テロ受益国:週刊アカシックレコードmail版011015
発行日時: 2001/10/15■テロ受益国:週刊アカシックレコードmail版011015■
テロ攻撃を受けた場合、米共和党よりもだれよりも、いちばんトクをするのは、実は日本国民だ。日本は「黒船」から明治維新・富国強兵を、「敗戦」から高度成長を達成した実績がある。おそらく日本は今度も「外圧」をうまく利用し、それを契機に必要な改革をすべてやるだろう。
【APEC早退?】小泉首相は10月8日や15日に、なぜあわただしく訪中、訪韓したのでしょう? 20-22日のAPECに出席すれば上海でみんなと会えるのに、現に20日には日米首脳会談をやるのに……そうか、万一20日に日本でテロがあるとAPECを途中退席して帰国するからブッシュ以外の人と会っている暇はないわけで、その場合に備えて事前に日中、日韓首脳会談をしたかったんだ……え!? もしそうなら小泉さんには「予知能力」があることになってしまいますけど。(^^;)
【中国たたき元年?】日米がテロ不況に苦しむ中、中国は日米から巨額の貿易黒字を稼ぎ、格安の労働力を背景に、東南アジアに向かうはずの投資を吸い上げ、世界同時不況をもたらしかねないデフレ要因になっていますが、中国の通貨・人民元は変動相場制のもとになく、為替調整はありません。本来ならAPECは中国糾弾の場となり、中国には人民元切り上げによる「輸出縮小」「労働コスト格差是正」を求める外圧がかかるべきなのですが……。
■「20日に第2波テロ」説を検証する(3)〜米中枢同時テロで加速する自衛隊改革■
(前回に続きシナリオ「2001年10月20日、日本国内のW杯サッカー会場の1つがテロで大破」
http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/dragon/scnd.html
のもとでのシミュレーションです)
●韓国世論●
韓国の新聞「中央日報」は、9月21日「『テロ受益国』日本」と題するコラムを掲載した。コラムは、日本政府は米中枢同時テロに対する軍事制裁に世界が賛同する雰囲気を利用し、警察、自衛隊ら政府機関に国内で実質的な危機管理訓練を実施し、海外での危機に自衛隊を派遣するための機会と名分を手に入れ、それを確実にする国内法規を制定するきっかけまでも得た、と指摘。さらに「文明社会に対する挑戦」が強調される中では(韓国も米国の軍事制裁になんらかの形で参加することは間違いないので)「日本のこうした動きに韓国が是非を論じるような雰囲気ではないように思える」と結んでいる(中央日報・日本語サイト
http://japanese.joins.com/php/article.php?sv=jnews&src=pol&cont=pol0&aid=20010921211956200
を参照)。
「韓国が是非を論じる」とは(善良な韓国と違って?)日本はかつて軍国主義化してアジア各国を侵略した「邪悪な国」なので、軍事面での海外進出は抑制すべきだ、と「侵略の被害者」の立場で主張することを指している。
が、この「テロ受益国」と題するコラムは、韓国が、日本の世界における軍事貢献を望まない最大の理由が(侵略の被害とはなんの関係もなく)単なる劣等感の問題にすぎないことを、はからずも露呈させた。要するに、上記のコラムが言いたいのは、日本が経済力のみならず軍事力でも世界に一目置かれる存在になると、韓国人にとってはまた日本に劣等感を感じる材料が増えるのでいやなのだが、それを妨げるいつものパターン(軍国主義批判)が今回は使えないので残念だ、と言いたいのである。
日本が米国と同様の「テロ被害国」になると、その「受益」の程度ははかりしれない。セピア色の静止画の中にしかない日本軍国主義の悲惨さを韓国(や中国)がいくら言い募っても、CNNのカラー動画で見られる現在の日本の被害のほうが圧倒的に雄弁なので、もはや韓国は日本の「過去」を使って民族的劣等感を処理したり、韓国民を反日ナショナリズムで団結させたりすることはできなくなる。
●「被害者」ほど素敵な商売はない●
また、国際社会における日本の求心力も一気に高まる。
9月3日、米中枢同時テロの約1週間前、米国は、南アフリカのダーバンで開かれていた人種差別反対国際会議を「(アラブ諸国の圧力で)イスラエル建国の原動力となったユダヤ人のシオニズム運動を人種差別とみなす決議案が採択される恐れがある」ことを理由に議場から代表団を退席させ、イスラエルとともにボイコットすることを決めた。これに先立ち、米国は地球温暖化防止のための環境保護条約「京都議定書」からの離脱を決めて欧州諸国や途上国の反発も買っていたし、また、9月5日にはEU(欧州連合)の欧州議会で、米英など5か国が冷戦時に設立した世界的盗聴網「エシュロン」が、いまや産業スパイ網と化して欧州企業の利益を損ねている恐れがあると非難し、対抗措置を促す報告書が採択された。この9月上旬まで、国際外交の舞台では、米国は明らかに孤立化しつつあり、9月半ばからニューヨークの国連本部で開かれる予定だった国連総会では、米国非難の大合唱が巻き起こる恐れすらあった。
が、9月11日のテロでこれらの反米的な国際世論はすべて吹き飛んだ(エシュロンも、テロ対策という存在理由を手に入れ、欧州の非難をかわして生き延びることになった)。国連本部の目の前で起きたWTC(世界貿易センタービル)の破壊のため、国連駐在の各国外交官でその影響を受けなかった者はいなかった。総会の開会は何日も遅れ、開会した総会では当然、冒頭で米国への同情と、テロ被害者への哀悼を示さざるをえなかった。そして、9月28日の安全保障理事会に見られるように、国連外交の舞台では「米国ペース」でことが運びつつある。その日安保理では、米国提出のテロ資金源根絶決議案が全会一致で(つまり、中国も賛成する形で)可決された。これにより、中国は、日頃「手下」として使っているテロ国家・北朝鮮への支援を制限されかねない状況を、うっかり作ってしまったのである。
もしも日本が米国と同様の、悲惨なテロ被害国ということになれば、世界の同情が集まり(現在のテロ問題と無関係な何十年も前の日本軍の残虐行為を発掘して日本を非難するのが「専門」の中国人、韓国人や日本の左翼文化人は「不要不急のこと」をほじくるなと罵られ、社会的に排斥され)日本はあらゆる国際会議の場で強大な発言力を持つことになろう(「被害者ほど強いものはない」という真理は、いつも「(侵略の)被害者ヅラ」で威張り散らして日本に外交圧力をかけることを楽しんできた韓国政府がいちばんよく知っている)。逆に、ことあるごとに日本の過去を引き合いに出して、外交を展開してきた中国、韓国、北朝鮮は大打撃を受けよう。
●日韓同盟?●
そして、もしも日本国内のテロの標的が、2002年日韓W杯サッカーの会場だったなら、日米どころか、日韓で「集団自衛権」を発動してW杯を共同で守ろうという動きになるのは必至で、そうなると韓国軍は、予算、装備の面で圧倒的に強大な自衛隊の前に「ひれ伏す」事態もありうる(たとえば米国以外で米国製イージス艦を保有するのは日本だけだが、これが一隻あれば韓国の領空全域をカバーして空からの攻撃を探知し、同時に十数個の目標を迎撃できる。これほどの高性能装備は韓国にはない。米国は日本以外の国には「信用できない」ことを理由にイージス艦を売らないことにしている)。が、それに韓国の政府がさからうことは、テロの脅威とW杯開催を前にした状況では、ほとんど不可能である。
そして、日韓、および両国と同盟を結んでいる米国の協力が深まれば深まるほど、テロ支援国家・北朝鮮の孤立は深まり、北朝鮮への融和策「太陽政策」を続けてきた金大中・韓国大統領は孤立し、2002年の任期切れを待たずして、2001年内にもほぼ、実質的に政治生命を断たれることになろう。
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●米共和党の大勝利●
以上、3週にわたって見てきたように、2001年10月20〜22日のAPEC開催期間中に日本を被害国とするテロが起きることは、日本の国際的発言力(および軍事的「貢献力」)の強化、日米同盟の強化、日韓米の関係緊密化、北朝鮮の孤立化、中国の外交的敗北を招く。
これは、現在の米共和党ブッシュ政権にとって、もっとも好ましいシナリオである。同政権は、現在の北朝鮮や未来の中国(核兵器を持ったまま分裂して内戦に突入した中国か、分裂阻止のために軍政に移行した中国)のような「無法国家」を、MD(ミサイル防衛)と緊急展開部隊を柱とする「ニュー米軍」によって封じ込め、空母や戦車などの旧来型の兵器を大幅に削減(軍縮)することを至上命題としている(が、少なくとも来年度予算に関しては、テロをきっかけに国防予算の大幅増が認められたため、旧来型兵器の軍縮を先送りしたまま、MD予算の「満額回答」が議会から出てしまった。「ニュー米軍」の登場は予定通りだが「オールド米軍」はなかなか退場しない恐れも出てきた)。
すでに同政権は、米中枢同時テロへの反撃を、アフガニスタンに巣食うウサマ・ビンラーディン率いるテロ集団「アルカイダ」と、その支援者「タリバン」政権に対して行うことを口実に、日本、インド、ロシアや中央アジアのウズベキスタン、タジキスタンなどから軍事的協力を取り付けることに成功した。これに、韓国、台湾を加え、そのすべてにMD施設(レーダー基地や迎撃ミサイル発射基地)を配備できれば、中国と北朝鮮へのMD包囲網は完成する。
(すくなくとも中国がロシアおよび旧ソ連の中央アジア諸国4か国と組んで2001年に発足させた上海協力機構が「開店休業」になったことだけは間違いない。中国の新疆ウイグル自治区からロシア連邦内のチェンチェン共和国、アフガニスタンに至る広範な、ユーラシアの「ハートランド」に暗躍するイスラム過激派を抑えるために、中国が中国主導で発足させた、建国以来初の国際的安全保障機構はこれで完全に形骸化し、中国がひそかに勢力圏に編入しようとしていた中央アジアは米国に「乗っ取られた」形になった。これは中国の外交的敗北であり、米国の勝利である)
以上のことから、20日に日本でテロが起きると、米共和党が得をする。同党は現在与党であり、CIAや米軍を動かせるので「自分たちが得をする」状況を作り出す能力は当然持っている。
●テロ受益国●
しかし、いちばん得をするのは(小沢一郎個人ではなく)韓国の中央日報が言っているように、実は日本国民全体である。自民党と社会党の野合によって村山連立内閣ができて以来7年間、まったく出来なかった政治、経済、財政、国防の大構造改革と不良債権処理が一挙にできる展望が出てくるのだから。
しかも、米欧露韓やインドなどと組んで、無法国家(未来の中国と現在の北朝鮮)を悪玉にして、半永久的に正義の側(いじめる側)にまわることが保証され、今後100年はいじめられる心配がなくなる(「侵略」「残虐行為」は戦争に負けた国だけが問われる罪であり、勝ち続ける限り、日本はどんな戦争に参加しても世界の世論から責められることはありえない。このことは米国が原爆投下で責められていないことなど多くの史実によって明らかだ。したがって日本が米欧など世界の大国と組んで戦争することは「いつか来た道」「孤独な軍国主義」に戻ることにはならい。むしろ危険なのは、人権無視の侵略大国・中国と組み、米欧を敵にまわすことである。これこそ「いつか来た道」「ヒトラーとの同盟」の再現である)。
もちろん、日本が得をするには日本へのテロ攻撃が比較的小規模で、その後世界各地でのテロも、西側諸国の諜報機関や司法機関がある程度制御できるという条件が付く。この条件については、次回以降に検討したい。(敬称略)
【次回は、標的と手口を予測する予定です。】
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