ブラジル・南米の政治経済ニュース。(アナ・ログ翻訳事務所提供)
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Brazil Today
発行日: 2004/12/3━━■ P R ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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Brazil Today 2004 / 12 / 06 (182号)
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目次:
■統計院、第3四半期経済6.1%成長と発表
■雇用増加、失業率はわずかに低下
■ドル価値下落、中銀使命は為替でなくインフレ
■濃縮ウラン、合意成立というが未解決
■ペトロブラスがタンカー42隻建造、日本も関心
■ブラデスコ、UFJと提携して出稼ぎ送金
■お茶の水橋横の旧マッピンビルにカーザスバイア
■エルニーニョ、本年は弱体で農業に有利
■イグアスーの3国境地帯へ警察が派兵を要請
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為替(レアル・円)、12月01日現在 R$1=\37.81
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■統計院、第3四半期経済6.1%成長と発表
予想外の好成績に意外感
地理統計院IBGEが11月30日に発表した第3四半期の国内総生産GDPは第2四半
期より1.0%増に過ぎないが、昨年同期に対して6.1%増、本年度累積では
5.3%、過去12ヶ月の対比では4.2%の成長を示し、エコノミスト達を驚かせ
た。生産面では第一次部門(対前年同期4.9%増、対前四半期3.6%減)、第
二次部門(7.0%、2.8%)、第三次部門(4.7%、0.7%)。支出面では個
人消費(5.7%、1.4%)、政府消費(0.3%、マイナス0.2%)、固定資産
形成(20.1%、6.7%)。貿易収支は輸出(18.2%、1.5%)、輸入
(17.7%、3.7%)。
6.1%の成長率ならば、ベネズエラ(15.8%)、中国(9.1%)、チリ
(6.8%)に劣るとしても、韓国(4.6%)、メキシコ(4.4%)、日本
(3.9%)、アメリカ(3.9%)、ヨーロッパ連合(1.9%)を超える立派な
成績である。
コンサルタントの予想は4.2%/5%
統計院発表の前日に新聞に記載されたコンサルタント各社の経済成長本年度予
想は4.2%から5%の間、企画省に属する応用経済研究所Ipeaは(04年第3四
半期5.6%、2004年4.6%、2005年3.8%)の予想。民間コンサルタントはMS
(5.1%、4.2%、3.5%)、MCM(6.5%、4.9%、3.3%)、テンデンシ
ア(6.4%、4.9%、3.5%)、LCA(7.0%、5.0%、3.8%)。本年度成
長に関して最も楽観的なのがLCA、ARXキャピタル、ブラデスコの5%、次に
MCM、テンデンシアが4.9%、グローバルステイション4.7%、Ipeaの
4.6%、最も悲観的なのがMSの4.2%であり、統計院の本年度予想5.3%は超
楽観的といえる。
パロッシ蔵相「数字が批判への回答」
これらの指標に最も気を良くしたのはパロッシ蔵相、早速、ジャーナリストを
招集「財政引締め、高金利政策、為替市場自由化など適用した古典的な経済政
策に対する批判が多いが、この統計院から発表された数字がこれら批判に対す
る回答である」と意気揚々。しかし、国会に喚問されていたメイレレス中銀総
裁は「高成長に異常感を抱くが、経済政策の成功を示すことができて喜ばし
い」と慎重な話し振りであった。ルーラ大統領はマレス観光相の式典に出席
中、身近にいるスタッフに対して喜びの色を隠さなかったが、演説に資料を使
用するのを避けた。
今後を脅かすレアル高と高金利
IBGEによる工業部門の成績、対前年同期7.0%成長、対第2四半期2.8%増に
関する産業開発研究所Iediの意見は「成長の第一要因は輸出によってもたらさ
れ、業界として特に自動車と航空機が挙げられる。られる。第二の要因は建築
業界7.4%の成長、勤労階級収入の部分的な回復と住宅金融の再開により活況
が出てきた。第三要因として国内需要の成長、中でも耐久消費財に関して、消
費者の就業と収入の安定性、消費者金融へのアクセスが容易となって点が挙げ
られる。
固定資産形成の昨年同期よりも20.1%増、対前期6.7%増は住宅需要による建
築業界の盛況を反映したものであり、工業およびインフラ部門における投資は
2001年の電力危機以後、ほとんど実施されていない。経済成長継続を脅かす要
因として考慮すべきものは、レアル割高と高金利であり、傾向が今後も続くな
らば、経済を牽引する工業を損ねる。レアル高は工業製品の輸出にブレーキを
かけ、高金利は特に耐久財の需要を阻害するであろう。
所得分配、個人の懐が痛み企業は利益
本年第3四半期の国民経済の成績と共に、地理統計院IBGEから昨年度国内総生
産GDPの分配と修正が発表された。2003年における所得の分配は給与生活者
35.6%にて前年の36.1%より0.5%減、個人営業者は前年4.6%から4.5%と
0.1%減。これに対し企業は41.9%から43.0%と1.1%増、生産および輸入に
対する補助金は17.4%から16.9%と0.5%増。要するに、労働党政権の経済政
策により個人労働者の受け取る収入が低下し、企業の利益が増加したことを意
味する。
昨年度は国民の税負担が低下
本年第3四半期の経済成長6.1%以外に政府にとって喜ばしい数字は昨年度の
税負担が軽減したという統計院の資料である。連邦政府の税収はGDPの
24.20%と前年度24.84%より0.64%減、州政府は9.17%が9.05%、市役所は
1.50%から1.49%といずれも減税、総計は03年34.74%、前年度35.52%より
0.78%低下した。しかし、2003年の税制は前政権からの引き継ぎ、悪名高い
Cofins増税は本年度からであり、税負担率が下がったから増税したという政府
の理由付けが可能となる。
昨年資料修正、統計院の信頼性に疑問
今回の第3四半期のGDP発表と同時に発表された昨年度資料の修正は全面的、
昨年の経済は0.2%の後退との資料は誤りで、計算し直した結果、0.5%成長
であったという。後退と前進、誤差が0.7%では余りにも大きい。第一次部門
5.0%成長が4.5%、第二部門1.0%減退が0.1%成長、第三部門の3.3%減
退が0.6%成長と変わった。今までは統計院の資料を信用してきたが、これほ
ど重要な誤りを今まで黙っていたのか、今度の計算に信が置けるのか、また、
全面修正になるのはないか、あるいは政治圧力で歪みが隠される可能性を疑わ
ざるを得ず、外部の者にとって「6.1%成長も曇りガラス張り」、政府資料へ
の信頼にとって致命的な失策。この記事の最初に述べた民間コンサルタントの
数字の方が信頼できる可能性が強い。
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■雇用増加、失業率はわずかに低下
10年間に千万雇用造成、だが、失業者倍増
この10年間に失業者が倍増した。地理統計院IBGEの標本抽出訪問調査Pnadから
は、93年から2003年にかけて雇用は1,270万人の造成を見たが、失業者は440
万人、これが850万人となり、93%の上昇、しかも、新しく設けられた雇用は
低給料者が大部分を占め、1,130万は3最低給のR$780以下、それ以上はわず
か11%、140万人に過ぎず、労働手帳に登録されたのは550万人、残りの720
万人は不正規労働である。
93年の経済人口は7,090万人、就業者は6,660万人にて失業者440万人、失業
率は6.2%、これが2003年には経済人口8,770万人(23.7%増)、就業者
7,920万人(18.9%増)、失業者850万人(93.2%増)であり、雇用増加率は
経済人口増加率を大きく下回る。
一次部門は雇用減、工業はわずか、女性の進出
近年の農業ブームが喧伝されるが、10年間に第一次部門は180万人の雇用減
少、サンパウロ市庁のポッシマン開発労働局長は「輸出産業として農業が機械
化され、家族農業の余地が減少した」と説明。また、工業部門はわずか280万
人の増加、サンパウロ州工業連盟Fiespのスカフ理事長は「労働市場の統計は
経済が20年間にわたり停止状態を続けた結果が表れたに過ぎず、当然の結果で
ある」と語った。他の特徴は女性の職場進出、新規雇用の54.3%が女性、
45.7%が男性であった。この原因は家計支出を補うのも原因の一つであるが、
結婚年齢の高齢化、女性家長の増加が挙げられる。
正規雇用、10ヶ月連続増で179万人
正規雇用は10ヶ月連続で上昇、10月には13.0万人の新規雇用が造成され、本年
度になって179.6万人、7.72%の増加を見て、本年度の目標は180万人、2ヶ
月を余してほぼ達成できた。就業失業登録台帳Caged統計は正規雇用の推移状
態を知るために開始されたもの、累計登録数は統計開始以来の最高に達してい
る。
部門別累計では工業が60.8万人(33.9%)、サービス業が48.9万人
(27.2%)、商業30.8万人(17.1%)、農業24.9万人(13.9%)、建築10.0万
人(5.6%)、その他4.2万人。州別ではサンパウロが64.5万人(35.9%)、
ミナス21.7万人、パラナ14.8万人。
統計院と労連、失業率と給料の双方が低下
地理統計院IBGEによる労働統計では、6大都市の10月失業率は10.5%、前月の
10.9%より1.2%、昨年の12.9%より18.6%も低下した。しかし、労働者収入
はR$900.20にて前月より1.2%の低下、理由は平均給料R$657の建築業界の雇
用増加による。
労連統計局Dieeseおよび州資料分析システムSeadeの調査によれば、10月の大
サンパウロ市圏における失業者は177万人、失業率は17.6%と4月の20.7%か
ら6ヶ月連続の低下、39ヶ月間の最低記録となった。部門別の雇用増加は主と
して建築、家事手伝いを含むその他部門で4.1万人増加、商業とサービス部門
がそれぞれ1.8万人の増加、これに対し工業は年末生産の手当を既に第2四半
期に完了しており、10月は1.2万人の減少となった。雇用の増加は中小企業、
不正規雇用であったため、給料水準は6月のR$1,021から低下する一方で、9
月はR$990となった。
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■ドル価値下落、中銀使命は為替でなくインフレ
中銀総裁「目標はインフレ抑制、為替は責任外」
メイレレス中銀総裁は11月22日、『ブラジルとカナダの通商』セミナーにおい
て、ドル相場下落への対策、外貨準備の強化に関する批評に対して「中銀の目
標はインフレ抑制にあり、為替問題はインフレ対策の手段としてのみ、中銀に
とって関心を抱いているに過ぎない。企業家側は通貨委員会の基本金利0.5%
の引上げに反対の意を示している模様であるが、これは9月に開始された調整
過程の継続であり、期待が可能性と一致するとは限らない」と語った。
国庫ドル買いと大統領発言でドルR$2.755
11月24日、ルーラ大統領がブルームベルグ氏との会見で漏らした「私はエコノ
ミストでないが、テレビ、新聞を読み、他人と話しして得た感覚によれば、ド
ル相場はR$2.90からR$3.10が輸出を損なわず、適切ではないかと思う」との発
言があり、また、国庫が債務返済に市場から30億ドルを購入すると公表。
前日23日の商業ドル終値は売りR$2.744、24日は9時40分の相場開始時に
R$2.737、11時まではこの水準で推移、11時15分にR$2.765まで上昇、その後
は下降しR$2.755にて終値を締め、2要因の影響は0.40%に留まった。
ドル下落に反比例、金価格上りオンスUS$450
ドル相場がユーロに対し4日連続の下落、10月26日、中国中銀のユヨンジン総
裁が「政府は外貨準備中のドル所有率を低下させるべきであった」と発言、こ
の影響もあってドル相場はユーロUS$1.333に達し、ブラジルでは商業ドル
R$2.734と前日より0.4%安。他方、ロンドンの金価格はドル下落に反比例し
て上昇、16年ぶりにオンス(31.1グラム)当りUS$450を突破、R$450.15の値を
付けた。
メイレレス中銀総裁「基金合意不要」を力説
メイレレス中銀総裁は11月29日、サンパウロのバルガス財団FGVの『ブラジル
リスク再検討』検討セミナーにおいて「ブラジルが国際通貨基金IMFとの交渉
を継続するか否かは未決定であるが、自らの足で歩行できるまでに回復した。
財政第一次収支黒字は増加(昨年10月累積640億レアル、本年780億レア
ル)、最も弱点と見られた公共債務は50%強へ低下(03年10月57.9%、現在
53.7%)、格付け会社の評価も上がり、カントリーリスクも下がった(03年11
月533、現在413)。本年度貿易収支黒字は320億ドルを超え、為替経常収支
は改善され、外貨準備は基金債務を控除して純残高244億ドルに達する(03年
11月544億ドル、現在501億ドル)となった」と語った。
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■濃縮ウラン、合意成立というが未解決
科学技術相は原子力機関保障と主張
11月24日、カンポス科学技術相は「国際原子力機関IAEAの保障によってブラジ
ルにおける最初のウラン濃縮装置が12月後半からリオ州レゼンデで稼動する」
と宣言した。しかし、アソシエイテッドプレスの報ずる処では「機関側は評価
が結論に達しておらず、保障した覚えはない」と発表している。
濃縮原価は米国の1/25、企業秘密に属す
ブラジルのウラン埋蔵量は30.9万トン、世界第6位、これを濃縮、核発電に利
用する目的で建設されたのがレゼンデのブラジル核工業INBである。濃縮装置
は遠心分離機、しかし、ブラジルは中心の高速回転部にリニアトレンと同原理
の磁力で中に浮かす方式を使用、アメリカの製造原価の1/25で生産可能とな
った。このため、設備は企業秘密として10月に訪れた原子力機関の査察を拒否
し、メンバーはリオ州レゼンデのブラジル核工業INBに6時間半、問題の遠心
分離機は隠されたまま、2時間半、部屋にいただけで引揚げた。なお、原爆に
使用するウランは濃縮度95%、潜水艦には20%が必要であるが、ブラジルは核
発電原料の60%自給を目的として、核発電用の濃縮度5%の能力しか有せずと
いう。
予備合意成立の程度と輸出の是非
国際原子力機関IAEAからの11月25日に確認した情報では「レゼンデのウラン濃
縮工場の操業許可に関する予備合意を締結したが、稼動を承認した訳ではな
い。救済措置として、ブラジル政府との間に査察に関する原則に関して合意が
成立したとの報道は非公式な発言に過ぎず、その証拠に条件の詳細が発表され
ていない」と伝えられた。
カンポス科学技術相は「機関の保障は輸出しないとの前提に立っての話であ
る」と述べたが、リオ連邦大のセンラ核工業教授は「ブラジルはウラン濃縮技
術を獲得した世界第9番目の国、主目的はアングラ・ドス・レイス核発電所の
燃料自給であるにしても、40億ドルから45億ドルの外貨が得られる海外市場へ
目を付けているのは当然の話である」と意見を語った。
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■ペトロブラスがタンカー42隻建造、日本も関心
ペトロブラスの子会社、トランスペトロのタンカー建造入札は、最初22隻と発
表されたが、これは第一次入札分、第二次として20隻が追加され、合計42隻と
なった。ペトロブラスが17年間、タンカーを建造しておらず、現有のタンカー
は55隻、傭船が60隻、新造船への交替は2010年に終了する予定。
このような大型入札はブラジルで初めてであり、一ヶ月前までは一隻5,000万
ドル程度の価格と噂されていたが、大量の発注に相場が上昇、8,000万ドルか
ら1億ドルと予想される。資金源としてはトランスペトロが15%から20%を前
払い、開発銀行BNDESが90%を融資、商船基金FMMに60億レアルの資金があ
り、この資金使用に関して、少なくとも2社が問い合せしたといわれる。
世界の造船業界もこの入札に関心を寄せ、ノルウェーのアケル社は造船所建設
用地としてサンタカタリーナおよび南リオグランデに29万平方米の土地を購
入、造成費に1億ドルを投資する計画。カマルゴコレアとアンドラデ・グチエ
レスは三井と共同してペルナンブコのスアペ港に5億レアルを投資して造船所
を建設したい意向。アジアの造船国、韓国の業界も参加すると予想される。
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■ブラデスコ、UFJと提携して出稼ぎ送金
ブラデスコは日本のUFJ銀行との業務提携合意に調印、日本からの出稼ぎ送金
を取り扱うようになった。出稼ぎ取扱いでは伯銀、サンタンデルバネスパに次
いで三番目、UFJ銀行は東京三菱を母体に合併によって日本第一の規模に成長
した銀行、ブラジル国内居住者でも日本で口座開設が可能なので利用して下さ
いと呼び掛けている。
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■お茶の水橋横の旧マッピンビルにカーザスバイア
一時代前のサンパウロ市の中心、『お茶の水橋』Viaduto de Chaの横、ラモス
アゼベド広場にある旧マッピンビルがカーザスバイアの家電家具販売店として
再生する。ビルは10階建て、売場面積1.5万平方米、改造費に100万レアルを
費やし、開店する。同社のクレイン経営常務は「南米最大の小売店舗、7,000
種の商品を陳列、広場には毎日50万人が行き来し、月に1,000万レアルの売上
が見込まれる」と語った。
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■エルニーニョ、本年は弱体で農業に有利
ペルー沖の海温が上昇、エルニーニョ現象が発生しているが、今までの東北伯
旱魃、南伯豪雨と異なり、本年度の現象は弱体で、現在までの状況は南伯にも
東北伯にも1月まで適当な降雨をもたらせるとの予想、両地方とも順調な穀物
の生育が見られ、気象学者は「南伯の収穫時期になってもしばしば降雨が続け
ば、夏作穀物の収穫に差し支える点だけが心配」と語った。
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■イグアスーの3国境地帯へ警察が派兵を要請
3国境地帯の変化、担ぎ屋から密輸組織へ
ブラジル/パラグアイの密輸は年間15億ドルと見積もられ、以前は『担ぎ屋』
が主役であったが、最近は暴力密輸組織の進出が著しくなった。パラグアイ側
のシウダ・ド・デル・エステで働くブラジル人は7,000人、この他にブラジル
側タクシー約3,000人、パラグアイ側1,500人が運搬役を務める。ただし、タ
クシー運転手はエリートクラス、この配下には多数の荷担ぎ、その他の諸々が
生活している。
密輸もプロフェショナル化、
同地の国税庁のアラウジョ検査官は「今までの担ぎ屋は失業あるいは生活費の
不足を補う程度が多かった。しかし、今は暴力組織が進出、密輸商品も変化し
た。以前は比較的多かった玩具類は昨年に比して押収高は6%減、これに対し
情報機器は108%増、電子製品は119%増。更に麻薬、銃器が多くなり、マコ
ーニャ(大麻、コカインよりは毒性が弱い)の押収は月に950キロ、このよう
に大量となったのは5年ぶり。
彼等の情報網は鋭く、サンパウロで3大衆ショッピングを経営する中国系帰化
人の密輸王ラウ逮捕前の3日間は国境の動きが途絶えていた。国境の『友情の
橋』を通過する観光バスは月に1,100台、乗客中の観光客はわずか7%、残り
は密輸業者であり、11月20日に発生したバス5台焼き討ちの際には280台のバ
スが税関検査所の網から逃走した。密輸品の行き先の30%はサンパウロ」と説
明。
国税庁カタラッタス作戦、直ちにサンパウロ市へ影響
国税庁は年末大売り出し仕入れでパラグアイからの密輸品増加に注目、11月か
らフォス・デ・イグアスーおよび街道にてカタラッタス作戦を実施、取締りを
厳重にした。作戦は直ちにサンパウロ市の3月25日街へ影響を及ぼし、玩具、
化粧品、学用品の不足を来している。サンパウロ露天商の販売する商品の約
30%は『担ぎ屋』によるパラグアイ経由、密輸王の逮捕と国税庁の作戦によっ
て、サンパウロばかりでなく、ここから仕入れるリオ、ミナスを含め、本年度
密輸品市場は品不足となる模様である。
連邦警察、イグアスーへ軍隊出動を要請
連邦警察と国税庁はフォス・デ・イグアスーにてパラグアイからの密輸取締り
作戦を展開したが、国境の『友情の橋』は警察と『担ぎ屋』の対決場と化し、
密輸業者側は400台程度のバス・トラック隊を編成、強引突破を試みた。ペレ
イラ警部は「このまま放置すれば、遠からずリオ山手の貧民窟のように暴力団
の支配する所となる」と述べた。パラナ/サンタカタリーナ両州国税監督庁は
「パラグアイ間の密輸取引は1.5億ドル」と推定、国税庁は「対抗できる装備
と組織を有するのは軍隊しかいない」との結論に達し、国防省および法務省に
国境地帯への軍隊派遣を要請した。
香港、マカオにてブラジル鶏肉の密輸
次は舞台を一転、香港とマカオでは鶏肉の密輸が盛ん。中国人の生活が向上、
肉類の需要が増加、国産だけでは不足する。しかし、正式に輸入すれば、輸入
枠で縛られ、輸入税を払わねばならず、免疫検査で時間の浪費。それよりも、
手っ取り早くというので、2002年には20隻であった快速船が昨年は122隻に増
加、毎月5,000トン運び込まれるブラジル鶏肉を積み込み、税関の目を逃れて
走り回っているという。
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メールマガジン: Brazil Today
著者(現地ブラジルで執筆): 大岩國男
編集: 大岩幹男
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