トップ > ニュース&情報 > 国際情勢 > Brazil Today

ブラジル・南米の政治経済ニュース。(アナ・ログ翻訳事務所提供)




Brazil Today

発行日: 2001/11/10

━━■ P R ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Ana&Log(アナ・ログ翻訳事務所) -  ポルトガル語を専門に翻訳・通訳サー
ビスを提供しています。 一般ビジネス文書、会社案内、契約書、技術仕様
書、営業報告、調査報告、委任状に至るまで、是非、貴社のビジネス拡大のお
手伝いをさせていただきたいと願っています。また一 般の方からもご注文を
請け賜っており、どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。 ※ポルトガル語を公
用語とする国は多数ありますが、取り扱っているのはブラジルで使用されてい
る言語です。  http://www.ana-log.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

Brazil Today                                              2001 / 11 / 12(25号)
日系企業ビジネスマンのための週刊誌           (毎週月曜日配信。無料購読)
-----------------------------------------------------------------------------

目次:
■世界貿易機関会議、不満を持つ途上国
■ショッピング、年末の好況を期待
■株式会社法、17条項否認で裁可される
■バーレと三井、ケベックを手放す必要あり
■ポン・デ・アスーカル、リオのスーパー網を購入
■トランスブラジル航空、整備規定違反機を運行
■アグラーレ、ヤンマーのトラクター生産ラインを購入
■コーヒー輸出、久しぶりにシェア回復
■アルゼンチン問題、経済措置の反響と県知事合意
-----------------------------------------------------------------------------

■世界貿易機関会議、不満を持つ途上国

テロより怖い反対デモを避けてドーハにて

11月8日から5日間、世界142カ国の通商を担当する大臣達がカタールの
首都ドーハに集まり、世界貿易機関WTOの第4回会議が開催される。この都市
はアフガニスタンから1,600キロしか離れておらず、テロと戦争の危険に近い
が、機関の伝統的な敵である街頭のグローバル化反対デモの危険からは遠い。
2年前の米国シアトルでの反対デモに懲りたモア総務理事は、テロよりもデモ
の恐れのない場所を探してドーハと決定、この国はペルシャ湾沿岸国以外の国
民はすべてビザなしでは入国できず、しかも、ホテルが少ないのでデモ参加の
人達には泊まるホテルがないと云われる。

依然として先進国中心に苦々しく思う途上国

この会議から新しい通商ラウンドが開始されると云われているが、依然と
して参加国間の意見の隔たりが多く、ヨーロッパ連合と途上国は提案の採用さ
れないのを苦々しく思い、抗議している。会議に上程された日程表には全世界
の要請に応じ、同意を得るために曖昧な表現が多いが、ブラジルに住む者にと
っては肝心の議題がほとんど見当たらない。

機関のハービンソン理事長は国際経済における投資および通商規定交渉に
対するインド、マレーシア、パキスタン、エジプトなどの途上国の抵抗を勘定
に入れておらず。機関の宣言原稿はアメリカの主張を80%、ヨーロッパの言い
分を60%盛り込んだが、他の諸国の望むところはわずか15%しか含まれている
に過ぎない。

途上国の重要問題は先送りの模様

 例えば、反ダンピング問題はブラジルにとって優先事項、だが、新ラウンド
の中に含まれているものの、結論が出るまでに少なくとも5年後、農業問題に
関して自由化を議論するのは最終段階という慎重さで「ドーハで悪化を避ける
ため」が主眼と思われる状態である。ヨーロッパ連合もまた不満を感じ「テキ
ストはアメリカのもの」という印象を受け、その主張したい環境、競争、投
資、社会規定などの要請が除外されている。

知的所有権に関してはブラジル、インドなどの要請する公共保健に関する
知的所有権免除を認めず、議題に取り上げられなかったにもかかわらず、テロ
事件後に発生した炭疽病に対してドイツに規定より遥かに安価なパテント料金
で契約した。「この種のダブルスタンダードはドーハ会議に影響するであろ
う」とは某国の交渉担当者の意見である。

主目的は景気回復に新ラウンドの発足

 今回の会議の主目的は新ラウンドの発足「世界の主要経済は強い停滞と不況
に直面しており、これを避けるために多角通商交渉の新ラウンドを発足させ、
国際金融市場へ有利な要素を導入、如何なることがあろうとも、前回のように
異議続出で、金融市場にマイナスの回答となる事態は避けたい」と米国通商局
USTrのゾエリック局長は語った。

 会議出席国、特に途上国には甘いアメを見せるのが一番の薬とばかり、10月
31日、世銀IBRDは「貿易障壁が消滅すれば、2015年までに世界の所得は2,800
億ドル成長し、3.2億人が貧困から脱却する」との報告書を発表した。

前ラウンドの轍を踏まぬとブラジル

だが、これは94年に終ったウルグアイラウンドの発足に際して聞いたのと
異口同音、結局は逆に貧富の格差増大を招く結果となった。ブラジルはウルグ
アイラウンドにて定めた規定の再検討または柔軟性を説く絶好の機会、後刻に
発見して国家経済へ損害をもたらせた過失を繰り返さないように会議へ臨む。
ブラジル側は「最初に富裕国の農産物市場の関税率を低下、市場を開放し、ま
た、補助金付き輸出を禁じて第三国市場にての競争に参加させない」と主張す
る。

(1)農産物
 ブラジルおよび他の途上国が宣言草稿として作成した文書では「輸出に対す
るすべての形式を採る補助金の段階的廃止、および市場へのアクセスの実質的
改善、即ち、通商を妨げる国内措置を減少させ、関税を引き下げる」、これら
に対し、最も反対するのはヨーロッパ連合で「通商以外の憂慮、環境保全、家
畜厚生など農村を守る必要」を説く。これを支持する国は日本、韓国、スイ
ス、ノルウェイなど。

(2)パテント
 ブラジルを含む途上国51ヶ国の主張は「知的所有権Trips合意は通商におい
て公共保健防御を損ねるべきではない。ブラジルは公共保健が危機に陥った場
合、必要ならば、合意よりも公共保健を優位に置きたい」、これに対し、米国
は日本、スイス、カナダと共に「知的所有権はエイズのように、その都度、柔
軟的に合意に基づき公共保健に対処する」という。

(3)反ダンピング
 ブラジルは日本および大部分の途上国に支持を得て「反ダンピング措置に関
する世界貿易機関の規定、原価またはそれ以下で輸入される製品に対する明白
な解釈または定義を求め、ダンピングを保護主義の隠れ蓑とするアメリカの態
度を咎める。

 以上の3点がブラジルの主たる主張。以下の3点は従属的な主張。(1)投
資に関して、ヨーロッパ連合はWTOにおける規則の交渉、2003年までの準備期
間、その後の交渉を説き、ブラジルは距離を隔てている。(2)通商と環境に
関して、ヨーロッパ連合は特定の問題を調査、次回会議までに報告書提出を主
張するが、連合以外のブラジルを含む大部分が反対意見。(3)前回の合意に
対する再検討。ブラジルは繊維問題以外にウルグアイラウンドに規定した規則
の柔軟性を要求、途上国は前回に合意されたにもかかわらず履行されなかった
問題を取り上げたいが、先進国はこれに反対である。
-----------------------------------------------------------------------------

■ショッピング、年末の好況を期待
(※ショッピング=ショッピング・モール)

 ショッピングは不良貸付も減少、店舗空席も余り多くなく、本年度の年末売
上は昨年よりも35%増を期待して大張り切りである。本年の消費者はドル高と
テロ事件によって旅行を取り止め、国内で消費する傾向が強く、治安に問題の
ある商店街を避けて閉鎖された安全なショッピングというのが業界の見通しで
ある。

月賦滞納率低下、空室ほとんどなし

 グループ・プラザのショッピング網の30日以上月賦滞納率は昨年の7%から
本年は5%へ下がっており、ショッピング・イビラプエラでも昨年7%が本年
6%。周辺地帯では8%だが、昨年より低く、店舗協会Alshopも2%の減少を
確認している。空室は昨年の昨年平均15室、それが本年はプラザ網では7室、
イグアテミ、イビラプエラでは空室なしの状態。「危機はショッピング内の店
舗まで届かない」と強気である。

ブラジル人の嗜好に合ったショッピング

 現在、ブラジルのショッピング数は215ヶ所、80年には8ヶ所に過ぎなかっ
たのが、90年には56ヶ所、95年113ヶ所と5年毎に倍増、ただし、今後は増加
率が鈍り、2005年は239ヶ所とショッピング協会Abrasceは予測する。最も多
いのはサンパウロ州で91ヶ所、次いでリオ州37ヶ所、ミナスと南リオグランデ
の両州が19ヶ所づつ。住民当りのショッピング店舗面積はアメリカ0.54平方メ
ートル、日本3.6平方メートル、ドイツ10.3平方メートルに対し、ブラジルは
33平方メートルと広く、よほど、嗜好に適合した商業形態といえる。

テロ時代に平和を祝福できるブラジルの家庭

 ファルゾニ協会会長は「節電のために開店時間が11時となり、5月から7月
にかけて金利が上がり、滞納率も10%に達し、悪くなると予想したが、8月か
ら好転」と述べ、あるショッピングの専務は「アルゼンチンの経済危機、ニュ
ーヨークのテロ事件によって昨年の5%減程度の売上減を覚悟、だが、疫病神
を振り払うように消費者は買い物し、今年のクリスマスの贈り物は例年より質
が向上、テロと戦争から遠いブラジル国内の家族に平和のメッセージを伝える
であろう」と語った。
-----------------------------------------------------------------------------

■株式会社法、17条項否認で裁可される

 9月19日に国会を通過した株式会社法が10月31日にマシエル副大統領により
17条項の削除と共に裁可され、2002年3月1日から実施される。株式会社法の
一部に拒否権が発動されるとは予想されていたが「17条項に及ぶとは誰もが考
慮していなかった。だが、新株式会社法裁可によって、ブラジルの資本市場は
強化され、拡大する」というのが識者の意見。新会社法は少数株主保護を厚く
し、証券取引委員会CVMの立場を強化、会社経理状態の透明度を高めている。

 法案起草者のカパス下院議員(PPS−サンパウロ州)は「多数の削除に驚い
た。第161条第5項の「監査役会構成」、第115条「利害衝突に際して決議の
ための総会召集」の削除に抗議する。これらは少数株主保護の概念を拡張した
革新的な条項」と嘆いた。

 削除された条項の一つが第141条第9項「経営審議会のメンバー指名は経済
防衛審議会CADEが自由競争に対する危険を内包していると判断した場合は取消
されることも有り得る」との条項、削除は「私企業に対する国家権力の干渉で
あり、経営最高機関の権力に不確実性をもたらせ、会社の戦略を損ねる」との
理由である。

 また、第143条「2名またはそれ以上から構成される取締役会のメンバーは
経営審議会、もし存在しない場合は株主総会により、本法第141条規定に基づ
き、何時でも選出され、解任される」の削除についての理由は「本条は奇妙な
状態を会社にもたらせ、特に非上場会社へ損害をもたらせる恐れがある。」

 第115条は5項以下10項までが削除。内容は「株主は会社の利益に応じて投
票権を行使すべきであり、会社または他の株主へ損害を与える目的で投票権を
駆使してはならない」。これに対し、上場会社協会Abrascaのプロジェル理事
は「気が付かなかったが、この削除歓迎する」と批評した。また、資本市場ア
ナリスト協会Abamecのカザグランデネット会長は「第146条の経営審議会メン
バーの2/3は国内居住者であることを削除したのは良かった。現在はブローバ
ル化の視点が重要」と述べた。
-----------------------------------------------------------------------------

■バーレと三井、ケベックを手放す必要あり

 カエミ鉱山を手中に入れたバーレ・ド・リオドッセと三井はカナダのケベッ
ク・カルチエル鉱山QCMを1年間以内に手放す必要に迫られる。QCMはペレタ
イジング(粉末鉄鉱)年間1,600万トン、顧客はアメリカとヨーロッパ連合、
共同出資者はカナダの製鉄会社ドファスコの会社。売却の要求はヨーロッパ連
合委員会によるバーレ・三井のカエミ取得承認の条件、もし、バーレ・三井が
QCMを維持した場合はヨーロッパ鉄鉱輸入の50%以上を支配するのがその理由
である。

 カエミ取得に関して今までヨーロッパ連合の決定待ちであったバーレのアグ
ネリ社長はヨーロッパ連合の青信号に対して「これが我々の待っていた最後の
回答、鉄鉱世界市場における地位が確定した」と喜んだ。バーレは近日中に
3.32億ドルをカエミに支払い、次段階は普通株および優先株の持分をバーレと
三井にて50%づつとする。

 ヨーロッパ連合の説明書には「世界鉄鉱業界はバーレ・三井・カエミとオー
ストラリアの2社、リオチントおよびBHPの3グループに減少、鉄鉱供給会社
の巨大化を憂慮する。QCMの売却はヨーロッパのおける競争維持の基本要件で
あり、バーレ・三井・カエミの超有利性を薄らげる」と記載されていた。
-----------------------------------------------------------------------------

■ポン・デ・アスーカル、リオのスーパー網を購入

 ポン・デ・アスーカルはリオのABCスーパーを購入と11月6日に発表した。
この会社はGP投資基金により管理されていたもので、リオ州に26店舗、全国14
番目、昨年度売上3.23億レアルのスーパー網、購入価格は1.7億レアルと推定
される。

 スーパー協会Abrasの資料によれば2000年の売上はポン・デ・アスーカル
95.5億レアル、カレフール95.2億レアル、首位確保のための格差拡大がポン・
デ・アスーカルの戦略、この購入でリオ州に46店、カレフールの50店に対抗で
きる
-----------------------------------------------------------------------------

■トランスブラジル航空、整備規定違反機を運行

 11月1日夜、ブラジリア市からリオ空港に到着したトランスブラジルのボー
イング737−3007のエンジンが過熱、整備工場にて厳重なチェックアップを行
うことになった。

 トランスブラジルは10月末から航空管理局AAAの整備規定に沿った整備を実
施せずに民間航空局DACの例外許可によって運行していたのが判明。航空管理
局の補佐官は「GEの子会社であるGEエアクラフトエンジンがエンジン整備の必
要なしと保障したので運行を認めた」と説明、GEの代表は「この保障は我が社
が常に履行している規定外であるが、これが極めて厳重なため、米国連邦政府
により近日中に改正される予定である」と語った。なお、民間航空局はトラン
スブラジルの就航機不足を考慮して、エンジン過熱のあったボーイング767−
200の完全再点検なしの運行を認め、10月25日から就航している。

同社の所有機は8機だが、運行中の航空機は5機のみ、このチェックアッ
プで一週間、更に20%の運行能力が失われる。米国のアブマン航空コンサルタ
ントのボス社長は「トランスブラジルは航空機整備の資金に困っているように
思える」と批評した。
-----------------------------------------------------------------------------

■アグラーレ、ヤンマーのトラクター生産ラインを購入

 南リオグランデ州のアグラーレの持ち株会社パルチシパレは日本のヤンマー
ディーゼルからブラジルヤンマーのトラクターおよび耕運機生産ラインのヤン
マー・インダイアツーバ社を購入した。ただし、ディーゼルエンジン生産部
門、補修部品、および鋳造部門のフンディツーバは今まで通り、日本資本とし
て継続する。この購入によって、アグラーレは55馬力の小型トラクター部門を
強化し、本年度売上2.3億レアルに対し来年度は20%増の目標を狙う。
-----------------------------------------------------------------------------

■コーヒー輸出、久しぶりにシェア回復

 ブラジルは2000年のコーヒー輸出激減の痛手から2001年は回復し、本年9月
は44.5%増の241万俵を1月から8月までに輸出、第二位のベトナムは0.5%
増加の80万トンに留まった。10月から始まり9月に終る2000/01コーヒー農年
度の成績はブラジル輸出2,167万俵(シェア24.4%)、ベトナム1,431万俵
(16.1%)、コロンビア903万俵(10.2%)。なお、ブラジルコーヒーの主な
仕向け先はドイツ18.5%、アメリカ11.8%、イタリア10.7%、日本7.9%の
順。
-----------------------------------------------------------------------------

■アルゼンチン問題、経済措置の反響と県知事合意

アルゼンチン経済措置に対する市場の意見

 11月2日、アルゼンチン債務交換措置に対する市場は不興と期待の混ざった
反応を示し、ブエノスアイレス証券市場は2.84%安、カントリーリスクは前日
2295から一時は最高記録95年3月の2456を超える2505に達したが、午後はやや
下がり2441で締めた。国内銀行間利子は週初めの29日25%が2日には240%へ
急上昇。

 アルゼンチン政府が再構築したい債務はすべての内債・外債で総額1,320億
ドル、現在の平均金利は年11%、これを最高7%に抑える政府の意図が債権者
に受け入れられるか否か。新債務は税収の一部を保証に当てられており、受諾
されたならば来年の金融費支出は40億ドルの節約となる。最初の交渉は内債か
ら始まり、その後、国際通貨基金IMFの承認を得て外債交渉に移る。再構築さ
れれば2年間は利子据え置き。正義党PJも与党内野党のアルフォンシン派も債
務再構築には賛成。労組側では、総同盟CGT公式派は賛成、脱退派は反対であ
る。

 ウォール街のアナリスト達の意見は疑問視する者が多く、BCP証券のモラノ
常務は「新措置はアルゼンチンを破滅の淵へ追い遣る。通貨基金が12億ドル融
資先行を拒絶したのは政府スタッフの能力不足を表す」と批評、また、UBSワ
ーブルグのガバン常務は「財政赤字ゼロ実現方法が不在、同時に再構築交渉の
具体策もない」。ヨーロッパ金融市場でも「措置は混迷かつ不完全」、また
「すでにデフォルト状態」との意見もあり、リスク格付け会社フィッチのフォ
ックス常務は「アルゼンチンにとり良策とは思えない」と語った。

県知事との合意に賭けるアルゼンチン経済

 アルゼンチン中央政府と県政府の交渉が再開される。県知事達は11月5日の
朝、ブエノスアイレスへ到着、最後通牒の5日深夜まで期限一日の延期を認め
て交渉中。市場にとっては経済政策措置と国債再構築に対する県知事側の支持
承諾は不可欠の要素であり、デラルア大統領訪米の8日までにすべてを片付け
なければならない。なお、国債交換の条件は6日発表の予定である。

 県政府側は国会議員を待機させ、言い分が通らなければ、金融取引税の県政
府への分配に投票させるように準備中。中央政府としてはこの税収なしでは国
際通貨基金IMFが要求する「赤字ゼロ」の達成は不可能である。他の戦略は5
月に実行された国債の転がし取引についてカバージョ経済相不正行為への疑惑
調査と経済相の超権力の延期問題である。

県政府債年利と交付金問題

中央と県政府の不合意、未解決の中心点は県政府の銀行に対する債務の利
率が果たして7%以下に下がるか否かであり、中央政府側は今までの経緯から
して利率を決定するのは困難と確信。他の問題点は政府の県への交付金月13.6
億ドルの件、「赤字ゼロ」プランの実施された7月以来、政府は県に対して
10.2億ドルの債務を負っており、これを支払えば、均衡財政の目標達成は不可
能と主張。赤字を逆転させる最善の要素は税収の増加、予定では第4四半期収
入を昨年同期の1.8%増と見込んでいたが、期待から程遠く最低8%の低下に
終ると予想される。

銀行預金無流出なら成功とシティ

シティグループのアルゼンチン代表、ブロダ氏は「県政府との合意は本年
度第4四半期と来年度予算の「赤字ゼロ」プランの最低政治条件。もし、銀行
預金の流出がなければプランは成功する可能性もある。疑問なのはカバージョ
経済相の主張する来年の利子節約40億ドル、最大限16億ドル程度と思われる」
と語った。

格付け会社、措置をデフォルトと判定

 格付け会社フィッチは11月6日、アルゼンチンの発表した国債再構築措置、
金利11%から7%への引き下げと元金支払据え置き3年をデフォルト宣言と判
定し、格付けをCCからデフォルトのCへ引き下げた。カバージョ・アルゼンチ
ン経済相は「国債交換は任意」と主張するが、フィッチは「条件は投資家に損
害をもたらし、これはデフォルトである」と断定、また、スタンダード&プア
ーズも同様の結論でDに引き下げた。ムーディスはアルゼンチンの格付けを下
げていないが「国債再構築は債務不払の様相を示している」と宣言。しかし、
デラルア大統領と話し合いしたボストン銀行、リオ銀行、イポテカリオ銀行の
幹部は国債再構築を楽観視、好意的な発言を行った。

アルゼンチン政府、県知事との合意成立と発表

 アルゼンチンのコロンボ官房長官は11月7日、2週間にわたり続けられた政
府と県知事との交渉に関して「合意が成立した」と笑顔をたたえて発表した。
この報は直ちに市場へ反映、ブエノスアイレス証券市場は2.7%高、カントリ
ーリスクは2363から2327へ下がり、ブラジルでもサンパウロ証券市場1.61%
高、ドルは1.84%の低下となって現れた。

 県政府との合意は国債金融機関から要求された融資条件の焦点、これで、8
日にアメリカへ援助を求めに出発するデラルア大統領もブッシュ米国大統領か
ら咎められずに会見でき、国際通貨基金IMFに対する12月解禁予定の12億ドル
融資の先行、国債再構築に必要な30億ドルの新規申請も可能となる。

 だが、与党急進党UCRの副党首、チャコ県のロサス知事は「合意はほとんど
成立したに過ぎない。県知事会議には大多数を占める野党正義党PJの知事は出
席しておらず、大統領訪米以前に締結を発表する必要があった」という。7日
午後、与党県知事は政府の提案「債務返済を現金40%、残り60%を債務証券レ
コプで支払う」のをほとんど受諾したが、野党は「レコプの割合が多過ぎる」
と承諾せず、また、金融取引税の県政府移管法の国会投票を攻守の材料に使用
している。

正義党、政府提案を支持せずと声明

 政府の発表と逆に、正義党は「政府の提案を承諾せず」と発表した。デラル
ア大統領が得た県知事の支持は与党急進党UCRおよびネウケン県の県民運動
党、および連盟戦線Frepasoのブエノスアイレス市長に留まり、全国23県中、
ブエノスアイレス県を始めとする正義党(PJ、ペロン派)の14県知事の支持は
得られず、デラルア大統領、カバージョ経済相は借款交渉にて訪米中である
が、国内で過半数の県知事支持を得ていないのであれば、交渉は不成功に終る
と予想される。
-----------------------------------------------------------------------------
メールマガジン: Brazil Today 
著者: 大岩國男
編集: 大岩幹男
発行: Ana&Log(アナ・ログ翻訳事務所)
住所: 〒468-0034 愛知県名古屋市天白区久方一丁目149番地19-504
電話/ファックス: 052-804-5710
携帯: 090-8132-0810
メール: mailto:portuguese@ana-log.com
サイト: http://www.ana-log.com

 
このメルマガの読者になる
規約 
>> メルマ!の会報誌もお届けします

ブックマーク: はてなブックマークに追加del.icio.usに追加Buzzurlにブックマークニフティクリップに追加ライブドアクリップに追加Yahoo!ブックマークに登録My Yahoo!に追加Add to GoogleRSS

このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます

Japan on the Globe 国際派日本人養成講座
日本に元気と良識を。歴史・文化・政治・外交など、多方面の教養を毎週一話完結型でお届けします。3万4千部突破!
JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイル
政治・経済・外交・社会・文化などの分野において「元気な日本」を作るためのオピニオン誌です。
週刊アカシックレコード
02年W杯サッカー韓国戦の「誤審」を世界で唯一「前日」に誌上予測し、誤審報道を「常識化」した推理作家(金正日の「遺書」で始まる「中朝戦争」後の北朝鮮...
宮崎正弘の国際ニュース・早読み
 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析
BRASIL NEWS
ブラジルのサンパウロにある日本語新聞「ニッケイ新聞」が毎週一回、無料で配信する。ブラジルをより正確に理解してもらうために、現地新聞雑誌の翻訳記事とと...


この記事へのコメント


コメントを書く
コメントはありません。

おすすめキャンペーン

■三菱東京UFJ銀行系 モビット■
【1】ネットで自動審査・来店不要!
【2】限度額300万円
【3】年利9.8%-18.0%(実質年率)

急な出費にモビット!

発行者プロフィール

ペンネーム :


このメルマガの読者になる

規約に同意する



このメルマガの最近の記事


このメルマガの最近のコメント


注目情報


新着記事トピックス