ブラジル・南米の政治経済ニュース。(アナ・ログ翻訳事務所提供)
- 最新号:2008-10-02
- 発行周期:週刊
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Brazil Today
発行日: 2002/12/20━━■ P R ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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Brazil Today 2002 / 12 / 23 (82号)
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目次:
■ブラジル資本の多国籍企業
■農産物関税は36%までとヨーロッパ連合提案
■バイア州ハイテク団地、コンピューター生産再開
■ホンダ、国内市場を睨んでFitを発売
■セーラペラーダ、黄金狂時代再現か
■インジオに力を尽くしたビラスボアス氏逝去
■アルゼンチン大統領、ブラジル境地帯へ米国軍進駐を承認
■アルゼンチン中銀総裁交替、世銀へ不払、だが景気上向く
■対立続くベネズエラ、ゼネスト3週間目に突入
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■ブラジル資本の多国籍企業
ブラジル経済の開放が進んだ90年代、ブラジル企業の中には良質製品、競争
力強化、障壁への対抗など種々の理由に基いて海外へ進出、多国籍企業となっ
た会社も多い。ワシントンのブラジル大使館の調査によれば、2002年初頭にア
メリカへ進出しているブラジル資本の会社は150社に達している。
ペトロブラスとAmBev
アンタルチカとブラマが合併したビール会社アメリカンス飲料AmBevはアル
ゼンチンのキルメスを購入、南米大陸のほとんどの国で首位を占めるようにな
り、ペトロブラスはアルゼンチン第二のエネルギー産業であるペレスコンパン
クを手中に入れ、ガソリンポスト700店の配給網を確保した。
バーレ・ド・リオドッセ
鉄鉱のバーレ・ド・リオドッセは世界最大の鉄鉱輸出業者、仕向け先の拡大
に連れて海外各地へ拠点を広げた。同社が民営化されたのは97年、その2年後
は年間6.5億ドルを販売するカリフォルニア製鋼の資本金の半分を取得、同年
にヨーロッパでフランス資本のウジノルから銑鉄の工場を購入した。また、ダ
ンケルクにあるリオドッセ欧州マンガンは銑鉄年産14万トンの設備を有し、年
売上は7,000万ドル。2000年10月、中近東のバーレーンへガルフ投資と共に
1.8億ドルを投資、貧鉱処理のペロタイジング工場を建設した。ラテンアメリ
カではペルー南部の銅と金の調査にコルディジェロ鉱山に670万ドルを投資し
た。
製鉄のジェルダウ
南リオグランデ州のジェルダウは米国アメリスチールとカナダのコスチール
を合併し、ジェルダウアメリスチールを創設、11工場で鋼材年間680万トンを
生産、売上は17億ドルの成績を挙げ、北米の鋼棒線材業界では目立つ存在とな
っている。同社の国際化は80年にウルグアイのライサを購入したのが最初、89
年にはカナダのこうる地セ成功を手中に入れ、アメリカにも進出した。92年に
は一転して南米へ、チリのインダックおよびアサ、97年にはアルゼンチンのサ
ンルイス県のプンタナ、翌98年にはロサリオのシパルを購入、アルゼンチンに
ての生産を19.5万トンへ引上げた。
自動車部品のサボーと車体のマルコポーロ
海外進出は大企業に限ったことではない。サンパウロ市中心部、アロウシェ
広場の近くにあった自動車部品のサボーが94年に海外へ最初の一歩を踏み出し
て以来、大発展を遂げてオーストリアの首都ウィーンの近くに新工場を完成し
た。現在、サボーの海外工場はアルゼンチン、オーストリア、ドイツ、拠点は
オーストリア、ドイツ、ハンガリー、イギリス、イタリアにアメリカ、オース
トラリアと広がり、海外の売上は年間2.5億ドルに達する。
バス車体のマルコポーロの海外進出も同様の経過、アルゼンチン、コロン
ビア、メキシコ、ポルトガル、南アへ進出。ジーンスのサンチスタ繊維は業界
最初の多国籍企業、アルゼンチン、チリに工場を有している。土木のオデブレ
ヒトが外国へ出たのは22年前、南米北部のアンデス共同体諸国、ヨーロッパ、
アフリカなどの9カ国で活躍中。
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■農産物関税は36%までとヨーロッパ連合提案
連合、補助金を55%切り下げ提案
ヨーロッパ連合のフィシュレル農務委員長(閣僚に相当する)は世界貿易機
関WTOの市場開放新ラウンドの方針に基き、大半の食料品生産者及び輸出業者
へ支出する補助金を2006年から引き下げると提案した。即ち、ヨーロッパ連合
は農業生産者に対し支出している補助金を55%切り下げ、輸入税を平均36%、
各関税率表品目について最低15%を減税する。輸出補助金を45%以上引き下げ
る。小麦、油性作物、オリーブ、たばこに関して、連合は世界貿易機関WTOの
加入国すべてに対し、輸出補助金を完全に削除すると提案。砂糖輸入の自由化
は2008年、バナナについては2006年と一方的に約束した。
提案は新交渉ラウンドの口火
ドーハ会議の新ラウンドの目標、2005年までに農産物通商交渉終結を履行す
るため、パニチュパクジ理事は連合に対し、プロジェクト提出を急がせた。来
年9月にメキシコにて開催を予定される機関の加入国閣僚会議の議題として、
すべての国は2003年末までに提案書を作成しなければならない。この口火を切
ったのが今回のヨーロッパ連合の提案書である。連合のラミー通商委員長は
「我々の提案書は途上国を含むすべての国にとって妥当といえるものであり、
例えば、ブラジルにとっては利益になるのみである。ヨーロッパ連合は途上国
の農産物にとって最大の消費市場、97年から99年の3年間の平均輸入額は355
億ドル、これはアメリカ、日本、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド
を合わせた金額を超える」と述べる。
宣伝ほどではないが、利点はある
だが、果たしてヨーロッパの提案はブラジルにとって良い事のみであろう
か。バルガス財団FGV−RJのロペス教授は「輸入税平均36%への減税はブラジ
ルとって不充分であり、ウルグアイラウンド以来、ほとんど何も進んでいない
ことを意味する。しかし、油性作物・たばこに関してはブラジルの生産者は恩
恵を受ける。その理由は今まで、生産者への補助金によって非常に損害を受け
ていたからである」と宣伝ほどではないと説明した。
ヨーロッパ連合の提案者は同時にアメリカ政府の農業政策に対する直接攻撃
でもある。ラミー通商委員長は「米国は農家法を再検討しなければならない。
油性作物および煙草の生産者は強くこの補助金に頼っており、補助金の全額削
除は大きな影響を直接被ることになる」と語った。なお、経済協力開発機構
OECDの資料に寄ればアメリカとヨーロッパ連合の農業補助金支出は年平均2260
億ドルであった。
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■バイア州ハイテク団地、コンピューター生産再開
バイア州のイリェウス、イタブーナのハイテク産業拠点では一ヶ月間停止し
ていたコンピューター製造を再開した。同地のバイア電気電子情報産業組合
Sinecは「商工開発省は部品輸入規定を変更し、通関証LIs発行の条件を変更
したにもかかわらず、その条件を発表せず、通関を10日から15日間引き伸ばし
ている」と非難した。政府側では「通常、US$50程度のマイクロプロセッサー
がUS$28で輸入されるなど価格差が大き過ぎる」と疑点について語った。
なお、バイア州のハイテク産業拠点は45社が集中、直接雇用800人、間接
3,000人、年間成長5%、2003年度研究開発に5,000万レアルの支出を予定し
ている。
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■ホンダ、国内市場を睨んでFitを発売
他の自動車会社が遊休設備を利用して輸出を増加させようと努力している中
で、ホンダは逆に国内市場重視の方針を打ち出し、4月からの国内市場向け新
型車Fit製造に300人を新規雇用する。
ブラジルは日本に次ぐ第二のFit製造国、同機種は日本で発売されて1年
半、機種別販売高のトップとなった人気車、本年度1月から11月までに22.8万
台を売った機種であり、ブラジルでは年間3万台を予定している。ただし、ノ
ザワ営業常務は「輸出予定は下半期から中南米向けに少数のみで、主として国
内市が対象」と方針を述べた。
Fitはコンパクトカーに属し、エンジンは1.4、価格は3万レアルから
3.5万レアル、シビックの国産化率35%に対してFitはエンジンと変速機は輸
入品であるが、国産化率は70%と高い。本年度はオートバイ部門が好調であっ
たため、新型車生産の投資1.2億ドルは現地で調達し、本部にはほとんど負担
をかけなかったという。
本年度のシビックの販売は2.07万台、2001年に比して3%減、しかし、セ
ダンクラスのシェアでは第一位26.2%のシェアを誇り、第二位はフォルクスの
サンタナ25.8%、第三位がトヨタのカローラ22%の順であった。
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■セーラペラーダ、黄金狂時代再現か
セーラペラーダに再び金堀り達が集まり始め、この30日間に6,000人の増加
を見た。この土地は80年代に黄金の夢に取り付かれた8万人が集まり、41トン
の金を生産した場所、パラー州南部のマラバから150キロ、密林の真っ只中に
出来た町。雇用を確保するため、機械化を禁止し、つるはしとスコップ、掘っ
た泥を肩に担ぎ、蟻のように水流しするところまで担ぎ上げる原始的な採掘
法。だが、地崩れの増加、掘った穴に水銀を含んだ水が溜まって放棄され、90
年にはわずかに50キロの生産に減少した。
今回はバーレ・ド・リオドッセ社へ採掘権を譲渡されていた土地の内、100
ヘクタールを同地の金堀組合Coomigaspへ譲ったことから生じたもの。軍警側は
以前と同様、暴力行為多発を防ぐため、禁酒令、禁女令を発令した。
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■インジオに力を尽くしたビラスボアス氏逝去
葬儀に涙を流すインジオの酋長達
マットグロッソ州の東北部、シングー河の上流にシングーインジオ国立公園
がある。この地のインジオを教化し、保護区域として政府に認めさせ、数々の
努力を払ったビラスボアス3兄弟の内、最後に残ったオルランド・ビラスボア
ス氏がサンパウロにて亡くなった。享年88才、葬儀にはラオニ、メガロン、ベ
プクンの3酋長がシングーの山奥から航空機にてサンパウロへ到着、カヤポ風
の音楽で埋葬される同氏に「我々は父親を失った」と涙を流した。
探検隊に参加、数千キロを踏破、国立公園設立
オルランド氏はサンパウロ州西南部のサンタクルス・ド・リオパルドで1914
年に生まれ、町で事務員をしていた。しかし、43年に連邦政府のロンカドル/
シングー探検隊が組織されると直ちに兄弟のクラウジオ氏、レオナルド氏と共
に参加を申し込んだ。「町育ちには無理」と一旦は断られたにもかかわらず、
探検隊出発基地まで乗り込み、参加を懇願、漸く許されたという。
探検は48年のシャバンテス族、49年のジュルナス族、51年のカヤビス族、53
年のトシカモンエス族、59年のスヤス族と5度にわたり行われ、この間に拓い
た小道は1,500キロ、6本の河1,000キロの位置測定を行い、18インジオ部落
を訪れた。インジオと過ごした歳月の長いオルランド氏は当時の大統領、ジャ
ニオクアドロ氏に面積2.6平方キロ(九州と四国の中間の面積)のインジオ国
立公園設立を申請、承認され、61年から67年の間は公園長を務める。この時、
悲しいことに兄弟にして同志であったレオナルド氏を喪った。
71年と75年のノーベル平和賞候補
64年にとシカモンエス族、73年にはクラナカオレス族との再度の接触。69
年にはシングー地区の看護婦マリーナ嬢と結婚、オルランド・フィーリョ、ビ
リーニャ、ノエルの2男1女を得る。インジオ部落における活動は国際的に認
められ、オルランド氏とクラウヂオ氏は71年と75年のノーベル平和賞の候補者
となる。78年には定年となったにもかかわらず、連邦政府のインジオ財団
Funaiに留任、英国王立学会の地理学賞などを受賞した。だが、98年には他の
兄弟クラウジオ氏も亡くなり、2000年には予算削減の理由にてフックス一本で
解雇され、二度と財団に戻らなかった。ただし、その後は州立サンパウロ大の
医学部がコンサルタントの名目で招聘したのを受諾した。
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■アルゼンチン大統領、ブラジル境地帯へ米国軍進駐を承認
南米には3国境地帯と呼ばれる場所がある。ここは世界一の滝、イグアスー
があり、ブラジル・アルゼンチン・パラグアイの国境が接する3国の国情の差
を利用して正規または不正規の商売が盛んな地帯、このためにブラジルではサ
ンパウロ市の次に中近東系の人が多く、立派なマホメッド教の礼拝堂があり、
ベールで黒髪を隠した大きな瞳の女性を見掛ける町である。
アルゼンチンのドゥアルデ大統領はミシオネス県へ米国軍グリーンベレー隊
が進駐することを許可し、文書に署名した。理由はアルゼンチン国境警察の能
力増進を補うためという。ミシオネス県はブラジルのフォス・デ・イグアスー
の対岸にあり、グリーンベレーは米国の特殊部隊、既にアルゼンチン政府の許
可を得て同国北部アンデス山麓のサルタに10月から進駐し、演習を展開してい
た。
ブラジルのキントン国防相はアルゼンチン々防相と会議したが、本件に関し
ては意見を述べなかった。昨年9月以来、アメリカ政府は「3国境地帯はテロ
リストの巣」と見ており、アルゼンチンもこの地域の保安を厳重にした。だ
が、ブラジル側は「アメリカの主張に証拠なし。中近東から人はテロリストと
の図式は成立せず」との意見である。
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■アルゼンチン中銀総裁交替、世銀へ不払、だが景気上向く
アルゼンチン中銀総裁辞任、多額の外貨準備を失う
アルゼンチン中銀のピニャネリ総裁が12月5日に辞表をドゥアルデ大統領へ
提出した。原因はラバニャ経済相との意見の対立と推察される。
経済相はブレヘル前中銀総裁とも折り合いが悪く、総裁は6月に辞任し
た。この数週間、アルゼンチンへ戻って来た経済安定に関して経済相、中銀総
裁の双方とも自分の政策による功績争い、また、世銀IBRDへの返済中止に関し
ても、中銀総裁は反対、決定は経済相が大統領へ進言し決定した。最後に最高
裁が下した「ドル建て預金の換算率1.40によるペソ化には憲法違反」の判決、
中銀総裁の意見は「長期証券を発行し、これを預金者へ引き渡す」、経済相は
「政府にとって余りも高額。承認できない」と主張した。
この中銀総裁辞任によって6日の為替相場はペソ売り、ドル買いとなり、
政府はペソ価格維持のため、2,650万ドルの外貨準備を市場へ投入、買い相場
3.42ペソ、売り3.50の相場を守った。
世銀などへ不払、だが、景気は上向き
12月16日、ドゥアルデ大統領はプラットガイ氏を中銀総裁に起用、注目され
ていた世銀IBRDへの返済は実行されず、利子のみが支払われた。ドゥアルデ大
統領は「現時点での支払は更に事情を悪化させる」と不払の理由を述べた。ま
た、600億円(4.98億ドル)のサムライ債も支払われなかったが、この方は臨
時に支払期限を来年1月14日とした模様である。
同日、ラバニャアルゼンチン経済相は「4年間続いた不況は終わり、3四半
期引き続いて国内総生産GDPは拡大し、封鎖預金の解放は何らかの損害も経済
にもたらせず」と宣言した。インフレは本年度に入ってから40%に達したが、
11月は0.5%の上昇を見たのみ。経済は本年度累計20%の転落を示し、11月は
0.8%の成長であった。なお、経済再開の兆候はJPモーガンも認めており、ア
ルゼンチン経済の2003年度経済成長を2.2%と予想した。同国の経済後退は99
年から始まり、本年度はマイナス11.0%と見積られるが、不況も底を着いたと
の見通しである。
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■対立続くベネズエラ、ゼネスト3週間目に突入
大統領、公社スト派幹部を解雇、石油を積出し
ベネズエラ石油公社からストに参加しなかった労働者によって、タンカーの
チュイコフ号はベネズエラ石油公社の35万バーレルを積んで米国へ向けて出港
した。これ以外にもタンカー3隻、合計135万バーレルが石油を積み込み、出
港準備が整っている。なお、港には40隻が待機中。政府は石油公社幹部中、ゼ
ネストを支持した4人を解雇、生産および運送を再開した。ただし、下部まで
方針の変更が伝わらず、また、総会に出席した数百人の従業員は解雇に対し抗
議した。
ベネズエラ反政府派、カラカス市内にバリケード
ベネズエラのゼネストは既に2週間を経過した。反チャベス派はカラカス市
内にバリケードを築き、市内交通を混乱させている。石油はベネズエラ輸出の
80%を占める重要製品であるが、セネストによって停止されたまま。ニューヨ
ーク市場ではバーレルUS$30を突破した。
だが、市内バス、地下鉄は平常通り運行、中心部の商店街も平常と変わらず
営業を続けているが、政府側のテレビはベネソラナのみ。反チャベス派が支配
する民間テレビ網は絶え間なく、政府側の暴力行為を放映、反政府気運を高め
ている。
ゼネスト解決に軍部へ更に権限授与
最高裁は「現在、政府の権限下にあるカラカス市警察の統括権を市長へ戻
すよう」に命令を下した。カラカス市長のペナ氏は有力な反チャベス派、大統
領は首都警察に介入、その9,000人の管轄権を先月、軍の支配下に置いた。軍
と警察の衝突回避が介入の理由、云うまでもなく、反チャベス派はこの大統領
の決定に反対である。
ベネズエラ政府は軍人に対し、燃料および食料品運搬の目的で民間の船
舶、トラック、航空機を運行する権限を与えた。平常ならば日産300万バーレ
ルの石油生産が現在は40万バーレルにまで下がっている。4月の失敗クーデタ
ー後、大統領は軍部の要所から反対派を一掃した。国の軍隊に対し強力な権限
を有する軍事諮問会はチャベス派によって固められている。そのトップにある
のは4月事件で大統領を復帰させるのに最も功労のあったイサイアス・バヅエ
ル第4機甲師団長で全軍の約50%を支配下に持つ。次に勢力のあるのがカルネ
イロ第3歩兵師団長である。ただし、予備役にあるアンチチ元防衛相によれば
「軍部の30%はチャベス支持であるが、70%は大統領の方針に不満を持ってい
る」という。
反チャベス派は「大統領は大衆迎合主義によって我が国の経済を崩壊さ
せ、キューバ式共産主義を導入しようとしている」と非難、これに対し、大統
領は「情勢の混乱は大衆が得た受益をエリート階級へ奪い返そうとしたクーデ
ター派の被害による」と反発した。
米国は早期選挙を勧告、ルーラ氏「選挙のみでは未解決」
米国政府はベネズエラのチャベス大統領へ「唯一の平和的解決方法は大統領
選挙の早期実施である」との勧告書を送付し、政府高官は「アメリカはチャベ
ス大統領辞任を要求する反対派の態度を承認せず、いずれの側にも組していな
い」と付け加えた。
アメリカの早期選挙の主張は後援した4月のクーデター失敗の愚を繰り返さ
ず、平静に収めたい意向が現れ、米州機構OASのガビリア事務総長が一ヶ月前
からカラカスに滞在、また、シャンノン西半球局長も説得に加わり「話合を進
めない限り、国は更に二極化する」という。だが、チャベス大統領は「危機の
陥っているのは反対派の側、内乱に持ち込もうと務めており、反対派との政治
対話は憲法に従ったものであれば歓迎する。なお、石油公社にはスト職員の替
りに外国から石油技術者を外国から迎え入れ、操業する」と語った。
ルーラブラジル選出大統領は「米国政府は私とカルドーゾ大統領へチャベス
大統領に協力し、政治的また平穏な解決策の模索するように期待しており、現
大統領は9日に、私は11日に電話にてチャベス氏と意見を交換し、また、先方
からも電話があった」と述べ、情勢を確かめる目的で元国際局長、サンパウロ
市のガルシア文化局長をカラカスへ派遣。選出大統領のシンジェル報道官は
「ルーラ氏は単なる選挙のみでは解決せず、対立する社会各層の充分な和解が
必要という考えを抱いている」と語った。
ベネズエラ危機に解決の燭光
ベネズエラ危機に解決の燭光が見えてきた。一つは政府側からで、チャベス
大統領は「来年4月の選挙を可能とする憲法改正案を国会へ上程する」と発表
した。ブラジルのルーラ選出大統領から派遣されたガルシア特使、ノゲイラ大
使との会談では政府側の反省も云われた模様であるが、ガルシア特使は「大統
領との会談は情勢に関する説明のみ」と語った。
他方、最高裁は石油公社PDVSAストの合法性に関し審査するので、それ以
前に従業員はストを中止し、職場に復帰すべし、と命令した。だが、現在まで
の情勢では裁判所命令は無視されている。
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メールマガジン: Brazil Today
著者(現地ブラジルで執筆): 大岩國男
編集: 大岩幹男
発行: Ana&Log(アナ・ログ翻訳事務所)
住所: 〒468-0034 愛知県名古屋市天白区久方1丁目149
電話・ファックス: 052-804-5710
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