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Brazil Today
発行日: 2005/5/20
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Brazil Today 2005 / 05 / 23 (205号)
ブラジル・南米の政治経済ニュース (毎週月曜日配信。購読無料)
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目次:
■現行の税率が下がるのは07年以降
■疑惑の中銀総裁、検事総長が捜査要請
■新社会保障相、就任と同時に疑惑事件が表面化
■バリグ、ポルトガル航空が出資交渉
■ルーラ大統領、日本と韓国を訪問
■遺伝子組替えトウモロコシ、違法の輸入許可
■豪州の学者、エルニーニョ発生を警告
■ボリビア、燃料税38%追加で政局騒然
■チリ大統領選挙、元防衛相のバチェレト女史が有望
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為替(レアル・円)、05月18日現在 R$1=\43.40
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■現行の税率が下がるのは07年以降
他国と比較して高いブラジルの税率
納税者にとって税金は安い方が望ましい。税金ゼロであれば理想的であるが、
国も国民へ種々なサービスを提供しており、主権維持、国防治安、社会保障か
ら始まるサービスを遂行するには財源として、税金が必要となる。この場合、
税金を如何なる階層からどれほど徴収しているか、対価として納税者が受け取
るサービスに見合うものであろうかが問題となる。
公共財政のコンサルタント、アミル・カイル氏が国際通貨基金IMFの2002年資
料に基づき、119カ国の税制に関する調査の結果を発表した。カイル氏は「基
礎となった統計は02年であるが、現在の税制は当時とさほど異なってはいな
い。しかし、ヨーロッパなどの先進国と比較すれば大差がある」と述べた。労
働に対する諸税公課は世界平均1.6%に対してブラジルは6.7%、徴収してい
る31カ国の中で第二位と異常に高率、これは恐らくSenai、Senac、Sebraeな
どの研修機関、支援機関に対する納付金が含まれていると推察される。
突出して高い付加価値税
ブラジルの税金中で突出して高いのは商品サービスに対する課税47.2%、118
カ国中の第10位、世界の平均は28.6%に過ぎない。内容は流通税ICMSを第一
に、工業税IPI、Cofinsなどの納入金『税もどき』がこの中に含まれる。所得
税に関して先進国は高率で34.3%、世界平均は23.3%、ブラジルは平均より若
干下の21.5%にて、世界117か国中58番目と中ほどに位置する。社会保障保険
料金は平均16.8%、ブラジルは17.5%と平均より上、しかし、先進国20.3%を
下回る。
輸入税を主とする通商に関する税金は世界平均11.0%に対して、ブラジルは市
場開放が進み、課税79カ国中58番目、1.7%と低率。なお、アフリカは
29.3%、中南米およびカリブ諸国は25.1%と高率である。なお、カリブ諸国の
政府財源は徴税技術上、輸入税に集中し、したがって、米州自由貿易圏FTAAの
ような輸出入の免税には反対している。
珍しく減税措置、だが、効果は疑問
政府は生産部門から要望されていた種々の要望の一部を採り上げ、税負担の一
部を軽減した。週単位で源泉徴収される法人税の納入を月払と変更、企業の資
金繰り緩和を手助けする。輸出を目的とする投資活動の期間中、PIS/Cofins
は徴収しない。また、特定地域においては、生産増強の設備機械の償却期間を
60ヶ月から30ヶ月へ短縮を認める。以上の3点によって政府は税負担を引き下
げたと強調しており、減税しないより望ましいのは確かであるが、如何程の効
果があるのか疑問である。
06年から徴税を制御との政府意向
現在の政府は税金高によって国内の各方面からの攻撃に曝されているが、2006
年からは徴税を制御し昨年並み、勤続保障基金FGTSと社会保障納入金INSSを別
にして総生産GDPの16%の枠内に収めたいとのルーラ大統領の意向である。
GDPに対する租税負担率の低下は現政権の任期中には不可能、行政府の見通し
では再選された第二次政権となり、公務員人件費、年金支出を含む連邦の非金
融支出がGDPの17%以下に収まった場合にのみ可能となる。
パロッシ蔵相は5月9日、リオにおいて「国会にて今後10年にわたる歳入歳出
の限度を設定する案に基本的に賛成であり、これによって将来の政権は利子支
払のために第一次収支黒字を維持するのを義務付けられる」と語った。
減税の可能性は早くて07年から
ルーラ大統領の任期も半ばを過ぎ、次回大統領選挙まで1年半となった。既に
国際通貨基金IMFと合意も不要となったので、政府は2006年の経済方針公示に
予算基本法案を使用する積りである。行政府は公共部門第一次収支をGDPの
4.25%黒字に維持する方針は貫くという。本年度のこの目標値は政府が国会へ
送付した原案によれば800億レアルで、07年、08年にも同一基準が延長され
る。
マルタ前サンパウロ市々長、検察局が財政赤字を提訴
減税は財政支出がよく統制されなければ不可能である。しかし、今後の財政支
出がよく統制されるとの保障は信用できない。財政責任法という法律を設定し
たにもかかわらず、蔵相自身が違反者を庇っており、その違反第一号が処罰さ
れる見込みは薄く、従って責任法は骨抜きとなる可能性が充分にある。サンパ
ウロ州検察局は5月9日、マルタ前サンパウロ市々長(PT)を財政責任法LRF
の第43条に対する違反「市庁は市民から徴収した税金額が109.2億レアルであ
ったにも関わらず、経費として115.1億レアルを費消した。従って、財政責任
法に基づき、財政責任を超える支出額5.9億レアルを市庁へ弁済する義務を有
し、5年から8年の政治活動の停止に該当する」という市民訴訟の訴因で、会
計裁判所第4法廷に提訴された。これでマルタ女史が罰せられないならば「有
力者は罰せられない責任法」として法の効果を失うであろう。
公共部門、10年間の第一次収支と利子支払
2006年大統領選挙の争点の一つは公共財政収支となることは明らかであり、PT
に対抗する野党PSDBは公共債務の利子支払増加を主たるテーマに採り上げるこ
とに決定した。FHカルドーゾ前大統領は「利子支払の増大は現政権の最弱点で
ある。財政責任法の審議に際して、労働党PTは国際通貨基金IMFへの利子支払
と攻撃したが、これは誤りで銀行家への支払であるのが理解できたと思う」と
語った。
第一次収支と利子支払を並記して観察すれば、通貨政策は政権毎に非常に明確
な特色を示している。95/98年の第一次FHC政権の第一次収支は年平均0.08%
とほとんど均衡であるが、利子支払が平均6.60%と大きい時代。次の99/02年
第二次FHカルド−ゾ政府は第一次収支を平均3.55%に収める点は成功した。し
かし、初年度99年の為替危機、その結果として、変動為替への移動と国際通貨
基金IMFよりの借款増加。最終年には大統領選挙における労働党の台頭、それ
に伴う国際社会からの不信感で金利支払が増大し、GDPに対し平均11.03%の
高率に達した。
インフレ対策に無効の高金利が赤字財政の元
03/04年、ルーラ政権が誕生、第一次収支は03年4.25%、04年4.58%と黒字増
大をみた。公務員年金などにおける経費削減は評価されるが、「絶対に税金を
上げず」との公約にも拘らず、Cofinsに代表される『税金もどき』を大幅に引
き上げた態度は納税者に対する裏切り行為といわれ、労働党政府の高税金とし
て名を轟かす原因となった。なお、GDPの平均7.46%を占める高金利政策はイ
ンフレ対策としても無効であり、政府支出を増加するのみの効果しかないと思
われる。また、利子を含めた名目収支を新聞紙上で探すのが困難であるが、こ
れは政府が財政収支発表に際し、出来るだけ赤字を隠匿しようとするのが原因
としか思えない。
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■疑惑の中銀総裁、検事総長が捜査要請
検事総長の中銀総裁捜査を最高裁受諾
ツバロンのトレス検事は、メイレレス中銀総裁の非居住者銀行口座CC5の守秘
原則停止申請をフォンテレス検事総長へ送付し、受け取った検事総長は4月5
日、資金洗浄および選挙法違反の容疑に基づき、メイレレス中銀総裁を捜査す
る許可要請を最高裁STFへ提出した。
5月5日、最高裁STFは7時間の討論の後に投票、賛成7票、反対4票によっ
て「中銀の独立性、総裁の身分保障を否定した大臣並みの待遇によって総裁に
対する捜査を開始する」と決定。12日、中銀総裁に対し、金融システム違反、
脱税の容疑に基づき守秘原則を停止した。マルコ・アウレリオ・デ・メーロ長
官はフォンテレス検事総長の要請した大部分の措置を受け入れ、守秘原則停止
には容疑に関連する3社も含めている。
容疑は脱税、資金の違法送金など
中銀総裁に対する容疑は、2002年に選挙裁判所へ提出された財産目録からの脱
落、ボストン商事持ち株による1.37億ドルの送金は違法である、脱税容疑とし
ては96年の財産目録残高180万レアルから2001年1.05億レアルへ増加したの
は、ボストン銀行の世界社長としての収入を考慮しても異常と感じる。2001年
に国税庁には米国居住と申告。だが、02年の選挙に立候補のために選挙裁判所
にはゴヤス居住と異なる申告、60万レアルの収入が申告漏れであった。他の容
疑は従兄弟の不動産売却3.2万レアル、中銀総裁ならば免税になると名義を貸
したという。また、資金洗浄容疑として免税天国に開設された会社の出資者で
あるのを隠匿し、メイレレス氏がボストン銀行に勤めていた99年当時にこの口
座を通じて12.38億レアル、および4.12億レアルの不正送金を行った容疑に基
づく。
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■新社会保障相、就任と同時に疑惑事件が表面化
ルーラ大統領の内閣改造は種々の難航の後、3月22日、社会保障相にジュカー
上院議員(PMDB−RR)、企画相にベルナルド下院議員(PT−PR)の2人の任命
のみに留まった。ジュカー社会保障相は社会保障院INSSの赤字解消対策として
大口滞納者からの厳しい取立て旗印に掲げ、パロッシ蔵相は「画期的な対策」
と賞賛した。
だが、新任の社会保障相が社主である養鶏会社フランゴノルテは94年から96年
にアマゾン銀行より公共基金FNOの460万レアルを借り受けて返済せず、現在
は1,800万レアルに膨れ上がり、銀行は担保を要求した。上院議員は要求に応
じ共同出資者の不動産を抵当に提出したが、不動産は実在しないもの。ただ
し、上院議員は「存在を確認せずに受諾したのは銀行の責任であり、自分には
責任なし」と述べたが、銀行は「受諾しておらず」と宣言。なお、INSSへの納
付金も滞納されている。
フォンテレス検事総長は最高裁STFに対して、ジュカー氏、現社会保障相が共
同出資者であった97年から97年にかけてのフランゴノルテとアマゾニア銀行と
の取引を検査するように依頼した。
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■バリグ、ポルトガル航空が出資交渉
危機もやや緩和、04年欠損は大幅縮小
バリグの2003年度決算は欠損18.4億レアルという大赤字であったが、本年度は
ドル安レアル高によって債務から為替差益が発生し、欠損は8,710万レアルと
縮小。純資産はマイナス63.5億レアルからマイナス64.4億レアルと増加したに
過ぎなかった。昨年度の営業利益は4.58億レアル、それ以前の3.35億レアルよ
り36.3%の増加であった。
03年3月以来、バリグとTAMは空路協定を結び、相互に乗客を分け合ってきた
が、当時に比較して業界の危機も緩和され、また、経済防衛行政審議会CADEか
ら競争法に抵触するとの注意もあって、5月2日から解消すると決定、今まで
は両者共通で使用できた飛行切符は販売した会社のみにしか使用できない。な
お、バリグは10路線を廃止、TAMは9路線を開設した。
購入希望はタヌレ氏、ゴール航空、他に4社
3月16日、バリグ購入の意欲を示したバイア出身の造船業のタヌレ氏が関係者
一同と会談した。タヌレ氏が倒産寸前の企業に拘ったのは、造船所のエマック
およびベロルメ、新聞のガゼッタ・メルカンチル紙、ジョルナル・ド・ブラジ
ル紙の2件4社である。3月30日に届いたのはオーシャンエア社のエフロモビ
ッツ氏の申し込み、他にポルトガルの資本家、国内資本、アメリカ資本、ヨー
ロッパ資本の4社合同協調団、また、テキサス資本家グループ。4月に入り、
更にゴール航空が防衛省へバリグ購入申込書を提出した。
4月9日、バリグの支配者であるルーベンス・ベルタ財団の管財人7人、およ
びバリグ経営審議会が会議を開き、受け取った購入申込書3通を検討したが、
何の結論も発表されなかった。購入申込書はジョルナル・ド・ブラジル紙とガ
ゼッタ・メルカンチル紙の社主のタヌレ氏、アビアンカとオーシャンエアの2
航空会社を支配するエフロモビッチ氏、およびポルトガルの投資家グループか
らであった。
会長にジルベルシュタイン氏を招聘
バリグの支配株主、ルーベンス・ベルタ財団のサントス理事長は50年の勤続社
員であったが、4月末に引退が決まり、後任にジルベルシュタイン元石油庁長
官が招聘され、任命された。バリグの危機も既に長期間にわたっており、政府
の堪忍袋も限界に達し、早急な解決を望んでいる。同氏は「創造的、革新的な
手法によってバリグは再建され、短期間にて国内航空業界において首位を取り
戻す」と宣言した。再建案は大統領府にてディルセウ官房長官からの支持を受
けたもの、TAMあるいはゴールなど競争相手との工作は必要としないといわれ
る。
バリグ、TAPとの約定メモに署名
バリグ航空の経営審議会の会長に就任したジルベルシュタイン会長は5月13
日、バリグ航空はポルトガル航空TAPとの交渉約定メモに署名した。内容は
「ポルトガル航空TAPはバリグへ20%を出資する」という。20%というのは航
空法にて定められた航空会社に対する外国資本の出資限度と発表。TAPは創業
以来60年の会社、バリグを含め、エアカナダ、スペイナイル、ユナイテッド、
ルッツハンザと共に統合組織スターアリアンスに参加したことがあり、ブラジ
ルとは38便を運行、従業員は9,562人。バリグは創業78年、従業員11,456人。
動き出したバリグの再建準備
ルーベンス・ベルタ財団側は「交渉は開始されたばかりであり、結論に達する
か否かは不明」と発表。ポルトガル航空TAPの報道担当は5月16日「バリグと
の間に20%出資の交渉が行われており、バリグはわが社にとってスターアリア
ンサの提携先、ブラジルは週40 便の重要な国であるが、如何なる意味でも合
併は有り得ない」と語った。なお、バリグは5月13日に40人を解雇、これは
TAMとの空路協定廃棄に伴う過剰人員削減。並行して、合併に応じて希望退職
2プランを発表、従業員へ退職を呼び掛けた。プランの一つは13年以上の勤続
者に対し、他は50才から55才の従業員向けのもの、通常の退職よりも種々の利
点を提供する。
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■ルーラ大統領、日本と韓国を訪問
5月第4週にルーラ大統領は日本と韓国を訪問する。日本とはアジア通商の
60%と占めた時代もあったが、現在は61億ドルと21%を超えたことがない。韓
国とは2000年には20億ドル程度、本年度は25億ドルの見込みであるが、これも
過小と思われる。日本との関係が冷え切ったのは87年にブラジルがモラトリア
ムを宣言して以来である。現在までにミッションの一員として随行を希望した
のは日本向け242人、韓国向け190人、日本向けの商談で大きいのはガソリン
に混合するアルコール輸出年間180万リットル、また、ブラジル政府は官民共
営PPPへの出資を期待している。
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■遺伝子組替えトウモロコシ、違法の輸入許可
投票もされずにバイオ安全技術委員会CTNBioのギマリャンエス委員長は家畜飼
料として遺伝子組替えトウモロコシ6種の輸入を承認した。
ルーラ大統領がバイオ安全法を裁可してから9日後の連邦官報4月4日に
CTNBioの会議議事録が掲載されたが、この時点において委員会のメンバーは18
人から27人へ拡大され、新規則と新規9名が指名されるまで、委員会の活動は
一時停止となった期間中の出来事である。従って、委員会の決定は当然ながら
無効。これは大豆にて使用された手法。手広く種子密輸を実行、後に違法を合
法化するようにバイオ安全法を強引に承認に漕ぎ付け、委員会は雑誌の切抜き
を根拠に『安全』と称して遺伝子組替え大豆植え付けに成功した。
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■豪州の学者、エルニーニョ発生を警告
オーストラリアの気象研究所は「現在の西太平洋では平均より0.5℃高く、本
月の西風が長続きする点からみて本年度にエルニーニョが発生する確率が30%
から50%ある」と警告を発した。エルニーニョが発生すれば、東洋ではタイ、
ベトナム、オーストラリア、ブラジルでは東北地方に高気圧が居座り、旱魃を
もたらせ、南極からの気団の北進を妨げ、南伯に豪雨を招く。
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■ボリビア、燃料税38%追加で政局騒然
国会は売上の50%が政府の化石燃料法を承認
ボリビアの国会は5月5日、化石燃料法を賛成110票、反対59票にて承認し
た。法案が大統領へ上程されるのはこれで2度目、最初は大統領が辞表を提
出、国会へ差し戻されたが、今回は如何になるか注目されている。今までは化
石燃料には18%のロイヤリティで済むのが新法案では32%の税金が加算されて
50%を収めねばならない。
ペトロブラスでダイナマイト爆発
5月13日、サンタクルス・デラ・シエラにあるペトロブラスの駐車場にてダイ
ナマイトが爆発し、自動車1台を破壊したが、人身に対する被害はなく、ペト
ロブラスは「事態は平静、犯行は単独と思われるが、保安を強化した」と声明
した。
犯行の理由は不明であるが、何らの形で化石燃料法に関連していると推定され
る。化石燃料法は石油および天然ガスの生産に関して、現行法ではロイヤリテ
ィの18%が課せられていたのが、国会で承認された法案では32%の燃料税が追
加され、合計50%のロイヤリティ、税金を徴収されることになる。法案は国会
にて110票中、55票の賛成を得て通過したが、メサ大統領は未だ裁可しておら
ず、野党側は50%徴収を目指して示威運動を計画している。
政局混迷が進み、双方とも譲らず
16日から天然ガスの国有化を要求する示威運動が開始され、政局の混迷は更に
進行する。ロイヤリティ18%と燃料税32%の化石燃料法が国会にて承認されて
10日が経過したが、大統領は法案を未だ認可しておらず、野党側は「補償金な
しの国有化」と唱える者もいれば、コカ栽培を支持する社会主義運動MAモラレ
ス氏のように「現契約を廃棄し、政府が資源管理する新契約と取り替える」と
主張する者もいる。
同国へ投資している石油会社の大物はペトロブラス、2ヶ所の大型天然ガス油
田を開発、2精油所を運営し、同国燃料市場の95%を支配している。メサ大統
領は政党に所属しておらず、方針としては話し合い政治を基本としているが、
化石燃料法に関しては、野党の主張する32%の燃料税、燃料事業の国有化には
絶対に反対である。ラパスにてボリビア労働者センターが示威行進を行い、他
方、モラレス氏もコカ栽培者、インディオ、農民を糾合し、首都に向かう別行
進を主導している。
ペトロブラス、ボリビアで攻撃に直面
ボリビアのメサ大統領は5月17日13時までに国会で承認された化石燃料法を裁
可するか否かを公表しなければならない。燃料法は38%の燃料税を新設し、ロ
イヤリティと合して石油販売金額の50%を政府に納めることを規定、ペトロブ
ラスを始めとする国際石油会社の利害と真っ向から衝突、石油会社側は「38%
の新税が徴収されるのでは採算が取れず、閉鎖、撤退以外にない」という。石
油会社が撤退するならば、ボリビアには石油および天然ガス事業を継続する資
力も技術力もなく、最大の輸出製品を失い、国民経済の発展は絶望的になると
政府は予想する。これに対し、野党側より「石油会社の設備を補償金なしで国
有化」という提案さえ提出されている。
ボリビアで最も頻繁に用いられる政治問題解決法は示威運動、国内各地からデ
モ参加の大衆がラパスの大統領官邸前広場を目指し上京して来る。16日、これ
を阻止しようとする警官隊は催涙ガスとジェット消防ポンプを使用して前哨戦
が開始した。
ボリビア、税率50%の燃料法を承認
18日、ボリビアのメサ大統領は化石燃料法に対し、裁可も否認もせずとの態度
を維持した。これに対し、国会は憲法第78条「上程されて10日以内に大統領に
より裁可または否認のいずれにも決定されない法案は国会により公布され、実
施される」との条項に基づき、燃料法は有効となり、課せられる諸税公課は
12%から一挙に50%となった。
新燃料法の内容は、石油および天然ガスの売上に課せられる諸税公課は今まで
のロイヤリティ12%に燃料税38%を加算して50%とする。現在、履行中の契約
は新燃料法に適合するように180日以内に改正され、国会の承認を受けなけれ
ばならない。天然ガスおよび石油の開発会社は生産物販売権を失い、販売先お
よび価格はすべてボリビア燃料公社YBFBが指定した通りに販売される。新規の
開発はボリビア総人口の60%を占めるインディオへ諮問され、承認された後に
実施される。
ペトロブラスのボリビア投資
ペトロブラスのボリビアへの投資は95年以来15億ドル、他の国際資本を含めて
ボリビア化石燃料への投資総計35億ドル、国内総生産GDPの80億ドルの44%に
相当する金額である。天然ガスに関するペトロブラスの参加はスペイン資本の
レプソル、フランス資本のトタルと共に南部のアルゼンチンとの国境に近いタ
リジの天然ガス田を開発、日産1,640万立方米中、574万立方米は同社に帰属
する。ブラジル/ボリビア送ガス管へは45%の出資、この他にヤクイバ/リオ
グランデ間の全長431キロの送ガス管を有す。石油関係では、支配下のボリビ
ア精油が精油所2ヶ所で能力は日に6万バーレル、燃料スタンド網は76店、
20%のシェアを占める。油田開発では日産4万バーレル。ペトロブラス以外の
進出企業は14社、今回の法による50%以外の税もあり、会社の支払う諸税公課
の合計は70%程度に達するため、採算が疑問視される。
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■チリ大統領選挙、元防衛相のバチェレト女史が有望
チリの大統領選挙は12月、最も有力な候補者は社会党のバチェレト女史、53才
の医師、武装左翼の反乱士との間に生まれた3児の母、現在は別居中である。
父は空軍将軍、73年のピノチェト将軍のクーデター後に逮捕され、収容所にて
死亡、女史も母親と共に逮捕、拷問を受け、その後、オーストラリア、ドイツ
へ亡命。ピノチェト没落後に帰国し、防衛相などを歴任した。世論調査によれ
ば、43%の支持率にて、野党のラビン候補が23%、第3位は民主キリスト党の
ソレダド女史11%である。
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メールマガジン: Brazil Today
著者(現地ブラジルで執筆): 大岩國男
編集: 大岩幹男
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住所: 〒468-0034 愛知県名古屋市天白区久方1-149
電話: 052-804-5710
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