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ブラジル・南米の政治経済ニュース。(アナ・ログ翻訳事務所提供)




Brazil Today

発行日: 2002/12/13

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Ana&Log(アナ・ログ翻訳事務所) -  ポルトガル語を専門に翻訳・通訳サー
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Brazil Today                                              2002 / 12 / 16 (81号)
日系企業ビジネスマンのための週刊誌           (毎週月曜日配信。無料購読)
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目次:
■本年度農産物生産予想は9.7%増の1.06億トン
■輸出振興戦略研究が完成、ルーラ政権へ引継ぎ
■下院、所得税最高限度維持など高税措置を承認
■連邦歳入、延滞債権徴収などで新記録
■所得税申告と投票システム、国際市場で評価
■ポン・デ・アスーカル経営陣の大改革
■オートバイ販売、11月は驚異的新記録を樹立
■ゼネスト続くベネズエラの情勢
■不安定なパラグアイ、大統領をリコール
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■本年度農産物生産予想は9.7%増の1.06億トン

食糧供給公社Conabによるブラジルの2002/03年穀物生産予想は1.06億ト
ン、前年度より9.7%増と発表された。エルニーニョによる南部の降雨過剰、
他地方の旱魃傾向はあるが、進歩した農業技術を取り入れ、主要作物の生産性
が向上、ヘクタール当りの収穫は大豆2,655キロ(前年度より3.4%増)、と
うもろこし3,020キロ(5.5%増)、米3,397キロ(3.3%増)、小麦1,944
キロ(40%増)、綿1,801キロ(8.2%増)と好調であり、植付け面積は
4,189万ヘクタール、前年度より4.3%増に対し、農産物は9.7%の増加を見
た。

大豆は植付け面積1,793万ヘクタール、9.8%増に対して生産は4,760万
トンと13.6%増、なお、米国農務局の予想はブラジル4,900万トン、アルゼン
チン3,250万トン、世界生産18,880万トンにて、南米大豆450万トン増の好調
が北米の不作を補った上、生産増加をもたらせている。

とうもろこしは植付け1,227万ヘクタールと0.4%の縮小を見たが、収穫
は3,705万トンと5.1%の増収、価格もサンパウロ渡し一俵R$2.45と悪くな
く、第二作の植付けが増加、800万トンに達するとプラチニ農相は予想する。
ブラジル人の主食で米は1,093万トン、2.5%増、フェイジョンは292万トン
で0.5%の減収。国内消費用の農産物で大幅の増収を見たのは小麦で、前年度
の289万トンに対し450万トンと55%の増加、本年度の世界生産は5.69億トン
と1.85%の減作、国際価格も上向いているので、小麦生産者の収入は大幅の上
昇をみると予想される。

大幅に増加する農業融資

 好調な農業生産に対する伯銀の2002/03年度農業融資は昨年度の106.5億レ
アルより22%増の130億レアル、この他に関連工業向けに25億レアルが準備さ
れており、総額は155億レアルの枠となる。その上、民間銀行も当座預金の
25%を農業融資へ向けることが義務付けられており、ブラデスコの場合、自己
資金の6億レアルを含めて30.8億レアルとなる。農務省の資料に基けば、2002
/03年の農業融資総額は前年の186億レアルから39%増の259億レアルと見積
もり、その内訳は営農資金153億レアル(39%増)、投資63億レアル(53%
増)、販売資金43億レアル(22%増)。

農牧関連部門、11月貿易収支17億ドル

ブラジルの農牧関連部門の11月輸出は20.94億ドル、昨年同期に対し
12.2%の伸びを示し、総輸出額51.27億ドルの40.8%を占めた。11月の関連部
門の輸入は3.58億ドルにて収支は17.36億ドルである。

過去12ヶ月の累計では輸出に45億ドル、貿易収支黒字は200億ドルに達す
る。その主な輸出産物は大豆に9.52億ドル(9.1%増)、大豆カスに1.94億ド
ル(8.9%増)であった。
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■輸出振興戦略研究が完成、ルーラ政権へ引継ぎ

商工開発省の輸出振興戦略研究が8年目に完成、カルドーゾ政権時代には
間に合わなかったが、研究の結果はルーラ政権へ引き継がれる。研究の対象と
なったのは20業界、米州自由貿易圏FTAAおよびヨーロッパ連合に対する戦略を
述べた報告書である。

資料は工業の業界別96年から2001年にかけての貿易収支であり、赤字業界
は資本財290億ドル、情報機器に68億ドル、石油化学173億ドル、薬品134億
ドル、電話機器133億ドル、電子製品67億ドル、繊維衣料53億ドル、自動車33
億ドルなど。他方、黒字業界は製鉄377億ドル、コーヒー135億ドル、皮革・
靴業界116億ドル、オレンジ71億ドル、紙パルプ71億ドル、木材・家具62億ド
ルであった。

資本財部門、市場開放は15年後

 この赤字トップの資本財部門に関して、サンパウロ大USPのコウチーニョ教
授は「米州自由貿易圏FTAAまたはヨーロッパ連合との資本財部門関税引下交渉
を2005年に開始するのは無謀、少なくとも15年以内はこの部門の市場を解放す
べきでなく、自由化すれば内国資本は壊滅する」と資本財部門が採用すべき15
戦略を示した。その戦略は非垂直化により機械組立への専心、家族経営からプ
ロ経営への脱皮、開発銀行BNDESによる融資などである。業界の貿易赤字克服
には国内における了解事項のみならず、外交面において国内市場解放に際して
は常に代償を要求、例えば、現在輸入に頼っている部品の国産化を要求するな
どの交渉が必要である。

資本財部門における輸入税は平均14%、ヨーロッパのゼロから5%、アメ
リカのゼロに対して非常に高率であり、89年には輸入に1億ドルが、94年の市
場開放と近代化投資の結果、97年には96億ドルへ跳ね上がったが、その後は輸
入が下がる傾向を示し、逆に輸出が97年には40億ドルに達した。
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■下院、所得税最高限度維持など高税措置を承認

 下院は12月10日夜、税制小改革を内容とする暫定令第66号の投票を行い、ル
ーラ政権へ26億レアルの増収を保障した。だが、個人所得税最高限度27.5%、
純益社会納付金CSLL9%の2003年末までの延長に関してはPFLが反対、翌11
日、PSDBとPMDBの支持により賛成265票、反対127票、棄権4票にて承認さ
れ、純益社会納付金CSLLも9%の延期が認められた。また、ガソリン税Cideを
リットルR$0.50からR$0.80への引上げも承認された。

第66号の内容に関しては下記の通り。

PIS/Pasep>現在は売上に対して0.65%を付加価値に対し1.65%とする。た
だし、電話業界を除く。
個人所得税IRPF>現行の月収R$2,115以上の納税者の最高税率27.5%を25%へ
下げる予定であったが、現行のまま、延長する。(連邦増収9.5億レアル、
州・市の増収8.5億レアル)
純益社会納付金CSLL>現行の純益に対する9%の税率を8%へ低下される予定
を、現行の通り継続する。(連邦増収11億レアル)
税務債務再交渉Refis>滞納連邦税の再交渉、売上に対する割合での支払方式
を再開する。(本年10月までの実績15億レアル)
簡易税法Simples3>中小企業向け簡易税法(本年10月累計実績55億レアル)
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■連邦歳入、延滞債権徴収などで新記録

 国税庁の11月歳入は210億レアル、1月からの累計は2,542億レアルと何れ
も新記録の実績、昨年度と比較して246億レアルの増収である。この差額を分
析すれば、最大は年金基金からの社会保障料金徴収77億レアル、年金基金滞納
者から罰金・滞納利子免除の条件にて取り立てた滞納税務債権35億レアル、税
務裁判取り下げを条件に徴収した税務債権21億レアルなど、滞納税務債権の取
立てによるものが大きく、新設された税金としてはペトロブラス独占から開放
された石油輸入に伴う石油勘定の廃止に基くガソリン税Cideの67億レアルであ
る。

 現政権から新政権へ未徴収として残した税務債権は分割仏残高1,241億レア
ル、国税庁取立て中の703億レアル、税務支払執行命令の1,602億レアル、係
争中の税務債権1,752億レアル、合計5,297億レアルと約2年間の歳入に相当
する金額である。

更に増加したGDP中の税金の比率

 雇用を増加させるには必ず何らかの用具、設備に対する投資が必要であり、
これを調達するには資本を要する。資金調達には借金という手段もあるが、最
も望ましい資金源は収入をすべて費消せずに蓄えておく貯蓄である。

地理統計院IBGEの発表した2001年のブラジル国内の貯蓄は非金融企業
1,441億レアル(99年より17.8%増)、消費者家計567億レアル(28.5%
減)、金融機関205億レアル(202%増)、公共団体はマイナス216億レアル
(62.8%減)。高金利政策によって銀行内に残される利益積立金は99年から
2001年にかけて3倍となった。だが、国内貯蓄1,997億レアルの72.2%を受け
持っている。これに対し、消費者家庭の貯蓄率は低下し、借金が159億レアル
へと増加、家計の資金が銀行の利益へ吸い取られた感じである。

これらの民間資金が有効に投資へ向けられれば大幅の雇用増進となる筈で
あるが、公共部門のマイナス貯蓄、即ち、政府の借金増加へ10.8%向けられ、
民間投資へ向けられる金額は減少。2001年の国内総生産GDPに対する税金の比
率は33.36%。97年の28.58%と比較して税金は16.7%重くなった。しかも、
GDPの1/3の税金取立てにもかかわらず不足し、借金増加をみている。
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■所得税申告と投票システム、国際市場で評価

ブラジル政府が使用して好評であった選挙、所得税申告のシステムがポル
トガル、アンゴラなど8カ国で関心を集めており、選挙システムには米国のジ
ョージア州からも問合せがあった。開発したのは国内のウニシス、マイクロソ
フト、ベスタのスタッフである。

10月6日の総選挙、27日にルーラ氏を大統領に選んだ第二次投票にて好成
績を発揮した電子投票箱システムは世界最初の全電子化投票システム、この成
功は世界の注目を浴びた。また、所得税申告に関しては、ブラジルのインター
ネットは普通率が低く、全国1,500万台しかないにかかわらず、90%の4,000
万の申告がネット網を通じて行われた。なお、申告システムはマイクロソフト
がプラットフォームの適用と幾つかのシステム、支払システムの方はベスタが
担当した。

この他に電子購入システムのコンプラネッチがあり、すべての政府購入交
渉過程をオンライン、秘密プロセスなし、しかも、小規模の企業も参加可能、
官報に記載されない小額8万レアル以下の購入も含まれている。
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■ポン・デ・アスーカル経営陣の大改革
同族会社の限界突破に一族は執行から退陣

 ポン・デ・アスーカルはディニス一族が経営執行部から退き、プロの経営者
を起用し、アビリオ・ディニス氏は経営審議会の会長、娘のアナ・ディニス副
社長は審議会理事、息子のジョン・パウロ・ディニス氏は副会長、ペドロ・パ
ウロ・ディニス氏も理事に過ぎず、現在、経営面を担当するアウグスト・クル
ス副社長が社長となる。

アビリオ社長は「改革の目的は資本関係ばかりでなく、企業の下部機構を
確固とするのが目的。例外はあるが、ある程度の規模に達した後も同族会社の
形態で発展する企業は存在しないと私は信ずる。しかし、売却は全く考慮して
おらず、依然として支配株主として継続する」と語り、次代の支配者と目され
ていたアナマリア・ディニス女史は「子供を失ったように悲しい。だが、会社
の将来に関して非常に重要な決定である」と述べた。

所有と経営の分離でガラス張り経理

 この改革の他の狙いは、経営審議会が業務執行を直接行わないため、更に精
度の高い会社経理資料が必要。従って、この形式の経営形態は株主にとっても
経理資料への信頼性を高めることになり、投資家に有利、国際市場における資
金調達が容易になるという。

 機構改革は来年3月より開始される。現在のポン・デ・アスーカルの株主構
成は40.4%がポン・デ・アスーカル商工、5.7%がペニスラ持株会社、2%が
バレンチン・ドス・サントス・ディニス氏、0.2%がアビリオ・ディニス氏、
以上までの49.1%がディニス家の支配下にあり、外部からはフランス資本のカ
シノが25.5%、其の他が25.3%である。
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■オートバイ販売、11月は驚異的新記録を樹立

 ブラジルのオートバイ工業の国内市場への売上は上昇の一途を辿り、11月の
販売台数は73,976台、前月よりも1.5%増、前年同期に対し34.8%増という驚
異的な成長である。オートバイ自転車製造協会Abracicloの発表による11月まで
の年間累計販売台数は73.5万台、昨年の69.2万台よりも15.5%増となった。

 好調であったのは国内市場ばかりでなく、11月の輸出は12,359台、前月より
24.6%増、前年同期より273%増、累計は60,281台で前年より6.9%増、来年
度への予想は生産台数86万台、国内向けが14%増の78万台、輸出は12.7%増の
8万台を見積っている。
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■ゼネスト続くベネズエラの情勢
ゼネスト、参加数を競い双方とも勝利の歌

 ベネズエラにおけるチャベス大統領信任に対する国民投票を否認した最高裁
の判決撤回を求め、大統領辞任を要求する反チャベス派の主導するゼネストが
12月2日からが実施された。これは本年度4回目のゼネスト、野党側は成功、
政府側は弱体化と主張する。今回も同様で、野党側は「国民の80%が参加」と
宣言、政府側は「国内生産81%を占める部門は平常通りに働いている」と発表
した。労働連盟CTVのオルテガ会長が「ゼネストを続ける」といえば、カベジ
ョ内務相は「継続は不合理」と攻撃した。

12月2日から開始、既に4日を経過。影響は国内第一の石油公社PDVSAに
及び、タンカーが参加し始めた。大統領は海軍へゼネスト参加のタンカー抑留
を命じ「ベネズエラの心臓においてサボタージュ行為を行い、公社の民営化を
支持する者は即刻免職」と宣告した。

ゼネスト、反政府集会での発砲事件

 ゼネスト開始後一週間の12月6日、首都カラカスの反政府示威集会におい
て、指導者が「ゼネストを継続する」と宣言した直後、突然、4人の男が銃を
手に立ち上がり乱射、広場は混乱に陥った。死者3人、負傷者28人。その一
人、ポルトガル生まれの帰化人が逮捕され、テレビでチャベス派から依頼され
たと自白した。だが、逮捕した警察も放映するテレビも反対派、大統領は疑い
を抱き、調査をインターポールへ依頼した。

 この事件以後、政府と野党の対立は先鋭化した。反チャベス派は「チャベス
は反グローバル化、反アメリカを称え、ベネズエラをキューバ式の共産国家に
改造しようとしている」と政府を非難すれば、大統領派は「共産化しようと試
みているのではなく、エリート階級の得ている特権を減じ、最貧階級の方に肩
入れし、また、アメリカからの政治経済面における覇権主義に対する地域社会
の不満活動のリーダーシップを採ろうとしているに過ぎない」と主張する。

国論を二分、対立を先鋭化した4月クーデター

 この両者が衝突したのは4月の軍事クーデターである。チャベス大統領によ
る石油公社の経営陣入れ替えに反対して、労組はストに入り、15万から50万人
参加と見られる反政府デモが行われた。大統領はテレビ局を自由の乱用として
閉鎖を命じ、デモ隊と警官隊が衝突、死者12人。夜間に入り、軍の一部がクー
デター、大統領を逮捕し、カルモラ氏を大統領に任命した。氏は石油化学会社
の幹部、会議所連盟Fedecamaraの理事、民主カトリック党の伝統的政治家であ
る。

しかし、翌々日、軍部内の大統領派が勢力を挽回、大統領を救出し、今度
は逆にクーデター派を逮捕した。他方、カラカスでは大統領支持の貧民階級が
山を降り、警官隊と衝突、商店略奪を開始、死者19名。これらの一連の事件は
国民に大きな傷跡を残し、左右の対立が先鋭化、国論は二分し、妥協の余地が
ない。

 クーデターに関するアメリカ政府の関与が種々噂され、例えば、反政府活動
を支援する民間テレビ業界の巨頭シスネロス氏はJHブッシュ元大統領と親し
く、カルモラ氏大統領を決定したのはテレビ局内であった。また、ニューヨー
クタイムスは米国国会より資金が流れたと報道したが、アメリカ政府は「クー
デター派との接触はあった。だが、参加しておらず、クーデターは反対と伝え
た」と発表した。

度重なるゼネスト、政治不安定から経済停滞

 この4月のクーデター事件以降、カラカスでは反政府デモ、政府支持デモが
相次ぎ、双方とも「数百万人が参加した」と発表する。報道機関は「チャベス
は就任当時90%の支持率を得ていたが、現在は30%」と伝え、他方、政府側は
「大統領は貧民階級から絶対的な支持を受けており、報道機関の発表する数字
は信用できない」という。4月クーデター事件の首謀者を無罪とした最高裁に
対し、大統領は「司法府は憲法に従って裁判を行って欲しい」と注文をつけて
いる。

 このような政治不安定状況にあっては資本が逃避するのは当然である。4月
以降、4度にわたるセネストに経済活動は停滞、石油生産も下がり、一時はバ
ーレルUS$27まで下がった石油価格がUS$30に達すると予想されるようになっ
た。チャベス大統領は国民に対し「平静に戻り、対話の席に着いて欲しい」と
呼びかけている。

ベネズエラのゼネスト深刻化

 ベネズエラのチャベス大統領は「石油公社の幹部およびタンカーの責任者で
ゼネストに参加した者は解雇する。国民は石油公社を守るため、街頭に出て示
威運動を行って欲しい」と呼びかけた。ゼネストは既に1週間、反チャベス派
は「目的達成までストを継続」と強硬、石油生産は80%低下したと見積ってい
る。ガソリンポストでは自動車の行列、スーパーでは市民の食料品買い集めが
始まり出した。大統領が支持者を石油公社の理事へ任命したのに反対して、取
締役全員7人が辞表を提出、また、タンカーの船長がストに参加、海軍に命じ
て運行させようとしたが、法規違反のなるというので実現しなかった。

 ベネズエラのゼネストは8日目に入り、9日には銀行およびアエロポスタル
航空も参加した。他方、軍隊はカラカスおよびその他の精油所を占領、一週間
にわたり供給の途絶えていた燃料配給を再開、大統領は「反対派は石油公社を
潰すことはできない」と語ったが、アナリストの意見では「軍隊は精油、配給
を行う能力水準に達していない」と見ている。ストに参加しなかった労働者に
よって、タンカーのチュイコフ号はベネズエラ石油公社の35万バーレルを積ん
で米国へ向けて出港した。これ以外にもタンカー3隻、合計135万バーレルが
石油を積み込み、出港準備が整っている。なお、港には40隻が待機中。

政府派はTV、反対派は兵営を包囲

 ゼネスト開始以来9日目、政府派のデモ隊はテレビ局、場合によってはジャ
ーナリストを包囲、他方の反政府派は軍事基地へ向けて行進、大統領退陣を叫
び、他の兵営も包囲すると気勢を挙げている。チャベス派のジメネス国会副議
長は早期選挙実施を提案しようと準備中、だが、反対派は即時辞任を要求して
止まない。最高裁の20人の裁判官中8人が「現状にては圧力が強く、公正な判
決を下せない」との理由で勤務中止を申し出た。

 年間で最も売上のあるクリスマス前に行われたゼネストによって実業界の受
けた損害は大きく、例えば、大衆工芸品のアンシは例年なら3,000平方米の店
が700人を越える顧客で埋まるのが、本年は支配人と2人の従業員のみ。石油
生産国の首都カラカスは燃料不足に悩み、多くの国内航空運行が取り消され
た。

 ルーラブラジル選出大統領は「米国政府は私とカルドーゾ大統領へチャベス
大統領に協力し、政治的また平穏な解決策の模索するように期待しており、現
大統領は9日に、私は11日に電話にてチャベス氏と意見を交換し、また、先方
からも電話があった」と語った。
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■不安定なパラグアイ、大統領をリコール
下院がマチ大統領弾劾を承認

 パラグアイ下院は12月5日、汚職容疑に基くマチ大統領弾劾手続きの申請を
賛成50票、棄権11票、欠席19票にて承認し、上院へ回された。下院は大統領の
与党であるコロラド党の支配下にあるが、マチ大統領の不人気は甚だしく、来
年4月の選挙を控えて、与党下院議員は大統領との距離を保ちたい者が多数お
り、これが弾劾投票の結果となって現れた。上院の定数は44人、弾劾には2/
3の30人の賛成が必要である。問題となっている汚職容疑は1,600万ドルの公
金をNYの個人口座へ横流しした件、および、盗品の自動車を購入した件であ
る。

不安定の始まりはオビエド将軍の反乱

 パラグアイの政治不安定は96年のオビエド将軍のワスモジ大統領に対する反
乱とその失敗があり、翌年、退役したオビエド元将軍はコロラド党の大統領候
補となったが、前年度の反乱に関して有罪となり候補資格を失い、身代わり候
補のクバス氏が大統領となる。99年、アルガニャ副大統領が暗殺され、その首
班としての容疑を受けたオビエド元将軍はアルゼンチンへ、クバス大統領はブ
ラジルへ亡命した。2002年2月、クバス元大統領が帰国、逮捕され、オビエド
/クバス派がマチ大統領辞職を要求し抗議デモが頻発する。

貧困層は都市50%、農村85%

 パラグアイは南米最貧国の一つ、この5年間に国内総生産GDPが20%下落、
貧困層は都市部の50%、農村部の85%に達しており、しかも、隣国ブラジルの
レアル切り下げとアルゼンチンの経済危機で更に事態は悪化した。来年4月の
大統領選挙に関する世論調査ではブラジリアへ亡命中のオビエド将軍の人気が
高い。国際通貨基金IMFへ2億ドルの融資を申し込んでいるが、未だに承認さ
れず、経済相および中銀総裁が辞任した。
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メールマガジン: Brazil Today
著者(現地ブラジルで執筆): 大岩國男
編集: 大岩幹男
発行: Ana&Log(アナ・ログ翻訳事務所)
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