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ブラジル・南米の政治経済ニュース。(アナ・ログ翻訳事務所提供)




Brazil Today

発行日: 2002/3/30

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Ana&Log(アナ・ログ翻訳事務所) -  ポルトガル語を専門に翻訳・通訳サー
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Brazil Today                                               2002 / 4 / 1(44号)
日系企業ビジネスマンのための週刊誌           (毎週月曜日配信。無料購読)
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目次:
■国際通貨基金との新合意目標、承認される
■『土地なし運動』、大統領子息の農園に侵入
■ヨーロッパ連合、米国に対抗し障壁設定
■自由貿易なら2.8兆ドルの収入増加
■節電終了を控えた2月、家電売上26.4%増
■南パライーバ河、川水利用に料金徴収
■ブラジル、チリと通商協定を調印、6億ドル増加の予想
■アルゼンチン、ドル高騰から新政策準備へ移行
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■国際通貨基金との新合意目標、承認される

 ブラジル大蔵省は3月26日、国際通貨基金IMFとの合意目標第二回修正を発
表した。修正は既に25日に基金の理事会により承認されたもので、ブラジルは
基金から50億ドルを引き出す権利を認められ、年末までに156億ドルが使用可
能となる予定である。

 通貨基金のアンネ・クルゲル副理事はブラジルの合意履行状態を極めて賞賛
「これならば、国際的な事件が発生しても直面できる能力がある。ただし、外
債が多く、ドル相場に金額変動を憂慮する、また、金利は更に引き上げ可能と
思われる」との意見を付け加えた。

基金との経済合意内容

 合意内容は(1)公共部門第一次収支341億レアルは不変、(2)公債純残
高は昨年11月合意7,500億レアルが7,300億レアルへ、(3)公共部門外債残
高976億ドルは不変、(4)外貨準備純残高290億ドルは278億ドル、(5)
インフレは年2.2%から6.2%で不変、(6)民営化収入は109.82億レアルを
59.63億レアルへ修正、(7)旧債務残高は108.92億レアルを167.19億レアル
へ増加、(8)経済成長は2.2%から2.5%を2.5%とする、(9)貿易収支
は60億ドル黒字を50億ドル、(10)外資直接投資は160億ドルを180億ドルへ
増加した。

主な合意変更点

 合意によれば、12ヶ月累積インフレ指数は3月にて5.8%、これが目標値を
超える場合には引下げに必要な措置について基金に諮問しなければならない。
6月の目標は5.3%で現在より引き下げる必要があるが、低下傾向にあるので
憂慮する必要はない。

 大きく合意目標が変更された民営化収入に関してはパラナ電力Copelおよび
サンパウロ州電力Cespを除外したため、4州立銀行と国庫所有のバーレ・ド・
リオドッセ株式売却その他だけが含まれている。また、政府は旧債権を見直
し、再評価した。

承認を期待される法規定

 これらのマクロ経済目標以外に9月までに承認を期待される措置として下記
のものが挙げられる。(1)公務員に対する補足年金基金創設の法規、(2)
株式取引に関する小切手税CPMF免税規定の効力延長、(3)新しい破産法の承
認、(4)遠距離銀行監査システムの拡張、(5)残るセアラ、マラニョン、
サンタカタリーナ、ピアウイの4州立銀行の民営化競売。
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■『土地なし運動』、大統領子息の農園に侵入

農園占拠、退去の条件に反し16人を逮捕

 土地なし運動MSTは3月23日、ミナス州北部、ブラジリアから160キロの地
点のブリチスにある大統領子息の農園に7時半に侵入を開始、占拠した。運動
側は500人が参加と発表したが、入植院Incra側は200人と見ている。連邦警
察40人が道路を封鎖、他の40人が同市にて待機、また、軍隊220人が出動。
MST側は「軍隊が介入するなら放火する」と宣言。農園は95年、98年、99年、
2000年9月にMSTから侵入すると脅かされたが、占拠されたのは今回が始め
て。ジュングマン農地開発相は「テロ行為であり、犯罪である」と定義した。

 農園を占拠した土地なし運動MST約200人は農地開発省から派遣された交渉
責任者ジェルシノ氏と交渉、MST側から逮捕者を出さないとの条件で退去と決
定。MST全員が4台のバスに分乗し農園から離れた後、連邦警察はバスに停車
を命じ、16人の指導者を逮捕した。交渉したジェルシノ氏は「約束が違う」と
抗議したが、受け入れられず、辞表を提出した。

違約逮捕の報復に大統領友人の農園へ侵入

 ミナス州北部ブリチス市の大統領子息の農園から逮捕者16人を出して退去さ
せられた『土地なし運動』MSTの他の一派はサンパウロ州西端のポンタル・
デ・パナマパネマにあるブリチスの農園共同出資者ミネイロ氏の農園に侵入し
た。これは退去に際して交渉者が「逮捕せず」との保障に違約した報復活動と
推定される。農場の広さは約5,000ヘクタール、この中で2,000ヘクタールは
大豆・とうもろこし・落花生などを植え付け、2,000ヘクタールは牧場、
1,000ヘクタールは農地利用法に従い森林を残している。

侵入した最初は200人程度であったが、他地区からの応援が到着、500人
に膨れ上がった。侵入の指導者は運動のライーニャ指導者の片腕であり後継ぎ
といわれるパンタレオン氏、ライーニャ氏も応援に駆け付けた。しかし、27
日、占拠していたMSTは裁判所命令に従い、退去した。なお、ブリチスでは応
接間に貯蔵してあったウィスキーを空にするなどでMSTのイメージを損なった
として、パラナパネマでは禁酒を守らせていた。ブリチスの農園の損害は10万
レアルと見積もられる。

『土地なし運動』と農地解放の現状

この『土地なし運動』MSTは農地解放「土地なき農民に土地を与えろ」と
主張する運動、東北伯その他における封建領主というべき大土地所有者と土地
なき農民の対立が発生の原因、だが、勝手に他人の所有地に侵入、占拠する
『土地なし運動』に対して、政府は家宅侵入罪など他人の財産を冒すもととし
て対処すると声明した。

農地解放、入植地造成に関して、政府は「可能な限り実行している」と説
明、MST側は「政府の公表する数字は信用できず、非常に遅れている」と追求
する。この双方の主張する数字を挙げれば、入植家族数の政府発表は56.5家
族、MSTは26.6万家族と主張、面積は政府側2,000万ヘクタール、MST側
1,500万ヘクタール,投資金額は政府側132億レアル、MST側102億レアルと
食い違っている。

MSTの主要目的が政治的なものであれば別であるが、農民の生活向上を
MSTが目指すのであれば、MST側が考慮すべき更に重要な点は現在の農業、特
に穀物農業は機械化された近代農業となり、自給自足で余った農産物の価格は
低下、一昔前の鍬(くわ)を担いでの農業は成立しない点が認識されておら
ず、土地を得ても特殊な農産物生産を心掛けなければ、入植者は生活できない
であろうといわれる。
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■ヨーロッパ連合、米国に対抗し障壁設定

ヨーロッパも鋼材に追加輸入税

 アメリカが鋼鉄製品に障壁を設けたのに対抗して、ヨーロッパへ輸入される
80億ドルの鋼材から域内製鋼業を救済する名目で、ヨーロッパ連合も免税輸入
枠と超過した場合の追加輸入税率を発表した。包含する製品の種類は15品目、
輸入市場の40%に及ぶもので、免税輸入枠は各種を合わせて570万トン、追加
税率は14.9%から26%である。この中でブラジルに関係する品目は包装材料の
薄板、免税枠30.8万トン、追加税率17.1%と合金棒材、枠10万トン、追加税率
26%。

 連合のゴオホ報道官は「枠に達するまでブラジルは今まで通り輸出を続ける
ことが可能、救済措置は枠を超過してから発効する」と説明しているが、ブラ
ジル側の解釈では「救済措置が合法か否かは別として、相殺方法に関して即時
に交渉しなければならない」という。

ブラジル国内各社への影響

ブラジルの製鉄所の意見ではナショナル製鉄CSNは「包装用薄板を製造、
ヨーロッパへは8万トン程度を輸出している」と影響を憂慮しているが、ベル
ゴミネイラは「線材を7万トン輸出、影響はなし」との意見、アセジッタ特殊
鋼、ツバロン製鉄も平静である。

 しかし、ブラジルの批判したいのは共同してアメリカの態度を批判したヨー
ロッパが障壁を設定した点、これがドミノ効果をもたらせ、世界の経済ブロッ
クがそれぞれの障壁を設けようとする点である。その証拠にブラジルでもアメ
リカとヨーロッパから締め出された鉄鋼製品がブラジルに殺到する点を恐れて
課税する要請が製鉄業界から要請されている。

ブラジルは鋼材防衛を一時見合せ、中国は提訴

 ブラジル政府は米国の鋼材輸入制限措置に対する対応を一時的に見合わせる
ことに決定したが、中国は世界貿易機関WTOへの提訴を決めた。今までに提訴
へ踏み切ったのはヨーロッパ連合、日本、韓国で中国は第4番目の提訴国とな
った。
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■自由貿易なら2.8兆ドルの収入増加

 メキシコのモンテレイにて開催された国連途上国向け融資総会において、世
界貿易機関WTOのモア総務は「世界中のすべての通商障壁を撤廃すれば、2.8
兆ドルの収入増加をもたらせ、2015年までに3.2億人の貧困者がその境遇から
抜け出ることができる。通商に関する国際社会の優先事項は途上国の通商へ最
大限の収入を得られる条件を与える点にある」と語り、国連のアナン事務総
長、世銀IBRDのウオルフェンソン総裁、国際通貨基金IMFのケーレル理事も同
様の意見であった。

 現在、富裕国が農産物輸出へ支出している補助金は毎日10億ドル、農産物輸
入に際して課している輸入税は工業製品への課税の4倍である。もし、農産物
に対する制限を排除すれば、途上国は外債義務緩和プログラムの8倍の収入増
加を得られる。途上国の農産物と競争するために、アメリカ、ヨーロッパ連
合、日本は農業保護へ700億ドルから1,000億ドルを支出。更に非関税障壁が
あり、その一例として、南米からのトラックが国境を横断するのに200時間を
費やし、その中で100時間は通関のためという資料がある。

 貿易機関、その他の国際機関によって日程に挙がったテーマは第一が貧困国
への援助、一日1ドル以下の貧困者12億人を2015年までに半分に減らすなどと
8目標達成に年500億ドルを追加する。次に融資した資金の管理、如何程の資
金を提供しても、管理と政治が悪ければ効果はない。重債務累積国に対する債
務の軽減はアナン国連事務総長により提起、ベルギーのベルホフスタッツ首相
により、23富裕国から15年間、収入の0.1%を拠出、49カ国へ与える案が提出
された。
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■節電終了を控えた2月、家電売上26.4%増

 3月からの節電終了を控えた2月の家電売上はカーニバルの休日が多かった
にもかかわらず、1月より26.4%増の好成績。電気電子製造協会Eletrosのサ
アブ会長は「これだけ回復するとは思ってもいなかった」と大喜び。昨年同期
と比較すれば、昨年の520万個の売上に対して470万個にて未だ昨年を下回っ
ており、今まで節電で購入を辛抱していた消費者の購買意欲は今後も続くと予
測。更に金利引下げの予想とサッカーW杯のプラス要因、ブラジルが健闘すれ
ば更に売れると業界は期待している。
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■南パライーバ河、川水利用に料金徴収

 灌漑農家の反対を押し切って、水利審議会はサンパウロ州東部からミナス州
南部をかすめ、リオ州を流れる南パライーバ河の川水利用に料金を徴収すると
賛成18票、反対1票で決定した。料金は川水を取り入れ、汚染したまま返す場
合は立法米当りR$0.02、処理して浄水で返還する場合はR$0.008の料金、
年間1,400万レアルの収入を期待している。現在、支払うのは流域180市に存
在する7,000社の工業および水道会社、将来は火力発電、水力発電、灌漑農家
からも徴収する予定。
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■ブラジル、チリと通商協定を調印、6億ドル増加の予想

 ブラジルとチリは3月18日、通商協定に調印した。予想される通商の増加は
ブラジルからの輸出4.6億ドル、輸入1.3億ドル、双方を合算して6億ドルに
達すると見られる。

 協定中の重要事項は乗用車。協定第一年目は年間4万台まで免税、超過分は
一般税率の6%、枠は毎年増加し2005年には5万台となり、それ以後はすべて
免税となる。バスは1,500台まで免税、3年目からは2,000台、トラックは作
業者を含め3,000台、毎年1,000台を増加、2006年には自由となる。これに対
するチリからブラジル向け自動車輸出は乗用車15,000台まで免税、これ以上は
27%。チリからの輸出は自動車以外に桃・ぶどう酒が協定の恩典を受ける。
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■アルゼンチン、ドル高騰から新政策準備へ移行

ドル買に殺到、2日間で2.77ペソから4ペソへ

 ブレヘル中銀総裁は3月の中頃に「ドルが2.80ペソを超えた場合、物価統制
は不可能となり、ハイパーインフレを抑えられない」と語っていたが、ドル相
場は3月22日金曜、前日2.77ペソから19.2%の急上昇にて3.10ペソを記録、中
銀は傍観するのみ。『レニコフ経済相解任』と『月曜25日は銀行休日』の噂が
市場に広がり、両替店は長蛇の列、だが、手持ちのドルを売り尽くし、早期に
閉店した。他方、証券市場はドル代替商品として資金が流れ込み、5,200万ペ
ソの売買成立、6.68%高となった。

事態を沈静させるため、国際通貨基金IMFとアルゼンチン政府は、通貨基
金特別ミッションを4月初めに派遣すると発表。ドゥアルデ大統領は23日、メ
キシコの国連会議から帰国、直ちに閣僚会議を開催する予定、大統領は兌換制
再開の考えを放棄していない。

 アルゼンチンのドル相場は3月25日、最高4ペソ、終値3.90ペソに達した。
ブエノスアイレスでは同日の早朝から金融街の銀行と両替店の前は22日のドル
高騰のため、少しでもペソを売ってドルを買いたい市民が長い列。行列の場所
を売る『並び屋』の値段は10ペソから20ペソ、街頭でドル売りをする『ヤミド
ル屋』も多く、金曜日に200人ほどが警察に捉ったが、月曜日も多数が出動し
て商売に励んでいる。午後の金融街は歩けない程の雑踏振り。ドル買いの行列
に並ぶ市民の声は「ペソは駄目になった。その内に幾つかのゼロを取るように
なる」と予想する。

大統領は米国から手ぶらで帰国

 このドル暴騰は先週のブッシュ米国大統領および通貨基金のアンネ・クルー
ガー副理事が20日に「アルゼンチンが融資を受ける条件として徹底的な改革が
必要」と主張した際に兆候が感じられたもので、エクサンテ・コンサルタント
のカジチオ氏は「暴騰したドルは元に戻らず、政府の経済政策を誰も信用しな
くなった」という。

 ドゥアルデ大統領がモンテレイ国連会議から帰ってきたが、受け取った約束
は「基金のケーレル総務理事がミッションを4月中旬に派遣する」のみ。他
方、アルゼンチン政府は日々を如何に過ごすかの状態、深刻な「破局は近
し」、「政府はドルに倒された」との批評がブエノスアイレス市内に氾濫して
いる。

悲観的な経済指標、忍び寄るインフレ

 同国の相場はカントリーリスク4、958(21日)、ブエノスアイレス株価指
数Mervalは6.68%高の432.29。インフレは1月2月累積5.5%、2001年代4四
半期の工業活動は前年同期に対し15.8%低下、建築は24.8%にて国民国内総生
産GDPは4.5%の低落、失業率は政府見積り22%である。

預金凍結は裁判所命令で毎日平均6,000万ドルが解凍され、市民はこのペ
ソを懐に両替商へ走り、ドルと引き換えており、預金流出と本年度始めにペソ
防衛に使用した資金を合わせてマネタリーベースは72%の拡大を見たと噂され
る。3月に入って以来の生活必需品の値上がりは8.4%、不気味なインフレの
影がちらつく。

ドル高騰に連れて種々の商品価格が上昇しており、牛乳は10日間に20%、
牛肉は3月第2週のみで5%の値上がり。アルカリ乾電池、化粧石鹸、かみそ
りの刃など輸入と関連する商品は1月以来40%から100%の値上がり、既に商
品棚から姿を消した商品も多い。民間調査機関の調査では3月の15日間に6%
から7%、清掃衛生用品は毎月10%の値上がり、物価指数は月3%程度である
が、これは家賃、衣料品など反応の遅い生計費が含まれている故との説明であ
った。

 政府の統計院Indecから公式に発表されたインフレは1月2.3%、2月
3.1%に過ぎないが、中産階級を対象としたインフレはラボラレス研究協会の
資料によれば1月以来27%、品目別では食料品・飲料の値上がり50.7%、清掃
衛生用品44.5%、衣料24.1%、教育21.8%、サービス18・9%、交通通信
12.9%、保健7.7%の上昇、下がったのは住居費4.4%のみ。現在の情勢にお
いて給料の調整は考えられず、物価上昇の吸収は生活切り詰め以外に手段はな
いという。

政権維持に政府の採用したドル供給措置

 3月22日(金)にモンテレイの国連会議から融資の確答を得られずに帰国し
たドゥアルデ大統領は経済スタッフと今後の対策を協議した。この会議で決定
された基本線は(1)外貨準備の中から20億ドルを使用して、ペソ防衛を強化
する、(2)短期資金運用利子率を年35%に引き上げ、貯蓄者に対する新オプ
ションを付け加える、(3)銀行救済融資の利率を引き上げ、ドルへの資金移
動を困難にする、(4)毎日1.5億ペソに達する凍結預金引出しを防止するた
め、訴訟にブレーキをかける手段を策する。

 次いで25日朝に公表されたペソ強化措置は(1)輸出に関して為替清算期間
を180日から5日に縮小、(2)ドルを中銀が民間銀行を通じて市民へ直接売
却できるように変更、(3)ドル変動に基づく定期預金の新形式創設を準備
中、(4)流動性の問題から中銀が市中銀行へ提供していた貸付を停止する。
中銀が市中銀行を通じて市民へ直接売却したドルは3.10ペソ、限度は個人US
$1,000、法人US$10,000であった。

厳格な基金の態度に経済学者が誤りを指摘

 通貨基金はペソ暴落に憂慮を示すことなく、依然として態度を変えておら
ず、融資には経済安定政策を条件としており、米国財務局のダビス報道官は
「米国政府は以前から主張しているように、アルゼンチン政府は経済安定に必
要な経済改革を実行すべきであり、約束するのみで、何も変化しない状態を続
けるべきではない」と発言した。市場では、基金とドゥアルデ大統領の合意成
立に対する疑問が見受けられ、他方では基金の方針に従い為替変動制を導入し
たレニコフ経済相と固定為替制によってインフレを抑える方を選びたかったド
ゥアルデ大統領との意見対立が伝えられる。

 2001年のノーベル経済賞受賞、世銀の前経済主任のスチグリッツ博士は「通
貨基金はアジアで犯した誤りを繰り返し、アルゼンチンの状態を悪化させた。
現在、最も憂慮するのはインフレでなく、その結果としての失業と社会混乱で
ある。基金が採用した投資家から信用を再び得るため、均衡予算を要求したの
はリスクの高い戦略であり、今までにアルゼンチン政府の採用した措置は短期
間の信用回復・投資誘致に全くつながらなかった。基金が不況に悩む国に勧告
したのは経費削減と増税措置、如何なる経済学から見ても、不況を深刻化させ
る政策のみ、国民は金融難、企業は破産に直面し、政府は徴税困難により更に
混乱の度を深めた」と述べた。

マラン蔵相、早急のアルゼンチン融資を提案

 ブラジルのマラン蔵相は「通貨基金は融資決定前に経済計画の詳細を要求す
る従来からの方式と異なり、アルゼンチンに対し態度を変えて欲しい。財政収
支改善に関して当然実行すべきであるにしても短期間で片付くものではなく、
ブラジルの場合は5ヵ年を必要とした。現在のアルゼンチンは経済の基本で為
替・通貨・財政の方向を模索状態にあり、現状において最も必要なのは金融シ
ステムの再建、信用制度なしでは近代社会は成立しない」と提案した。また、
国連ラテンアメリカ経済委員会Cepalのフレンチダビス地域理事は「この基金
の融資決定を遅滞させる態度は地域の民主主義を危険に晒し、無政府状態ある
いは権威主義政体に導くものであり、非常時にあるアルゼンチンに均衡財政を
要求してはならない」と警告を発した。
 
ドル3.15ペソに下がり、政府一息付く

 中銀から市中銀行を通じて市民への直接ドル売りが成功し、前日に3.90ペソ
まで達していたのが3月26日3.15ペソまで下がった。中銀の費やしたドル金額
は不明であるが、市場筋では25日に800万ドル、26日に1,600万ドル程度と見
積もっている。

 エコノミストのオチョア氏は「ドルは中銀の売りによって下がったが、来週
は再び上昇するのは確実、毎日、預金凍結の囲いから抜け出る5,000万ペソが
ドル買い資金に使用され、中銀は常に介入する必要に迫られる」と語った。ブ
レヘル中銀総裁は「市民は相場の如何にかかわらず、ドルを購入しようとして
いる。これはペソ、経済政策の信用失墜に基づくもの、政府はパニックに対し
て手を打つことはできたが、信用回復には多分の時間を要する」と述べた。

聖週間の連休利用し、新通貨為替制度を準備中

 アルゼンチンでは聖週間の連休が3月28日から始まり、月曜日の4月1日ま
で続き、政府はこの5日間、相場に煩うことなく、新政策を検討する余裕を得
て、新措置を月曜日に公表する予定。今回はドゥアルデ大統領および閣内の意
見が主となり、現在の為替自由変動制を放棄する案も検討されたが、改革の途
中で方向を変更するのは危険との理由から為替制度は現行維持となった模様。
大統領は正義党PJおよび急進党UCRのリーダーと会談、破産法および倒産法の
改正を依頼し、閣僚には「政治改革は開始されて37日になるが、閣僚の中で5
月までに各自の部分を完成しない者は解任する。また、県政府が発行する『通
貨もどき』を制限する方策を探している」と語った。

 3月27には政府のドル供給増加措置が相場に好影響をもたらせ、25日に3.90
ペソに達したドル相場が26日には3.15ペソ、27日2.95ペソと下がった。しか
し、世論調査の結果は、ドルは上がり続けると回答した者が85%、政府はドル
高騰を止められないと見る者84%。幾らまでならドルを買うかの回答は3ペソ
までが4%、3.50ペソまでが45%、4ペソまでが24%、4ペソ以上でもが20%
とペソと現行の経済政策は全く信用を失っている。デラルア政権を倒したスー
パー略奪が再び発生、28日には大ブエノスアイレス圏にて1店、他の県で4店
が襲われ、阻止する警官と衝突、30人が逮捕され、7人が負傷した。

措置の内容予想、為替制度は不変

 4月1日に公表と予想される措置の予想は下記の通り。
(1)為替制度>現行の為替制度を継続。
(2)輸出税の改正>輸出税の改正、現行の輸出税は原料10%、工業製品と農
畜産物5%、石油とガス20%であるが、これを統一して20%課税とする。この
改正によって政府は約60億ドルの歳入を得られる。
(3)再割引の制限>中銀から市中銀行への再割引の制限は継続する。外国資
本の銀行が中銀からの融資を受けるのは本部から融資額と同額の送金を約束し
た場合に限る。
(4)預金半凍結>預金引出し制限は現行の通り。政府側の意見としては裁判
所にて引出しに有利な判決を得て市場に出た資金の大部分はドル買いに向けら
れ、ドル高騰の圧力となるので、凍結解除の判決にブレーキをかけるように司
法府と協定したい意向である。
(5)破産法改正>破産法改正および倒産法の一部廃棄または効力停止は通貨
基金からの要請に基づくもの、破産法の改正される要点は180日間の破産宣告
の禁止。倒産法について、国家経済への犯罪容疑ある銀行家および企業家に対
する起訴に使用されるが、通貨基金側では裁判官の権限乱用により法的無保護
に乱用される可能性が強いので改正を要するとの勧告があった。
(6)付加価値税>付加価値税IVAを含む幾つかの税の税率を引き下げること
は許されない。
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メールマガジン: Brazil Today
著者(現地ブラジルで執筆): 大岩國男
編集: 大岩幹男
発行: Ana&Log(アナ・ログ翻訳事務所)
住所: 〒468-0034 愛知県名古屋市天白区久方一丁目149番地19-504
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