ゲージやスケール、時代を問わず、実物、製品やファンの作品、雑誌や書籍、またインターネット等の情報や話題に、蘊蓄を傾けます。米国型に限らず、欧州型、日本型ファンも必見です。アンケート、BBS掲示板や鉄道模型大辞典にもご参加ください。2001年5月創刊で現在、200号を突破しています。「アメリカ型鉄道模型情報」から改名しました。
- 最新号:2008-08-31
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【米国型272】ソルジャーサミット攻め
発行日: 2008/5/30 いつもは読み飛ばしているペントレックス社からの案内メールですが、今回は新作DVDの題名が「Soldier Summit Assault」というのですから、反応しないわけにはいきません。
早速、案内されたサイトをクリックすると、左の画が表れました。添えられている説明文を意訳すると次の様な感じでしょうか。なお"Assault"という単語は辞書を引くと"猛攻撃"と出ていますから、邦題は「ソルジャーサミット攻め」辺りになりそうです。
「ユタ州ワサッチ山地のサミットは7,440フィート(2,268m)、アメリカ大陸横断鉄道の中で5番目に高い峠である。また元D&RGWにおけるユタ州内での最高地点であった。ソルジャーサミットの急勾配に挑むには強大な馬力が必要で、多くの列車は中間と後部に補機を連結する。このDVDは、リオグランデやSP、UPのディーゼル機が一団で大馬力の列車となり峠を越える様子を記録している。
現在、ここはUPの線区となっていて、ユタ・レールウェイとBNSFが通行権を持ち、アムトラックのカリフォルニア・ゼファーが日に2本通過する。旧いオレンジと黒のままのリオグランデ鉄道のSD40T-2が、UPの石炭列車や有名なトラッシュ・トレイン(trash:ガラクタ列車?)を補助するのを毎日見ることが出来る。この時点で、ユタ・レールウェイのSD40に6両のMK5000と5両のオーストラリア製SD50が加わっていた。UPのEユニット(ビジネス客車)とC&NWのダッシュ8も姿を現した。
その名もヘルパーという地点で押し上げ用の補機が列車に組み込まれるのを見て欲しい。西のプロボへ向かう前にギルリーループで180度方向を変えて勾配を下るシーンがある。ここの主要産品である石炭のユタ・レールウェイの積込設備を訪れる……」
値段は29.95ドル、荷造り送料が17ドルで、追加1作品当たり4ドルですから、1本だけ注文するには高めの設定となっていて、ペントレックス側に一度に何枚も買わせる魂胆があることが見え見えです。私はBN物しか興味がないはずなのですが、あろうことか、ここでダブル・クリックしてしまったんですね。それが5月21日で、1週間後の28日に到着しました。
右の地図はDVDに出てくる画ですけれど、これだけでは我々にとって判りにくいので、旧いD&RGWの全路線図をSimpson Low社刊"World Railways 1952-1953"という書物から転載しておきます。ヘルパーとプロボの位置関係を認識していただけることでしょう。プロボの北がソルトレークで、その先のオグデンでUPに接続していたというわけです。
で、DVDの章立ては次の様に、南のヘルパーから紹介する順番となっています。
1.Introduction/ 2.Helper/ 3.Utah Railway Jct./ 4.Nolan Tunnels/ 5.Kyune Tunnels/ 6.West Kyune/ 7.Colton/ 8.Soldier Summit/ 9.Gilluly Loops/ 10.Skyview/ 11.Thistle/ 12.Castilla/ 13.Gomex/ 14.Utah Railway's SD40s/ 15.Epilogue/ 16.BNSF
D&RGWのSD40T-2は撮影が2000年ですから未改番かつ塗装も鮮やかで、同鉄道を好まれる向きには涙モノだと思います。SPの機関車はご多分に漏れず薄汚れているものの、スピードレターが未だハッキリしています。"Gilluly Loops"は初めて知りましたが、線路がZ形にターンしていて、規模からいえばテハチャピも真っ青というスケールです。また、中間補機が逃げて1本の列車になる場面があります。ほとんどがコール・トレインですが、石炭車は新しめのアルミ製で揃えた編成の他に、古い鋼製車の各鉄道色混成もあります。ボックスカーを含む一般貨物や、中にはクッション・コイル・カーのカバーを取ったものを30両ほど連結した列車も見ることが出来ます。
ところで、以前にもお伝えしたとおりこの2月、私はdda40x氏の御案内でこの区間を車で走破していていますので、その折撮影した写真もご覧に入れましょう。盛夏と思われるDVDとは雰囲気がだいぶ異なります。
1枚目はヘルパーのヤード辺りです。タンクはサンドタワーだと思います。その向こうにアルミ製の石炭車が止まっています。谷底の地形ですから日陰になり易く、本格的に撮影しようとすれば時間帯を考慮する必要があります。DVDにある高台からのヤード俯瞰撮影は大変だったことでしょう。
ここの古い街並みは観光名所になっているとのことでDVDにも出てきます。鉱山&鉄道博物館もある様です。「カーボン郡」とは如何にも石炭が出そうな地名ですね。Wikipediaの解説をご参照ください。Google Mapの航空写真も載せておきます。
次は、前に一度ご覧に入れた写真の一つ前のショットで、UPのダッシュ9の3重連回送です。ルート6を走る車の助手席からシャッターを押しています。線路は複線で、南行きの4列車ほどと擦れ違いました。dda40x氏に拠れば、この線区が出来た頃は重機を十二分に活用できたので、人手に頼った工事のドナーパスなどと較べると切り通しや築堤など線形自体が大規模になっているとのことです。
次の画は追い越した唯一の北行き列車です。UP線に乗り入れてきたユタ・レールウェイのMK5000Cという珍車で、同鉄道が全6両を保有していて、ここにその内の4両が写っています。って、通りすがりの旅行者が撮影できる様なアングルでは……と思われた方、貴方が正解です。
次を見て下さい。線路の真ん中でカメラを構えています。ということは、ちょうど踏切の手前で止まっていたのですね。多分、この付近は上下別線になっていて、通過待ちをしていたのだと思います。この機関車は2001年に納入され、その活躍し始めた様子がDVDに「15章.エピローグ」として紹介されています。なお、URはSD40ともすれ違いました。
線路とルート6は付かず離れずで右に左にずっと見えて、キョロキョロするだけでもワクワクします。ただDVDにある雄大なGilluly Loopは、車窓からはその存在に気が付きませんでした。Google Mapを見ると険しそうな地形で、全体を見晴らせる場所があるのかどうか、あったにしても近付くのも容易ではないようです。
■"World Railways 1952-1953"という本は、全くの実務家向けの解説書で、路線や主要車両、線路構造とか建築限界に車両定規、信号システムなどを網羅して、各種メーカーの広告もあるという”奇特”な英国はロンドンで発行された本です。半分は米国ですけれど、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、南アメリカも載っています。日本では名鉄のイモムシ3400型の写真が出ています。
多分、これが後にジェーン鉄道年鑑Jane's World Railwaysになったのだと思います。世界中の英語の古本が検索できるブックファインダー・コムで著者名に「Sampson」、書名に「World Railways」と入力してみて下さい。
ところでこのD&RGW路線図、私は左上のユタ州辺りに注目していただきたくてお見せするのですが、案に相違して右側のコロラド州に広がる3フィート・ナローに釘付けになる方のほうが多いかも知れません。デュアル・ゲージ区間も判ります。
……画像と参照リンク付のブログ版は次です。
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