ブラジル・南米の政治経済ニュース。(アナ・ログ翻訳事務所提供)
- 最新号:2008-10-02
- 発行周期:週刊
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Brazil Today
発行日: 2002/11/15━━■ P R ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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Brazil Today 2002 / 11 / 18 (77号)
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目次:
■インフレの危惧、何時か来た道を辿るべからず
■ルーラ氏の『飢え追放』をIDB総裁が絶賛
■貿易収支、10月累計黒字100億ドルを超過
■日本政府は二国協定重視、だが、ブラジルを無視
■労働党、精油所建設の必要性を力説
■自動車業界、生産台数17ヶ月で最高へ復活
■イタウ銀行、BBAの一部購入、スダメリスを断念
■メルコスール、市民に国境なき居住の自由
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■インフレの危惧、何時か来た道を辿るべからず
本年初めR$2.300であったドルは10月18日R$3.870と68.3%の上昇に対し
て、消費者物価指数IPCAは5.60%、総合物価指数IGP−Mは10.54%とドル高騰
は消費者物価にほとんど影響していないが、2003年のインフレを一桁に留める
のは困難、しかも、ルーラ候補の経済補佐を務めるマンテガ氏はインフレ目標
に対し柔軟性を主張しており、国際通貨基金IMFとの交渉においても同様。し
かも、労働党最初の政権発足に際して不況政策を採用することは考えられな
い。
本年上半期、値上げの足跡とドル上昇
本年度におけるドル相場と製品値上げの足跡を辿れば、2002年1月2日のド
ル相場はR$2.300。だが、その後、アルゼンチンの経済危機が高まり、レアル
にも影響し、6月3日にはR$2.536へ10.3%高。ドル上昇によって5月には工
業部門から小売業界への値上げ圧力が高まり、6月はテレビ・ビデカセの値上
げ要求があったが、小売側は拒絶した。
6月13日のドル相場はR$2.710、その後、6月から7月にかけてR$2.800前
後にあったのが、7月後半から急上昇、31日にはR$3.470と高騰。選挙前の不
安が加わり、民間会社の債務再融資交渉も進展せず、返済に必要なドルが調達
困難となった。7月、遂に家電メーカーの圧力に抗しきれず、冷蔵庫は10%か
ら15%の値上げ、食品・飲料ではビールが6%の値上げとなった。
第3四半期、選挙前の状況不安定
8月から9月前半まではドル相場は落ち着き、R$3.100からR$3.200の間
にあった。しかし、9月下旬から高騰、27日にはR$3.880、選挙前日の10月4
日にはやや下がりR$3.62で締める。選挙後、10日にR$3.990まで達したが、そ
の後は収まり、11月8日はR$3.550となった。
8月、製粉業界は小麦粉25%の値上げを宣言、電気電子業界は30%、製薬
会社は平均7.5%の価格引上げを要求した。9月に入り、小麦製品は一斉に8%
から10%の引上げ要求、しかし、小売商は受諾せず。電子業界は毎月2%から
3%引上げの交渉に入る。
輸出入に関連した製品はすべて値上げ
今回の物価上昇は輸出入に関連した製品の価格上昇が特徴、関連したとい
うのは輸入品ばかりでなく、その一部が輸入されても価格は輸入品並みに設定
される。小麦は大部分がアルゼンチンからの輸入品であり、小麦粉が値上り
し、パン・ビスケット・麺類などの小麦製品の価格が上昇したのは当然。しか
し、米の大部分は国産、輸入は総需要の10%以下であるが、輸入せざるを得
ず、このために価格は輸入品並みに値上りした。
輸出に関しても同様である。国産品であっても輸出した場合の価格を国内
価格として値上げする。例えば、大豆油は輸出製品、輸出価格から国内向け販
売価格を定め、価格調整する。また、パルプは輸出製品、従って、パルプから
製造される紙類も値上り、文房具が高くなる。
ペトロブラス、ガソリン値上げ12%
ペトロブラスは選挙終了の5日後、11月1日に価格を引上げた。精油所渡し
はガソリン12.09%、ディーゼル20.5%、台所ガスGLP(13キロ)22.8%の上
昇。消費者価格はガソリン10%、ディーゼル18%、台所ガス12%の予想、前回
の値上げは6月30日、4ヶ月振りの値上げであった。
ペトロブラスの意見として選挙に伴う不確実性が減少、また、国際価格も一
応落ち着きを見せたので価格調整を実行したという。石油国際価格はロンドン
のブレントがバーレルUS$25.42、NYのWテキサスUS$27.13にて、イラクとの緊
張が高まった10月1日のUS$29.01、US$30.83より下がり、6月末とほぼ同水
準。ドルは6月末R$2.820が11月1日R$3.600と27.7%の値上り。消費者物価
指数IPCAの中で燃料の占める割合はガソリン4%、台所ガス1.5%、航空燃料
0.5%であり、これらの値上げは11月の物価指数を0.9%引上げ、少なくとも1.5%
に達すると推定される。
ブラジルにおける主な物価指数
処で以下にインフレに関して説明する以前にブラジルにおける物価指数に関
して説明して置かなければならない。ブラジルにある主な指数は次の通りであ
る。
広汎消費者物価指数IPCA>地理統計院IBGEによる全国10大都市および連邦首都
の40最低給までの家族の消費者を対象とした物価指数で、公式インフレ指数で
ある。
消費者物価指数IPC−Fipe>サンパウロ大の経済研究所Fipeによるサンパウロ
市の20最低給までの家族の消費者を対象とした物価指数。
総合物価指数IGP>バルガス基金FGVによる総合物価指数、消費者物価指数
IPCに30%、卸売物価指数IPAに60%、建築材料指数INCCを10%の比重で総合
された物価指数。IGP−M、IGP−DIの相違は測定期間の差による。
選挙終了、値上げは卸から小売へ
10月、家電業界は第二回価格調整の交渉に入る。ビールは10%値上げで妥
結、小麦製品は平均10%から25%の引上げとなる。10月末、ポン・デ・アスー
カルは値上り商品のボイコットで脅かすが、製造業者は反発、スーパー商品棚
から幾つかの商品が姿を消し始め、販売を制限する。しかし、砂糖、大豆油な
どの製造業者は小売商へ振り向ける分を輸出に回し、効き目がなく、消費者は
不本意ながら購入せざるを得ない。
経済研究所Fipeによる消費者物価指数IPCは10月1.28%を記録、これは過
去に6ヶ月間での最高である。最も値上りの大きかったのは食費2.86%、他に
1%を超えるのは個人費1.56%、衣料品1.26%。食費中で月間値上りの激しか
ったのはぶどう19.63%、大豆油11.03%、米9.88%、オレンジ9.57%、自動車用
燃料アルコール9.83%、本年度累計では大豆油45.5%、小麦粉30.8%、フラン
スパン28.8%、牛乳23.5%など。
砂糖に関してはコペルスカル、バラ、ウニオンなどの精糖業者側は国際価格
22%上昇とレアル価値低下51%に基き、77%の値上げを要求、スーパー側は購
入を拒否、商品棚から砂糖、小麦製品が消えつつある。
1月から10月までの累計では消費者物価はFGVのIPC−DIが6.68%、IBGEの
IPCAが6.98%、FipeのIPCが5.14%と低率に止まっているが、卸売物価指数は
FGVの農産物卸指数が31.87%、工業卸指数が18.54%と高率を示している。地理
統計院IBGEの物価指数計算の基礎となった値上り商品および10月値上り率は、
小麦粉15.28%(年間累計49.39%)、砂糖12.95%(10.88%)、大豆油10.46%
(51.38%)、マーガリン9.35%(14.21%)、米9.03%(12.15%)。
小売商、抵抗したが値上げを認める
小売商側は工業側の要求する値上げを認めず、仕入れを手控えていたが、抵
抗にも限度があり、値上り商品を仕入れ始めた。砂糖に関して、製造者側は
80%の値上げを要求したが、交渉の結果、43%から45%程度、10月に平均
R$1.20であったのがR$1.70へ飛び跳ねた。缶詰類は7%から12%程度、他の商
品も二桁の上昇振りを示す予定。
スーパー側は値上げ圧力に抗しかねて、工業側の要求を受け入れたが、顧
客に対し、安い自社製品を購入するように呼びかけると共に、値上り製品への
商品棚面積を縮小、出来うる限り、販売したくない意志を表示した。例えば、
エストラではウニオンの砂糖は未だ商品棚の主役を占めているが、「製造会社
による法外な価格要求を反映して値上り」の張り紙が付けてある。カレフール
のリモン支店では、顧客はアドリアのマカロンを探しても見当たらない。だ
が、輸入品のバリーリャを値下げ、高値の国産品と余り変わらない価格とする
などを工夫、また大豆エリザR$2.35に対し、自社製品はR$2.05で販売してい
る。
業界別の原価上昇と価格への転嫁状況
建築業界では一年以上の契約に関して当事者双方の合意によって建築基本
単価CUBまたは全国住宅建築指数INCCのいずれかを選択、年一度の通貨価値修
正が認められているが、一ヵ年以内の契約にも顧客との間に原価上昇に伴う価
格の柔軟性を考慮する傾向が強まってきた。基礎産業では、この2ヶ月間に部
品および労賃の15%から20%の値上りを見たが、これを値上げへ転嫁しようと
する動きが活発であるが、現在の処、不成功に終っている。
家電業界では国産化の程度によって異なるが、1月から9月の間に原価は
36%の上昇、価格引上げは8%から10%程度、年末までに差額を埋めようと試み
ている。機械業界で輸入部品を使用している製品の原価はドル高騰に従って上
昇している。しかし、資料不足なので、機械製造者協会Abimaqは原価上昇と価
格への転嫁状況、および今後の対策に関して調査中。
電気材料業界の主原料は銅という国際商品、何とか原料原価と労賃の上昇を
価格へ転嫁しようと望んでいる。労賃に関して、金属労連はインフレ全額の調
整を行い、鋼板工場は11月に17%の価格調整を行った。包装業界の材料である
紙・厚紙・プラスチック、鋼薄板、アルミ板はいずれもドル建て価格の商品、
数ヶ月間に50%の値上りを見ており、数日前に包装業界と食品飲料業界の代表
者が価格について協議した。玩具業界も輸入材料と給料調整に直面し、12月か
らの製品価格18.7%の値上げを図っている。
インフレ圧力で、指数化と段階調整復活の兆候
カルドーゾ政権によるインフレ対策8年間の後、ドル相場の高騰によって再
び経済の指数化が勢力を回復、企業からの価格指数化、労働者からの給料に対
する段階調整方式復活への圧力が高まり、2003年の経済に影を投げ掛けてい
る。80年から90年代前半のインフレ時代を懐かしがる者はおらず、企業家の中
には指数化と段階調整が一般化するのを怖れる者が多いが、10月における過去
12ヶ月の物価指数がIGP−M16.34%、IGP−DI14.28%と年間インフレが2桁
に達すれば、調整手段として貨幣価値修正が契約の中に取り入れられるのは自
然である。
公共料金の中で、電話料金はバルガス財団FGVのIGP−DIにて毎年一回、電
力料金は同財団のIGP−Mで毎年の価格調整、営業家賃契約の大部分と住宅家
賃契約の大部分はIGP−DIまたはIGP−Mによる調整項目が附加されている。
薬品の多くは輸入品、為替変動の価格への転嫁が要請されており、ガソリンと
台所ガスに関してはドルと国際価格が要因、選挙が終れば値上げが予想され
る。資金運用に関しては、インフレ指数による価値修正付き基金がレアルプラ
ン以後で現在は最も資金を集めており、国債もインフレ指数調整付きが97年に
は0.3%に過ぎなかったが、本年末までには10%を超えるといわれる。
団体労働協約の段階調整方式
単一労連CUTに属するサンジョゼ・ドス・カンポスの金属労連では物価上昇
3%毎、また、石油製品運送単一連盟FUPでは2%毎の段階的な給料調整を団
体協約へ挿入する交渉が行われている。労連経済統計局Dieeseコーディネータ
ーのメンドンサ氏は「2003年に2桁インフレが定着するのであれば、段階給料
調整を協約中に挿入する必要に迫られる。この5カ年間に実質給料は低下し
た。インフレが管理されず、年10%以上ならば、労連は給料低下を防ぐために
給料政策を議論すべきである」と語った。
バルガス財団FGVの経済研究所Ibreが工業1,225社を調査した結果、45%が
年末までに値上げを準備中、同研究所のクアドロ氏は「工業は値上げを希望、
インフレが永続するなら指数化は自然の傾向である」の意見。また、サンパウ
ロ州工業連盟Fiespのファルディニ理事は「消費の不振が物価の上昇を抑制し
ているが、限度があり、会社の生存を脅かすようになれば、何らかの手段を取
らねばならない」と述べた。
PTのマンテガ氏、インフレに楽観的観測
ブラジルの経済はインフレとの歴史であり、この中で生まれたのが通貨価値
修正コレソンモネタリアのノーハウ、インフレとの共存の処方箋であるが非常
に危険。インフレ進展を放置する結果に陥り、結局、国家経済を破滅の淵に導
いたことを忘れてはならない。
次期政権の担当者達はインフレの行方を憂慮し、ルーラ選出大統領は「ドル
と物価が何らかの問題を発生させぬよう慎重に行動、最適と思われる時期に閣
僚の氏名を発表する」と語った。労働党PTの経済顧問のマンテガ氏は「価格上
昇の元となった為替アブクは消えつつあり、信用の回復によって事態は平静化
し、ドル相場も収まる。本年度の物価指数は10%から20%、経済成長1%強、
しかし、来年の経済は2%から3.5%の成長、本年度から来年へインフレは電力
と電話料金のみで1%から1.5%に過ぎず、来年の物価指数は10%から12%とな
る。金融界の情報では企業は債務の転がしに成功し始めており、3ヶ月から4
ヶ月後にドル相場はR$3.00からR$3.50の間で落ち着く。中銀金利21%と非常に
高水準にあり、これ以上の上昇は望ましくない。今後、インフレは低率とな
り、経済へ指数化が戻る心配は無用である」と語った。
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■ルーラ氏の『飢え追放』をIDB総裁が絶賛
11月11日、米州開発銀行IDBのイグレジアス総裁はルーラ選出大統領の『飢
え追放』プログラム対して「ブラジルの社会政策には4年間に90億ドル融資が
用意されている」と発言、最初のルーラ氏申込みの60億ドル融資を取り消し、
増額した。
労働党PTにより開発されたブラジルの次期政権の最優先項目は『ラテンア
メリカとカリブ諸国における食糧保障と開発』のテーマとして採択され、この
会議の開会式の初頭に労働党のスタッフの一人、グラジアノ氏により開発され
た計画が紹介された。
発表の直後、国連食糧農業機関FAOのディオウフ総務は「世界全土に関係
ある計画」と確信、これらのプロジェクトへの支援に国連は何が必要かを知る
ため、ミッションをブラジルへ派遣し、また、世銀IBRDも融資する予定とい
う。イグレジアス総裁は「計画の視点が大きく、非常に印象的。農村開発に統
合の焦点を当てたプロジェクトで、中南米になかった計画であり、他国の開発
計画の参考となる」と語った。グラジアノ氏は「この『飢え追放』が国連でも
認められ、世界に見本とされた点は非常に喜ばしい。だが、計画は地域によっ
て非常に変化する」と謝辞を述べた。
イグレジアス氏は既に6日にサンパウロを訪問、ルーラ氏と晩餐を共に
し、この際に60億ドル融資を確約したが、前述の通り、90億ドルへ増額した。
米州開発銀行にはブラジルからプロジェクト55件、106億ドルが山積みされて
いるが「今後も極力、ブラジルに協力したい」と語った。ただし、『飢え追
放』には労働党に好意ある者から見ても欠陥が多数あり、これらを如何に修正
して現実に合わすかの研究を要する。
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■貿易収支、10月累計黒字100億ドルを超過
10月の輸出は64.74億ドル、輸入は42.70億ドルにて貿易収支は22.04億ド
ル、1月よりの累計実績は輸出499.92億ドルにて前年度より1.2%増、輸入は
399.32億ドル、16.6%減、収支は100.60億ドルの黒字で前年度15.12億ドルと
比較すれば雲泥の差、過去の最高記録はレアルプランの94年には116.84億ドル
に達したことがある。
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■日本政府は二国協定重視、だが、ブラジルを無視
日本政府が自由貿易地域ブロックとの地区間合意交渉の新戦略構想を発表、
世界貿易機関WTO通商交渉の最優先国としてメキシコ、韓国、アセアン諸国を
挙げ、メルコスールとブラジルとの通商を完全に無視した。これらから推察す
ると、日本は世界で最も農産物市場自由化を唱えるブラジルおよびメルコスー
ルを交渉から排除することにより、二国間および多角通商交渉において農産物
を除外する意図を明確に表現したと専門家は推論を下した。
長期にわたる不況とアメリカ向け貿易収支の黒字減退によって、日本は通
商の方針を変更し、通商相手との経済関係の強化、通商関係を世界貿易機関
WTOより更に自由な度合に到達させ、更に安価で高品質の製品を受け取るとの
基本原則を設けた。これに基いて結ばれた最初がシンガポールとの通商協定で
あり、投資市場の開放、最新技術の移転、観光の交流以外に関税の98%割引を
実施、次いで、タイ、フィリピンとも同様な関係を結ぼうと交渉を開始、標的
の中にはカナダも含まれている模様である。
日本は世界諸国で最もブラジル農産物に対して高い障壁を設けている国であ
り、ブラジルへの輸出は増加しているが、ブラジルからの輸入は伸びていな
い。ブラジル側の貿易赤字は99年の5億ドルから2001年は10億ドルと倍増、日
本の農業保護主義が変化する兆候は極めて少ない。世界貿易機関WTOに資料に
よれば「日本の農業部門の生産額は国内総生産GDPの1.1%、だが、農業補助金
の支出は1.4%と農家収入の半分以上は補助金という状態であり、関税の95%は
47.2%から1,739%へ達し、国内農産物価格を守っている」と報告された。
誰のための農畜産物免疫措置
更に関税ばかりでなく、種々の煩雑また厳格な免疫措置も強固な障壁を築
いている。これらの免疫措置は狂牛病のような極めて重大な病気を見逃す点か
らみて、消費者のためでなく、生産者保護のように見受けられ、日本の消費者
はこの手厚い農業保護の障壁によって、世界で最も高価な食事をしている。ブ
ラジル側のミッションは「我が国では多数の日系人が農業の品質・生産性・競
争力向上に多大の貢献をしているが、日本政府はブラジル農産物の販売を抑え
るのに懸命の努力を払っている」と苦笑した。
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■労働党、精油所建設の必要性を力説
ペトロブラスは精油所建設に投資する。もし、国内または外国資本が関心を
有し、投資の一部を負担するのであれば受け入れるが、不在であれば単独でも
投資を実行する。労働党PTコーディネーターの一人、ピンゲリ氏は「ブラジル
を燃料不足で停止させない。他の資本家の参加なしでも精油所を建設、燃料の
節約を求める事態を発生させず」と語った。
現在のペトロブラスの石油精製能力は11製油所、日に160万バーレル、こ
れを180万バーレルへ拡大する必要があり、同時に副製品であるディーゼル、
ナフタ、GLPの輸入も抑えられる。だが、現政府は単独での精油所建設を認め
ておらず、グロー現社長も単独建設に反対であり、また、ペトロブラスは原油
値上りを即時に消費者価格へ転嫁させなかったため、9億ドル程度の損失を被
った。なお、11精油所への投資金額はペトロブラス90億ドルと第三者から45億
ドルから60億ドルである。
ピンゲリ氏は「国際石油価格を消費者価格へ直接転嫁させぬための財源と
してガソリン税Cideを利用、また、価格低下の際に積立金を形成し、価格上昇
に備える。労働党政権はペトロブラスへ干渉する気は全くないが、この体制を
継続するには価格体制を整える必要がある」と述べた。
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■自動車業界、生産台数17ヶ月で最高へ復活
自動車業界の10月成績は好調、生産台数は16.1万台にて2001年5月以来の最
高、国内市場向け卸売り販売台数は14.9万台と2001年3月以来の最高記録とな
り、輸出も伸びて3.91万台に達した。本年10ヶ月の累積では国産・輸入車の双
方を加えて123.7万台の販売にて昨年同期の134.5万台より8.0%減、国産車
に関しては114.5万台、3.7%減であるが、再販店の10月末在庫は8.3万台、16
日分、また、工場在庫は4.6万台、合計12.9万台、9月末は7.3万台と5.4万
台、合計12.7万台であった。
傾向としては2001年10月には77.6%を占めていた大衆車のシェアが減じ、
56.6%にまで下がり、アルコール車が復活し6.6%、1月からの累積4.2万台を
販売、昨年度の年間1.8万台の倍以上となった。輸出は製品・部品・農業機械
を合わせて10月3.79億ドルにて昨年同期より4.1%増、累積10ヶ月では32.28億
ドルで8.7%減に終った。
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■イタウ銀行、BBAの一部購入、スダメリスを断念
イタウ銀行がBBAクレヂッタンスタルト銀行の47.79%の株式を33億レアルに
て購入した。BBAは総資産180億レアル、ブラジル第10位の銀行で、ドイツの
HVBが47.79%、BBAが47.49%、オーストリアのクレヂッタンスタルト4.42%の
銀行であったが、HVBが持ち株をイタウへ譲渡した。この取得によってイタウ
は卸売り金融部門が強化され、卸イタウBBA部門を組織すると見られている。
なお、現在のイタウは総資産870億レアル、ブラジル民間銀行第二位の銀行で
ある。
他方、同銀行は11月12日、日系コロニアの南米銀行を購入したスダメリス銀
行の購入を断念した。購入交渉は昨年末から開始され、本年5月に94.58%の株
式を購入、プレミアムとして9.25億ドルを正味資産に上乗せすることになって
いたが、レアル価値の暴落で2001年末決算の正味資産14億レアルは3.4億ド
ル、プレミアムは正味資産の200%という金額で、先週に購入したBBA購入代金
33億レアルに相当する。
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■メルコスール、市民に国境なき居住の自由
バイアのサルバドルにて開催中のメルコスールの法務内務相会議において、
ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイのメルコスール4カ国、お
よび準加入国のチリ、ボリビアの6カ国内に市民移動の自由に関する合意が成
立、調印された。これら6カ国の市民は域内他国において永住権が獲得でき、
市民権および就業権が得られる。この合意に基き、域内諸国における不法滞在
の問題は解消、これに該当する者は処罰されることなく、滞在が正規化され
る。また、医師、弁護士などの資格も域内各国において共通のものとなり、社
会保障、労働市場の市民権も得られる。
現在、ブラジル人で他国に不法滞在する者はパラグアイに38万人、ボリビア
に1万人、サンパウロにボリビア人が2万人住んでいるが、その半分は不法滞
在者と推定される。また、アルゼンチンには50万人のパラグアイ人が不法滞在
しているという。
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メールマガジン: Brazil Today
著者(現地ブラジルで執筆): 大岩國男
編集: 大岩幹男
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