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ブラジル・南米の政治経済ニュース。(アナ・ログ翻訳事務所提供)




Brazil Today

発行日: 2004/9/17

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Brazil Today                                         2004 / 09 / 20 (171号)
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目次:
■中銀金利引上げて消費抑制、予想される経済再下落
■小泉首相のブラジル訪問、通商増加への期待
■ムーディーズ、ブラジル・ペトロブラス・バーレを格上げ
■2004/05年の植付面積拡大
■自動車工業、生産と輸出で記録更新
■バーレ、中国と大型輸出契約を締結
■三井、貨車を購入し鉄道に賃貸し
■マラソン選手、金メダルの代りに人気上昇
■アルゼンチン、伯亜通商とデフォルト債権処理
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為替(レアル・円)、9月15日現在 R$1=\37.86
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■中銀金利引上げて消費抑制、予想される経済再下落
中銀、基本金利を16.25%へ引上げ

中銀の通貨政策委員会Copomは賛成5票、反対3票にて基本金利を年16%から
16.25%へ引上げた。同時に発表された説明書によれば「今回は金利の適正な
水準調整の開始に過ぎない。高金利はインフレが実質収入の回復を妨げない程
度に留めるのに必要な措置であり、これによって経済の持続的成長が保全され
る」と理由付けた。年16.25%はインフレ6.19%を差し引き、実質金利
9.47%。トルコの10.9%に次ぐ世界第二位、第三位の南ア6.3%を大きく引き
離している。

今後も継続する金利引上げと財政締め付け

パロッシ蔵相は「今回および中銀の予告した今後の金利引上げの必要に応ずる
ため、本年度の財政第一次収支黒字目標を更に高くしなければならない」と語
った。通貨基金との合意目標は国内総生産GDPの4.25%であるが、本年上半期
の黒字は5.59%の528億レアル、過去12ヵ月では746億レアル、4.65%。公共
債務8月残高は7,617億レアル、52.9%が中銀基本金利付き、16.7%が先決め
利付き、物価指数調整付き15.4%、為替調整付き13.1%、長期利子率TJLP付き
1.9%にて、今回の金利引上げは年10億レアルの債務増加をもたらせる。

実業界、労組、更に与党内からも強烈な批判

サンパウロ州工業連盟Fiespの今月末で任期が終るピバ会長は「すでに鈍化を
示した経済回復は今後更に緩慢となり、特に国内市場に頼って業界、例えば建
築、食品などは売上予想下方修正を行い、投資は延期される」。全国工業連合
CNIのモンテイロネット会長は「中銀の超保守主義者はインフレ対策に引き締
めしか知らず。加えて、経済抑制を正当付けるインフレ圧力は存在してな
い」。単一労連CUTのマリーニョ組合長は「金利引上げはインフレ対策に名を
借りて経済成長に危機をもたらせ、停滞状態へ戻す」。サンパウロ州商業連盟
Fecomercioのスザジマン会長は「過剰な需要も価格上昇の全般的圧力も存在し
なかった」と述べた。野党国会議員が措置を攻撃するのは当然であるが、労働
党内部でも反対する者がおり、例えばアレンカル下院議員(RJ)は「投資の減
退傾向が見られる」と語った。

金利論争の焦点はインフレ進行と消費市場市場過熱に対する評価が基本にあ
る。それ故、いずれの観点が的を射ているかと知るため、その状況を以下に説
明する。

物価指数、8月総合1.31%、9月上旬0.79%

バルガス財団FGVの総合物価指数IGP−DIは8月1.31%の上昇を示した。この
指数は卸売物価指数IPA60%、小売物価指数IPC30%、建築材料物価指数
INCC10%の合成指数である。8月の卸指数は1.59%、小売り指数は0.79%、建
築材料指数は1.20%。小売り指数の上昇原因はトマト32%、玉ねぎ24%、じゃ
が芋11%の食料品とアルコール燃料10.89%。

8月の総合物価指数IGP−DIの1.31%上昇は卸物価1.59%の値上りによるもの
であり、主因は鋼材を含む金属製品6.87%、プラスチック3.05%、ゴム
2.49%、機械設備を含む機械類2.08%、金属業界の操業度は92.2%、ゴム業界
は93.2%と操業度が高く、機械業界の主材料は金属、また、プラスチックの主
原料は値上り著しい石油である。

経済研究所Fipeによるサンパウロ市の9月第1週の消費者物価指数IPCは
0.79%、8月第3週の1.03%、第4週の0.99%に比して著しい低下を示した。
上昇率の高かったのは住宅費1.56%であるが、前週の1.78%より低下、また、
交通費0.94%も前週1.05%より下がっている。

工業生産、上昇続けるも鈍化の傾向

工業生産の7月は前年同期より9.6%の増加、この5ヶ月間は上昇し続けてい
る。しかし、前年度は景気の底にあった点を考慮すれば、増加するのは当然の
こと、それより、憂慮すべきは成長が期待した程でなく、既に鈍化している点
である。地理統計院IBGEの資料によれば、本年1月から7月までの工業成長は
7.8%、特に注目すべきは6月0.7%、7月0.5%とほとんど横這い状態に陥
っている点である。本年1月から7月までの工業生産を前年同期と比較すれ
ば、資本財部門が24.9%、耐久消費財部門では22.5%と大幅の上昇をみている
が、中間財部門では6.8%、非耐久および半耐久消費財部門ではわずかに
2.0%の増加に留まっている。

失業率低下したが、庶民の購買力は未回復

全国工業連合CNIの資料によれば7月売上は(対前年同期19.45%増、対前月
3.3%減)、雇用者数は(4.07%増、0.98%増)、労働時間(7.56%増、
0.24%減)、実質手取り給料(8.29%増、0.09%減)であり、前年同期と比較
すれば、大幅の前進であるが、7月実績は頭打ちにあるのを示している。

LCAコンサルタントのボルジェス氏は「食品などの非耐久、衣料品などの半耐
久消費財生産の回復が緩慢であるのは当然である。失業率は低下したとはい
え、非常に高率であり、労働者収入は7月に始めて上昇に転じたがわずかに
2%、2年前の水準に達していない。企業に対する金融によって資本財生産は
伸長、また、個人に関して耐久消費財は長期月賦にて購入できた。しかし、食
費などの非耐久消費財の購入は月収が上昇しない限り増加しない」と説明し
た。

消費回復、だが、96年の水準に程遠い

ブラジル経済が回復しつつあるのは種々の指標から確かめられる。例えば、1
月から7月までの工業生産は前年同期に対し7.8%増加した。しかし、96年あ
るいは2000年と比較すれば、自動車、冷蔵庫、テレビ、衣料品、靴、家具の何
れにおいても水準以下である。96年から2004年の間にブラジルの人口は15.6%
の増加をみたが、労働者の実質収入はわずか12%の上昇したのみ、そのしわ寄
せは自動車、家電などの耐久消費財、衣料品、靴などの半耐久消費財の売上低
下となって現われた。

家電の売上は96年より28%減、2000年より5.7%減、電気製品工業協会Eletros
のサアビ会長は「96年には4,600万個、2000年には3,500万個を販売したが、
本年度は昨年より10%増の3,300万個。業界主力商品のテレビは96年より
13.8%減、他の主力商品の冷蔵庫は5.58%減である。繊維工業も人口増加に伴
った上昇を示していない。本年上半期の生産は96年より8.2%減、2000年より4%
減の成績。衣料品工業協会Abravestのシャダド会長は「大部分の人達は食べる
のに困っているのに、どうして衣料品が買えるのか」と回答した。スーパーの
売上も回復していない。スーパー協会Abrasのオリベイラ会長は「本年度の消
費は上向きであるが、95年の水準には程遠い」と語った。

労働者、収入減の上、税金負担と公共料金上昇

LCAコンサルタントの資料によれば、労働者収入は96年より12.4%減、2000年
より10%減である。だが、庶民の懐を圧迫したのは収入減ばかりでなく、税金
負担が急上昇した点も大きく、国民一人当たりの負担額は96年のR$1,320が
2000年にはR$2,128、04年にはR$3,198となった。更に、公共サービス料金の
値上りも加わる。経済研究所Fipeによれば、2001年から2004年にかけてのイン
フレは31.6%であったのに対し、電力料金は65%、携帯電話料金は39.7%、有
線テレビは43%の値上げ。収入減と税金・公共料金増の両面攻撃によって庶民
は購買力を喪失してしまい、この回復には時間を要する。ロージャスセンのコ
レオネ常務は「工業の休閑設備利用の段階にあり、販売が95年/96年の水準に
達するのは遠い先」と述べた。

停滞期に投資不足、未回復の工業設備

数年続いた経済停滞期に企業は生産拡張の投資を差し控え、工業は生産能力の
限度で操業している現状。資本財の生産は上昇しているにしても、工業は未だ
に本格的に生産能力拡大の投資へ発進する気配を示していない。もっとも、投
資を意図しないのは当然の話、景気が回復し始めると同時に、金利引上げの景
気抑制策を思い付く政府が存在する経済に対し、高金利を目当ての投機あるい
は融資はあるにしても、企業リスクを負って投資しようとする資本家がいると
は思われない。

政府の反インフレ、景気抑制で『雌鶏の飛翔』

市場は既に政府の金利引上げを予想して来年1月のDI先物利子を8月20日
16.43%から9月9日には16.78%に上げている。閣内の金利引下げ派の声を
抑え、一時的な石油価格高値と操業度が高い業界の値上りを抑えるため、金利
を引上げた。しかし、このような景気抑制政策を採るのは低成長にて問題を先
送りするに過ぎず、更に国民を失業問題と租税の高負担で苦しめる結果を惹
起、アルゼンチン危機のブラジル版となり、現政権任期中は経済が停滞すると
の予想に繋がる。それよりも、単一労連とサンパウロ州工業連盟が提案した社
会協定によって、インフレ抑制目標の引上げに関して国民の承諾を求め、国際
投資家の意欲を刺激して経済拡大時代の到来を早める方が経済政策として遥か
に優れていたと信ずる。
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■小泉首相のブラジル訪問、通商増加への期待
首相来伯してアルコール輸出増を再確認

小泉首相が9月14日、ブラジルへ到着した。最初の訪問は日本国際協力銀行
JBICが5.3億レアルを融資しているチエテ河浄化工事。午後はサンパウロ州北
部のリベイロンプレットへ到着、ブラジル第二のアルコール工場であるサンマ
ルチーニョ、グアタパラにある笠戸丸第一回移民の墓地を訪問、空から砂糖黍
栽培を眺めた。このリベイロンプレット地方25市は砂糖黍栽培38万ヘクター
ル、アルコール工場が40以上存在し、全国の30%を生産する。日本は環境保護
の観点よりガソリンへ3%のアルコール混入を決定、ブラジルから年間18億リ
ットルを輸入する交渉が進められている。

9月16日にはルーラ大統領との会談が行われ、日伯双務委員会の創設が発表さ
れる予定。委員会は双方5人づつで構成され、来年4月のルーラ大統領訪日ま
での両国の交渉日程を決定する。今回の外遊で小泉首相はメキシコを訪問、両
国自由通商協定に調印するが、ブラジルとの間にも同様の関係を成立させるの
がこの委員会における任務である。

豊富な自然資源に感銘を語る

来伯中の小泉首相はサンパウロ市リベルダーデ区の日伯文化協会を訪問、日本
にもない古い文化が保存されているのに感動の涙を流し、州知事官邸のバンデ
イランテス宮での200人との昼食会では「中南米の豊富な自然資源に感銘し
た。日本と中南米の経済関係は成長の可能性が充分にあり、すでに日本は46億
ドルをインフラ機構整備に拠出している。メキシコと経済協定を締結するが、
これを基礎とした協定が他の中南米国家と結ばれるのを期待する」と語った。
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■ムーディーズ、ブラジル・ペトロブラス・バーレを格上げ

格付け会社ムーディーズがブラジルの国債をB2からB1へ格上げした。輸出拡大
以外に外貨借入の低下、公共部門の税収増加、公共債務と税収との均衡を昇格
の理由に挙げている。Bは「好ましい投機対象として的確性に欠ける」との評
価、ブラジルは少なくとも98年以来、B1とB2の間を上下しており、ブラジルと
同じB1と評価されたのはベトナム、ウクライナ、トルコ、スリナメ、ニューギ
ニア、ジャマイカの諸国である。

また、ブラジル国内の2有力会社、ペトロブラスとバーレ・ド・リオドッセを
政府より数段上のBa1からAへ引上げた。ブラジルの会社でAに格付けされた
のは今回が初めて、世界の一流会社として認められ、国際市場で資金が安価に
調達できる。

なお、最高級のAaaはアメリカ、イギリス、日本、A2級には中国、イスラエ
ル。中南米ではチリが最高で中程度の安定性と評価されるBaa1、次いでメキシ
コBaa2、コロンビアBa2。ブラジルのB1の後にはベネズエラB2、ボリビアB3、
アルゼンチンはCaa1にて投機的、危険が認められるとの評価に属する。
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■2004/05年の植付面積拡大

食糧供給公社Conabの見積りによれば、2004/05年の植付面積は100万ヘクタ
ール乃至150万ヘクタール、約3%拡大して4,890万ヘクタール、現在までの
気候条件は順調で、内輪にみて穀物1.3億トンの収穫と見積もられる。その
41.7%は大豆であり、更に面積が拡大、2200万ヘクタールに植付けられ、収穫
見込は6,000万トン。マットグロッソばかりでなく、倉庫と搬出問題の解決を
見たトカンチンス、パラー州東北部の数万ヘクタールにも広がった。ただし、
全国に先駆けて植付けるマットグロッソでは降雨不足で植付けが遅れている。

本年上半期の肥料販売量は昨年同期より4%増の812万トン、農業機械は25%増
の3.35万台と好成績である。しかし、本年度の農業資材は15%から20%の値上
りのために、大豆、トウモロコシ、綿作などの農産物栽培原価は上昇。他方、
価格は少なくとも10%低下の見込みと厳しい予想。更に気象学者の予想では、
本年の夏はエルニーニョ気味の天候で、降雨に片寄りが多いという。
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■自動車工業、生産と輸出で記録更新

自動車製造業協会Anfaveaの発表によれば、自動車業界は8月に19.81万台を
生産、今までの月間生産の記録、2001年5月の19.80万台を破り、前月の生産
より5%増、前年同期の47%増の成績を挙げた。累計では142.4万台、97年以来
の成績である。また、自動車および農業機械の輸出は7.73億ドル、先月に引き
続き記録を更新した。累計では51.4億ドル。ただし、国内市場向けは不調で、
8月登録台数は13.05万台、前月より2.5%減であった。
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■バーレ、中国と大型輸出契約を締結

バーレ・ド・リオドッセは中国最大の製鋼会社ショウガンとの長期輸出契約成
立を発表。契約は2004年から2012年にわたる鉄鉱1,130万トンの売買であり、
ズージミン経営審議会々長も契約署名に来伯した。バーレはショウガンと2004
年から2008年まで440万トンの契約を有しており、双方を合算すれば1,570万
トンに達する。

今回のショウガンとの契約以前にバーレはバオスチールと2010年から年間
1,400万トン、および、マラニョンにてアルセロルも共同出資者といて参加す
る製鉄工場建設のプロジェクトが進められている。その他に中国スチールとは
7年間410万トンのペロタイジング鉄鉱輸出契約がある。

バーレの日本向け輸出は新日鉄との間に年間60万トン、総計7,000万トンの売
買契約が成立しており、ヨーロッパ向けはアルセロルと年間2000万トン、5年
間契約、コーラスとは年間1,000万トン、5年間契約がある。
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■三井、貨車を購入し鉄道に賃貸し

三井は貨車を購入、これを5年から10年の期間で賃貸しする商法を発見した。
本年はマキシオン製造の貨車500台、ランドン製150台を5,000万ドルで購
入、これをALL物流へ貸し付けた。三井の運送部担当のスズキ副社長は「来年
は貨車1,000台、大部分をALLへ貸し付け、2007/08年には3億ドルを投資、
5,000台の貨車をALLばかりでなく、ブラジル鉄道、MRS物流にも賃貸しす
る」と語った。
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■マラソン選手、金メダルの代りに人気上昇

アテネオリンピックの最終日、マラソンで2位を30秒ほど離しトップを走って
いたバンデルレイ・デ・リマ選手は40キロを過ぎた地点で、突然、飛び出して
来たアイルランドの牧師に突き飛ばされて調子を崩し、イタリアのバルディニ
氏が金メダル、アメリカのケフレジギ氏が銀で、バンデルレイ選手は銅メダル
の三位に終った。

特別賞は2キロの金の延べ棒

しかし、その態度のさわやかさに人気上昇、9月7日の独立記念日にも首都ブ
ラジリアへ招待され、分列行進の先頭を歩き、ルーラ大統領の横に立つ。10日
にはスポンサーの金相場を扱うサンパウロ先物商品市場BM&Fクラブに招待さ
れ、惜しくも逸した金メダルの代わりに特別賞として2キロの金の延べ棒を受
け取り、飛行機のジェスチャーをして大喜び。11月7日にはニューヨークのマ
ラソン賞を受け取る予定、また、同市に住む映画家のスモリンスキー氏から
「生涯を映画にしたいから、是非逢って話を聞きたい」と言われている。

選手を助けた『天使』が判明

その後、新聞記者の調査によって、事件が発生した時に身の危険も顧みず、選
手を助けたのはコシバス氏であることが判明した。近くに住んでおり、若い頃
はバスケットの選手、現在はレフェリーをしている人である。マラソンの選手
の到着する時刻と思い、走者の近付くのを待っていた。突然、反対側の歩道か
ら奇妙な動きを見せた男がいた。と思う間もなく、仕切りを乗り越え、選手を
突き倒す。急いで、助け起こした呆然としている選手に「行け、行け」と声を
掛け、他方に眼を移せば、観衆が「何をしやがった」と叫びながら、突然出て
来た男を殴り付けるのを見た。

その後、帰宅してからテレビを見ていたら、かばったあの選手が低い台の上で
銅メダルを首に掛けて貰うのを見て、涙が出て仕方なかった。彼こそ金メダル
の男だのに。翌日、急に彼に逢いたくなった。別に何をするでもない。無性に
彼の手を握りたくなっただけのこと。ブラジル大使館に電話したら「選手団は
既に引揚げた」という。

ブラジル五輪委員会『天使』を招待

ブラジルオリンピック委員会COBでは事件発生以来、選手を助けた『天使』は
誰かと捜していたが、新聞記事から人物が判明したので、ヌスマン会長が9月
16日にパラオリンピック参加にギリシャに旅立つのを利用して、アテネに着い
たならコシバス氏に委員会よりブラジルへの招待状を手渡す予定。なお、委員
会はマラソンの真の優勝者はバンデルレイ氏と国際オリンピック協会に訴えて
おり、12月に決定される最優秀選手に選ばれるのを期待している。
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■アルゼンチン、伯亜通商とデフォルト債権処理
家電の次は自動車制限

冷蔵庫、レンジ、洗濯機の輸入制限に始まり、テレビ、靴に至ったアルゼンチ
ンのブラジル製品輸入制限は遂に自動車へ達する。2000年に両国間で締結され
た自動車協定は自動車の通商を規定、域内産60%、域外産40%の域内産化を認
め、ブラジル向け輸出US$1.00に対し、アルゼンチン側はUS$2.40の割合で輸
入できるという内容、2005年12月末まで有効の筈であった。

しかし、キルチネル大統領はこの部品通商の非対称を認めず「同等にすべきで
あり、非対称が継続する場合は2006年からの自動車自由市場発足を停止する可
能性もある」と主張した。アルゼンチンの自動車生産は本年8月までの累計
15.8万台、昨年度より52.7%増、輸出8.4万台、16.8%増にて、国内市場は国
産7.1万台に輸入車13.2万台にて合計20.3万台、144.2%増。ブラジルからの自
動車関係輸入は5.36億ドル、輸出1.22億ドルにて収支4.14億ドルの赤字であっ
た。

アルゼンチンにとってブラジルは問題点でなく解決策

ここ数ヶ月、キルチネルアルゼンチン政府は次から次へと通商問題に関する苦
情を述べ、両国間の貿易の非対称性を問題として取り上げる。政治家達は否定
するであろうが、真実の話は苦情ではなく、解決策を求めてブラジルに頼って
いるために生じた現象であるという。

この説を主張しているのは商工省に属する生産研究センターCEPであり、ラク
ンサ所長は「91年のメルコスール発足以来、ブラジルとの貿易収支が赤字にな
ったのは本年が最初。域内貿易は年間14.5%、輸出は年11%の成長を遂げたの
に、域外貿易は8%、輸出は7%しか伸びておらず、メルコスールはアルゼン
チンの貿易収支改善に大きく寄与した」と語った。ブラジルの貢献はアルゼン
チン々民も認識していると思われ、グラシエラコンサルタントの調査「アルゼ
ンチンは如何なる経済ブロックとの関係を重視すべきか」の質問に対し、メル
コスール58%、ヨーロッパ連合14%、米州自由貿易圏FTAA5%、アジア諸国
7%、その他16%との数字であった。

アルゼンチン政府、ペトロブラスに圧力

キルチネルアルゼンチン大統領はペトロブラスに対し「投資計画を早く進める
ように圧力を掛け、遅滞するのであれば送ガス管営業権を没収する」と脅かし
た。大統領の要求する投資はパタゴニア南部のフェゴ島からブエノスアイレス
への送ガス管敷設で投資2.7億ドル、同国は長い経済停滞によってエネルギー
部門への投資が不足、経済回復で需要増となったが、電力が不足と言う事態を
招いている。ペトロブラスは南部ガス運送TGSの50%を支配、また、生産面で
は石油の12%、天然ガスの8%を支配している。

政府提案の債務償還プログラムに債権者は不満

アルゼンチンの債権者達はラバニャ経済相の提示した債権償却の条件「2001年
12月からデフォルトとなっている証券の元金と利子に対し385億ドルを支払
う」、即ち、条件受諾の債権者に対してこの金額を按分、しかも長期支払を変
更していない提案方式に対して、非常な不満を抱いている。

デフォルト債権1,000億ドルの38.4%はアルゼンチン国民、その上、平均年齢
60才以上である。これに対し、最初の政府提案は「投資額の25%の返済、30年
から40年の長期払」。今回の提案は如何ほど受け取れるのかは申込み者数次第
である。
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メールマガジン: Brazil Today
著者(現地ブラジルで執筆): 大岩國男
編集: 大岩幹男
発行: Ana&Log(アナ・ログ翻訳事務所)
住所: 〒468-0034 愛知県名古屋市天白区久方1-149
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