映画製作反対は逆効果: 週刊アカシックレコードmail版010906
発行日時: 2001/9/6■映画製作反対は逆効果: 週刊アカシックレコードmail版010906■
中国共産党政府は、自国内やハリウッドで日本を悪玉に仕立てる世論作りに躍起になっている。彼らは「大躍進」と文化大革命で3000万の自国民を死なせ、チベット等でも人権弾圧を繰り返したが、党の支配と権威を維持するには「謝罪や反省」をするわけにはいかないので、中国人民の恨みや国際世論の非難の矛先をかわすため、日本を利用している。が、これをはね返して、日本が国際世論の支持を得るには、絶対に「敵」の言論の自由を「認めた」方法で対抗しなければならない。
【お知らせ】(^o^)/ 本誌や筆者の前著を読まれた方々には、意外かもしれませんが、次作『龍の仮面(ペルソナ)』(仮)の、ほんとうの主人公は、以下の記事内容とは少々違って、女性です。書き進めるうち、彼女は18歳から29歳へ、脇役から主役へと成長し、そして世界中の女性の代表になりました。
■映画製作反対は逆効果■
2001年8月3日、メルマガ「国際派日本人の情報ファイル」JOG Wing No.374に、本誌が紹介されたが、その紹介記事は、筆者と若干意見を異にした。それへの反論として筆者は以下の記事を投稿し、これは8月9日、JOG Wing No.377に掲載された。
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拝啓 グレアム・グリーン 様
私は、貴方様にJOG Wing No.374「歴史観防衛は最重要な安全保障」の記事
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000380.html
で御紹介頂きましたSF『ゲノムの方舟』(徳間書店刊)の著者で作家の、佐々木敏と申します。
(内容は↓で御覧頂けます)
http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/genome/cntnt.html#toyokeizai
御紹介有り難うございました。が、貴方様の
「(南京虐殺を描く)このような捏造反日映画は与野党政治家の力を糾合して徹底的に阻止しなければなりません」
というお考えについては、貴方様の愛国(親日)的心情とは裏腹に、まったく逆の効果を生む恐れがありますので、反対意見を申し上げたく、失礼ながらメール差し上げた次第です。
おそらく今後、ハリウッドで作られる「親中反日」映画の数は増えていくでしょう。が、それを製作前、企画段階から聞きつけて、その製作や上映を妨害しようというのは、アメリカ人にとって(また、日本人にとっても)重要な価値である「言論の自由」を否定することになります。
それは、日本の中学生向けの特定の歴史教科書の内容を、文部科学省の検定作業終了前からリークして、不合格、不採択を求めて圧力をかけている連中と同じ「不正行為」にあたるのではないでしょうか。
もし日本の政治家がハリウッドのプロデューサーを相手に「製作反対」などとひとことでも口にしたら、「日本人は言論の自由がわからない国民」との偏見が広まり(あるいは中国の手先によって広められ)日米の友好関係にとりかえしのつかない打撃を与えかねません。アメリカ人は「言論の自由」のことを「血を流して獲得してきた尊い人権」と教えられて育つので、これを軽視することは致命的です。
中国共産党政府が、ハリウッドへのロビー活動に熱心なのは、『セブン・イヤーズ・イン・チベット』などの反中国映画や、俳優のリチャード・ギアらの「チベットサポーター」の活動を通じて、ハリウッドを敵にまわすことの恐ろしさを痛感しているからにほかなりません。
間違った言論(貴方様が間違っていると思われる言論)に対しては「正しい言論」をぶつけ、反日映画の製作、上映については映画の「完成を待って」抗議運動や不買運動を起こす(最終的にその映画製作者に損をさせる)……このような「言論の自由」に基づく正当な反対運動以外は、絶対にやってはいけないのです。
なぜヒットするかどうかもわからない南京虐殺の映画の製作を、いまから阻止する必要があるのでしょうか? 私は現在、中国政府の猛反発を買いそうな小説『龍の仮面(ペルソナ)』(仮)を執筆しており、これをどこかで映画化、配給してもらいたいと考えております。が、もしも、貴方様の指摘される「南京虐殺」の反日映画の製作阻止が成功してしまうと、中国政府の圧力による私の作品の映画化阻止も正当化されるでしょう。日米の映画関係者も「おあいこ」として容認するかもしれません。
そして、このような既成事実が積み重なっていけば、いずれハリウッドには「中国政府を怒らせる映画は作れない」という不文律が出来上がってしまう恐れがあり、こちらのほうがよほど問題です。
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●中国は日本の「過去」しか責められない
そもそも反日映画といったところで、「パール・ハーバー」にせよ「南京虐殺」にせよ、遠い過去のことにすぎません。いま現在、日本政府が、中国にもアメリカにもなんら具体的な(軍事力行使などの)実害を与えていない以上、そんなもので反日感情や反日世論が、そんなに広まるでしょうか。台湾や香港の日本芸能人大好き族(哈日族、ハーリーズ)が心変わりするでしょうか。
過去を扱った反日映画によって被る日本の被害は、せいぜい貴方様や私を含めた日本人の「不快感」ぐらいで済みます(逆に、チベットで「現在」も進行している人権弾圧を世界に知らしめたがゆえに、中国は『セブン…』などの反中国映画を「実害のあるもの」として目の敵にしたのです)。
●こっちは「未来」を攻められる
重要なのは、現在であり、未来です。
貴方様は中国は13億の巨大人口を持つと言われましたが、私はそうは思いません。中国は、広東省、北京、上海など数千万から一億程度の、言語や文化の異なる「小王国」の寄り合い所帯に過ぎません。日本の某ビール会社が上海には進出したものの中国の他地域に進出しないのは、上海と他地域とでは、生活水準も慣習も法律も役人の賄賂の取り方も違うので、他地域への進出ではマーケティングをゼロからやり直す必要があって採算が合わないからです。
結局、バラバラの貧しい13億人よりも、統一された日本の(豊かな)1億3000万人のほうが市場としては大きいのです(だから『パール・ハーバー』の製作者も日本公開版では、日本市場を気遣い、反日表現を緩めざるをえなかったのです)。
私は(日米でなく)日中の映画摩擦を解消するために、以下のことを提唱します。
#1
「中国の限界」を示唆す映画を製作(中国の過去を扱わない)
#2
(「そっちにも人権問題や人種差別はあるじゃないか」というカウンターアタックを避けるため)中国の人権問題を一切「非難」せず、むしろ中国の近い将来における分裂の可能性(あるいは分裂阻止のための軍政移行の可能性)を示唆する映画を製作
#3
日本の俳優をアジア人(日本人または中国人)の役を演ずるスターとしてハリウッドに大量に送り込む
#4
日本人のプロデューサー、監督、脚本家等を、ハリウッドに常駐させる
私は『ゲノムの方舟』以来、「世界規模」の小説を書くように出版社に要請され、かつ自分でも希望して実践しているのですが、その理由は「#4」にあります
(その件についても、↓こちらをご覧ください)。
http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/genome/cntnt.html#toyokeizai
●向こうが差別しても、こっちは差別しない
世界を意識しているので、当然私は作品の中では、中国人への「十把ひとからげ」式の偏見、差別表現は登場しません。私はいかなる相手に対するものであれ、人種差別、人種偏見は許しません。中国政府の圧力に屈したハリウッド関係者がどんなに偏見に満ちた反日映画を作ろうと、私はそのまねはしません。私は「中国人への人種差別」には全力を傾けて反対します。
ですから、次作『龍の仮面(ペルソナ)』(仮)の主人公は中国人であり、テーマは「中国が中国であり続けること」の限界と苦悩なのです。私は、国の統一を維持するために反日宣伝を「せざるをえない」中国という国には、むしろ同情的です。たしかに個々の中国人は勤勉で優秀なのですが、国という単位では必ずしもそうでなく、まして在外華僑の中国への帰属意識はそんなに強固なものではありますまい。
●代表なくして課税なし
ところで、近年、アフリカ系アメリカ人の圧力団体NAACP(全米黒人地位向上協会)は、アフリカ系がアメリカの総人口の1割を占めることを根拠に、テレビ、映画の大手各社に「ドラマ、映画の1割に黒人の俳優を主役級で登場させよ」との数値目標をつきつけ、実現させました。
が、よく考えてみると、ハリウッドの大作映画の全世界における興行収入の2割は、常に日本市場からもたらされているので(『タイタニック』では2割、『アルマゲドン』では4割)、日本人には「ハリウッド映画の2割を日本の俳優を主役級に起用した作品にせよ」と要求する権利があるはずです。
たとえば、『チャーリーズ・エンジェル』の3人目、ルーシー・リューは日本の芸能界の基準ではおよそ美人のうちにははいらず、香港や台湾の坊やたちに聞いても「あんなのより日本の女優のほうが数段美しい」と口を揃えて言います。
それなら、『チャーリー…』の続編では、ルーシー・リューを降板させ、カンフーアクションのできるもっと美人の日本人女優、たとえば、水野美紀と交代させる、というのはどうでしょう?
代表なくして課税なし……この言葉で独立戦争に勝利して以来、アメリカ社会はその全体が巨大な「会費制クラブ」であり、カネを出したものは当然口を出す権利があるのです。われわれ日本人はハリウッドの財政の2割も負担しているのですから、この程度の要求は当然のことでしょう。
●ハリウッドを味方にしよう
実は、これはフランスやスウェーデンがアメリカに対して、韓国が日本に対して、すでに実践しつつある手法です。なぜ韓国でも思い付くことを日本人は思い付かないのでしょうか。これらの国々は、自国の監督や俳優を世界に進出させようと国を挙げて努力しているのです。
高齢化の進展により、いずれ日本のGDPや市場規模は低下しますから「ハリウッド財政」に占める日本の比重も低下します。いま、日本にまだ十分に力のあるうちに、これは当然やっておかなければなりません。さもないと、将来、中国の圧力で反日宣伝映画が次々作られても、それに対抗する手段は、それこそ「与野党政治家の力を糾合」などという無粋で、実効性の乏しい手段しかなくなってしまうでしょう。
●楽しくない映画は役に立たない
「#3」に関連して、60年代以来しばらく御無沙汰になっている「007」シリーズを、日本に招致するというのはいかがでしょう。80〜90年代にインド、中国は招致を実現しておりますが、日本は映画のロケに自治体や警察が協力的でないという理由で、永く敬遠されておりました。
が、日本でもロケに協力するフィルムコミッションが各地にできてきたうえ、東京都では映画に理解のある石原都知事のお陰で、街中でかなり派手なアクションシーンの撮影でも許可されるようになってきました。
招致できれば、当然、ボンドガールの1人は日本人ということになります(中国は『トゥモロー・ネバー・ダイ』の招致には成功しましたが、国産女優の容姿のレベルが低く使い物にならず、ボンドガールにはマレーシア人のミッシェル・ヨーを借りてきました。「13億人」の力というのは、しょせんこの程度なのです)。
世界を牛耳ろうとする悪の秘密結社(中国共産党?)が日本に対して陰謀をめぐらしているのですから、やはり日本人としては、永田町のセンセイなんぞよりも、正義の味方ジェームズ・ボンドに日本を守ってもらいたいと思うわけです。
そのほうがずっと楽しいでしょう。映画というのは、もともと楽しいものなのですから、対抗手段も楽しいものを考えるべきなのです。そうすれば世界中の映画ファンがわれわれの味方になってくれます。
最後に、私個人のことで恐縮ですが、私が「#4」を実現するには、次作を最低でも5万部売る必要があります。私の意見に賛同して下さる方は、ぜひ2002年1〜2月に刊行予定の『龍の仮面(ペルソナ)』(仮)を宜しくお願い申し上げます。
敬具
-- 佐々木 敏
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