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たすきがけ買収:週刊アカシックレコードmail版010827

発行日時: 2001/8/27

■たすきがけ買収:週刊アカシックレコードmail版010827■
共産主義国家(中国)が右翼を、反共主義国家(アメリカ)が左翼をカネで買って手先として利用することを「たすきがけ買収」といい、これはスパイの世界では日常茶飯事である。日本のナショナリズムが過剰に盛り上がって反米的になるのを防ぐため、CIAは随時、日本の「左翼」を使って押さえ込んでいる。 
【お知らせ】(^o^)/ 映画ファンの皆様、8月下旬以降には『チャーリーズ・エンジェル』や常盤貴子、『パトリオット』等を政治学的に考察した「美人大国(日本)と巨大市場(中国)」等を予定しておりますので、しばらくお待ち下さいませ。
■たすきがけ買収〜参拝か選挙か(6)■
(前回の記事
http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/yasukn.html#us
から続く)

靖国問題に関連して、日本人の中国コンプレックスが「反中国派」にまでおよんでいるという事例を紹介しておきたい。
産経新聞2001年8月15日付朝刊3面「靖国参拝と日本外交」で田久保忠衛・杏林大学教授は、中国の工作能力を買いかぶり「日本の世論を分断し、与野党、政府関係者の大半を意のままに操った」と過大評価している。いったい、中国のような貧しい国の工作機関の資金(たとえば外交機密費)がどれほどあるというのだろう? アメリカの何分の一か、下手をすれば数パーセントであろう。それでいったい何ができよう。 

もちろん「円借款のキックバック」という「自腹」を一切切らない(いかにも貧しい国の考えそうな、ケチな)政治家買収工作の「裏ワザ」があるのは筆者も承知している。日本の過去の対中侵略の「反省」に熱心な「親中国派」の政治家(左翼の村山富市元首相や、自民党の野中弘務、河野洋平元外相ら)が、なぜかみな「自動的に」対中円借款供与に熱心であり、かつ、中国海軍調査船の日本の排他的経済水域内での違法な海底探査(将来日本近海で油田を「盗掘」したり、射程8000キロのSLBM、すなわち日本近海から撃てばワシントンに届く潜水艦発射弾道ミサイルを配備したりするのが目的)にほとんど反対せず、「侵略」の歴史と無関係な李登輝訪日問題でも出入国管理法制の原則を曲げてまで中国の肩を持とうとした、という客観的な事実がある以上、「キックバック疑惑」の可能性は容易には無視できまい(「反省」以外の局面で、中国に対して日本の国益や法治主義の原則をきちんと主張しているのなら、その「反省」は真摯なものと評価されようが、そうでなければ「カネで買われた反省」と疑われるのは致し方あるまい)。 

が、日本の左翼勢力を操っているのが、すべて(共産主義の「よしみ」で?)中国政府だと断定してよいのだろうか。もしそれが正しければ、この間の韓国の動きはどう説明するのだろうか。 

左翼は共産主義国(中ソ)の手先に決まっており、右翼は反共自由主義国家(日米)の手先に決まっている……つまり、それぞれの政治家、政治勢力、個人、国家の掲げるイデオロギー的な看板(タテマエ)を鵜呑みにして敵味方を識別するという考え方は、人類の数千年、いや数万年の歴史のうち、第二次大戦後の冷戦時代、という極めて新しい時代に生まれた、新奇な、奇抜な考え方で、それは他のすべての時代の政治的常識に反している。しかも、ただの一度も学問的、客観的に証明されたことのない机上の空論であり、「神話」ではないか。 

諜報工作でいちばん重要なことは、敵陣営の内部に味方を作ることであって、イデオロギー的(宗教的、民族的)にもともと味方である者を「味方ですね」と再確認するような、バカでもできることをすることではない。もし「再確認」が諜報工作なら、どこの国にも諜報機関など必要ない(国防省や外務省の「外郭団体」で間に合ってしまう)。 

どの学問研究分野においても、必ず新奇の仮説を提起する者には証明義務がある。
本件に関して言えば、「アメリカが日本国内の反米的な勢力(左翼)を手先として使った可能性が十分にある」という考え方は、人類が西暦1945年以前のすべての時代すべての地域で実践してきた陰謀工作の類と同様の「伝統的な」発想で、べつに新奇ではない。したがって、筆者には一切証明義務がない。 

他方、「日本の左翼は中国の手先に決まっている」という趣旨の、田久保の「新奇な」説には証明が必要だが、すくなくとも上記の新聞記事ではまったく証拠が示されていない。これは、単なる「神話」をあたかも証明済みの定理のように広めようとしたもので、学者としては好ましくないことなのではないか。 

「裏切り、調略、世のならいと申します」
「ブルータス、おまえもか!」 

そういう大昔から「たすきがけ買収」が具体的な証拠(ソ連のKGBが日本の右翼政治家、中川一郎を手先として利用しようとしていた事例などは、本誌記事
http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/tasuki.html
を参照)を伴って厳然と存在していたことを考えれば、米共和党は今回「日本の左翼を巧妙に操って、反米ナショナリズムをタブーにすることに成功した」と見るべきではないか。現に、中国共産党政府(の諜報機関)が、元来反共自由主義の政党である自民党の政治家、野中弘務らを(「キックバック」を使ったかどうかはともかく)「手なずけた」という事実がある以上、その数十倍の予算を持つ反共自由主義国家アメリカのCIAなどが、その逆の「たすきがけ」をする、つまり、日本の社民党や共産党、左翼系の文化人や市民運動に「ちょっかいを出す」のは当たり前であって、もしCIAの対日工作担当者が、こんな中国でも簡単にできる措置を講じなければ「職務怠慢」のそしりは免れまい。 

●CIAと左翼
実は、そういう類の「そしり」はアメリカ議会の議事録に厳然と存在する。
1990年2月20日、当時対日貿易赤字と日本の市場開放の遅れに苛立っていた米連邦議会下院外交委員会では、対日政策を議題に公聴会が開かれた。この席で共和党のリーチ議員は、日本の市民運動を買収してCIAのスパイを潜入させ、安い輸入品を求めて市場開放圧力を日本政府にかけるようにリードさせてはどうか、と提言。しかも、その前後には「ニカラグアの反政府ゲリラをカネで買えるのだから、日本の市民運動ごときを買収できないはずはないだろう」という趣旨の発言までしている(朝日新聞1990年2月22日付朝刊「市場開放争点にならぬ総選挙に失望」を参照。ちなみに、この記事を書いたのは、のちに『ニュースステーション』のコメンテーターになる高成田特派員)。 

思い起こせば、日本の左翼勢力は、戦後50年間一貫して「アメリカ製」の平和憲法の護持を唱え、その完全遵守、すなわち「非武装中立」を唱えてきた。彼らは非武装中立論に基づく日米安保反対論をも主張してきたが、実際のところ、そんなことを100回言われても、アメリカは痛くもかゆくない。なぜなら、そんな非現実的な政策は絶対に実現しないからである(現に50年間実現していない)。アメリカにとっていちばん困るのは、実は、スウェーデンなどが実施している「重武装中立論」に基づく安保反対論である。が、日教組など左翼勢力の非武装中立論に基づく「反戦教育」や宣伝が徹底して行われたため、このようなアメリカにとって危険な安保反対論は「右翼」のレッテルを貼られて(石原新太郎以外は)ほぼ抹殺されるか、社会の片隅に追いやられた(いま、「右翼ナショナリスト」の石原慎太郎都知事が嫌いなあなた、社民党の辻元さん。そう、あなたです。あなたは実はCIAにマインドコントロールされていたのですよ (^^;) )。

こうして敗戦以来日本国民の胸中に渦巻いていた反米ナショナリズムは、左翼(とCIA)の反戦平和運動によって、アメリカから見て「実害のない」非武装中立型の安保反対論に集約され「ガス抜き」され、無力化されてしまったのだ。すくなくとも、結果論から見る限り、戦後の日本の安保反対運動が、実質的には「安保容認運動」として機能したと言われても、当事者は文句は言えまい。

2001年8月15日深夜の、一部の右翼団体が「反日(左翼)番組」と呼ぶTBSの『ニュース23』は終戦特集を組み、例によって第二次大戦中の日本の「加害」を取り上げたが、そこに出てきた外国の「被害者」は、中国人でも韓国人でもなく、日本兵に惨殺されたアメリカ兵だった。 

日本のナショナリズムは、アメリカが認める範囲でしか許されない。その限度を超えれば、アメリカは日本の左翼を使って必ず押さえ込む……道義的に正しいことかどうかはともかく、それが現実である。 

ちなみに『ニュース23』のキャスター、筑紫哲也は、かつて筋金入りの原発反対派、つまり「石油派」(広い意味で「親共和党」)であった(詳しくは、筆者の「石油戦争」の「分類表」
http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/usout.html#table
を参照)。 

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●だれのお陰で生き延びたと思ってるんだ
悔しい!
と思った、反米ナショナリストのあなた、と「愛国心」旺盛な靖国神社の松平永芳元宮司だけに、ひとこと(べつに「悔しくない」という人はお読みにんまりませんように)。
もし、第二次大戦後、日本を占領したのが、アメリカ軍でなく、ソ連軍あるいは中国共産軍だったら、靖国神社はどうなっていたか……もちろんとっくに廃絶されている。アメリカ軍だったから、靖国神社に限らず、天皇制を含めて多くの日本的システムが維持されえたのだ。そのことは東條英機をはじめ、当時の戦争指導者ならみなわかっていたことで、だからこそ1945年8月、日本帝国政府は「ソ連が攻めてくる前にアメリカに降伏したほうがトクだ」と計算して8月15日に降伏したのだ。そして、この「残虐な共産主義者に犯される前に」という焦りがあったからこそ、アメリカに「無条件降伏」する、という屈辱に耐えたのだ。 

靖国問題では、日本政府も神社当局も「中国に配慮」する必要は微塵もないが、「アメリカに遠慮」しても、ばちは当たるまい。東條英機の遺族や神社当局が合祀取り下げを拒否するのは、靖国神社が米軍の庇護を受けていること忘れた、まったく恩知らず、恥知らずな態度である。 

どうしても、合祀取り下げをしないのなら、仕方がない。憲法上、日本国政府は戦後に独立の宗教法人となった靖国神社に干渉できないので「合祀を取り下げろ」とは言えないのである。 

が、それなら政府は、A級戦犯のいない新たな慰霊施設、たとえば国立墓地を造って、そこに「未来の英霊」をまつる(葬る)ほかない。そして、そこには国連事務総長、アメリカ大統領、および天皇陛下が参拝し、この新たな施設は「活況」を呈するだろう。 

そのとき、靖国神社はどうなるだろうか。いまでこそ、日本遺族会の自民党員は11万人、「英霊にこたえる会」の会員は120万人いるが、これらの会員の中核を占める「戦前生まれ」は次々に天寿をまっとうしていくし、他方、戦後民主主義教育を受けた世代の、日本国の総人口に占める比重はどんどん上がっていく。産経新聞などは「国民世論の大半は、靖国神社こそが英霊慰霊施設の中心と思っている」と主張するが、仮にそれが正しいとしても、それはあくまで「現在の民意」にすぎないのであって、「30年後の民意」がそれと異なるのはいまから十分に予測できることではないか。このままA級戦犯合祀を続けていけば、理論上は、あと20〜30年で靖国神社に参拝する人はほとんどいなくなるはずである。これは、神社の「経営上」大問題ではないのか。 

筆者は、松平永芳が行った合祀強行は、企業で言えば「背任罪」に相当する重大なものと考える。もしも筆者がいま靖国神社の宮司なら、松平永芳を出入り禁止にし、損害賠償を求める民事訴訟を起こす。松平がやったことは、それぐらい悪質なことだ(また、SP差別も許せない。民主的な手続きで選ばれた首相の靖国参拝にあたり、SPはいざとなれば一命を投げ打ってでも首相と民主主義をテロリストの銃弾から守る、という覚悟で護衛の任に就いていたのに、その崇高な任務を非難したことは、民主主義に対する侮辱というほかない。SPより軍人のほうが偉いとでも思っているのか!)。 

国際協調や民主主義を無視して独断専行する、松平のような悪質な軍人は軍法会議にかけて厳罰に処さなければならない。それを怠ったから、戦前の日本政府は軍の統制に失敗し、破滅的な戦争に引きずり込まれて大敗を喫したのだ。「二度と悲惨な戦争を起こさないように反省する」というのは、実は責任を明確にしあやまちの再発を防ぐことなのだ。ただ涙を流して「平和を願う」と言ったぐらいでは、なんの役にも立たないのだから。 

●無責任体質の「特殊法人」
A級戦犯14名の名を記した名簿について、政府側は「参考資料として渡した」にすぎないと主張し、神社側は「政府がまつるべき神様(亡くなった人)の名前を指定したのでそれに従った」とあたかも命令されたと言わんばかりの主張をし、責任のなすり合いをしているという(テレビ朝日『サンデープロジェクト』2001年8月12日)。が、現憲法の政教分離原則があるので、政府が神社側に「合祀しろ」と命ずることはできない(だから分祀も強制できない)はずで、神社側がウソをついているのは間違いない。 

靖国神社というのは、つくづく「だらしのない組織だ」と思わざるをえない。この宗教法人には顧問弁護士がいないのか、いてもよほど無能なのか……基本的な事業(英霊の合祀)の責任の所在すら明らかにできない、そのあいまいな体質は、族議員利権の庇護下にある、どこかの特殊法人にそっくりではないか。 

この自堕落な体質を改善できなければ、すくなくとも天皇の公式参拝など未来永劫ありえないし、堕落した組織の常として(戦後はもう「親方日の丸」ではなくなったのだから)その存続すらあやういであろう。 

まず、神社内に「シビリアン・コントロール」を確立せよ。それができなければ、それまでだ。 
(敬称略) 

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