の警備は厳しく、旅客機ハイジャックは容易ではない。他方、旅客機以外の飛ぶもの(セスナ、ヘリ、飛行船)は使いやすいし、欧米より警備が薄く、テロの警備に自衛隊を使おうという首相の提案を「警察族」議員(野中弘務ら)がつぶしてしまう迷走国家・日本は、テロ集団から見てもっともねらいやすい。

【以上8項目のみ無断転載、無断複製を認めますが、他の部分については認めません】
(敬称略)

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