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ブラジル・南米の政治経済ニュース。(アナ・ログ翻訳事務所提供)




Brazil Today

発行日: 2001/12/29

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Brazil Today                                              2001 / 12 / 31(32号)
日系企業ビジネスマンのための週刊誌           (毎週月曜日配信。無料購読)
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目次:
■復活した玩具業界、輸入・密輸品に勝利
■イタウ銀行、スダメリス銀行を購入、ブラデスコ銀行を超える
■シェル、サントス鉱区で有望油田を発見
■世界大豆市場、ブラジルにシェアを奪われつつある米国
■ムーディス、ブラジルの銀行格付けを引き上げ
■ブラジル、カシャッサに知的所有権
■ISO9002の品質保証付き超豪華モテル
■アルゼンチン、大統領交替し、モラトリアム宣言
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■復活した玩具業界、輸入・密輸品に勝利

本年度の玩具はブラジル製品

 2001年はブラジル玩具業界にとって報われた年、年間8%、年末売上が昨年
の12%増というこの5年間で最も好成績を示し、玩具製造協会Abrinqのコスタ
会長は「本年度は今までになかった最良の年、27週の150店の小売店からの情
報はいずれも店内は人で溢れ、レジは行列、駐車場は置き場に困る」と満足し
ており、5年前と比較して大差がある。96年には国産玩具はわずか38%のシェ
ア、残りの62%は輸入品と密輸品、それが現在は国産品80%,輸入および密輸品
20%と地位を逆転、更に地位を強固にするべく、来年度の業界投資計画は1.5
億レアルの予定である。

 2001年の玩具業界は売上10億レアル、品目数4600種、2.3億個の成績、会長
は「輸入税とレアル切り下げは大きな手助けになったが、国産玩具の品質が向
上し、世界の何処へ出しても恥ずかしくないようになったが、競争力という面
で,アジアとは太刀打ちできない。原因の一つはブラジルの税金の高さ、他は
主として中国、およびその他のアジア諸国における労賃の安さである」と語っ
た。なお、国内最大のエストレーラのシェアは37%、2001年度の成長は15%で
あった。

輸入品と密輸品の洪水に悩んだ業界

 90年から始まった市場開放によって最も悩んだ業界の一つが玩具業界であ
る。90年の玩具市場は4.36億ドル、輸入品2,200万ドル、密輸品600万ドルと
推定されるが、95年には国産品4.57億ドル、輸入品1.65億ドル、密輸品8.000
万ドルと輸入、密輸の急激な進出に悩まされる。この90〜95年の間に倒産また
は転業した会社は536社、特に輸入・密輸の急増した95年の売上は前年度に比
して24%減、在庫4億ドルを抱え、雇用者数は2.4万人が1.5万人へ減少、95
年8月、政府へ救済措置を申請した。しかし、このような窮地に陥ったのは業
界側にも責任があり「寡占状態に安穏として一般過程に手の出ない価格で市販
されていた」との減グ販売協会側の意見もあった。

政府の救済策と業界の反省

 この新制に基づき、政府が救済を決定したのが一年後の96年7月、玩具輸入
税の20%から70%への引き上げを行ったが,\条件は厳しく、税率引き上げは本
年末までとする。その代償に業者側の約束は5〜6%の値下げを行い、年末ま
で価格を保つ、2000年までに品質向上、生産性上昇、デザイン量化に3.35億ド
ルの投資、雇用増加1.2万人を確保するという業界の約束であった。

 ここで業界は「これまでの戦略は正しかったか。何故、中国製品に市場を荒
らされたか」を反省、大衆路線へ方向転換する。97年8月、コスタ会長は「業
界は危機を脱し、成長に向け再出発しつつある。この2年間,中国製玩具によ
り失われた市場は良き教訓となり、大衆向け玩具へ目を開かせた。96年には
3,000万人の子供は玩具を貰えなかったが、今ではその半数が玩具の消費者に
なった」と事情を説明した。

大衆化路線で消費者の開拓

 この大衆化路線は現在も継続中、98年の玩具平均価格はR$4.25、99年は
R$4.04、それから2年後の2001年はR$4.35にて、この間のインフレを考慮すれ
ば価格は下がり続けており、99年には200万人が新たに市場に入り、3,200万
人の子供が少なくとも一個の玩具を手にしたと区溶解の見積もりである。都牛
金額も増加し、97年1.12億ドル、以後も毎年1億ドル程度の投資を続けてい
る。
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■イタウ銀行、スダメリス銀行を購入、ブラデスコ銀行を超える

スダメリスがイタウに購入される

 イタウ銀行がスダメリス銀行を購入した。イタウは12月22日、イタリアで最
大の銀行バンカ・インテサIntesaBciが所有するバンク・スダメリス株式
99.975%の譲渡に関して買取交渉独占権の合意に達した。価格は16億ドルを超
えないといわれるが、交渉は2002年2月15日まで続けられる。

スダメリスの購入によってイタウは民間銀行の首位に立った。中銀の発表
した総資産による銀行番付によれば、1位は伯銀(総資産1,572億レアル、貸
付424億レアル、預金739億レアル)、2位は開発銀行BNDES(1,150、
340、85)、3位は連邦貯蓄金庫(994、189、674)と国立3銀行。第4位
以下が民間銀行となり、イタウ(990、299、324)、ブラデスコ(971、
381、407)、サンタンデル(637、125、153)、ウニバンコス(546、
205、171)。以下はABNアンロ、ボストン、シティの順である。支店数では
イタウ2398支店、ブラデスコ2570支店と後者が若干多い。

銀行購入で急速に発展したイタウ

 イタウの95年以降の銀行購入は95年7月にBFB(価格5.0億レアル、正味資
産4.7億レアル、総資産31.3億レアル、45支店)、97年6月にリオ州銀
(3.1、1.81、28.4、190)、98年9月にミナス州銀(5.0、2.38、32.4、
472)、2000年10月にパラナ州銀(16.2、5.3、71.3、370)、2000年12月に
ゴヤス州銀(6.6、2.0、13.6、161)、最後にスダメリス(16.0、12.3、
19.1、343)であり、合計すれば、6銀行(購入価格52.05億レアル、正味資
産28.47億レアル、総資産368.27億レアル、1,581支店)である。

イタウ銀行のセツバル会長は「スダメリスは規模も大きく、安定したイメ
ージを持ち、顧客も安定、技術面でも優れており、収益率も良い」とは語っ
た。ただし、スダメリスは98年に日系コロニアの南米銀行を購入、その後、11
億ドルを投入し、不良資産の整理に努めたが、収益率は年9.62%とまだ弱かっ
た。スタンダード&プアス格付け会社のミラノ駐在員は「スダメリスの売却は
焦点をヨーロッパと東欧へ移したのが原因」と分析。

5,000郵便局網で挽回のブラデスコ

エンジネイロス金融コンサルタントのコラディ社長は「ブラデスコとイタ
ウの差は縮小したが、追い越すのは容易ではなく、ブラデスコは5,000郵便局
を支店として利用する使用権の競売で勝利を得ている。なお、スダメリスの戦
略上の失敗は98年の南米銀行購入、債権評価を誤り、結局は11億ドルの資金を
注ぎ込むことになり、それまでの欧州企業を主体とする高収益体質を損ねてし
まった。この点、イタウは既にリオ州銀、ミナス州銀、ゴヤス州銀などの購入
を手掛けており、心配はない」と批評した。
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■シェル、サントス鉱区で有望油田を発見

 98年に行われた石油鉱区開発権譲渡による最初の有望油田の発見がシェルか
ら発表された。開発会社はシェル40%、ペトロブラス40%、テキサコ20%の会
社。油田はサントス海盆に属するBS−4、リオから東南へ200キロの地点、ロ
イヤリティを得る幸運の市はリオ州ニテロイとカーボフリオの中間のアラルア
ーナ市になる模様。油田の深度は1,557メートル、推定埋蔵量は3億から5億
バーレル、ブラジルで第6位程度の油田である。
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■世界大豆市場、ブラジルにシェアを奪われつつある米国

 世界最大の大豆生産国のアメリカは徐々にシェアを低下、替わってブラジル
が進出しつつある。99/2000年においてアメリカが輸出市場における地位は
57%、次いでブラジル24%、アルゼンチン9%であったが、2000/01年には米
国49%、ブラジル28%、アルゼンチン13%と南米勢が進出、本年01/02年の予
想は米46%、伯30%、亜15%の予想である。

 米国農務省USDAの調査による2001/02年の生産予想はアメリカ7,955万トン
(対前年増6.0%)、ブラジル4,150万トン(6.9%)、アルゼンチン2,875
万トン(5.7%)、中国は1,530万トンと世界第4位の生産国であるが、同時
に最大の消費国で約1,500万トンが不足する。大豆取引業者フィナツのイト氏
は「消費者であるヨーロッパ連合、中国その他のアジア諸国は遺伝子操作の大
豆を好まない。

しかし、アメリカ大豆の70%が遺伝子操作、アルゼンチン大豆は更に高い
比率、ブラジルは無操作しかも蛋白質含有率が高い。ここにブラジル大豆の将
来性がある」と説明、テトラス仲買のサイェグ氏も「狂牛病・口蹄病・遺伝子
操作の3点からブラジル大豆は世界に突出した存在となった」と述べた。大豆
王のブライロ・マジ氏は「現在、マットグロッソの土地の農産への利用はわず
か5%に過ぎないが、30%を農地へ利用できたら、7,000万トンの生産は容易
である」と語った。

他方、米国のモンサント社はバイア州カマサリに農薬工場を開設。製造す
るのは遺伝子操作大豆と組んだ除草薬ラウンドアップの原料グリフォサテ、投
資金額は総額5.5億ドル、従業員350人。この原料は現在、米国から1.5億ド
ル程度が輸入されており、製品の販売先として輸入代替、およびアルゼンチン
向け輸出に向けられる。なお、開所式にはACマガリャンエス元上院議長、ボル
ジェrス州知事が出席した。
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■ムーディス、ブラジルの銀行格付けを引き上げ

 国際信用格付け会社ムーディスMoody'sは12月18日、ブラジルの諸銀行の格
付け引き上げを発表。リストに含まれているのは伯銀、東北伯銀行、ブラデス
コとその支社、サフラとその支社、ボストン、ロイズ、バークレイス&ガリシ
ア、スダメリス、ボザノシモンセン、AGFブラセグ、CSFBガランチア、BBVの
各銀行がB1からBa2へ、ボトランチンがB1からBa3へ昇格した。
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■ブラジル、カシャッサに知的所有権

 ブラジル政府はカシャッサ(ピンガとも云われる蒸留酒)に知的所有権を設
定、12月26日付け官報において「カシャッサ、ブラジル、カシャッサ・ド・ブ
ラジルの語は製品の一般名称として使用可能であるが、商標として使用は厳
禁」と定め、また、農務省の事務総長は「カシャッサにレモン、砂糖を加えた
カイピリーニャはブラジル人の発明したものであり、これにも知的所有権を適
用する」と発表した。

 ブラジルは年間13億リットルのカシャッサを生産、2,570万リットルを米
国、ヨーロッパへ輸出、特にドイツへは900万リットルと多く、輸出促進庁
Apexではカシャッサ輸出増強に600万ドルを投資する予定。知的所有権の主張
はフランス、アルゼンチン、トリニダートトバゴなどでラム酒などにカシャッ
サの名を付けて販売している。しかし、同じ砂糖黍から製造されるが、全然別
種の飲み物、両者の混同を防ぎ、この名称をブラジル産のカシャッサのみに限
定するのが目的である。
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■ISO9002の品質保証付き超豪華モテル

 ISOというのは国際標準化機構、各国で不統一な工業規格を標準化し、国際
間の商取引を円滑化する目的を有する機間であり、本部はジュネーブにある。
この証明書を得た製品品質は保障されていることを意味する。サンパウロ市の
メトロもISO900Xの証明を有している筈。

 今度はサンパウロでISOによる品質保証のモテルが現れた。サンパウロから
サントスへのアンシェッタ街道の途中、サンベルナルド・ド・カンポ市のフラ
ンゴ&ポレンタへのアクセスにあるモテル・ルムーランは国際機間ISOから認
可されたデット・ノルスケ・ベリタスから2003年まで有効の品質証明書を得
た。

アパートは大小さまざま、最小のカリシアは40平方メートルの広さにて一
晩R$59、最高のルムーランは360平方メートル、シャワー、浴槽、サウナ、天
窓、ホームバー、ダンス場、食堂。ペチカは2ヶ所、プールには2つの滝から
温水が流れ込み、その側には寝台の一つが据えてあり、他に2ヶ所、その一つ
はファイバーグラスの特別照明が設置されており、宿泊料はR$366。

各アパートにはアンケート票が置いてあり、無記名で良いが、受付・料
理・食事・飲み物・清掃・整頓から機械設備の稼動状態などを書き込むように
なっている。経営者のシンジェル氏は「ISO以前には普通からやや良い程度が
ISO導入後は最高へ上がり、顧客が繰り返し利用するようになった。原価逓
減、労力節減にもなり、設備も以前は修理から予防点検が主体に変った。モテ
ルの総面積は3万平方メートル、現在の従業員は50人、営業は年間365日。こ
こで得た経験を所有する他のモテルにも生かしたい」と抱負を語った。
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■アルゼンチン、大統領交替し、モラトリアム宣言

来年3月までの大統領はサア氏と正義党決定

 12月20日のスーパー襲撃の波が全土に広がり、大統領宮前のマイオ広場の集
会で5人、全国で30人の死者が発生、警察の見積もりではスーパー打ち壊し、
略奪の参加者2万人、逮捕者2,000人という騒ぎに、デラルア大統領は辞表を
提出、内閣総辞職となった。

 21日、アルゼンチンの上下両院にて過半数を占める正義党(PJ、ペロン派)
の下院議員、上院議員、県知事がアドルフォ・ロドリゲス・サア氏、現サンル
イス県知事を2002年3月までの大統領に選び、また、任期2003年末までの大統
領直接選挙を3月3日に行うと満場一致で決定した。サア氏は54才、サンルイ
ス県知事を18年連続で勤めている経歴の持ち主。

銀行閉鎖は24日まで続き、営業再開はクリスマスの翌日となる。戒厳令が
一旦は全土にわたり解除されたが、ブエノスアイレス県のみは継続中。なお、
年間で最も売上げがあるクリスマス前の売上げ約6億ドルが騒動のために失わ
れ、内訳はスーパー3億ドル、ショッピング1億ドル、中小商店2億ドルと見
積もられる。

メネン派の異議でサア氏の就任、一日延期

 22日、正義党(ペロン派、PJ)により選ばれたサア氏が3月までの大統領へ
指名される予定であったのが、正義党内のメネン前大統領派が異議を唱え、こ
れに与党急進党UCR、中道左翼の連盟戦線Frepasoが同調して2003年までの任
期、3月の大統領直接選挙実施について再検討を要求し、19時に大統領に就任
する筈であったサア氏は国会出席を放棄して帰宅してしまった。

 現在の正義党には傑出した指導者が不在、11人の幹部による合議制で運営さ
れており、21日の会議では一応は3月選挙と決まったものの、新大統領選出手
続きが定義されておらず、ペロン派の議員・州知事は他政党により受諾されな
い条件下において政権を得ることが出来ないのを自覚させられた。

サア氏、大統領に就任、モラトリアム宣言

 12月23日、アルゼンチン国会は169票対138票にてアドルフォ・サア前サン
ルイス県知事を大統領に選出、直ちに就任した。新大統領の第一声は国際債権
者の手中にある国債約500億ドルに対するモラトリアム宣言「債権者への返済
に予定されていた資金を雇用造成、社会開発に振り向ける」と演説した。

 サア新大統領は「国会が検討し終えるまで少なくとも2ヶ月は外債返済を中
止し、以前に返済に予定されていた資金を間違いなく、例外無しに雇用造成と
社会開発に振り向ける。政府は平価切下げ、ドル化を行わず、すべての預金・
貸付をペソに切り替えるペソ化も行わない。通貨として、現在あるパタコンま
たはレコップのような擬似通貨アルゼンチノを発行し、流通しているパタコ
ン、レコップを回収、また、給料を含む政府支払に当てる」と述べた。

単純な平価切下げを避け、中間段階を設定

 単純な平価切下げを実行すれば、多くの家計、企業が破産する事態、ドル化
による国内通貨の喪失、すべての預金・貸付をペソに切り替えるペソ化による
社会経済的な混乱を避け、社会緊張に一息の余裕を与えようとするもの。ただ
し、次ぎに占める理由により、この魔術的手法は短期的なもので永続しない。
即ち(1)大量の通貨発行はインフレ激化をもたらせる。(2)モラトリアム
宣言によって少なくとも一年間は国際金融組織から見放された状態となり、債
務支払へ戻るには何らかの解決策を必要とする。(3)ペソとドルとの一対一
交換を維持する兌換制はアルゼンチン輸出を困難にしたが、輸出ドルの流入な
しでは、事態は更に悪化する。(4)徴税成績は経済成長があれば増加、通貨
基金の要求する財政収支黒字を維持するのは他の条件よりも困難性が少ない。

雇用造成、最低給料引き上げ、省を削減

 発表された政府の金融・通貨面以外の政策は(1)政府は外債返済に当てる
筈であった資金を利用して100万人の雇用を造成、また、貧困階級へ食糧分配
を行う。(2)公務員給料最高額を大統領給料3,000ペソとする法案を国会へ
上程する。(3)最低給料を現行の200ペソから民間450ペソ、公務員550ペ
ソとする。(4)中央政府の所有する自動車および航空機を売却、大統領は州
政府、市役所もこれに準ずるように希望した。(5)省数を3省減少し、9省
とする。経済省は財政国税局となり、外務省と国防省が合併、保健教育社会福
祉省は業務を県政府へ移管し、局となる。

再燃した米国金融政策と通貨基金への批判

 或る国際金融機間の高官は「外債再交渉に続くモラトリアムは米国財務局に
おいて既に不可避かつ必要なものとして認識されていた。外債返済の資金を社
会面へ振り向けるとの話は国内向けには通用しても、国外向けには通用しない
政策でその資金がある筈はない。アルゼンチン危機に関して米国政府は通貨基
金と同様にある程度の距離を置いて接し、今後も米国はアルゼンチンを支持す
る、だが、挑戦に歩を進めるのはアルゼンチンである」と語った。

 今回のアルゼンチンの問題によって通貨基金の有効性と米国政府、クリント
ン政権およびブッシュ政権の金融政策に対する批判が高まっている。一方で
は、12月初めにアルゼンチンは融資承認を元に厳格な措置の実行を計画して来
たにもかかわらず、融資実行を拒否し、現在の状況へ追い込んだ基金の不感症
性を咎める声が挙がり、他方ではアルゼンチンの経済政策が機能していないの
を知りながら、融資を繰り返して、危機の解決を引き延ばしただけに過ぎなか
ったとの批判である。フランスのベドリネ外相は「基金は昔からの重荷であっ
たアルゼンチンに誤った時期に過重な要求を課し、結局は見捨てた。それ故、
アルゼンチンの経済再建に充分な協力を与えることを要請する。また、オニー
ル米国財務長官もためらい、アルゼンチンの金融政策の誤りを知りながらも、
8月に数十億ドルの融資を支持した」と批判した。

危機からの脱出策を模索中

 アルゼンチン新政府は12月24日午後、モラトリアム宣言に陥った経済の方針
を決定するため、第一回の閣僚会議を開いた。主題は行き詰まった固定為替制
度から如何に犠牲少なく脱出するかであるが、新しい経済を担当するフリジェ
リ財務局長も「新通貨、仮称アルゼンチノは兌換制から逃れる試みの一つであ
るに過ぎない」と認めたに過ぎず、カントリーリスクは5,000を突破、26日の
銀行再開は厳しい状態に置かれている。

 国庫から発行される新通貨『アルゼンチノ』は流通強制力を有し、すべての
債務、サービス支払に使用される予定で今週中に法案が国会へ上程される。新
通貨はブエノスアイレス県の債務証券パタコン、あるいは、連邦政府が県政府
への支払に使用するレコップと同性格のものと予想されるが、異なる点はパタ
コン・レコップが徴税を基礎に発行されるのに対し、新通貨は国家に対する信
用を基礎に発行される点であり、ドルに対して変動、これを基準として為替変
動制へ移行、将来はペソを消滅させる狙いがある。

未知の通貨アルゼンチノ

 クリスマス前に噂された措置の一つは「半凍結状態にある銀行預金を解除
し、新通貨で無制限に受け取れる」と云われた。新通貨発行をサア新大統領に
示唆したカピタル基金では「新通貨発行は『赤字ゼロ』措置により補完される
こと、一時的な応急措置であること、30億ドルから40億ドルを限度とすること
が付帯条件、発行は充分に規制された中銀以外の連邦機関により行われなけれ
ばならない」といわれる。

 ブエノスアイレス県立銀行のエレル社長は、24日、サア大統領と会談後「新
通貨はペソ/ドルの交換率を維持しながら、兌換制を廃止する一手段で有り得
る」との意見であった。エコノミストのメルコニアン氏は「新通貨の発行が大
きく、ペソ/ドルに対して価値を失うのであれば、新通貨を受け取るものが居
なくなるが、現在の処、すべて未知の世界であり、何時まで3種の通貨が共存
のか。中銀にある外貨準備は130億ドル以下になっており、サア政権が為替お
よび通貨制度の根本的改革を志向しているとは思えない。これには少なくとも
4年が必要、3ヶ月では無理」と語った。

地元金融機間・年金基金には債務返済

 12月26日、フリジェリ・アルゼンチン財務局長は「返済停止は国際債権者に
対して適用し、国内債権者はモラトリアムに含まれない」と発表した。政府は
28日に地元銀行および年金基金へ5億ドルの支払がある。財務局長は「アルゼ
ンチン政府は本年の中頃から海外の金融機関から資金を調達できず、唯一の資
金提供者は地元の銀行・年金基金であった」と述べた。5億ドル返済後の地元
機関との未解決点は4月以降の毎月利子支払の実行のみ。

 外債に関して、財務局長は「債務支払は実行するが、現在は社会危機への応
対が優先、支払わないのではなく、支払う方法がないことを外国の債権者は知
っている」と語った。国際債権者との交渉には83年からの担当者、カバージョ
元経済相の補佐、破局の一週間前に辞任したマルクス前副経済相が有望、他の
候補者は通貨基金との交渉ミッションを努めたベルネット氏。欧州との交渉は
元副大統領、元ブエノスアイレス県知事のヅアルデ上院議員が予定されてい
る。

小切手交換は再開、銀行開店は2日から

 アルゼンチン中銀は26日も銀行閉鎖を続けると決定した。ブエノスアイレス
では銀行休日はサア大統領が国会から第三通貨発行の承認を得る1月2日まで
続くとの噂が流れている。商店は開店したが不安な状況に対処して約20%値上
げ、食料品、飲料は売上げが10%から15%伸びたが、商品で売れているのは2
ドルから10ドルの商品のみ、他の商品の売上げは半分に下がった。

 財務局長は通貨金融問題に言及「為替市場閉鎖は1月2日まで続ける。理由
は外貨準備純残高が33億ドルしかないため。銀行は税金徴収以外に給料および
年金支払のみを行う。数週間後には銀行預金凍結は解除され、全額引出しが可
能となるが、引出しは第3の通貨『アルゼンチノ』であり、現在の通貨不足、
経済回復を目的として発行されるが、発行高は厳重に制限される」と語った。

 銀行の小切手交換は27日から再開され、これによって国民の新体制への信頼
は高まる。ただし、定期預金は凍結を継続、為替取引は2日からである。勘定
振替は同一通貨間、またはドルからペソへは可能である。だが、ペソからドル
へ禁止する。銀行は給料と年金支払、税および公共サービス料金の徴収を行
う。また、政府は26日、『流動基金』制度を創設した。これはブラジルの強制
積立金に相当するもので、銀行はペソおよびドル預金の月平均残高の5%を中
銀へ積み立てる。この積立率は50%まで追加することも可能。
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メールマガジン: Brazil Today 
著者(現地ブラジルで執筆): 大岩國男
編集: 大岩幹男
発行: Ana&Log(アナ・ログ翻訳事務所)
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