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お魚のことを「もっと知りたい、食べたい、料理したい・・・」そんなお魚好きのあなたに贈る「お魚の雑学辞典」です。ちょっとタメになって面白い「よもやま話」を「魚名当てプレゼントクイズ」のおまけ付きで発行しています。




お魚よもやま情報2007年12月号<オールを持つカニの話>

発行日: 2007/12/16

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 □■□ お魚よもやま情報  2007年12月号 □■□

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一ヶ月のご無沙汰です。今年も残り少なくなりました。すでに「寒い冬」
の覚悟はできているのですが、どうなるのでしょうか。市場では年末に
向けて、準備万端、注文待ちの状態です。ところが肝心の年末商材は、
数の子やカニ、マグロなど主力品が高値のため、苦戦を強いられていま
す。高価なおせちセットなどの予約は益々好調のようなのですが・・・。
さて、今月のお題です。鍋物にカニを入れるとダシが良く出て濃厚な旨
味を楽しめますね。タラバやズワイもいいですが、活物ではなくても冷
凍物でも切りガニでも、財布に優しい上に十分旨い!のです。
というわけで、今月はワタリガニ(ガザミ)の話です。

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>> 目 次 <<
 1.オールを持つカニの話
 2.お魚よもやま情報資料館12月号
 3.読者の皆さんの広場で〜す!
 4.プレゼントクイズ12月号/この漢字の魚介名を当てて!
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 1.オールを持つカニの話
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京浜地区では標準名のガザミは聞き慣れない名前で、通称のワタリガニが一般
的です。活物は周年入荷しますが、高価ですし家庭では料理に困るようで、も
っぱら料理屋向けです。でも、このワタリガニを胸肉と脚を付けた状態にカッ
トしたものが「切りワタリ」として鍋物材料の定番品になっているのでお馴染
みですね。

▼ワタリガニってこんな蟹です・・
 甲羅は横長で菱形に近く、緑色を帯びた暗褐色で甲羅の後方やハサミ脚には
 無数の白い斑紋があり、オスの方が青みが強く、腹側は白色です。甲は固く
 すべすべしていますが、前縁やハサミ脚には鋭い棘を持っています。ハサミ
 脚1対と歩脚4対がありますが、第4歩脚の先はボートのオールの様に扁平
 になっていて、遊泳脚と呼ばれます。メスの方が大きくなり、最大では甲幅
 が25cm、体重1kgにも達します。

 ワタリガニは十脚目ワタリガニ科ガザミ属に分類されます。仲間にはタイワ
 ンガザミやジャノメガザミ、イシガニなどがいます。青森県以南の日本や韓
 国、台湾、中国大陸などの内湾に分布しますが、暖流の影響が強い年には、
 北海道南部まで北上することもあります。

▽旬
 商品価値は抱卵したメスが圧倒的に高く、切りワタリとして冷凍流通するの
 はオスです。でも、旨味成分はオスの方がメスの10倍も多いそうです。
 夏の季語であるように旬は初夏とされますが、この時季、メスの甲羅の中に
 は産卵前の卵巣が充満しています。また、秋から冬、深場へ移動する時季は
 交尾後の太ったオスの身肉は、絹のような舌触りと甘味が最高です。四季折
 々、ミソと身肉の味わいそれぞれを楽しめます。

▽かつてはごく身近なカニ
 昭和30年代までは東京湾でもたくさん獲れ、当時の品川から大森駅周辺な
 どでも名物としてワタリガニを食べさせる料理屋が繁盛していたそうです。
 映画の「三丁目の夕日」には、これを食べるシーンはまだ登場していません
 が、まさにこの時代、庶民の人気を独占したカニでした。

 時代をさかのぼると遙か昔、弥生時代にはすでにワタリガニはたやすく手に
 入る重要な食料でした。料理方法は刺身か焼きガニでしょうか(^^)。

▼生態・・・
 内湾部の水深数mから40m位までの砂泥底が住みかで、昼間は砂泥に潜り
 込み、夜間にエサを求めて活動します。この時、威力を発揮するのがオール
 状の遊泳脚です。ワタリガニの仲間は他の科のカニたちと違い、泳ぎが得意
 です。泳ぎながらエサを捉えることもできます。肉食性で貝類や小魚、エビ、
 カニなどが好物です。

 交尾は水温が降下する秋に行われます。ペアになったオスは背後からメスを
 抱えたまま、メスが成熟して脱皮するまでの間、2〜5日間も待ちます。よ
 うやく脱皮を終えたメスにオスは精子を渡します。その後、秋から冬に水温
 が14〜15℃くらいに低下するとエサを獲ることを止め、深場に移動して
 砂泥底に潜り込み越冬します。

 水温が上昇する春には沿岸部の浅瀬に移動し、多くは初夏5〜6月に1回目、
 夏7〜8月に2回目の産卵をします。この時に初めてメスが体内で保管して
 いた精子で受精するのです。産卵した卵はメスの腹部内で卵塊となり、2〜
 3週間後の夜間に孵化します。孵化したゾエア幼生は短時間の内に脱皮を繰
 り返しメカロパ幼生に変態して、1週間後に稚ガニに変態します。

 稚ガニの成長は目覚ましく、水温とエサの量に左右されますが、6月産まれ
 が10月には甲幅14cm以上、8月産まれが8cm位になって越冬します。
 1年で成熟し、寿命は普通2年ですが、まれに3年生きるものもいます。
 ちなみに、海中を浮遊していた稚ガニが底性生活に入ってから親ガニに成長
 するまでの間に12回もの脱皮を繰り返します。普通、脱皮の度に甲幅は1.
 2倍ほど大きくなるのですが、エサが不足すると逆に縮むこともあるそうで
 す(^_^; 。

 また、脱皮直後の甲羅の柔らかいものは「やわら」と呼ばれ、身もあまり詰
 まっていないため、商品価値は下がります。

▽カニの横這い? --- 常識のウソ
 「カニの横這い」という諺の通り、カニの歩行は横歩き、というのは常識?
 ですね。でもカニの世界では違います。全方位に歩けるもの、前後に歩ける
 もの、後ろ専門のものもいるのです。順にタカアシガニ、ズワイガニ、アサ
 ヒガニなどです。これは脚の付け根の太さと甲羅の形で決まります。ワタリ
 ガニは常識の通り、横歩き横泳ぎ専門です。

▼名前の由来・・・
 標準名のガザミは、古語のカニのハサミを意味する「カサメ」が訛ったもの
 と言われています。別名のワタリガニは海の中を遠くまで渡って行けること
 が由来です。地方名もたくさんあります。月夜ガニ、月待ちガニ、菱ガニ、
 カゼガニ、オドリガニ等々。

▼自切(じせつ)
 カニ類は敵に襲われたり、岩の隙間に挟まったりすると自分でハサミ脚や歩
 脚を切り落として逃れようとします。トカゲと同じですね。これを自切と言
 いますが、失った脚は数ヶ月で再生します。ワタリガニは特に自切しやすい
 ため、市場に入荷する活物はハサミ脚を折りたたんで輪ゴムなどで甲羅に固
 定しています。切れる場所は脚の付け根から2番目の関節です。切り口から
 体液が流れ出すこともなく、痛くも痒くもないのでしょう、多分。

▼脳しんとう!?
 生きているワタリガニを焼く時などには、もちろん脚を固定している輪ゴム
 などをはずさなければなりません。でも、自由にしてしまうといきなり熱を
 加えられた時に驚いて自切してしまいます。これを防ぐために一撃を加えて
 脳しんとう!?を起こさせ、その隙に料理をします。
 と言っても、ワタリガニに脳はありません。ただ、これに代わる働きをする
 口部神経節が口の周りにありますので、ここをまな板などに強く打ちつける
 のです\(__ )。

▼カニ用語:カニミソとガニ
 よく聞く「カニミソ」。毛ガニのミソは最高と言われますが、ワタリガニも
 負けていません。ところでこのミソとは、「中腸腺」といって、他の動物で
 いうと「肝臓とすい臓をあわせた臓器」にあたります。脂肪やグリコーゲン
 が豊富で、コクのある濃厚な旨味の固まりですね。
 また「カニは食うともガニ食うな」と言われる「ガニ」とは、甲羅をはずす
 とミソの左右に付着しているスポンジ状の呼吸器のことです。もちろん食べ
 ても害はありませんが、じゃりじゃりとして不味く、消化も悪いので、食べ
 る前に取り除きます。

▼ワタリガニパワー全開!-----ヘルシーです(^^)
 高タンパク、低脂肪、低エネルギーの健康食品です。タウリンも豊富なので、
 血中コレステロール値を下げたり、血圧の上昇を抑えます。また殻には強い
 抗酸化力を持つアスタキサンチンが含まれています。これは生活習慣病や老
 化抑制に効果があるため、揚げ物や炒め物など、殻ごと食べる料理が効果的
 です。さらに、ミソにはミネラルやビタミン類も豊富です。

▼目利きのポイント
 活物は元気なことはもちろん、脚が欠けていないこと、腹側が固く重みがあ
 ること、子持ちの場合は腹蓋(俗に言う三角ふんどし)から卵がはみ出して
 いないことがポイントです。姿の冷凍物の場合は、甲羅が暗緑色から緑色で
 乾いて白くなっていない物、口の周辺が黒ずんでいない物を選んで下さい。

▼エンジョイ・クッキング----茹でるより、蒸すより、焼く!
 活物(姿の物)は塩茹でが定番ですが、折角の旨味成分が流れ出てしまいま
 す。できれば蒸すか、何よりも焼くのが一番です。料理用途は豊富。ぶつ切
 りにして、鍋物、味噌汁、ブイヤベース、唐揚げ、チリソース、炒め物やパ
 スタに、またホワイトソースとの相性も抜群です。お楽しみ下さい。

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2.「お魚よもやま情報資料館」12月号
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▼当メルマガで取り上げたお魚の中で、目にする機会の少ない「噂のお魚」の
 画像もご覧いただけます。

●画像:・市場に入荷した活ワタリガニ・鮮ワタリガニ・オスメスの見分け方
    (三角ふんどし:腹蓋の形状で一目瞭然です。)
    http://fishpower.co.jp/form2/magazine0712.html

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3.読者の皆さんの広場で〜す!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
前回も「魚介名当てクイズ」にたくさんのご応募と、コメントをいただきまし
てありがとうございます。その中からほんの一部を紹介させてもらいます。

▽<宝塚市:Yさん> 遠い昔漁労仕事でケープタウンから帰ってきた友人と
 寿司屋に行き「キハダ」(まぐろ)を頼むと間違って「コハダ」がでました。
 これがコハダとの出会いでした。
▲感動的な出会いですね(^^)。もちろん、それ以来のコハダファンですね?

▽<福岡市:Mさん> 毎回の話題の豊富さに感動しきりです。老魚の意味を
 調べてみてまたまたびっくりでした。
▲魚の名前の由来は、奥深く本当に面白いですね。ブリの由来は当メルマガの
 バックナンバーでもご覧になれます。
 http://www.shinkokai.co.jp/shun/magazine-frame.html

▽<埼玉県:Kさん> 市内に住して居ります者です。いつも大変面白く読ま
 させて頂いて居ります。魚に対する知識が広くなり、魚を食べるときその魚
 の薀蓄を述べながら自慢たらたら、楽しく食しております。と同時に「魚名
 当てクイズ」にも参加させて頂いております。過日も参加いたし賞品を頂戴
 いたし大変美味しく頂きました。有難うございました。市場祭りにも行き楽
 しんでまいりました。いつまでもこのサイトが続くよう祈っております。
▲_(._.)_有り難うございます。これからも当市場にお越し下さい(^^)。

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4.プレゼントクイズ12月号/この漢字の名前を当てて!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
魚介類の名前を漢字で書くと、なるほどと感心するもの、難解?なものがたく
さんあります。それではまずは、少々小手調べです。今月は冬の中国表記特集
です。連想ゲーム?です。2問できればグッドです!

 a.明太魚  b.燭魚  c.松叶蟹 d.大頭魚 e.比目魚
 さて、あなたは何問解りましたか?(答は末尾にあります。)

▼それでは本番!<2007年12月の問題>です。
 練習問題の要領で想像力を発揮して下さい。冬が旬の私は「緑鰭魚」です。
 大きな美しい胸鰭は私のトレードマークです。 さて、私は誰でしょう?

▽今月のプレゼント▽ 抽選で今回は5名様に当たります!
 と言うわけで!<切りワタリガニ:1kg入り>1箱をプレゼントします。
 定番の鍋物、味噌汁のほか、揚げ物、炒め物、パスタ等々でお楽しみ下さい。
 「安全な中国産」業務用冷凍品の大型サイズです。

▼ご応募と当メルマガへのご感想等はこちらからどうぞ。
◎<クイズのヒント>と賞品の説明もあります。
   また、先月号の当選者もこちらに掲示してあります。
http://fishpower.co.jp/form2/formmail2.html
 上のURLをダブルクリック(またはクリック、設定によります。)する
 か、インターネットに接続してから、URLを入力してください。

▽今月号の応募締切は1月10日、当選者の発表は1月15日頃です。
▽11月号の当選者の方には、1週間以内にプレゼントを発送します。
(11月号の答えは「ぶり」でした。)

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このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』と
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▲編集後記
今年も当メルマガをご愛読いただきましてありがとうございます。
早いもので来年は連載9年目、第百話イヤーです。
相変わらずご贔屓の程、宜しくお願い致します。

それではまた来年! お元気で! よいお年をお迎え下さい。


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 メールマガジン:お魚よもやま情報
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  <発行者>
  〒221−0054
  横浜市神奈川区山内町1番地
  株式会社 進 航 会
  発行責任者 宮井 正
  TEL  045-461-6983(代)
  FAX  045-461-5679
    http://www.shinkokai.co.jp
  e-mail magazine@shinkokai.co.jp
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△練習問題の答 a.スケソウダラ b.ハタハタ c.タラバガニ d.タラ 
        e.ヒラメ

 
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