ブラジル・南米の政治経済ニュース。(アナ・ログ翻訳事務所提供)
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Brazil Today
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目次:
■世界最高のブラジル中銀実質金利10.32%
■政府、工業生産振興政策と融資枠を発表
■生産性の高い東北伯のエビ養殖
■パルマラッテ、各国から撤退、ブラジルは例外
■CSN、鉱山へ大型投資を計画中
■バリグ、ヨーロッパ経由を狙うが日本が反対
■南米大陸の軍備、世界でも最低支出
■環境許可下りず、多数の計画が中断
■アルゼンチン、回復途上、だが、問題は山積み
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■為替(レアル・円)、3月31日現在 R$1=\35.85
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■世界最高のブラジル中銀実質金利10.32%
議事録公表でインフレ目標修正議論が再燃
3月17日、中銀通貨委員会Copomは基本金利を0.25%引き下げ、年16.25%、
上下の変動なしと決定、4月14日までこの金利が継続する。しかし、この時点
で議事録は発表されず、3月25日に公表され、金利論争が再燃した。
議事録の要点を記載すれば、1)インフレは3ヶ月連続で加速したが、広範消
費者物価指数IPCAの3月は0.61%、前月の0.76%より低下。2)基本金利
16.5%、ドルR$2.91から予想した本年度インフレは目標の5.5%以下となる。
3)昨年度の国内総生産GDP成長は期待以下のマイナス0.2%。4)これらの
実績は今までの通貨政策の効果を示すもの、インフレの危険は薄れたが、回復
が低下する危険も減じた。5)卸売物価の値上りが緩慢となり、消費者物価の
減速をみた。6)供給ショックに向けられる措置の適用は勧告できない。7)
委員会メンバー中、3人は1月と2月のインフレは今後に影響なし、最近の卸
物価の影響も少ないと主張した。8)大部分のメンバーは、インフレ気配は少
ないが、卸物価からの転嫁を考慮すれば、インフレ抑制目標不達成の危険を避
けるの充分ではない。
中銀、本年中のインフレ抑制目標変えず
基本金利は年0.25%切り下げられたが、インフレを除去した実質金利10.32%
にて世界最高の座にあり、二位のトルコ8.5%を大きく引き離しており、名目
金利ではトルコ24%、ベネズエラ20.2%に次ぐ第3位である。メルカダンテ上
院議員は「2005/06年のインフレ目標を4.5%から5.5%へ修正すべし」と主
張、マンテガ企画相は「政府は2006年末までに実質金利3.5%へ下げたい意向
である」と発言した。他方、主役のメイレレス中銀総裁は3月28日「本年度目
標5.5%を動かすのは反対、本年度は6%に収まる。本年中はインフレ抑制目
標を変更しない」と言明。だが、来年の目標に関しては言及せず。なお、昨年
は目標4%、不可能とみて上下の余裕なしの8.5%と修正、実績は9.3%に終
った。
中銀総裁「経済の体質改善、長期間成長が可能」
メイレレス中銀総裁は3月29日、ペルーのリマにおいて開催された米州開発銀
行IDBの年次総会において「ブラジルは経済機構を改革、体質を改善した。今
までは経済が成長する、あるいは国際市場が混乱した場合、為替収支が悪化
し、長期間にわたる成長が持続できなかった。だが、今後のブラジルは異な
り、与件の変化に左右されない条件を整えた。このような状態にあるブラジル
が成長しないという理由は見当たらない」と語り、銀行家との会食で「貿易収
支は240億ドルの黒字、経済は3.5%の成長が予想され、直接投資も昨年の
101億ドルを上回る130億ドルが見積もられる」と語った。
副大統領「高金利で赤字は政府の無責任政策」
だが、アレンカル副大統領は同日、サンパウロにて販売担当者協会ADVBの会議
において「GDPの4.25%に達する第一次収支黒字も、世界の平均中銀利子の6
倍にという高金利を支払う公共部門金融費の穴を埋められない。政府は財政収
支に全責任を有するとしながら、巨大な赤字を出すという無責任を示してい
る。
昨年度の第一次収支は662億レアルの黒字、だが、1,452億レアルの利子を支
払790億レアルの赤字となり、公共債務に加算され、9,130億レアルに達し
た。現在の利子率であれば、財政均衡にはGDPの10%の第一次収支が必要、国
民へ投資を失うという犠牲を要求して得た4.25%黒字よりも更に大きな犠牲が
必要となる。他国の中銀実質金利は年1.5%、何故、我が国は実質10%の利子
を払わねばならぬのか理解に苦しむ」と高金利政策を攻撃した。
高金利が企業利益を金融業界へ集中
2003年はドル相場の年間18%の下落という現象に恵まれて、ペトロブラス、エ
レトロブラス、および金融機関を除いた生産部門の上場会社118社の成績は好
調、純益は264億レアル、前年度の22億レアルの12倍である。中でも、10億レ
アル以上の純益を得た会社はAmBev、ジェルダウ、クラビン、テレスピ、ウジ
ミナス、バーレ.ド.リオドッセ、CSNの7社。上位7社の純益は94億レアル
に達したが、金融機関の上位7社の134億レアルと比較すれば、甚だしく見劣
りする。
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■政府、工業生産振興政策と融資枠を発表
工業振興融資枠へ150億レアル
政府は3月31日、工業生産振興政策を発表、この目的で150.5億レアルの資金
を設定した。フルラン商工開発相は「これらの業界は戦略的重要な優先業界と
して選考されたものであり、今回措置の狙いは、この開発によって輸入を低下
させる点にある。ルーラ大統領の語ったように資金は潤沢にあり、不足の心配
はない」と説明。発表された政策の要点は下記の通りである。
諮問会と開発庁の設置
1)工業振興全国諮問会CNDIを発足させる。メンバーは閣僚、企業家、労働者
から構成され、工業振興基本方針を討議。2)工業開発庁を創設、工業振興の
各種優先措置実施を管理する。3)企業登録の迅速化を促進、政府は商事登録
所の近代化によって、企業の設立、閉鎖の手続き迅速化を意図し、下半期まで
にシステムを導入できる予定。4)輸出入通関手続きの迅速化を図るのも措置
に含まれている。
戦略業界へ融資枠と工業税免除
半導体チップ製造業界に対して、2)技術応用面におけるプロジェクト開発研
究の研究所を設立する、3)マイクロ電子分野における修士、博士の養成と増
加を図る、4)マイクロ電子産業強化に期限18ヶ月、科学技術省傘下の企画研
究融資会社Finepに1,000万レアルの融資枠を設定した。
ソフトウエア業界に対して、1)ブラジルの水準を国際輸出市場に伍す程度ま
で高め、2007年までに輸出20億ドルを目標とする、2)機能を分担する部品の
供給度を高めるために一般アクセスに使用可能な電子目録を完備する、3)
2007年までに中小企業3万社へ電子化を普及する。4)開発銀行BNDESにソフ
ト輸出金融プログラムProsoft総額1億レアルの融資枠を設定。
資本財製造業界に対して、1)643種の機械に対する工業税IPIの30%割引を
行い、2006年までには業界のすべての製品について免税する、2)注文製造に
よる資本財へ開発銀に5億レアルの枠を設定。
製薬業界に対し、1)免疫薬製造およびテスト、および放射線薬の2公社を設
立、これら薬品の輸入を低下させる、2)10公立試験所の近代化に投資する、
3)病疫監視庁Anvisa規定の改善と適用を図る、4)Finepに5億レアルの融
資枠を設定。
措置に対する賛否両論の意見
産業開発研究院Iediのゴーメス執行理事は「経済を刺激し一息付かせるもの、
25年間で始めての政府主導による工業政策である」と支持した。しかし、サン
パウロ大経営学部のフェルドマン教授は「措置中に雇用造成に役立つのは皆
無、これが最大の欠点」と指摘する。
昨年末に近く、開発銀行は貸付け予算341億レアルに対し、10月末までの実行
は222億レアル、未消化の120億レアルを貸付けるのは容易でなかった。国際
通貨基金IMFの指導する超オーソドックス経済学、処方箋は緊縮財政、高金
利、レアル高によって、カントリーリスクが下がり、ドル相場が安定したのは
良いが、反面、雇用は造成されず、市場は冷えた。しかも、インフラ投資に対
する規制は未だに不明である。
従って、投資意欲が沸く筈もなく、開発銀行の貸付実行が進まなかったのは当
然である。この情勢は今も同様、パロッシ蔵相は「経済政策基本方針を変え
ず」と発表。従って、同様の事態、企業家の投資意欲減退が続くと予想するの
は当然であり、資金枠はあるが消化されない状態が繰り返される可能性が残
る。
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■生産性の高い東北伯のエビ養殖
米国エビ養殖業者、反ダンピング措置要請
養殖エビを巡ってブラジルとアメリカの間に貿易戦争の新しい火蓋が切られよ
うとしている。アメリカはエビ養殖業者からの訴えにより、エビ輸入に対して
ダンピングの烙印を張り、入国を阻止する構えである。本年度はアメリカの大
統領選挙の年、Wブッシュ米国大統領が国内のエビ養殖業者の訴えを拒否し、
選挙票を失うことを容認する筈はない。恐らく、反ダンピング措置は実行され
ると予想され、フリシュ漁業局長は「米国の措置によってブラジルは一時的に
せよ、その生産の40%を失う」と予想する。
反ダンピング適用の損害は40%
ブラジルのエビ生産は2003年9.2トン、その45%の約40トンがアメリカ向けに
輸出され、アメリカ輸入5%のシェアを有していた。処で、世界のエビ生産は
中国が第一で2002年 31万トン、第二がタイで26万トン、以下はベトナム、イ
ンド、インドネシアまでが10万トン以上、続いてバングラデシュ、ブラジルが
第7位の6万トン、エクアドル、メキシコ、ホンジュラスの順。以上の合計が
119万トン、ブラジルは5%を占める。現在のブラジルエビ養殖業はアメリカ
の反ダンピング措置によって生産販路の40%が失われ、直接雇用5万人が3万
人へ低下する危機に曝されている。
自然条件が最適、昨年度生産50%増
ブラジルの生産の大部分は東北伯、特に北リオグランデが30.8%、セアラが
27.2%とこの2州に集中しており、この地方においては風力が強いため、海が
波立ち、水中に含まれる酸素量が豊富となるのが、生産性の高い原因といわれ
る。
エビ養殖協会ABCCが14州の養殖業者に関して調査した結果、ブラジルのエビ生
産は2002年6.01万トンから2003年は90.2万トンと50%の生産増、業者数も680
社から905社へ増大、面積は1.10万ヘクタールから1.48万ヘクタールの34.5%
増。面積当たりの年間生産高は北伯2,038キロ、東北伯3,592キロ、南伯
3,969キロに対し、東北伯は6,292キロと他の地方の追従を許さない生産性を
誇り、生産の95.2%、面積の92%、業者の91%を占める。
業者の規模は75%が10ヘクタール以下の小規模生産者、10ヘクタールから50ヘ
クタールの中規模業者が19.5%、それ以上の大規模業者が5.5%。ロッシャ協
会々長は「雇用数はヘクタール当り3.75人で砂糖黍または潅漑農を上回る。養
殖技術は単純である」と説明した。
突出した生産性で、挽回できる
ブラジルのエビ養殖は有望な産業であり、アメリカの一方的な反ダンピング措
置で一時、苦難の時期を迎える時期があっても、必ず、この損害を挽回すると
思われる。その理由はブラジルが世界でも珍しいエビ養殖の適地であることに
基く。上記に記したエビ生産国の中で養殖場ヘクタール当り生産量が1トンを
超える国は中国1,158キロ、タイ3,421キロ、メキシコ1,086キロ、ホンジュ
ラス1,125キロとブラジル5,458キロの5カ国のみ。
ブラジルの生産性は突出して高く、原価は他国と比較して著しく低位にあると
推定できる。アメリカから締め出され、一時は苦しい立場に追い込まれるであ
ろうが、他市場の開拓、国内への普及によって持ち堪えれば、原価安から市場
にて挽回可能であると予想する。
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■パルマラッテ、各国から撤退、ブラジルは例外
パルマラッテはイタリアのミラノにおいて3月26日、和議状態からの脱出を図
る会社再構築の概要を発表。同社は今までは30カ国132ヶ所において営業して
いたが、中南米のアルゼンチン、エクアドル、ウルグアイ、パラグアイ、ドミ
ニカを含む20カ国から撤退、1.5万人の従業員を整理し、10カ国、1.7万人の
陣容で再出発を図る。
ただし、ブラジルのパルマラッテは本部と独立して行動する。ブラジル支社で
あるパルマラッテ食品の支払遅れがリオ、ミナス、ゴヤスで生じたのは昨年12
月、サンパウロでは仕入先のオルランド社が破産を申請、続いて数社が同様の
手続きを行った。同社の各地の工場では支払遅れのために材料が不足し、1月
末に税務延滞8億レアルを含め、負債18億レアルを抱えて和議を申請。2月12
日、裁判所は管理人としてボンジ氏を任命、ロドゲス農相はブラジルパラマラ
ッテ分割案を提案した。現在では、売上は約25%へ縮小した。だが、イタリア
本部の和議プロセスと独立して更生への道を歩んでいる。
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■CSN、鉱山へ大型投資を計画中
ナショナル製鉄CSNはラテンアメリカ最大の総合製鉄会社であるが、今後は鉱
山業にも力を注ぎ、ミナス州コンゴニャス市にあるカーザ・デ・ペドラ鉱山の
生産能力を現在の1,610万トンから2006年までに年間4,000万トンへ拡大し、
この内、3,000万トンを輸出、6億ドルの収入を保障、バーレ・ド・リオドッ
セに次ぐ世界第二の鉄鉱生産会社を目指す。
投資計画は総額7.82億ドル、内訳は3.08を鉱山生産設備、3.4億ドルを粒状化
設備、1.32億ドルをセペチーバ港湾設備、3,200万ドルをMRS物流鉄道に使用
する。カーザ・デ・ペドラ鉱山の鉄鉱によって製鉄工程の拡張も必要となり、
250万トンの高炉をボルタレドンド工場に設置するか、海岸のイタグアイに
500万トンの新工場を建設するかは未決定。借入金も2003年末には49億レアル
に達しており、この方の都合も考慮しなければならない。
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■バリグ、ヨーロッパ経由を狙うが日本が反対
ブラジルのアモリン外相は日本の川口外相と3月25日、東京においてバリグと
日航の運行に関して話し合った。日本とブラジルの空路の問題点は中間のロス
アンぜルスへの寄港に査証を要する点にあり、バリグはスイスのチューリヒ経
由に変更したい意向。しかし、日航はチューリヒ/東京の顧客を奪われるのを
怖れ、日本政府は認めなかった。
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■南米大陸の軍備、世界でも最低支出
アルゼンチンのヌエバマヨリア研究センターからの報告書『南米の軍備決算
書』によれば、南米の2003年軍事費は国内総生産GDPの1.97%、166億ドルに
過ぎず、世界で最も軍事費支出の少ない地域の一つであった。GDPに対する割
合で最も高率はスリナメの5%、次いでエクアドル3.64%、ペルー2.14%の
順。少ないのはガイアナ0.70%、パラグアイ1.13%、アルゼンチン1.20%、ブ
ラジルは2.10%。軍人の総人口に占める割合ではウルグアイが0.71%、チリが
0.49%、エクアドルとコロンビアが0.45%、割合の低い方はブラジルの
0.16%、アルゼンチンの0.19%。平均は0.38%。
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■環境許可下りず、多数の計画が中断
多くの公共工事が環境保全の立場から許可が得られず、中断されており、中に
は放棄されたプロジェクトもある。しかも、許可を巡る事業団体、環境団体、
検察庁のそれぞれが何らかの形で関与、政治関係に支配される。
サンタイザベル発電所の場合、最初の計画は2,245MWであったが、環境保全面
から二計画に分割するよう変更された。1,080MWにて2001年12月に競売され、
ボトランチン、カマルゴコレア、アルコア、BHPビリトン、バーレの協調団が
2001年に落札したが、今度は水没地帯に州立公園マルチリオス山脈が含まれる
ことが判り、計画変更となったが、未だに許可は下りない。
カンポス油田からリオおよびサンパウロへの送油管敷設も工事中止、これはリ
オ州政府の行政措置によるもの、現在調査中という。サンパウロと南伯を繋ぐ
国道第116号のレジスビテンコウト街道の複々線化工事は大西洋樹林保護で裁
判所命令にて中止されたままである。サントス港の拡張工事、自動車および穀
物ターミナル建設も調査中、本年中に解決しなければ、フォルクス社の新車フ
ォクスの生産に支障を来す。
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■アルゼンチン、回復途上、だが、問題は山積み
経済回復、130万人が貧困から脱出
アルゼンチンの経済回復は目覚しく、2003年上半期に54%を占めていた貧困層
は下半期には47.8%へ減少した。同国の人口は3,600万人、28都市だけを対象
として1,100万人が貧困層、その中でも最貧層は475万人であったが、129万
人は貧困層から、158万人は最貧層から脱出。これは地方県でも同様、例えば
北部のコリエンテス県では貧困層が68%、その内、41%が最貧層であった。し
かし、多くの者が一段上部の層へ移動した。政府の報に基けば、昨年下半期に
は政府の失業対策の臨時雇いは別として、本格的な職業に就いた者が130万人
に達したという。
銀行も信用回復、上昇する預金
アルゼンチンの銀行組織が信用を回復し始め、民間預金残高はこの12ヶ月間に
623億ペソから698億ペソへ11.1%の増加を示す。しかし、民間非金融業界向
け貸付は昨年2月の603億ペソから本年3月は501億ペソと下落した。同国は
現在、建築ブームにて前年同期に比して35%の増加をみているが、この資金源
は海外へ逃亡していたドル預金を呼び戻したものと推定され、国内の銀行から
は貸し出されていない。
投資不足で電力危機、ブラジルから供給
しかし、アルゼンチンは電力不足に悩まされている。この国もブラジルと同
様、資金の余裕がなく、長らく電力への投資が不足していた。3月29日には節
電のために平常の電圧220ボルトを5%引き下げ、209ボルトにする始末。こ
れで3%の節約はできたが、30日午後からブラジルより電力500メガワット
が輸入され、平常に戻った。お互いに苦しい時に隣人に頼り、以前のブラジル
電力危機にはアルゼンチンからの電力に助けられた仲である。
アルゼンチンの発電能力は77ギガワット時と輸入9ギガワット、水力が
46.7%、ガス34.8%、ガス/ディーゼル共用6.4%、核力7.6%、その他
4.5%。発電会社は民間73.1%、二国共営15.1%、公社11.5%、その他
0.3%。90年代に電力業界の民営化が行われたが、天然ガス価格が統制され、
採算が採れないために、電力会社は天然ガスの新規採掘、生産拡張投資を中止
した。電力価格の国際相場は平均US$30からUS$36程度であるが、アルゼンチ
ンではUS$24と安い。
企業債務再交渉が進行中
このような状態において債務再交渉が開始された。2001年末にアルゼンチン政
府はモラトリアムを宣言、債務返済を停止、翌02年1月にペソを切り下げ、ド
ル相場は短期間に約3倍となる。その上、経済危機にて企業の資金調達能力は
失われ、資金返済を停止せざるを得なくなり、債務はすべて支払停止され、未
支払債務を如何に処理するかの交渉である。
現在はアルゼンチン政府と債権者の再交渉が通貨基金、G7、民間債権者の圧力
にもかかわらず、浮かび上がらないのに対し、民間企業の債務再交渉は着々と
進行している。カピタル基金の報告書によれば、2月中旬までの3ヶ月間に全
債務218億ドル中、26億ドルの債務が再交渉されたという。また、昨年下半期
にはアルゼンチン企業の国際市場での証券発行高は10.7億ドル、この中の30%
は新規発行であり、同国市場へドル流入をもたらせた。
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メールマガジン: Brazil Today
著者(現地ブラジルで執筆): 大岩國男
編集: 大岩幹男
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