| >> 記事トピックス一覧 |
Brazil Today
発行日: 2001/10/7━━■ P R ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Ana&Log(アナ・ログ翻訳事務所) - ポルトガル語を専門に翻訳・通訳サー
ビスを提供しています。 一般ビジネス文書、会社案内、契約書、技術仕様
書、営業報告、調査報告、委任状に至るまで、是非、貴社のビジネス拡大のお
手伝いをさせていただきたいと願っています。また一 般の方からもご注文を
請け賜っており、どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。 ※ポルトガル語を公
用語とする国は多数ありますが、取り扱っているのはブラジルで使用されてい
る言語です。 http://www.ana-log.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
Brazil Today 2001 / 10 / 8(20号)
日系企業ビジネスマンのための週刊誌 (毎週月曜日配信。無料購読)
-----------------------------------------------------------------------------
目次:
■テロ以後の情勢、中南米への投資は大幅減
■エンブラエル社、人員整理1,800人を発表
■バリグ航空、13機返却、1,750人を整理
■政府、航空会社のテロ損害を補償
■バーレ・ド・リオドッセ社、MBRへ共同出資
■日伯通商の再開、11月に大型ミッションが東京へ
■アルゼンチン、税収14%減にて政府は更に苦境
■アメリカとの通商協定を望むウルグアイ
■パラグアイ経済の障害は旧態依然の政治体制
-----------------------------------------------------------------------------
■テロ以後の情勢、中南米への投資は大幅減
ブラジルへの直接投資は半減
NYテロ事件以来、途上国向け資本の流れが減少、多くの国を不況に推し進
め、マクロ経済の指標を悪化させ、政治緊張を強めている。これはウォール街
のエコノミストの意見であり、その中で最も影響を受けたのがブラジル、直接
投資と証券市場への外国資本流入の減少に悩まされている。
ブラジルへの直接投資流入は96年に96億ドル、97年179億ドル、98年263億
ドル、99年312億ドル、2000年333億ドルと順調に伸びてきた処へ、今回の事
件が発生した。中銀予想では本年度の直接投資200億ドルと見積もっていた
が、BNPパリバス銀行のバリオヌエボ常務は「本年度は170億ドル程度、これ
は昨年の実績の半額であり、2002年には更に減少、120億ドルになる可能性も
ある。アメリカ経済の回復は少なくとも来年第3四半期となる故、ブラジルへ
の直接投資が増加する見込みは来年下半期からとなる。更に悪材料はこれがブ
ラジルの大統領選挙と重なる点である。なお、中南米で特に米国と密接な関係
にあるメキシコはアメリカの景気後退で最も苦しみ、直接投資、ポートフォリ
オ投資が下がるばかりでなく、米国向け輸出も低下する」と説明した。
先進国経済減速と途上国への資本流入減
国際金融協会IIFから数日前に発表された報告書によれば、直接投資、ポー
トフォリオ投資、銀行融資を含めた民間資本のエマージング市場への流れは
2000年1,667億ドルから本年1,061億ドルへ縮小、その後はやや回復、2002年
には1,270億ドルとなる予想。その理由として(1)多国籍企業へのテロ攻撃
によるリスクを避けるため、より安全と思われる方向へ資本が逃避する動きが
起こり、不確実性が増大する、(2)アメリカ・ヨーロッパ・アジアの経済成
長の激しい減速が起こる、(3)アルゼンチン、トルコの危機の影響、感染国
も含む。協会の見積りでは全中南米向け民間資金の流れは2000年の612億ドル
から本年は446億ドル、2002年は427億ドルへ低下する予想である。
外資を呼ぶには財政収支改善が重要
サンタンデル銀行のブラウン常務は「中南米の直面する根本的な要素は経済
成長と外資流入であり、両者は相互に密接な関係を有し、経済成長がなければ
資本は流入せず、資本流入がなければ経済成長はない。今回の不況の震源地か
ら見てリスクは全世界へ及ぶ。従って、外国資本投資は各国の基盤確実度に基
づき、信用番付、政府の経済管理能力、特にブラジルの場合は大統領選挙が投
資家にとって関心事、更に金融費控除前の公共部門第一次収支は良い方向へ進
んでいるが、金融費を含めた財政赤字を国内総生産GDPの12%以内に留めるよ
うにしなければならない」と述べた。
本年度外貨必要融資は47億ドルと中銀予想
先日、国際信用格付け会社S&Pが「ブラジルの来年の外貨融資必要額は
800億ドルと算定した件に関して、ブラジル中銀のゴルドファジン経済政策担
当理事およびグレイゼル国際担当理事は「2002年度の必要融資額は474億ド
ル、S&Pが予測した40%に過ぎない」と反論。その理由としてS&Pは必要
融資額中に短期債務300億ドルを考慮しているが、これらの債務は商社が輸出
入に関連して発生、返却する運転資金であり、中期的な必要融資額の計算に含
まれる性質のものではない」と説明した。
経常収支赤字は昨年260億ドル赤字に対し、レアル価値低下などによる貿
易収支改善により2001年度237億ドル、2002年度206億ドル。他方、外資直接
投資は昨年度328億ドルであったが、世界の不況などを考慮して本年度190億
ドル、来年度は160億ドルと見積もり、本年度47億ドル。直接投資と定額利付
き基金からの流入175億ドルは既に確約済み、公共および民間の起債による資
金調達150億ドルは計算に含まれる。しかし、通貨基金からの150億ドル融資
は見積もりに含まれていない。
-----------------------------------------------------------------------------
■エンブラエル社、人員整理1,800人を発表
9月28日、エンブラエル社は従業員1,800人の整理を発表した。同社はブラ
ジル最大の輸出会社、世界第4位の航空機製造会社であり、現在の従業員は
12,700人、その96%はサン・ジョゼ・ドス・カンポス市(サンパウロ州)で勤
務、本年度になって2,200人を新規雇用しており、現在、サンパウロ州のガビ
オン・ペイショット地方に工場を建設中。同社が人員整理するのは民営化した
94年以来初めてである。当時は1,700人が整理の対象となった。
同社の航空機納入は96年の2機に始まり、昨年は157機、累計349機。本年
度納入は200機の予定であったが、世界経済後退を考慮して8月に185機に引
き下げ、更にテロ事件の影響で160機と下方修正した。ただし、2002年の生産
計画は修正しておらず、ボテリョ社長の見通しは「テロ以前の地方航空会社は
成長中であった。しかし、一時的には事件のために後退したが、間もなく再成
長する」と語った。同社の8月までの売上は昨年16.5億ドルに対して、本年度
は19.9億ドル。
-----------------------------------------------------------------------------
■バリグ航空、13機返却、1,750人を整理
バリグ航空は借用している航空機13機を返却、従業員1,750人を整理する。
現在の陣容は107機、従業員17,500人である故、10%の業務縮小となる。マセ
ード副社長は「措置は航空業界の国際的危機に適合を目的とする措置であり、
状況次第でこれ以外の措置を採る可能性もある」と語った。バリグはニューヨ
ークのWTCテロ事件以前にも問題を抱え、95年の従業員2.5万人を1.75万人へ
縮小したが、本年度上半期にはドル相場上昇を主因とする欠損5億レアルを計
上した。更にテロ事件以後はアメリカ向け乗客が12%から15%の減少、売上の
15%から17%を失った。
テロ事件以後の航空会社の乗客減は深刻で、米国の各社は空便20%減、これ
に伴ってアメリカンおよびユーナイテッドはそれぞれ2万人、コンチネンタル
は1.2万人、USエアウェイは1.1万人と各航空会社は人員整理を発表した。ま
た、ヨーロッパの会社も5%から10%の空便を削減する。航空機製造工業では
民間機業界で最大のシェアを有するボーイング社は2万人から3万人の従業員
整理を行う。
-----------------------------------------------------------------------------
■政府、航空会社のテロ損害を補償
9月21日、ブラジルの航空会社15社の代表者が会議、そして重要議題として
保険金限度額について話合った。保険会社からは、ハイジャックまたは戦争の
場合の補償金支払は5,000万ドルまでとの通知を受け取っていたのである。金
額は航空会社にとって「ふざけた」としか形容できない額であり「ブラジルが
ハイジャック、戦争に巻き込まれるリスクは少ないが、万一、事件が発生した
ならば、残額を政府が負担して欲しい」と政府へ要請した。
これに対して、政府は9月25日付けで暫定令を公布、ブラジルの航空機が
戦争またはテロ行為に寄よる襲撃、または地上にて損害を受けた場合には、保
険金の保証限度を超える損害を保障することを決定した。
-----------------------------------------------------------------------------
■バーレ・ド・リオドッセ社、MBRへ共同出資
鉄鉱会社カエミの支配権を巡るプロセスは、40%の株主である三井が残る
60%の株式をカエミから購入して100%の株主となった後、4月にバーレ・
ド・リオドッセへ50%を譲渡、50%づつの株主となることに決めたが、問題は
ヨーロッパ連合の態度。反トラストとして欧州へ輸出できないのであれば、欧
州資本を共同出資者に入れる必要がある。
ヨーロッパ連合は鉄鉱市場の集中化として反対していたが、9月中旬にバー
レに発送した書信によれば、バーレの言い分を認めていると言われ、また、市
場でもヨーロッパ連合はカエミの取引を承認すべきとの意見が強い。正式の回
答は11月8日に判明するが、バーレは既に承認されるものとして発進した。
9月27日、バーレは米国のベスレーレン製鋼が所有するレウニーダス鉱山
MBRの株式5.05%を購入したと発表。MBRはカエミが85%の株主の会社、市場
のアナリストは「ヨーロッパ連合からの回答が逆であるなら、バーレがMBR株
を購入する筈がない」という。なお、ベルゴ・ミネイラの株主であり、最近、
フェルテコ、アルベドの両社を取得したドイツ資本のドイツのチセンクルッ
プ、およびアセジッタ、ツバロン製鉄CSTを傘下に有するフランス資本のウジ
ノルとはバーレと長期鉄鉱納入契約を結んでおり、契約期限は3年から7年、
中には10年のもある。
-----------------------------------------------------------------------------
■日伯通商の再開、11月に大型ミッションが東京へ
15年にわたる冬眠状態の後、日伯経済通商関係が失地回復を目指して活動を
再開する。11月5日・6日にアマラル商工開発相が率いる企業家ミッションが
東京へ出発。この目的は新たなる輸出商品の開発、例えば、ソフトウエア、自
動車部品、果物、宝石、大理石、加工食品などである。その一例は、エチルア
ルコール、ガソリンに替わる無公害燃料として、特にガソリン内燃機間に替わ
る将来の水素エンジンの燃料として有望である。
96年以後の再開活動、パイプ広がらず
日伯関係の交流再開を意図したのは96年のカルドーゾ大統領の訪日、ブラジ
ルの新状況を紹介、世界に開放された経済を説明したが、日本もアジアも経済
状態は冴えず、不幸にして交流は広がらず、ブラジルの公社・インフラ機構の
民営化にも日本の参加はほとんど無に等しい状態であった。だが、2000年から
日本のブラジル投資が再開、石油・天然ガス部門でペトロブラスと共同出資関
係となり、46億ドル投資を発表した。他の分野は自動車工業、トヨタとホンダ
は3年間に5億ドルを投資する計画である。2000年10月に日伯経済協力委員会
は「21世紀の日伯同盟」を発表、両国間の貿易関係後退を逆転させるための戦
略を提案した。ブラジルは低利率の外国資本を熱望しており、他方、日本は民
間貯蓄10兆ドルの国、「ブラジル政府は日本へ向けて自国経済の潜在能力に関
しての情報提供の流れを太くし、継続する必要があり、また、解説者を指名す
る必要がある」との意見を述べる者もあった。
新規の輸出製品模索とブラジルへの投資誘致
日本が輸入する加工食料品は年間200億ドル、だが、ブラジルからの輸入は
4億ドルに満たない状態。外務省通商促進局のビラルバ理事は「日本市場への
進出は商社を通じて東アジア全体への進出につながる」と期待する。果物類輸
入は年間総額25億ドル、免疫については、既にブラジルがマンゴー輸出の許可
を得ているよう左程の問題ではなく、収穫時に注意するのみで充分という。ミ
ッションの他の焦点は電気電子製造工場のブラジルへの誘致、この業界の貿易
収支は年間80億ドルの赤字となっており、日本企業のブラジル進出はこの傾向
を是正する上で重要である。
-----------------------------------------------------------------------------
■アルゼンチン、税収14%減にて政府は更に苦境
徴税成績、前年より14%減
10月1日、アルゼンチン政府は9月の徴税成績が前年同期より14%低下と発
表。赤字ゼロプランによれば、これに見合う経費の削減が必要であるが、公務
員給料・年金は既に13%引き下げ済み、政府もこれ以上の下げはないと保障し
た。
2日、カバージョ経済相は各県政府へ「毎月13.6億ドルの県政府向け交付金
を当月は2.6億ドルのみとする」と通告。理由として「9月税収は例外的に低
く、通過基金の要求する赤字ゼロ達成のためにやむを得ない措置」と説明。野
党正義党PJ出身の県知事達は交付金切り下げに対して提訴すると宣言した。
50%がカバージョ経済相退場を要求。
不況を示す指標は税収減のみならず、解雇数も8月に対して9月は48%の
増加、最も多かった業界は自動車・繊維・食品・金属であった。今月15日は立
法府の選挙、経済相へ再就任した当時41%の支持率のあったカバージョ氏の人
気は低落、現在50%以上が退場を要求している。正義党のヅアルデ元ブエノス
アイレス県知事は「現政策は経済を不況から陥没に導きつつある」と語り、与
党急進党UCR脱退のカリオ議員は「カバージョ氏はタイタニック号の船長、一
直線に氷山へ向けて進めている」といい、政治評論家のソラー氏は「大統領は
カバージョ退陣で事態が好転するとは考えておらず、カバージョ氏が魔術的措
置で危機を解決すると期待している」と述べた。
アルゼンチン、カントリーリスク1754
投資家のアルゼンチン経済に対する不信感がカントリーリスク指数へ反映
して2日1687、3日1754と本年度の最高記録、即ち、アルゼンチン国債利子は
米国国債利子へ17.54%上乗せしなければならない。ブエノスアイレス証券市
場指数Mervalは214.55と7.02%安、91年以来の最低水準、先週からの下げは
13.7%に達した。なお、カントリーリスクの最高記録は95年3月のメキシコ危
機で2456まで上昇したことがあり、現在では世界第2位、1位はナイジェリア
2116、3位エクアドル、4位ウクライナ、5位ブラジル1215、6位ベネズエラ
の順。ブラジルのドル相場も商業ドル売りR$2.722と0.55%高。
上昇の原因は9月の税収減14%、赤字ゼロ達成には更に経費削減が必要であ
る。国民は「不況は一段と激化する」と消費を差し控え、付加価値税収入は
31.4%減。工業生産は下がるばかり。例えば、9月の自動車生産は前年同期に
対して46.5%減、販売は47.4%減。10月3日、フィアットとイベコは2003年か
ら大型トラックのアルゼンチン生産を中止、現在、中型・小型を生産中のセッ
テラゴアス工場(MG)へ移すと発表。
投資家の他の不安要素は14日の上下両院の選挙、野党の勝利は明らか、与党
候補でさえ現在の経済政策を批判した。憂慮するのは現在でも困難な経費削減
が選挙後は一層の難事となる点である。政府は県政府への交付金9億ドル切り
捨てを発表、野党県知事は共同提訴を決定した。加えて、政府は社会面の支出
削減を計画中、国民の反発は激烈となると予想される。だが、10月3日、デラ
ルア大統領は「平価切下げはなく、カバージョ経済相の更迭はない」と再確認
し、市中に流れる噂を否定した。
アルゼンチン、リスク18%を超える
10月4日のアルゼンチン金融市場はカントリーリスク1842への上昇と証券市
場の低落3.63%に彩られて種々の噂が流れ、デラルア大統領は「カバージョ経
済相を支持し、ペソ切り下げもモラトリアムもない」と再宣言せざるを得なか
った。国会議員選挙が14日に迫っているが、終わるまで待てず、内閣改造と新
経済政策を発表する可能性もある。
コロンボ官房長官は「政府はペソとドルとの兌換制を維持する。だが、最
終的にはドル化の方がペソ切り下げより安価であろう」と発言、ドル化はメネ
ン政権の末期にその経済スタッフが提案した政策である。渦の中心にいるカバ
ージョ経済相は「ペソ切り下げ、債務の強制再構築などの幻想に基づく提案を
気にする必要はなく、政府は正しい方向に向かって進んでおり、財政均衡は急
速な経済回復をもたらせる。勝利の日は近く、しばらくの辛抱に耐えよう」と
語った。
北部のフフイ、フォルモサ、チャコ3県の公務員が給料支払遅延、政府債務
証券にての支払に抗議デモを行い、各所で景観と衝突した。ボリビアと国境を
接するアンデス山麓のフフイ県では約4,000人が県知事の属する正義党PJ、カ
バージョの行動党PAR本部の窓ガラスを壊すなどの狼藉を働いた。
通貨基金、選挙を考慮し沈黙
国際通貨基金IMFでは80億ドルの融資を発表してから44日を経過するが、新
たに救済融資を実行することは考慮していない。14日の国会議員選挙を控え
て、基金側は公式の発言を差し控えている。だが、金融市場に流れている噂で
は「政府は国際機間へ新規融資を申請するに足りる何の勝利も収めて折らず、
赤字ゼロプランも9月徴税14%減によって実現が疑われている」と悲観的。銀
行預金流出を防ぐ目的で申請した80億ドル融資でさえ12日間の厳しい交渉を必
要とした。
兌換維持の賛否両論
米国マサチューセッツ工科大学MIT教授、通貨基金と世銀の経済補佐室長で
あるボーンブッシュ教授は4日に「アルゼンチンは兌換制を固守すべきであ
り、現時点でのペソ切り下げは破滅を招く」と警告したが、モーガンスタンレ
ーのヴバルディビア氏は兌換制に反対「経済は価格の相対的不均衡の下では決
して回復せず、兌換制から抜け出し、適切な経済政策と変動通貨を採用しなけ
ればならぬ。政策が適切な方向へ進めば、必ず経済は安定する」との意見であ
った。両者の意見が一致したのは「これ以上の通貨基金からの融資を得るのは
極めて困難」という点であった。
-----------------------------------------------------------------------------
■アメリカとの通商協定を望むウルグアイ
メルコスール初期は好調、最近は3年の不況
ブラジルとアルゼンチンというメルコスールの2大国に挟まれて、ウルグア
イは国際および地域経済ブロック参加についての議論が盛んである。メルコス
ール成立後の10年間に経済規模は40%の高度成長を遂げ、88年から90年の3年
間の域内通商年間15.6億ドルに過ぎなかったが、2000年には23億ドルを実現し
た。だが、99年から、ブラジルはレアル切り下げ、アルゼンチン経済は不況に
突入したため、ウルグアイは3年続きの不況、2000年の国内総生産GDPは1%
の低落、失業者は14%という状態に陥った。
2000年3月、バトレ大統領就任の直後、石油国際価格の上昇とウルグアイの
主要輸出品である農牧製品の価格下落に遭遇、これが新政府の公共サービス料
金調整と重なって、不況は深刻化した。本年始め、ブラジルの景気が回復し、
国際金利も低下、景気回復と喜んだのも束の間、アルゼンチン危機は更に危険
水準、ブラジルのレアル相場は下落、民間投資が下火となった。不幸は重な
り、口蹄病の蔓延で牛肉の売れ行きが停止する。その結果は域内貿易に反映、
99年初のレアル切り下げ以前、輸出の40%、輸入の43%が域内諸国であった。
しかし、2000年には輸出の37%、輸入の26%へ縮小した。
為替バンド制を採用しているウルグアイは通貨切り下げ月に1.6%、為替変
動幅を0.6%から3%に引き上げたが、激しいレアル価値低下の前に対抗でき
る筈がない。ここで浮上したの北米自由貿易協定NAFTAへの参加、あるいは、
米州自由貿易圏FTAAの早期実現である。ただし、ブラジルの承諾なしに交渉す
る意図はないという。アメリカが4+1方式でメルコスールに接近してきたのを
幸いとして、この交渉を支持、また、ヨーロッパ連合との交渉による欧州農畜
産市場の障壁撤廃による進出を強く望んでいる。
-----------------------------------------------------------------------------
■パラグアイ経済の障害は旧態依然の政治体制
豊富な資源はあるが、定期的な政治危機
パラグアイ経済もウルグアイと同様、ブラジルのレアル切り下げ、アルゼン
チン経済危機によって混乱を来しており、農牧経済偏在の体質を改善、豊富な
労働力と電力を利用して農産加工、軽工業を振興、経済多角化への進展を求め
ている。しかし、それ以上にパラグアイにとって重要な挑戦は投資家に対し
て、安全と明確な規則を保障する政治安定である。小国ではあるが潜在能力は
充分、だが、政治問題の解決なしでは経済国家として成立せず。
34年間という長期間にわたり、独裁政権を維持したストロエスネル将軍の没
落した89年以来、パラグアイは定期的な政治危機に直面、291条からなる憲法
が設定されているものの、政治家を含めて問題は山積みである。その一例を挙
げれば、連立内閣の2本の柱、コロラド党出身のマチ大統領とリベラル党から
出たフランコ副大統領とは猿犬の仲、話をしたこともないとの噂。メルコスー
ル規定のある民主主義条項によって、一応は問題拡大が回避されているに過ぎ
ないという。
密輸が衰えた現在は脱皮のチャンス
パラグアイの経済を支える産業の一つは農牧業界であるが、もう一つは密
輸、特にブラジル向けである。シダード・デル・エステ市は一時期には月に10
億ドルの動きがあり、ブラジル側の「担ぎ屋」が押し掛けたが、観光買い物は
月にUS$150までとの規則、国境監視の厳格に加えて、レアル価値の下落によっ
て、最近は動きが衰えた。しかし、危機と共にパラグアイは経済に対して、政
府と民間企業は新しい構想を描き出した。ブラジルと共同で完成したイタイプ
ー発電所によって、ロイヤリティ年間2.5億ドル、政府予算の25%に相当する
歳入が保障された。
前時代的官僚主義と「袖の下」文化を廃す
パラグアイ駐在のネーベス伯国大使は「この資金はパラグアイが今までの
旧文化を捨てて、メルコスールの地域経済との適合を保障するものと推察す
る。ブラジルにもあるが、パラグアイに色濃く残るのはプロフェッショナルで
ない官僚主義、明確な規定による法的保護の不足、更に「袖の下」文化であ
る。だが、イタイプーの発電1.2万メガワットの豊富な電力、安価な労働力と
親しみ易い国民性、大陸中央という戦略的立地条件によって新しい企業家グル
ープが生まれ、その一方がブラジル人を含む農産加工の分野、他方は商業を中
心とする韓国人であり、これらの刺激によってパラグアイ社会は変貌しつつあ
る。しかし、現在のパラグアイの状況は厳しく、麻薬・武器・煙草の密輸など
の方向へこの国が向かないよう、メルコスール諸国、特にブラジルの助力を必
要とする」と語った。
ブラジルを対象に今後の発展計画
パラグアイは公社、公共サービスの民営化を論議し始めた。既に米州開発銀
行IDBからのインフラ機構整備の目的で借款3.5億ドルが承認されている。だ
が、それに見合うものがなく、酪製品・肉類はチリとボリビアに輸出される
が、ブラジルの免疫基準を通過できず、短期には靴・綿・大豆油・家具が主
役、域内諸国向け輸出は51%、その中の60%はブラジル向けである。他のブラ
ジル向け商品は電力、ボリビアからのガスパイプを利用して、イタイプーと並
んで火力発電所を建設。他方、アルゼンチンとのヤシレテ発電所とつなぎ、ブ
ラジルへの電力輸出500メガワットを追加する。
ブラジルから進出している企業は60社、その中の大物は肉加工のサジア、エ
レベーターのスール、パイプのチグレ。チグレの従業員は100人、5人のみが
ブラジル人で、昨年は800万ドルの売上。ただし、豊富な電力は利用できた
が、レアル暴落でブラジル向けには原価が上がり過ぎた。
-----------------------------------------------------------------------------
メールマガジン: Brazil Today
著者: 大岩國男 編集: 大岩幹男
発行: Ana&Log(アナ・ログ翻訳事務所) - ポルトガル語を専門に翻訳・通
訳サービスを提供しています。 一般ビジネス文書、会社案内、契約書、技術
仕様書、営業報告、調査報告、委任状に至るまで、是非、貴社のビジネス拡大
のお手伝いをさせていただきたいと願っています。また一 般の方からもご注
文を請け賜っており、どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。 ※ポルトガル語
を公用語とする国は多数ありますが、取り扱っているのはブラジルで使用され
ている言語です。
住所: 〒468-0034 愛知県名古屋市天白区久方一丁目149番地19-504
電話/ファックス: 052-804-5710 携帯: 090-8132-0810
メール: mailto:portuguese@ana-log.com
サイト: http://www.ana-log.com
このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます
- Japan on the Globe 国際派日本人養成講座
- 日本に元気と良識を。歴史・文化・政治・外交など、多方面の教養を毎週一話完結型でお届けします。3万4千部突破!
- JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイル
- 政治・経済・外交・社会・文化などの分野において「元気な日本」を作るためのオピニオン誌です。
- 週刊アカシックレコード
- 02年W杯サッカー韓国戦の「誤審」を世界で唯一「前日」に誌上予測し、誤審報道を「常識化」した推理作家(金正日の「遺書」で始まる「中朝戦争」後の北朝鮮...
- 宮崎正弘の国際ニュース・早読み
- 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析
- 新華タイムズ(中国新華社日本語情報)
- 中国政治経済情報の出所は新華社新華網にあります。新華網情報を配信できるのは、当社だけです。得難い中国情報を最高のブランドでお読み頂けます。
![メルマガスタンド[メルマ!]](/img/common/melma_logo.gif)









