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Brazil Today

発行日: 2002/3/2

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Brazil Today                                               2002 / 3 / 4(40号)
日系企業ビジネスマンのための週刊誌           (毎週月曜日配信。無料購読)
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目次:
■ブラジル穀物生産、1億トンを食糧公社再確認
■大豆生産原価、米国はブラジルの倍と米国農務局発表
■メディアへの外国資本出資、下院にて承認
■デジタルTVを巡る米国のロビー活動
■サンパウロ市のマルタ市長、3月に訪日ミッション
■セアラのテニス靴リーボック、アジアへ進出
■アルゼンチン、どん底にて県政府と合意成立
■コロンビア、政府軍が都市制圧、ゲリラは誘拐作戦
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■ブラジル穀物生産、1億トンを食糧公社再確認

 南伯の旱魃と東南伯・中西伯の降雨過剰にもかかわらず、食糧供給公社
Conabが2月26日に公開した調査資料に基づけば、本年度の穀物生産は前回調
査より0・4%減少したが、前年度よりも2.3%増、1億54万トンとの予想を
得た。旱魃による損害は南リオグランデとサンタカタリーナ両州のとうもろこ
し150万トンと大豆120万トンであった。

増加の主役は大豆、国内需要の米・フェイジョン

 本年度のブラジルの植付け総面積は3,924万ヘクタール、前年度の3,750万
ヘクタールよりも4.7%増、この中で大豆は全体の39.9%の1,565万ヘクター
ルと対前年増14,4%。昨年の3722万トンにてヘクタール当たり平均収量2.720
トンであったが、本年度は4,154万トン、平均収量2.653トンの成績と予想、
432万トンの増収である。大豆以外で増収を予定されるのは主食の米、本年度
の植付け面積は4.9%増の341万ヘクタール、収穫は1,150万トンと前年度よ
り111万トン、10,7%増の成績、輸入量は大幅の減少を見る見込み。また、米
に次ぐ重要食糧品であるフェイジョンも植付け面積10.6%増の421万ヘクター
ルで326万トンの収穫、26%増の予定。

とうもろこしは植付け縮小、意欲無くした綿作農

 大豆の植付け増加1,968万ヘクタールによって縮小したのはとうもろこし
で,第一作1,103万ヘクタールの減少、第二策では44万程挽回したものの収穫
は363万トン、8.7%の減収となった。他に減収となったのは昨年度に大きな
生産増加を見た綿で,植付け面積は13.6%減の75万ヘクタール、生産は15・
8%減の128万トン、国際市場における補助金と遺伝子操作の問題が綿作農家
の意欲を失わせたのが原因といわれる。
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■大豆生産原価、米国はブラジルの倍と米国農務局発表

米国農務局、ブラジルの有利を認める

 米国農務局USDAが大豆およびとうもろこし生産原価調査報告書を昨年11月に
出版した。この原価表によれば米国産大豆生産原価は俵60キロ当り米国11.72
ドル、パラナ産大豆は6.60ドル、マットグロッソ産大豆6.23ドル、港湾渡し原
価は米国12.68ドル、パラナ8.46ドル、マットグロッソ9.17ドル、ドル2.35レ
アルで計算すれば、パラナ産R$19.88,マットグロッソ産R$21.50、利益を
考慮すればサンパウロ渡しR$23からR$24の相場からみて妥当な数字、ま
た、シカゴ相場はブッシェル4.44ドル、俵60キロに換算すれば9.79ドル、原価
との差額2・89ドルは補助金で埋めるものと推測される。

 原価表は米国のHeartland、ブラジルのパラナ州、マットグロッソ州の大豆原
価を種子、肥料、農薬、機械、労務費その他の変動費と償却費、地代、税・保
険、管理費の固定費、および運賃に分類し、ヘクタール当りの原価を計算す
る。

変動費は米国とブラジルの差は僅少

変動費は米国187.1ドル、パラナ188.8ドル、マットグロッソ224.3ド
ル、内訳を見れば、種子代は(米国45・2、パラナ14,0ドル、マットグロッソ
11.2ドル)と米国種子の高額が目に付き、肥料は(20.5、39.4、82.1)とマッ
トグロッソが非常に高い。農薬費は(55.8、60.6、67.0)、機械・整備と労務
費は米国では機械に頼り、ブラジルは労務に頼る傾向が強いが両者を合わせて
(60.4、61.7、47.4)にてマットグロッソの人件費が低い。総変動費では
(187,1、188.9、224.3)と肥料代の大きいマットグロッソの変動費が最も
高く,パラナと米国はほぼ同額である。

土地代・償却費で米国原価はブラジルの倍

次の固定費では地代(224.0、29.9、7.1)の米国原価が高く、更に償却
費(125.9、34.8、40.9)と米国の不利が加わり決定的。この2項目の差によ
って米国大豆の生産費はブラジルの倍、ヘクタール当り生産原価は(米国
591.4ドル、パラナ297.2ドル、マットグロッソ311.4ドル)となる。ヘクタ
ール当り生産性は米国45俵(60キロ)、パラナ50.0俵、マットグロッソ50.4俵
とこの面でもブラジルの方が10%程度優勢である。しかも、ブラジルは遺伝子
操作大豆を栽培していない。
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■メディアへの外国資本出資、下院にて承認

 下院は2月26日、メディア産業への外国資本出資を30%までとする法案を可
決した。審議は夜21時まで続けられ、賛成402票、反対23票、棄権3票、起草
者のアルベス議員(PMDB−RN)は「4月までには上院で投票される。外国資本
が新聞・雑誌・ラジオ、テレビなどのメディア産業に投入されれば、サービス
は改善される」と予想する。
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■デジタルTVを巡る米国のロビー活動

4月に決定のブラジルデジタルTV方式

 ブラジルが採用するデジタルTV方式は4月に予定されている。市場規模は12
年間で1,000億ドルという巨大市場、更に、この決定は近隣諸国へ影響を及ぼ
し、南米大陸全域が市場となる可能性が充分にあるという。候補となっている
システムはアメリカのATSC、ヨーロッパのDVB−T、日本のISDBの3方式。

 昨年6月に電話通信庁Anatelから発表された選択条件は(1)技術使用に対
するロイヤリティは無償とする、(2)国内工業へ技術移転を行う、(3)国
内雇用を増進する、(4)少なくとも10年間はアナログ・デジタル並行使用、
テレビ放送局の投資へ融資するとの4項、更にブラジル政府は選択された技術
方式の開発に関する決定に参加する権利がある。

高価格で普及しなかった米国方式

 デジタルTVを最初に開発したのはアメリカ、現在のテレビより5倍の密度、
音響はCD並み、一つのチャンネルで種々のプログラムが伝達され、データ通信
も可能。96年に承認され、10年間に90%の家庭への普及を予想したが、2000年
に66万台と普及率が低い。原因は受信機の価格にあり、2000年から3,000ド
ル、2001年から1,000ドルを予定していたが、現在の価格は5,000ドル。高価
なため、一般家庭への浸透が遅れている。低普及率は放送局側にも反映、多大
の投資を回収しようとしてもスポンサーが着かず、採算面に影響を及ぼした。

放送関係者の結論、最優秀は日本、最下位は米国

 米国の政府・工業は米州大陸統一方式を主張、これを米州自由貿易圏FTAAの
協定中に入れようとしたが、ブラジルの承諾を得られず、不成功に終わった。
この攻勢に対し、ブラジルは放送関係技術者グループSET・Abertに3方式を
検討させた。選択の基準は品質のみならず、ロイヤリティ、技術移転、設備投
資から発信・受信の経済面まで含めたもので、日本方式が最優秀、米国方式が
最下位との結論であった。ただし、日本方式は最後に開発された技術である
が、弱みは商業的に実施されていない点にある。また、Abertに参加している
のは全国のテレビ・ラジオ放送局3,232局中の約2,000局、SBTとレコルデは
99年、バンデイランテスは2001年に脱退し、グローボが支配的である。

選択は戦略面を考慮に欧州から不正取引と抗議

 4月に決定を予定されるデジタルTVの売り込み競争として、米国の電話通信
国際政策のコーディネーターであるグロス氏を首班とし、国務省、通商局、工
業界の代表から構成される米国ロビーミッションの来伯した。ミッションはピ
メンタ・デ・ベイガ通信相と会談、また、関連他省の代表、電話通信庁Anatel
の職員への2日間にわたる説明会を行った。これと機を同じくして、大統領府
から「デジタルTVの選択は国家の戦略面から技術と政策の混合して決定しなけ
ればならない」との話が伝わり、アマラル商工開発相も「ブラジルの立場とし
て技術面ばかりでなく、通商面も考慮する必要がある」との発言があった。

 この報を聞いた来伯中のヨーロッパ連合ラミー通商相は「デジタルTVに関す
る不正取引は許さない。テレビの選択は消費者第一に行われるべきである。米
国方式は米国だけに止め、日本方式は未だテスト中、この点ヨーロッパ方式は
既に広範囲にわたり使用され、ブラジル技術との融合も完成、資金も6,000万
ドルが準備されている」とアメリカの態度を抗議した。日本側の話はブラジル
における日本方式の代表が訪日し、日本ロビー強化策について協議する、ま
た、3月末にミッションが再度の来伯をする程度の記事しか新聞に載っていな
い。
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■サンパウロ市のマルタ市長、3月に訪日ミッション

 サンパウロのマルタ・スプリシー市長は日本からの招待で3月21日から30日
まで同国を訪問するが、海外における最大の日系人集団地の市長が訪日するの
に単なる儀礼的訪問に終わるのは惜しいと考え、経済ミッションを組織した。
マルタ市長が選んだコーディネーターはブリューツリーのアオキ・チエコ社
長、ファッション、広告、ソフトウエア・電話通信などの技術産業、観光の4
部門の30人がミッションとして参加する。サンパウロ領事館の池田総領事補佐
は「ブラジルは日本市場への浸透を研究すべきであり、日本への販売は困難が
伴うにしても、値打ちがある」との意見、日本貿易振興会Jetroの柳田サンパ
ウロ所長は「夏服、水着、ビキニなど輸出の好機、また、金融・銀行・教育な
どのソフトも商談成立のチャンスがある。日本との商談は時差を利用すれば、
一方が休んでいる間に他方が活動し、時間の無駄がない」と語った。
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■セアラのテニス靴リーボック、アジアへ進出

 ブラジルのテニスシューズ界で、米国商標リーボックを有するセアラ州オリ
ゾンテのブルカブラスは南北アメリカ大陸ばかりでなく、中国・ベトナム、韓
国などのアジア諸国にも足を伸ばし、特に新型DMXはアルゼンチン・ウルグア
イ・メキシコの中国製品市場を蚕食、ポルトガルからギリシャへも足跡を残し
た。

 同社がセアラへ進出した当時は国内需要しか考慮していなかったが、優れた
国産化計画によって国内では輸入品に対抗し、メキシコでは運賃と関税から中
国製よりも10%安値、だが、アルゼンチン小売へ到達した時に中国製よりも
30%安値で製造できるのを発見した。これは昨年から有利となったレアル安と
東北伯の低廉な労務費が作用し、国外での競争力を強化したためである。現在
の生産高は12万足、その中で輸出は5%、本年度目標は10%増である。

現在、アメリカでのシェアはリーボックが11.9%、ナイキの42.9%とは比
較にならないが、第二位を占め、第三位のアディーダス11.3%、その他34.2%
という成績。テニス靴の上部は手作業の縫製品、アメリカ製品ならUS$200の
手縫い賃で競争にならないが、セアラで作成すれば国際的に引き合うが、これ
はローテク。履き心地を決定するのは踵の部分、リーボックはゴム底との間へ
プラスチックEVAの注射。更に高度な技術は6個から10個のボールを入れ込む
踵で、知的所有権がからんでいる。リーボックはこれをブラジル国内で製作し
ているが、今回発売の最新型DMXのみに使用、ナイキはブラジルでは作成して
いない。
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■アルゼンチン、どん底にて県政府と合意成立

国庫収入は25%減、景気は更に沈降

 アルゼンチンの2月国庫収入は28.2億ペソ(14億ドル相当額)、前年度の
37.6億ペソに対し25%の低下、3月への見通しは暗く、2月以上の下落が予想
される。政府は預金凍結緩和の第二段階へ入り、不動産・自動車の購入に預金
を使用できるとしたが、その代金は凍結され、自由に使用できない。スーパー
の売上は昨年同期より6.4%減、ショッピングは40%減、建築業界の活動は
44%の減と不況は深刻である。

公務員給料支払に10億ペソ発行を準備中

 中央政府と県政府の交付金を巡る対決が近付いているアルゼンチンで、トデ
スカ副経済相は2月24日、政府の公務員給料支払いのため、10億ペソの紙幣増
発を準備していることを認めた。この金額は政府に認められた年間発券額の
61%に相当する。

副経済相は「2月の政府徴税は非常に緩慢、国庫は公務員給料前払3.5億
ペソを払わねばならぬが、中銀は発券増以外に財源がなく、発券を準備中」と
語った。1月のインフレ2.3%の後を受け、2月は7%以内、為替制度変更の
結果として妥当な範囲内に留まっている。しかし、アナリスト達の間では予算
作成の基準となった年間インフレ15%は無理、30%以内に収まるのも困難と予
想する者が多い。

給料支払を発券で賄えばハイパーインフレ

 政府の資金調達の道はすべて閉鎖され、公務員給料支払資金の源泉がない。
大統領は25日「徴税成績の如何によっては給料支払のためにペソ発券もあり得
る」と発言した。だが、今回だけ特例として発券により資金を調達した場合、
次回も同様、何処にも財源はなく、本年度予算の赤字29億ペソはすべて発券に
て賄うことになる可能が多大となる。デルホス基金のシアルバ氏は「予算案に
計上された10億ペソの発券による融資は恐らく年の途中に費消され、政府は追
加を請求するであろう。政府には発券以外に資金調達の道が残されていない」
と語る。財政赤字穴埋めの発券はハイパーインフレに通じる道である。

 しかも、この重大な時期に政府は更に国民の憤慨を誘う行為を実行。大統領
給料を2,400ペソから3,000ペソに引き上げた後、公務員給料調整は徴税成績
に応じて調整すると決定した。ドゥアルデ大統領は「大統領に就任する時に
2,400ペソを3,000ペソとする話であったが、私にとって2,400ペソであろう
と気に掛けない」と話を逸らした。

固定為替時代を懐かしく思う大統領

ドルは再び2.4%の上昇にて2.15ペソ、大統領は1.70ペソとなるように中
銀が介入すると宣言。ドゥアルデ大統領はこの2ヶ月間に進行した経済政策を
信用せず、国民の不慣れな為替変動制を停止し、固定制へ戻すことを完全に捨
てておらず「経済において可能性のある政策を放棄することはできない」と語
った。この大統領の宣言は経済スタッフにとって居心地の悪いもの、レニコフ
経済相は「我々は国にとって最善の手段として為替変動制を選択し納得させ
た。ドル化あるいは新兌換制は全く考慮外」と憤慨、大統領は「経済相は発言
の意味を曲解している。政策を決定するのは私でなく、経済スタッフである
が、如何なる代替策も横に退けるべきではない。ただし、ドル化は可能性無
し」と述べた。エサンテコンサルタントのガジチオ氏は「ハイパーインフレが
政府を再び驚かすならば、大統領は固定為替、兌換制に戻る道を探し、経済相
を更迭する」と予想。

通貨基金、前提条件は県政府との合意と予算承認

ブラジルのカルドーゾ大統領、チリのラゴス大統領は通貨基金に対し、出
来るだけ早く融資を実行するように請願、側面から援助したが、基金のアン
ネ・クリューガー副総務は今までと同様の県政府との合意と本年度予算の成立
が融資の先決条件「現在のアルゼンチンには融資する条件にない」と回答であ
った。レニコフ経済相は「国際通貨基金との交渉は3週間から4週間を要し、
また、国会が本年度予算案を承認、中央政府が県政府との交付金交渉を締結し
た後になる」と述べた。

トデスカ副経済相は「合意成立したならば、直ちに予算審議、その承認を
得たなら、通貨基金との交渉が前進する」との見通し。

アルゼンチン政府、県政府との合意成立

 アルゼンチン政府と県政府との間の税収分配に関する合意が2月27日夜に成
立し、国際通貨基金IMFから要請された一要件が成立、残る要件は国会による
本年度予算案の承認となった。

 合意は県政府側の「徴税成績に関係なく、県への最低額交付を保障する」と
の条項を削除、代わりに最初は徴税額の20%であった交付金を30%へ引き上げ
ることで解決。また、「中央政府は県政府の債務を肩代わりし、16年間の期限
で融資するが、償却の約束履行として交付金の20%までを留置することができ
る」の線で合意が結ばれ、ドゥアルデ大統領は「合意は県知事諸君の愛国的態
度によるもの、政府は平静化へ向けて第一歩の踏み出しが可能となった」と宣
言。

大統領は県政府との合意成立の遅れ、国際機関と交渉の停滞、ブエノスア
イレス市民の『鍋叩き』から、政権の正当性に関する全有権者による信任投票
実施も考慮していたが、合意成立後は「来年12月まで大統領を続ける。政権の
正当性は全く議論の余地はない」とラジオにて語った。

県政府赤字、凍結解除と預金流出

ボナエレンセス研究センターによれば「県政府の財政状態は本年中に耐え
られなくなり、赤字は合計して93億ペソ、昨年の倍額.県政府の赤字原因は中
央政府からの協力金との名目による交付金縮小の結果である」と予想する。
2001年の県政府の徴税低下は10%、本年度は少なくとも更に8%の低下と見積
もられ、中央政府からの交付金減少も避けられない。

 カピタル基金の意見によれば「中銀の民間銀行への救済資金融資は給料引き
出しを解除した凍結緩和の結果である」という。アルゼンチンの銀行組織から
の預金流出は強く、2月に入ってから20日までの預金低下は22億ペソ、月間で
は前月より33%増の28億ペソに達すると見積もられる。ギャラップの調査で
は、預金者の35%は凍結が終わったならば、すべての預金を引き出し、現金に
て自宅に保管する」と答えている。なお、現在の外貨準備は137億ドル、流通
貨幣量は127億ペソ(60億ドル相当)、預金に対する強制積立金は39億ドル。
統計院Indecの工業生産指数は18%の低落を示している。

鍋叩きは日常行事、無策ならば軍部台頭の可能性

街頭では、毎週の月曜、水曜、金曜日にはブエノスアイレス中心部にて数
百人の市民が鍋を叩き、笛を鳴らして、政府へ抗議、また、多数の国民は預金
解放の訴訟に入り、今まで受け取った件数は6万件に達する。また、ラプラ
タ、キルメス、バイアブランカなどの都市ではスーパーを群集が包囲して、食
料品分配を要求、カンパナ市では食料品を積んだトラックが襲われる事件が発
生している。

 ドゥアルデ政権が危機収束に失敗した場合の軍部の台頭に関しての議論が新
聞に現れるようになった。『パジナ/12』紙は「国の政治経済状況を論じるた
めにブリンゾニ軍司令部長官が各界の代表と会談すべきであった」との記事を
掲載。同長官は「軍隊には国内治安に拘わる使命を有しておらず、そのための
動員も手段も訓練の行っていない」と発言した。
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■コロンビア、政府軍が都市制圧、ゲリラは誘拐作戦

政府軍、非武装地帯の都市制圧

 2月21日、革命軍Farcの支配する非武装地帯への空軍爆撃にて開始されたコ
ロンビア政府の総攻撃は翌22日、1.3万人から1.5万人の地上軍が4.2万平方
キロ(九州より広い)の非武装地帯へ侵攻し、主要都市およびサンビセンテ・
デル・カグアン軍事基地を制圧した。革命軍からの抵抗はほとんどなく、散発
的に機関銃が鳴る程度。革命軍側は軍事活動よりも、国内各地で主として送電
線、電話線、送ガス管を狙い、破壊活動を継続している。

 革命軍は同日「政府に対する38年の闘争を終焉させる和平交渉に応ずる用意
があり、我々の平和についての意思を示し、新コロンビア建設のために政治解
決を人民の手に委ねる」と発表した。右翼強硬派のウリベ大統領候補は「革命
軍が即時の休戦を約束するなら、交渉に応ずる」と述べ、自由党のセルパ候補
は先週も非武装地帯へ出向き、革命軍幹部と話し合ったように和平交渉には全
面的に賛成であった。

上院議員に次いで大統領候補が誘拐される

 しかし、ゲリラと思われる4人が2月20日に民間航空機をハイジャック、上
院の和平委員会のツルバイ委員長を誘拐、更に23日、大統領候補のイングリ
ド・ベタンコート女史を誘拐するに及び、情勢が一変した。

左翼ゲリラを強硬に批判していた元上院議員の女史は、革命軍Farcが占拠
していた都市を訪問中「同行のクララ選挙事務長と共に革命軍により誘拐され
た」と選挙事務所の報道官が発表した。女史はサンペル元大統領の汚職を非難
した本を出版、98年の上院議員選挙には15万票の最高点で当選したが、本年5
月の大統領選挙では1%の得票予想に留まっている。パストラーナ大統領は
「民主主義者が誘拐された」と激怒、政府は囚われている場所を突き止めた
が、女史の生命を気遣って手を出せない。25日、革命軍はベタンコート女史と
引き換えに捕虜釈放を申し出た。

隣国ブラジル、国境に軍隊2万人を配置

 コロンビアとブラジルの国境線はアマゾン本流のタバチンガから『犬の首』
地帯を経てベネズエラとの国境に至る1,644キロ、コロンビア内戦の波及を防
ぐため、ジャングル専用に訓練された軍隊2.2万人を配置、48時間以内に動員
できるように準備されており、麻薬取り締まりに関しては連邦警察83警部であ
ったのを更に100人追加した。
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メールマガジン: Brazil Today
著者(現地ブラジルで執筆): 大岩國男
編集: 大岩幹男
発行: Ana&Log(アナ・ログ翻訳事務所)
住所: 〒468-0034 愛知県名古屋市天白区久方一丁目149番地19-504
電話/ファックス: 052-804-5710
携帯: 090-8132-0810
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