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実は対米配慮:週刊アカシックレコードmail版010820

発行日時: 2001/8/20

■実は対米配慮:週刊アカシックレコードmail版010820■
ところで米大統領はなぜ靖国神社に参拝しないんだろう? 将来日米同盟が強化され、米軍との「集団自衛権」に基づいて自衛隊員が殉死し靖国に合祀されるなら、米大統領には「未来の英霊」への参拝「義務」が生じる。13日の小泉首相の靖国参拝の前倒しを受けて「参拝後の首相談話に留意する」などと早々に参拝容認を打ち出した中国政府の「おふざけ反対論」を排除し、15日参拝の「真の反対者」を絞り込むと、米国政府、日本財界、山崎拓・自民党幹事長が浮上する。 
【お知らせ】(^o^)/ 映画ファンの皆様、9月以降には『チャーリーズ・エンジェル』や常盤貴子、『パトリオット』を政治学的に考察した「美人大国(日本)と巨大市場(中国)」等を予定しておりますので、しばらくお待ち下さいませ。
■実は対米配慮〜参拝か選挙か(5)■
先週(13日mail版)で、筆者は、死者を鞭打たない米国軍人の倫理観を紹介した。また7月30日(mail版)には、首相の靖国神社参拝に賛成する「靖国:○」派はほとんど全員、現在の米共和党政権の最重要の国防政策であるミサイル防衛(MD)や有事立法、集団自衛権の行使、日米同盟の強化に賛成の「MD:○」派であるとも指摘した(詳しくは「●靖国とMD」
http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/yasukn.html#md
を参照)。 
そこで、筆者は考えた。それなら、アメリカ政府、とくに共和党や国防総省の、日本・台湾重視派(中国警戒派)はなぜ「靖国:○」でないのだろう? 積極的に現政権の重要政策に賛同しようとしている同盟国の政治家たちに感謝し、「お返し」をしてもよいではないか。筆者は、本件を通じて、大手マスコミがまったく取り上げなかった「アメリカの立場」に着目して、小泉首相の参拝日程変更の理由を探ってみたい。 

●中韓、早くも「容認」
13日の小泉首相の靖国参拝「前倒し」には、筆者も驚いた。これに関して、大手メディアの賛否両論は14〜15日にすでに出尽くした感があるが、そのほとんどが15日の終戦の日を避けた理由を「中国、韓国など近隣アジア諸国への配慮」としている。が、中韓などの反発は事前に予想できたレベル、いや、それ以下のものであった。中国から日本への「非公式の要求」は8月に訪中した山崎拓・自民党幹事長らを通じて首相官邸に伝わり、新聞各紙でも報じられたとおりで

#1 参拝の日付を15日より後ろ、できれば週末の18日に下げる
#2 参拝後にA級戦犯に向けた参拝でないことや侵略戦争反省の談話を出す

の2項目だった。結果的に小泉は、2項目のうち「1.5項目」に応えたのだが、「#2」の談話がかつての「村山首相談話」とそっくりな「左翼的な」徹底的な反省の表明であったことを考えると、「1.5項目」でなく「1項目」、つまり談話は出すが、15日参拝は変えない、ということでも十分やりすごせたのではないか、と思われる。 

案の定、中国、韓国政府とも、早々と事実上の「参拝容認」の姿勢に転じた。両国の政府や世論が日本に厳しくなった、と書く新聞もあるが、そんなのは国際法や外交の作法を知らない未熟者のたわごとである。通常、国家が国家の尊厳を主張して友好国(国交のある国)に対して取るべき第一の策は「大使召還」である。これは外交儀礼上「不快感の表明」を意味するが、経済制裁などの実害を伴わない利点があるので、国交断絶をせずにプライドを保つ手段として外交の世界ではよく検討される。たとえば、もし日本政府が日韓間で帰属を争っている領土、竹島を武力で占領したら、韓国政府はまず駐日大使を召還するであろうし、韓国の国会では日本との国交断絶を議論するであろう。しかし、今回、中韓両国政府は、経済的にビタ一文失わずに実行できるこの「手軽な」外交措置を「ほのめかす」ことすらしなかった。

これは、両国政府の靖国批判が国内向けのタテマエにすぎないことを意味している。元々中国政府は、79年から85年8月までA級戦犯合祀を知っていながら、日本の首相の靖国参拝を「容認」し、85年9月になって突然文句を言い出すなど、まさに「面白半分に」反対論を出したり引っ込めたりしているのである。「本気でない」ことは最初からわかり切っている。まして、「中国に反日世論が広がる」などという一部メディアの懸念に至っては、あまりに現実離れしていて呆れるほかない。中国は民主主義国家ではなく、言論の自由のない共産独裁国家である。もともと世論などないのだから、そんなものを考慮する必要はかけらもない。 

●なぜ13日なのか
したがって、筆者は、首相が2〜3年続けて参拝すれば、中韓両国の批判は「自動的に」鎮静化すると予想したし、小泉もそう言っていた(産経新聞2001年8月14日付朝刊2面)。だからこそ、12日に小泉は、終戦の日に公約どおり参拝することを前提に、参拝に関する首相談話の草稿を書いて福田康夫官房長官に送ったのだ(同朝刊3面)。 

12日、草稿を見た福田は驚き、首相に電話して「13日案」を説きはじめる。翌13日(「15日派」の安倍晋三官房副長官と飯島勲秘書官が休暇中だった)、小泉は、山崎拓と福田に会い、13日参拝を決断した(同朝刊3面)。とすれば、福田と山崎、その周辺あるいは背後にいた者だけが、首相の参拝日程に影響を与えたことになる。ほかは一切関係ない。 

●福田の背後に財界
福田は8月初旬に、経団連首脳から「15日を外せば、諸外国の反感が五割は減る」(産経新聞2001年8月15日付朝刊3面「誰が『15日』を阻んだのか」)と聞かされていた。筆者が注目するのは、この経団連首脳(おそらく今井敬会長)が中国ともアジア近隣諸国とも言わず「諸外国」と言ったところである。 

この経団連は、来年2001年5月、日本を代表するもう1つの経済団体「日経連」と統合する。その日経連の会長は、奥田碩・トヨタ自動車会長で、この2人は2001年6月20日に統合問題で会談したばかりである。とすると、上記の「経団連首脳」の意見とは、奥田の意見にかなり近いのではないかと想像される。 

その奥田は『週刊現代』2001年3月17日号の記事で、石原慎太郎・東京都知事を、反米的な「デマゴーグ」(扇動家)だから首相にふさわしくないと酷評している(同誌同号p.34)。 

その石原は15日に靖国に参拝し、小泉は13日だった。これは何を意味するのか。 

●山崎の背後に米共和党
もう1人のキーマン、山崎拓は与党3党幹事長訪中団の一員として、直前に中国を訪問して、靖国に反発する中国政府の意向をうけたまわってきた、と報じられていることから「中国に配慮」して、首相に13日参拝を進言したのだろうと思われている(が、山崎ら3幹事長は、実は、5月末にアメリカにも行っており、このときは米共和党政権高官と会談したが、元防衛庁長官の山崎は日米同盟強化への積極姿勢を示し、消極姿勢に終始した公明、保守両党幹事長との違いを見せた。産経新聞2001年6月2日付朝刊3面を参照)。 

しかし、NHKなどが報じる中国の非公式要求では「希望日」は「16日以降、できれば18日」だった。これには合理的な理由がある。16日以降にしてくれれば、15日の日本にとっての終戦の日、中国の対日戦勝記念日は「無事に」通過できる。中国の政府もメディアもあまり反日的な言動をせずに済む。テレビの番組編成が平日と違ってニュースの放送時間の短い週末(18日)なら、さらによい。これは中国がこの問題で日中関係を悪化させたくないというホンネを反映したものだ(が、参拝が13日に「前倒し」されたため、15日、中国共産党機関紙「人民日報」など主要メディアは、これに言及せざるをえなくなった。詳しくは、人民日報サイトの「“八・一五”感言」
http://www.people.com.cn/GB/guandian/26/20010815/535383.html
を参照)。 

つまり、与党訪中団が持ち帰ったのは、靖国参拝「後ろ倒し案」であり、事実上の中国政府による靖国(A級戦犯合祀)容認論なのである。ところが、山崎は帰国後、これとまったく逆の行動を取る。首相には「前倒し」を進言し、マスコミには「解決策」の試案として「A級戦犯分祀論」(合祀取り下げ)をリークするのである。これは中国の要求ではない。 

では、だれの要求だろうか?
13日に山崎拓と同席したあと、福田官房長官は突然「無宗教の国立墓地(戦没者慰霊施設)について検討する私的懇談会」の設置を発表する。つまり、山崎は「A級戦犯のいない靖国」への参拝を口にし、彼と会談したあとの福田は「A級戦犯のいる靖国」をあきらめ、別の慰霊施設を造ることを示唆したのである。福田、山崎の言動はA級戦犯への取り扱いに「特化」しており、また両者の言動を合わせると、独立の宗教法人である靖国神社に対して「合祀取り下げ」か、新たな慰霊施設に参拝者を奪われて「閑古鳥」が鳴く事態になるか、2つに1つを選べと「恫喝」するに等しいものである。なんで、こんな乱暴な話になったのか。 

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●死者に罪はない
A級戦犯が合祀されていることを問題視する「靖国反対論」に対して、分祀すべきでないと主張する側のおもな「正論」は2つある。1つは、すでに述べた「死者に罪はない」という、中国以外の世界各国に幅広く見られる人道主義的価値観である。これは小泉も言っている。もう1つは、A級戦犯を作り出した「東京裁判」が国内法や国際法に基づいた裁判ではなく、裁判に名を借りた政治ショーであり、戦勝国による敗戦国指導者への復讐劇であった、というものである(こちらは、さすがに小泉は口にしていない)。 

おそらく戦勝国の当時の指導者のだれ1人として、A級戦犯の「主犯」東條英機首相を、ヒトラーと同等の極悪人などとは思っていなかったに相違ない。東條はヒトラーと違って特定の民族(ユダヤ人)の抹殺など意図しなかったし、そのための人種隔離用の強制収容所も造らなかった。その手の収容所は、実はアメリカにあったのである(日系人の強制収容を想起されたい)。東條が行ったのは通常の戦闘行為であり、戦後のドイツ政府が謝罪の「対象外」にしたことだけである(戦後ドイツは、ユダヤ人強制収容、殺戮以外には一貫して謝罪を拒否し、逆に連合軍によるドイツ市民への過剰殺戮を非難している)。 

が、戦勝国の中心、アメリカ指導部では、トルーマン大統領が国際法違反の市民への大量殺戮である原爆投下を実行し、戦後の占領政策の過程では、これまた国際法違反の占領下の憲法制定をマッカーサーGHQ司令官が行った(自衛隊が日本国憲法9条違反かどうかという議論があるが、それ以前に日本国憲法自体が、実は違法なのである。石原慎太郎はこの点を指摘して、現憲法は改正でなく「廃棄」してしまえと主張している)。 

このようなアメリカ側の罪を隠蔽し、原爆投下や違法な憲法制定を正当化するために、東条らのA級戦犯にはなるべく極悪非道に「なってもらう」必要が、東京裁判当時のアメリカにはあった。だから、「戦争殉難者」である東條らのA級戦犯をまつって慰霊しても問題ない……こういう「正論」が、小泉首相が4月に靖国神社参拝を公言して以来4か月にわたって繰り返し、保守勢力によって唱えられ、メディアに登場した。 

アメリカ政府の日本専門家、とくにCIAや国務省、国防総省の分析担当官らは、日本語を読み、これらの世論を分析したはずだ。そこで筆者は考えた、このような「東京裁判批判」を繰り返し読まされるアメリカ人は、いったいどんな気持ちになるだろうか、と。 

●アメリカの死者にも罪はない
東京裁判批判論者は、ほとんどの場合「死者に罪はない」とも言うが、そのわりには、東京裁判の不当性を言い募ることで、トルーマンやマッカーサーなど、アメリカ側の死者の罪を問うているではないか。「これは不公平だ」と感じるアメリカ人がいても、べつに不思議ではない。 

第二次大戦の日米開戦に関しては、F・D・ルーズベルト政権が「ハル・ノート」によって日本側を追い詰め、真珠湾攻撃をさせ、しかも奇襲でなく米政権はその予定を事前に知っていながら「卑怯な奇襲」を演出して開戦、戦争特需による大不況の克服、広大な勢力圏の確保への道を開いたのだ、という「陰謀論」が根強くある。今年2001年になってからロバート・スティネットの『真珠湾の真実』が刊行されて、アメリカで「かなり信憑性の高い陰謀論」として話題にもなっている。が、「開戦の首謀者」としてルーズベルトの「罪」を問うことは、第二次大戦の戦勝に基づく戦後のアメリカの「正義」と繁栄、戦後の日米関係、そしてそれらのもとでの戦後日本の繁栄や現体制まで否定することにならないか……アメリカの親日派の政治家が、そう危惧しても不思議ではあるまい。現にA級戦犯合祀容認論者の石原慎太郎は、GHQの作った日本国憲法を全否定し、改正でなく廃棄しろと言っているのだから。 

日本が愛国心教育をし、健全なナショナリズムを持ち、憲法9条を(廃棄でなく)正当な法と受け止めたうえで改正し、集団自衛権を認め、有事法制を整備して日米同盟を強化することに、アメリカの、すくなくとも共和党関係者や国防総省幹部は賛成である。が、「反米ナショナリズム」は困るのだ。東京裁判の不当性を言われては、アメリカだけでなく、当時の戦勝国や、その集まりである国連も困るのだ。 

だから、アメリカの大統領も外交官も軍人も、また英仏など他の連合国の政府高官も国連事務総長も、靖国神社に参拝できないのだ。安倍晋三官房副長官(A級戦犯であった岸信介首相の孫)は「アルゼンチンの大統領もNATOの司令官も靖国神社に参拝している」と主張するが、そのような「泡沫候補」(失礼!)の参拝事例しか挙げられないところに、靖国神社の「国際的孤立」が鮮明に現れている。 

●合祀は復讐か
第二次大戦後、GHQは国家神道の慰霊施設(戦前は陸海軍が管理)であった靖国神社を廃絶しようとしたが、「どこの国にも国のために死んだ者を慰霊する権利がある」という、当時日本にいたローマ法王庁の神父の諫言をGHQが聞き入れて、靖国神社は生き残った。戦後は国から独立した独立の宗教法人となったが、まつるべき神様(亡くなった人)の名簿は国から提供され、それに基づいて合祀されることになっている(これを国会で立法化したとき、当時の社会党は賛成した)。 

ところが、戦後の新憲法下での国と宗教(神道)の関係について、政府も靖国神社もなかなか頭の整理がつかなかった。このため、かつてアメリカのニクソン大統領の訪日時に「米大統領の靖国参拝」が検討されたとき、政府はまともに答えられず、結局ニクソンに断られてしまった(1985年8月の中曽根康弘の「いわゆる首相の公式参拝」のための法的検討、政府見解の取りまとめまで、政府はこの問題の答えを出せなかった)。 

1967年、政府の作成した「神様」の名簿に、東條ら14名のA級戦犯が「戦争殉難者」と認定されて、記載された。ところが、これを受け取った靖国神社側は、1978年まで、実に10年にわたって「熟慮に熟慮を重ね」合祀をしぶるのである。そうこうするうちに、当時の宮司が亡くなり、78年、松平永芳が第6代宮司に就任する。帝国海軍軍人であった松平は、就任直後、あっさり14名の合祀をやってのける(雑誌『正論』2001年9月号p.105、テレビ朝日『サンデープロジェクト』2001年8月12日)。 

筆者はここに復讐、あるいはアメリカへの「あてつけ」の匂いを感じるのである。なぜなら、この宮司は中曽根が85年に熟慮の末に編み出した、現憲法に違反しない「公式参拝」の形式を「非礼きわまりない」などと公然と罵倒したからである(毎日新聞1999年8月17日付朝刊「記者の目」
http://www.mainichi.co.jp/eye/kishanome/199908/17.html
によると松平は、中曽根がSPの護衛付きで参拝したことまで非難したというから、危機管理意識のかけらもない、無能な軍人だったに相違ない)。これは米軍占領以降の戦後(憲法)体制の全否定にほかなるまい。もし、松平が「死者となった東條に罪はない」と言う一方で、死者トルーマンらへの恨みを込めて東條の合祀を決めたのなら(軍人の気持ちとしては理解できるが)宗教者としては悪質な「二枚舌」であり「失格」ではないか。 

もしそうなら(という条件付きだが)靖国神社には東條らの合祀を自主的に取り下げる道義的責任があるのではないのか。
「死者トルーマンの罪を許す」場合のみ、死者東條の罪(たとえ侵略責任はなくとも日本国民への敗戦責任はある)は許され、英霊の仲間入りが可能なはずである(日本の首相、閣僚、外交官は過去に何人もアメリカのアーリントン墓地に参詣しているが、その際「トルーマンを許す」と思った者が1人でもいたのだろうか)。「死者の罪」の問い方を国籍によって差別するような、あるいは、真摯であるべき英霊の追悼に復讐心を込めるような、俗世のエセ人道主義者に、英霊をまつる資格はないはずだ。 

松平宮司は、先代宮司の躊躇の意味をまったく斟酌しなかった、きわめて視野狭量な人間である、と筆者は思う。こんなにんげんが帝国軍人だったから日本は戦争に負けた(外交上「負ける側」にはいった)とさえ言いたくなる。彼が考えたのは「過去の英霊」のことだけだ。彼は1992年に宮司を退任するまでに、一度でも「未来の英霊」のことを考えたことがあるのか。 

日本が今後二度と「負ける側」にはいらないためには、世界の有力国(必ずしも正義の国ではないが「勝てば官軍」)や国連との協調、同盟は不可欠だ。とすれば、自衛隊員は今後、同盟国や国連PKFとの「集団自衛権」行使の過程で殉職する可能性が高い。それならば、同盟国の元首、首相や国連(第二次大戦の「戦勝国クラブ」)の長が参拝できないようなところに「未来の英霊」はまつれない。 

筆者は、タイムマシンで1978年に行って松平宮司に問いたい。あなたは、自衛隊が全世界を敵にまわして、日本一国だけで「正義」のために戦うような国際的孤立でも想定しているのか。日本がまた「負ける側」にはいってもいいのか。負ければ一切の正義は取り上げられ、勝てば国際法違反の虐殺でも正当化される……それがさきの大戦の最大の教訓ではなかったのか。まだ目がさめないのか。 

合祀の強行(取り下げ拒否)は、つまるところ、「負け犬の遠吠え」ではないか。今頃になってアメリカに復讐して何が面白いのか。軍人なら恥を知るべきだし、宗教者なら二枚舌はやめるべきだ。 

●米共和党と鳩山民主党、YKK
米共和党(現政権)やそれを支える保守派は、靖国批判を中韓両国政府や、日本の左翼、アメリカのリベラルなメディア(ニューヨークタイムズ、ワシントンポスト)に任せ、自らはノーコメントを通した。

が、8月3日、米保守派のオピニオン紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が、初めて日本の首相は靖国に参拝すべきでないとする社説を掲載する(WSJサイトは有料なので、この原文へのリンクは張れない。代わりに紹介記事「米中関係と靖国問題」
http://tanakanews.com/b0807USJP.htm
を参照されたい)。この掲載時期は、経団連首脳が福田に「(米国を含む)諸外国への配慮」を促した時期と符合する。その福田が検討すると言い出した「国立墓地」案は、実は民主党の鳩山由紀夫党首のほうが「先輩」である。 

鳩山はけっして「親中国派」ではない。2001年4月の李登輝・前台湾総統の訪日問題で、中国政府が訪日に反対した際には、小泉や福田以上にはっきりと、いちはやく訪日受け入れを主張した。とすれば、彼の背後にはだれがいるのだろう。 

2000年秋の「加藤政局」を思い起こしてほしい(本誌の記事「アメリカに棄てられた政治家たち」
http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/usout.html#kato2
と、リンク先の「分類表」を参照)。鳩山民主党の有力議員と、米共和党ブッシュ陣営の経済アドバイザー(おそらく現在のリンゼー大統領補佐官)と、山崎拓と加藤紘一が2000年11月15日(「加藤の乱」の直前)、そろって政策勉強会を開いているのだ。一方、靖国問題に関する報道では、山崎(Y)と同様、加藤(K)も、小泉(K)に「前倒し」を促したとされる。 

加藤は、中国語が堪能な外交官であったことから「親中国派」と見られがちだが、2000年秋から2001年8月にかけての行動は、日本における「親中国派」の代表選手である橋本派(野中弘務・元自民党幹事長)に敵対する「親共和党派」であることが見える。 

中国の要求は16日以降への「後ろ倒し」であり、13日早朝の韓国KBSテレビ(現金大中政権寄り)の予測は14日または16日以降の参拝を予測していた。が、山崎と加藤と小泉(YKK)は、このすべてを覆して13日を選んだ。 

筆者は、小泉に13日参拝を決断させたのは、アメリカ共和党(現政権)であるという結論に至った。小泉の構造改革を強く支持する米政権は、小泉が「参拝中止」という完全な公約違反を犯して指導力を低下させるのを恐れる一方で、公約どおり15日に「石原慎太郎といっしょに」参拝して過剰にナショナリズムを盛り上げてもらっては困るので、中国の「要求していない」前倒し参拝を、山崎拓と「経団連首脳」を通じて小泉に求めたのではないか。  

思い起こせば、筆者が2001年3月17日、小泉の自民党総裁選出馬「前」に早々と「1年以内に小泉政権誕生」と予言(でなくて科学的予測)をして的中させられたのは、米共和党が小泉を選ぶと読んだからであった(「予言的中」の証拠は
http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/usout.html#koizumi
を参照)。筆者は今回「原点」に戻って全体を見直した次第である。 

(敬称略) 
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