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Brazil Today

発行日: 2005/10/21


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Brazil Today                                         2005 / 10 / 24 (227号)
ブラジル・南米の政治経済ニュース           (毎週月曜日配信。購読無料)
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目次:
■レアル高で競争力失墜、発展に残されるブラジル
■中銀、思い切って金利引下げ、僅か0.5%
■国税庁のスト、クリスマスの売上に影響
■ムーディーズ、ブラジルを格上げBa3
■サムスン電子の大躍進、本年度販売71%増
■ジュバルテ油田、15%を日本へ譲渡交渉
■伯亜とベネズエラ、核力平和交渉を進める
■口蹄病で牛5千頭を屠殺、政府は責任なしと主張
■天候異変、干上がったアマゾン河
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為替(レアル・円)、10月19日現在 R$1=\51.25
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■レアル高で競争力失墜、発展に残されるブラジル
レアル高、R$2を目指す攻防

下半期の初日7月1日にR$2.357であったドル相場は一時的に最高値R$2.462
を記録、後に若干の下げR$2.439で7月を越す。8月は第2週の終りに
R$2.280まで下ったが、その後は反発しR$2.450。一度はR$2.385に低下、再
度、上昇してR$2.439。しかし、ここまでが限度で9月は下がる一方、29日
R$2.213、30日R$2.230。しかし、10月3日、中銀は推定額1000万ドルを購
入、また、4日、アメリカの連邦準備理事会FRBの「米国インフレを憂慮」
との発言で、6日にはR$2.292、だが、その後は下がり、19日にはR$2.250と
なった。

ドル価値の下落の主因は財政収支と為替収支の双子の赤字、これに石油とイラ
クの問題が加わったもの。今では「ドル弱し」との傾向に対し、大手の投資基
金はドルに対抗する他国の通貨購入に走り、ドル安の傾向を助長している。ブ
ラジルは世界最高の金利を維持し、投資家のレアル債購入を奨励する政策を採
用している。

フォラムの競争力評価、ブラジルは大幅の墜落

9月中旬に聖州工業連盟Fiespから発表された競争力番付では44カ国中、ブラ
ジルは3年連続で、最低から5番目の39位であったが、世界経済協議会WEF
(フォラム)から発表された世界各国の国際競争力の番付では、117国中、今
までの57位から65位へ墜落した。競争力指標に使用した点数中、大きく減点さ
れているのはマクロ経済の安定性で81位、インフレが83位、順位の良かった分
野は技術面の50位、企業家49位であった。点数の上がったのは、研究開発費支
出増額、カントリーリスクの低下、工業生産性の向上、成年識字率の向上、貿
易収支改善、マイナス点は、世界第一を誇る中銀金利、恩恵が戻らない租税の
高負担率、低率水準を維持し上昇しない経済成長率、中銀高金利と高い強制積
立金による市中金利の高さ、これらの結果として低い投資率である。この長所
短所の指摘は恐らくフォラムと殆ど変わらないと予想される。

現政府は「経済政策は大成功」と語り、カントリーリスクの低下、公共債務中
に占める外貨建て債務の減少、貿易収支の黒字を挙げて自慢する。だが、経済
に関して常識のない人達は別として、常識を有する者の目からみれば、税金
高、金利高、レアル高の三高主義で経済が良くなる筈はなく、競争力も低下す
ると思うのが当然。現在の貿易収支黒字は中国経済の勃興によるコモディティ
商品市況の上昇に助けられた、あるいは契約に基づく出血輸出である面には目
をつぶり、あたかも、政府の貿易政策の勝利として謳い上げるのが政府の態度
である。

輸出商の悩みはレアル割高、投資より国債

聖州工業センターCiespが工業製品輸出成長を阻害する要因に関して調査した
結果、輸出商630社の64%、非輸出商841社の46%がレアル割高を指摘した。
絶縁体製造のサンタテレジーニャ陶器のバルバト専務は「原価がドル建てにし
て15%から20%の上昇、しかし、苦心して得た顧客を失いたくないので出血輸
出を続けている」と語った。同社は製品の60%、年間500万ドルを輸出してい
る。自動車部品の中南米ロベルト・ボッシュのリゾ物流貿易部長は「期限1年
から2年の長期契約に基づいて輸出しており、8%までの価格調整を試みた
が、輸出量の縮小に繋がった」と述べた。

ブラジルは世界発展から取り残される

全国工業連合CNIのカステロブランコ経済政策主任は「レアル高の継続は投
資を阻害し、世界経済の発展に取り残されるであろう。アジア諸国およびチリ
はブラジルを遥かに超える成長を示しているが、ブラジルは高金利、変動自由
為替によるドル安、政治危機によって低成長、投資するより高利回りの国債へ
の運用の方が有利、外国資本が投資しないように懸命になっている」と政府の
態度を批判した。カンピーナス大Unicampのコウチーニョ教授は「政府は更に
積極的にドルを買い、外貨建て債務を返済、準備金を強化すべきである。財政
責任法が中銀によるドル買い認めないならば、外貨建て債務の早期返済という
形式でも差し支えない」と語った。

副大統領「現政府の通貨政策はゼロと採点」

PLを出てPMRに入ったアレンカル副大統領は「我々のルーラ政権は悪魔と
契約したと思われるが、裏勘定を使用した者は私を含めてすべて追放すべきで
ある。中銀の通貨政策を採点すればゼロ、貧困化政策を推し進め、経済成長が
芽生えるのを許さなかった。世界最高の高金利によりこの3年間に支払う金融
費は4,200億レアル、せめてこの半分でも投資に回すことが可能であったな
ら、保健、教育、防衛、保安は見違えるように変わったであろう」と語った。

デルフィン・ネット氏「レアル高は成長を阻止」

第26回全国金融機関協会Acrefiにおいて、元蔵相、デルフィン・ネット下院議
員(PMDB−SP)は「インフレを6.2%から5.1%へ下げる目的で高金利
を維持して得られる利点は輸出と経済成長を犠牲にするのに対し極めて少な
く、レアル高はコロルのクルザード計画あるいはレアル計画初期の固定レアル
と同様、輸出を台無しにする。

ブラジルは輸出振興によって中国あるいは韓国と同様、高度の経済成長を遂げ
る潜在能力を有しているが、固定相場適用などの誤った政策によって低成長に
甘んずる結果を招いている。金利とレアル価値の引き下げ、第一次収支黒字の
GDP5%達成によって、06年にはGDP成長5%が可能となる。他国では金
融費はGDPの2.5%から3%というのが相場であるのに対し、ブラジルでは
本年度の金融費は1,600億レアル、GDPの7%を占めているのは多額すぎ
る。ルーラ大統領は名目赤字ゼロ財政が気に入った様子であったが、国庫側が
反対した模様であった」と語った。

また、MBコンサルタントのメンドンサ・デ・バーロス氏はレアル高の危険、
その輸出への影響に関して警鐘を鳴らし、19.75%を19.50%へ引き下げた中
銀の超保守主義によって世界経済の揺らぎを成長に結び付けられなかったのを
嘆く。また、ブラデスコのシプリアノ社長は「8月に既に切下げるべきであっ
たのに、実行しなかった保守主義。年末までに下げたとしても、消費者側は殆
ど感じない1.5%までと思われる。また、銀行預金に対する強制積立金の
45%、史上最高の税務負担に関して、政府は再考願いたい」と述べた。

レアル高に開発相が抗議、蔵相「喜ぶべき」と回答

10月6日、フルラン商工開発相はロドリゲス農相と共にパロッシ蔵相へドル安
レアル高に関して抗議したが、蔵相は「輸出が新記録を出しているのに、苦情
を申し立ては道理に外れている」と一蹴した。農相は「レアル価値の切り上げ
はアグロビジネスにとって重荷を負担させた。為替に対する問題は農業界では
解決できない」と語り、商工開発相は「現在の問題のみを論ずるのであれば、
蔵相の措置は正しい。しかし、措置は将来のために必要なもの、現在の為替政
策は中銀および国庫の外貨準備の再構築に必要なものであろうが、自動車、白
物家電、製靴などの業界は出血輸出で採算採れず、と投資計画を切下げた。問
題は現在の貿易収支ではなく、2006/07年の収支に関連し、将来も輸出20%成
長を継続するためである」と語った。

パロッシ蔵相は「為替経常収支がGDPの5%の赤字となっても、為替収支は
GDPの2%の黒字となる。これはマクロ経済と自由為替制度の均衡機能に基
づくもの、従って介入すべきでなく、レアル高は家族の収入が改善されたとし
て喜ぶべきである」と回答した。また、メイレレス中銀総裁は「工業製品は上
半期に量的拡大17.5%、価格面の増減は10.7%に過ぎない」と述べた。
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■中銀、思い切って金利引下げ、僅か0.5%

中銀通貨政策委員会Copomは10月19日、満場一致にて基本金利を年19.50%か
ら19%へ引き下げた。上下への総裁による許容限度はなし。2ヶ月連続、合計
0.75%、12ヶ月間のインフレを差し引いた実質金利13.67%とい引き下げを大
英断によって実行したと中銀は自慢したい気持ちであろうと推察するが、世界
他国と比較すれば、第二位の中国は6.6%とブラジルの半分以下である。金利
高、税金高、レアル高による経済防衛は現政権の最も成功した分野であると政
府は主張、当分の間、この路線が変わる見込みはない。
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■国税庁のスト、クリスマスの売上に影響

国税庁の技師がストを開始して既に1ヶ月が経過、多数のクリスマス用品が税
関に留置されている。ディオール、ケンゾー、ゲランなどを取り扱うフランス
系の香水、化粧品輸入商の大手、LVMHは年末用品300万ドルの輸入、2週
間前に商品が到着したにもかかわらず、税関から出ずに品不足に悩まされてお
り、やがて年末の商戦が開始されるのに気が気でない。スーパー協会Abrasの
オリベイラ会長は「年末用の食品、飲み物は既に店に到着しており、税関スト
は左程の影響を及ぼさない。しかし、今後2週間から3週間も続くのであれば
問題となる」と語った。
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■ムーディーズ、ブラジルを格上げBa3

ムーディーズは10月13日、ブラジルの格付けをB1からBa3へ一段引き上げ
た。同社による格付けは為替危機前の98年9月にB1からB2へ下落、2000年
10月にはB2からB1に持ち直したが、02年8月、大統領選挙でルーラ候補有
力で再度B2に下がる。その後、ルーラ氏が大統領に就任、03年は状況を静
観、04年9月にB2からB1へ、今回は更に格上げとなった。

ムーディーズのBaは中位の評価、『やや投機的』であり、報告書における評
価の説明は、1)貿易収支黒字残の増加はショックに対する抵抗力を強化し
た。2)為替収支が改善され1.7%の黒字、本年中には2.0%に達する見込
み。3)中銀によるドル購入は上半期102億ドル、8月には外貨準備増は404
億ドルとなった。4)財政第一次収支の過去12ヶ月累計はGDPの5.1%に達
した。5)インフレは管理され、国内市場における金利は下落している。
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■サムスン電子の大躍進、本年度販売71%増

ブラジルにおけるサムスン電子の躍進振りは猛烈、昨年の売上7億レアルに対
して本年度は71%増の12億ドル、また、中南米総計では14億ドルに達する予想
に達する見込み。ジョンウォンパク社長は「平均50%増という全製品の急激な
増加が見られる。特にアルゼンチンの伸びは著しい。我が社は世界48カ国にて
営業しており、ブラジルへ進出したのは86年、今ではインド、中国、アメリ
カ、ドイツ、ロシアと並ぶ重要市場であり、マナウス工場の生産能力を拡大、また、マーケチングにも投資する」と語った。
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■ジュバルテ油田、15%を日本へ譲渡交渉

ペトロブラスはエスピリットサント州沖にあるジュバルテ油田、埋蔵量6億バ
ーレル、ジュバルテ油田の開発費は約30億ドル、開発費の85%は同社で確保す
るが、残る15%出資の商談を日本商社へ持ち掛けている。同社のカワカミ東京
総支配人の話によれば「商談は三菱、三井、住友の3社を打診、三井と住友の
方は脈があった」という。
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■伯亜とベネズエラ、核力平和交渉を進める

ブラジル、ベネズエラ、アルゼンチンの3国は核力平和利用交渉を開始する。
共同宣言はベネズエラのチャベス大統領が主導、留守を預かるアウレリオ臨時
大統領が「プロジェクトは如何なる軍事利用を認めない平和利用に限定する」
と発表した。Wブッシュ米国大統領の来伯は11月、元化学技術相のゴールデン
ブルグ聖州環境局長官は「このベネズエラとの協定はブラジルが世界の疑惑を
受けるのに対し、ベネズエラから提供される利点がない」と意見を述べた。な
お、ベネズエラは本年12月からメルコスールへ加入する予定。
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■口蹄病で牛5千頭を屠殺、政府は責任なしと主張
南マットグロッソの6市が汚染

国境といえば、厳しい関門があり警官が目を光らせ「パスポートを拝見」とい
うのが普通である。だが、口蹄病が発生した南マットグロッソとパラグアイ国
境は陸続き、柵もないので隣の牧場へ入るよりも簡単、家畜は無論、人・自動
車も自由に往来できる。国境に沿ってムンドノーボ、ジャポラン、セッテケー
ダスの3市、次に国境から20キロ程度の距離に並行してイグアテミ河が流れ、
その北岸にエルドラード、イグアテミ、タクルの3市が並ぶ。

屠殺5,227頭、大統領「生産者の責任」

ヨーロッパ訪問中のルーラ大統領は「口蹄病は収まった」とロシアのプチン大
統領に説明した。しかし、10月10日に発表された南マットグロッソ南部の口蹄
病が拡散し始め、農務省は10月17日「更に3ヶ所に口蹄病を発見した」と発
表。合計7件の発生を確認した。口蹄病感染牛に直接、接触したのは発病牛の
いた4牧場、合計1,456頭のみであったが、育牛の屠殺は予防措置を含めて17
日までにエルドラードとジャポランの4牧場、合計5,227頭となった。また、
大統領は13日「マットグロッソの口蹄病発生の第一責任は牛飼育によって生活
している牧畜業者にあり、政府は第二義的な監視責任を有するに過ぎない。免
疫活動に関して予算は計上されており、資金枠は不足しておらず、感染経路は
追及する」と語った。

州政府、隣国経由を主張、パラグアイは否定

連邦警察はパラグアイから牛が密輸された痕跡を発見したといい、南マットグ
ロッソ州の免疫局Iagroのカバリェロ局長は「ベゾロ農場の感染はパラグアイ
からであり、証拠がある」と語り「パラグアイ牛の移動を容易にすべく、書類
偽造が行われた」との免疫局の意見がカンポグランデの市警、公安へ提出され
た。

これに対し、牧場主側は否定、パラグアイ政府は「ブラジルは病原調査と称し
て無許可で調査員をわが国へ送り込んだが、何も発見できなかった。逆であっ
たなら大声で告発した筈」とブラジル側を非難した。バイオテロ、あるいは免
疫にも耐える新種の菌などの可能性が考えられ、また、発生点近くでキャンプ
を張る『土地無し』の中には、汚染地域にて連邦警察が屠殺した牛を持ち帰り
販売する事件もあったという。

パラグアイ側、伯国政府の怠慢と非難

パラグアイのアマンバイ県のアセベド知事は「ブラジルは口蹄病に関してすべ
てパラグアイに発生の責任があると主張するが、わが国は国際機関から免疫免
除を認められた無病地帯、7月末までに98%の牛に対し免疫注射を実行してい
る。それよりも今回の発病に対するブラジル側の対処は怠慢、あるいは無責任
である。最初の発病が発見されたのは9月19日、国境から45キロ以内での発病
は即時に通告すべきであるが、通告されたのは検査結果が確定した10月10日で
あった」とブラジル側の緩慢な対処を責めた。

南マットグロッソ向け免疫予算解除されず

ロドリゲス農相の説明によれば、免疫活動の予算は最初1.69億レアルが計上さ
れ、その後、3,700万レアルへ削減された。その後、農務省が新たに申請して
9,100万レアルまで回復したが、使用予定は本年中に5,000万レアル、その中
で獣疫免疫には2,642万レアルが9月16日までに解除された。ただし、04年6
月の発病が未措置地域のパラー州モンテアレグレであったため、648万レアル
がパラー州に向けられ、同年9月に発生したアマゾーナス州、育牛の多い南マ
ットグロッソ州は含まれていなかった。

会計検査院、7月に無免疫で危険を警告

会計検査院TCUは、本年7月、農務省の獣疫対策プログラムPNEFAに対
して、「予算解除の不足によってパラグアイ、ボリビア、アルゼンチン、ウル
グアイとの国境地帯の獣疫対策は骨抜きとなり、特に南マットグロッソ、南リ
オグランデ、バイアの危険性は強くなっている」と警告を発していた。なお、
農務省が6月2日までに獣疫対策に使用した金額は予算6,882万レアルに対し
0.41%の28.5万レアルであった。この緊急書類に批評が添付され検査院へ戻っ
たのは7月28日、修正の上、農務省へ上程されたのは10月5日、疫病が発見さ
れたのは6日であった。また、8月26日、南マットグロッソ農業連盟Famato
のオメロ・ペレイラ会長は「動植物に関する防疫措置が予算不足から等閑に付
され、国際市場において重大な損失を招く可能性が増大している」との手紙を
ルーラ大統領宛に送付している。

予防屠殺で1,000万レアルの損害

すでに10日間、牛乳の販売も禁止されており、牛肉加工の食品工場は扉を閉ざ
し、集団休暇に入った。ジャポランの牧畜業者約200人は連邦および州政府に
対し「口蹄病対策の責任は完全に政府にある。この地方一帯は牧畜地帯、牛に
よって生活しており、死活の問題である。特に予防屠殺一頭当り約R$2,000と
して1,000万レアル。これは免疫の責任を果たさなかった政府以外に誰が負担
するのか。予防屠殺の補償金として先払い1,000万レアルを要求する」と強硬
である。なお、ブラジルあるいはその一部からの輸入を中止したのは31カ国、
約5億ドルの輸出を失った。
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■天候異変、干上がったアマゾン河
雨量減少、前代未聞の大減水

本年度のアマゾン流域の雨量が極端に低下し、河の水位が極端に下がり、多く
の町にとって唯一の交通機関である船が使用できなくなる現象が生じた。マナ
ウスの本年度降雨量を過去10年平均と比較すれば、6月113ミリに対し本年67
ミリ(40%減)、7月87ミリに30ミリ(64%減)、8月57ミリに29ミリ(50%
減)と少なくなり、9月に入って漸く83ミリに79ミリと平年並みに戻ったが、
水位の回復は今後2ヶ月半から3ヵ月後と予想される。

森林乱伐が加速、雨量30年周期説

森林の乱伐が雨量の減少に影響していると思われる。雨は湿気の多い森林地帯
に多く降る。土が露頭している場所は水分を保持せず、空中に水蒸気が少なく
なる。他方、森林のある場合は水蒸気が立ち込め過飽和となり、雨雲に加勢
し、雨となって地上に落ちる。アマゾンの降雨について60年の周期で循環する
という説もある。1940年から60年代の終りまでは降雨が少なく、次の30年間、
70年代から20世紀末までの期間は雨量が増大した。この周期説では21世紀初頭
の30年は雨量の少ない時期に当る。これらは降雨の有力な原因であるが、今回
のような大きな気象変動には更にマクロな気象変化を考慮する必要があるとい
う。

メキシコ湾からベネズエラ沖の水温上昇

サンジョゼ・ドス・カンポス(SP)の宇宙調査研究所Inpeの気象予報センタ
ーのヂアス氏は「大西洋に奇妙な兆候が現われたのは昨年の5月、北アフリカ
沖の海水が暖かくなった。この暖海水がメキシコ湾およびベネズエラ沖に到
着、平均28度の水温を29度に押し上げ、年間を通じて平均0.5度ほど高温にし
た。このために北半球気団と南半球気団が赤道付近で合し、熱帯雨林気候を生
じていた位置が変わり、降雨を北に押し遣った」と説明した。ベレン(PA)
のアマゾン環境研究所Ipamのネプスタド氏は「大西洋の暖海水が地球温暖化
の直接の結果であるか否かは誰も断言できず、カトリナ台風とアマゾン干上が
りとの関係についても同様である。98年のエルニーニョによる旱魃ではネグロ
河の水位は本年より低下したこともある。しかし、断言できず、と手を拱いて
いてはならない」という。

汚染に応じ料金拠出、環境保全費に充当の提案

アマゾーナス州のビアナ環境保全局長はコロンビア、コスタリカで実施されて
いる環境保全手当を主張する。コスタリカの場合、燃料消費の5%が料金とし
て徴収され、これが森林の所有者に対してヘクタール当り年間US$50が環境保
全手当として支払われる方式を発効した京都議定書の延長線上に提案。また、
他の人が主張する方式として、炭酸ガス放出の罰金を加入国から徴収し、アマ
ゾンの木材採集の乱伐防止にヘリコプターで直行できる武装警官隊を組織、乱
伐、山焼きを防止するなどの案もある。これらの提案の意味する処は、カトリ
ナ台風あるいはアマゾンの干上がりは自然が人類へ発した警報である。しか
し、自然の保護に資金が必要、その資金は汚染国の国民が支払うべきであると
の思想に基づく。

減水がパラー州に到着、上流地帯に降雨

アマゾン河の過剰減水は今までアマゾーナス州、マナウスから上流が問題であ
った。しかし、次第に減水が下流地方へ影響し、イタコチアラ、パリンチンス
を経て、パラー州に到着。サンタレンを中心とするオビドス、アレンケル、モ
ンテアレグレにも及んできた。政府の市民防衛スタッフが調査、48時間以内に
報告書と提案を上程する予定。

アマゾーナス州で開始されたSOS作戦はマナウスから遠くないが交通途絶に
て食料不足で価格が高騰しているマナカプル、マナキリなどの町へ医療品・食
料品の送付、3,200家族へ3,350包みの食料品、薬品を空軍の航空機、ヘリコ
プターで運搬する。

アマゾン上流のソリモンエス流域、ジュルア河のグアジャラ、カラウアリなど
の町、また、マデイラ河のウマイタに雨が降り始めた。この地方の雨季は11月
から開始されるのでこれが本格的な降雨なのか、どうか不明であるが、雨季に
入れば30日ほどで河が流れ始める。
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メールマガジン: Brazil Today
著者(現地ブラジルで執筆): 大岩國男
編集: 大岩幹男
発行: Ana&Log(アナ・ログ翻訳事務所)
住所: 〒468-0034 愛知県名古屋市天白区久方1-149
電話: 052-804-5710
ファックス: 052-804-5743
携帯: 090-8132-0810
メール: mailto:portuguese@ana-log.com
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