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[ IP Network Skill - No. 0020 - ]
発行日: 2001/8/10‥‥……━━━━━━ IP Network Skill No. 00000020 ━━━━━━……‥‥
《IP Network Skill No.20 -CONTENTS-》
【1】特集:OSPF その1 −イントロ−
【2】連載:vol.17 : OSPFのコンフィグ 1
【3】トピックス:1997年ネットワークスペシャリスト その1
【4】本日の試験対策問題
【5】本日のマニアック問題
【6】今週のRFC: RFC2328 - OSPF -
【7】問題の解答
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┠┼┼┼┴ 特集:OSPF その1 −イントロ− ┬┼┼┼┨
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今回からOSPFの特集を始めます。
これまでもIP Network SkillでOSPFという言葉はちょくちょく出てきました
ので、バックナンバーを見直してください。
OSPFとはリンクステート型のルーティングプロトコルで、AS内で使われ
ます。つまり、IGP (Interior Gateway Protocol) です。
ネットワークスペシャリストではあまり出題されないですが、現在
最もよく使われているルーティングプロトコルの一つです。
CCNAでは出題範囲にありませんが、CCNPのRoutingで出題範囲になって
います。
OSPFはルーティングプロトコルなので、どの経路を使えば受信した
パケットを送信先に転送できるか、というのを決めます。
以前、ディスタンスベクタ型のルーティングプロトコルであるRIPについて
説明しましたが、RIPのときは、隣のルータから情報をもらったり、逆に
渡したりしていました。
OSPFではまず、Helloというプロセスが動きます。
Helloというと、英語で「こんにちは」、つまり挨拶です。
自分とつながっているルータと、挨拶をして、お互いが繋がっていることを
確認しあいます。これがHelloで、このやりとりを決めているのがHello
プロトコルです。
+----------+ <-- Hello -- +----------+
| ルータA |---------------| ルータB |
+----------+ -- Hello --> +----------+
Helloプロトコルをはじめ、OSPFの動きはネットワークのトポロジに依存
します。上の図だと、これは2台のルータが1つのリンクでつながって
いて、これを“ポイント・ツー・ポイント”トポロジといいます。
Point-to-Point、つまり「点と点」を結んだ、というような意味です。
これ以外に、Broadcast、NBMA(Non-Broadcast Multi Access)、Point-to-
Multipointがあります。BroadcastはLANネットワークのようなトポロジ、
NBMAはフレームリレー網など、ルータとルータの間に雲があるような
トポロジ、Point-to-Multipointは1つのルータに多数のルータがぶら下がる
ハブ&スポーク型のトポロジになります。
このネットワークトポロジを頭に入れておいてください。
┏━━━━━━━━ 連載: Ciscoルータのコンフィグ ━━━━━━━━┓
┃ vol.17 : OSPFのコンフィグ 1 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
今回からOSPFの設定を説明します。
まず、router ospfコマンドでルータにOSPFを認識させます。
Router(config)#router ospf 1
最後の1は、プロセスIDです。OSPFは1つのルータで複数のプロセスを
動かすことができ、そのプロセス識別子になります。通常、小さいネット
ワークであれば1つのプロセスのみなので、適当に1としてあります。
次に、networkコマンドでどの範囲のネットワークでOSPFを動かすか、
ネットワークアドレスの範囲とエリアを指定します。
Router(config-router)#network 172.17.0.0 0.0.255.255 0
この場合、172.17.0.0/16のネットワークでOSPFを動かし、そのエリアは
0です。0.0.255.255はワイルドカードマスクで、サブネットマスクの
逆と考えればよいです。エリアについては、今後説明していきます。
RIPと違うのは、プロセスIDが必要なことと、ネットワークにワイルド
カードマスクが要ること、あとはエリア番号が要ることです。
RIPのときは、サブネット情報を気にしない、ナチュラルマスクで
ルーティング情報を扱っていたために、ワイルドカードマスクはありません
でした。OSPFはVLSM対応なのでワイルドカードマスクがつくわけです。
つまり、RIPでは、10.1.0.0/16と10.2.0.0/16はどちらも10.0.0.0/8
(クラスA)と認識されますが、OSPFだと10.1.0.0/16と10.2.0.0/16は
異なる情報として認識されます。
今回の設定だけで、とりあえずルータ同士でルーティング情報のやりとり
ができて、エンド・エンドでルーティングできます。
次回はオプションの設定に触れます。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
トピックス: 1997年ネットワークスペシャリスト その1
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【問題1】各標準が規定している範囲に関する記述のうち、正しいものは
どれか。
1. ISO 8802-3(IEEE802.3)は、データリンク層と物理層の規定である。
2. ITU-T勧告 I.430は、セション層の規定である。
3. ITU-T勧告 V.24 は、プレゼンテーション層の規定である。
4. TCP/IPは、データリンク層と物理層の規定である。
【問題7】ネットワークのフロー制御として、メッセージごとに受信確認を
行うのではなく、複数のメッセージを連続して送信する方法がある。
この方法において、受信確認を待たずに送信できる最大メッセージ数は
何と呼ばれるか。
1. ウィンドウサイズ
2. セルサイズ
3. チャネル数
4. レイヤ数
【問題8】RIPを用いたルーティングに関する記述として、正しいものは
どれか。
1. 2点間の伝送遅延時間が最小になるようなルートを選択する。
2. 2点間のホップ数が最小になるようなルートを選択する。
3. 回線速度や中継段数をコストに換算し、コストが最小になるような
ルートを選択する。
4. 複数のルートが存在する場合に、各ルートのトラフィックが均一に
なるようにルートを選択する。
【問題9】TCP/IPで使われるアドレスやポート番号のうち、TCPコネクション
を識別するために必要なものの組合せはどれか。
1. あて先IPアドレス,あて先TCPポート番号
2. あて先IPアドレス,あて先TCPポート番号,
送信元IPアドレス,送信元TCPポート番号
3. あて先IPアドレス,送信元IPアドレス
4. あて先MACアドレス,あて先IPアドレス,あて先TCPポート番号,
送信元MACアドレス,送信元IPアドレス,送信元TCPポート番号
【解答1】 1
【解説1】ITU-Tの勧告で、IシリーズはISDN関連の規定でレイヤ1〜3に
なります。Vシリーズはアナログ回線網上のデータ通信に関する規定で、
レイヤ1になります。
TCP/IPはネットワーク層とトランスポート層の規定です。
ちなみにIEEE802.3はCSMA/CDのMACレイヤ規定(LANの規格)です。
【解答7】 1
【解説7】ウインドウサイズもよく出ますね。2.のセルサイズはATM
の固定セルのサイズを言っているのでしょうか。ちなみに53バイト
です。3.のチャネルというのは論理パス(コネクション)のこと
です。
【解答8】 2
【解説8】RIPのメトリック(ルーティングに使用する指標)はホップ数
です。宛先までが最小ホップ数のルートを選択します。IGRPやEIGRPは
伝送遅延をメトリックの一部とします。3.もIGRPやEIGRPでは使って
います。OSPFは帯域(つまり回線速度)がメトリックになります。
【解答9】 2
【解説9】Source (送信元) と Destination (宛先) の IP Address,
TCP Port Numberの組み合わせがないと通信できません。このペアを
ソケットといいます。
========================================================================
┌──────────────────────────────────┐
【 本日の試験対策問題 】
└──────────────────────────────────┘
〔問題1〕次の用語のうち、OSPFに関連するものを選べ。
1.IGP
2.EGP
3.ディスタンスベクタ
4.リンクステート
〔問題2〕2台のルータが1つのリンク(線)でつながっている
ネットワーク・トポロジを何というか。
1.NBMA
2.ポイント・ツー・ポイント
3.ポイント・ツー・マルチポイント
4.ハブ・アンド・スポーク
┌──────────────────────────────────┐
【 本日のマニアック問題 】
└──────────────────────────────────┘
〔問題1〕OSPFで使用されるマルチキャストアドレスのうち、すべてのDR
宛ての宛先アドレスはいくらか。
〔問題2〕OSPFで使われるSPFアルゴリズムを発明した人は誰か。
========================================================================
*******************< 今週のRFC: RFC2328 - OSPF ->**********************
RFC参照→ ☆ http://www.xai.nu/cgibin/ipnet/rfc/hd.cgi
では今週からOSPFについて取り上げてみます。
RFC2328です。Apendixも含めると244ページもありますので、
長期的な連載になりそうですが・・・。
ちなみにRFC2328はOSPFバージョン2の最新版です。OSPFのRFCはたくさん
あります。
※1.1 Protocol Overviewは以降の章で詳しく書かれるので
1.2 Definitions of commonly used terms から見ていきます。
1.2 Definitions of commonly used terms <用語の定義>
[Router]
Layer3のレベルでIPパケットを転送する。かつてはよくGatewayと
呼ばれていた。
[Autonomous System]
共通のルーティングプロトコルを使ってルーティングに関する情報を
やり取りするルータのグループ。
[Interior Gateway Protocol]
AS内でルータが用いるルーティングプロトコル。IGPともいう。
どのASも一つのIGPが動いていて、個々のASは異なるIGPで運用してもよい。
[Router ID]
OSPFを動かすにあたって、それぞれのルータに付けられる32bitのID。
この番号はAS内ではユニーク(つまりAS内でダブらない)に定義される。
[Network]
このRFCの中ではIP network/subnet/supernetとも言う。
1つのphysicalなnetworkが複数のIPnetwork番号をもつことも可能で、
それらは個々のnetworkとしてみなされる。point-to-pointは例外で、
いくつもnetwork番号が振られたとしても、単一のものとしてみなされる。
[Network mask]
自分の属しているIP network(またはsubnet/supernet)のIPadressの
rangeを示す32bitの番号。これにより、network maskを16進数でも表現
できる。例えばクラスCのnetworkは0xffffff00となります。
(255.255.255.0と同じ。)
[Point-to-point networks]
1つのペアのみ(つまり2台ですね)で構成されるnetwork。例えば56Kbpsの
シリアル回線はこれに該当する。
[Broadcast networks]
networkを構成する全てのルータに、一つのmessageを送信すること。
OSPFのHelloパケットを使って、ネイバーのルータをdynamicに発見できる
が、これはHelloがbroadcastできるためである。
OSPFでは、(使う必要のあるところでは、むしろ)multicastの方がよく
使われる。(※これはDesignated routerが出てくるあたりでよくわかる
と思うのですが。)
Broadcastパケットを送信・受信できるペアは直接通信できると考えられ
ます。EthernetもBroadcast networkの一つ。
[Non-broadcast networks]
networkとして複数のルータがあってもBroadcastができないnetworkのこと。
普通はOSPFのhelloでneighborを認識するが、それができない為に何らかの
configが必要となる。non-broadcast networkではmulticastするパケットも
それぞれのneighborに送らなければならない。
X.25公衆網はこの例。
Non-broadcast networkとしては2つのモデルがある。
non-broadcast multi-access(NBMA)はbroadcast networkと似た動作を
する。Point-to-MultiPointの場合はpoint-to-pointのリンクを束ねたような
動作となる。
どちらのモデルになるかはoperation次第。
[Interface]
ルータ間のconnectionのこと。 underlying lower levelのプロトコルや
ルーティングプロトコルについてのステータスについての情報をもつ。
1つのinterfaceには1つのIP adressとmaskが割り当てられる。(Unnumberの
point-to-pointの場合は別。)
[Neighboring routers] −ネイバリング・ルータ(隣接ルータ)
共通のnetworkに属するinterfaceを持つ2つのルータ同士のこと。
OSPFのHelloを出し合うことで、Neighborであることをdynamicに認識できる。
[Adjacency] −アジャセンシー(隣接関係)
ルーティング情報を交換する為に選ばれたneighborとの関係のこと。
どのペアもAdjacentになると言うわけではない。
[Link state advertisement]
ルータ/networkのlocalなステータスについての情報をもつdata unit。
ルータのinterfaceやadjacencyについての情報も含む。
link state advertisement(以下LSA)はそのdomain内をfloodingされ、
全てのLSAが集まってlink state databaseができる。
[Hello Protocol]
OSPF protocolの中でneighborとのつながりを確立・維持する。
Broadcast networkでは、dynamicにneighborを発見できる。
[Flooding] −フラッディング(広報)
OSPFルータの間で、Link-stateデータベースを配送、同期(シンクロ)
させること。
[Designated Router] −デジグネイテド・ルータ(代表ルータ)
2つ以上のルータで構成されるBroadcast networkとNBMA(non-broadcast
multi access)networkで使う。
Designated Router(以下DR)はLSA(Lins-state Advertisement)を発する
役目をもち、それによりprotocolが動作します。DRはHelloによって選出
され、DRを使うことでBroadcast networkやNBMA networkの中のadjancy数を
減らせる。
それでルーティングプロトコルのtrafficやlink-stateデータベースの
サイズを縮小できる。
(※つまり、network内のルータはDRとやり取りするだけでよく、他の
ルータとルーティング情報を交換しなくてすむので、その分trafficや
データベース量が減る、と言っているのです。)
[Lower-level protocols]
IPを使える下位レイヤnetwork access protocol。
例えばX.25パケット+frameレベルのX.25 PDNや、Ethernetのデータリンク層
など。
ここまでが1.2章です。
========================================================================
【解答】
《試験対策問題》
(問題1)1、4
(問題2)2
《マニアック問題》
(問題1)224.0.0.6
(問題2)Edsger Wybe Dijkstra
【解説】
《試験対策問題》
(問題1)
OSPFはAS(Autonomus System)内部で動くIGP(Interior Gateway
Protocol)です。詳しくは今週のRFCを参照してください。
(問題2)
詳細は特集と今週のRFCを参照してください。
《マニアック問題》
(問題1)
マルチキャストアドレスはクラスDなので224.0.0.1以降です。
このうち、224.0.0.5がAllSPFRoutersというOSPFが動いている
すべてのルータ宛、224.0.0.6がすべてのDR(Designated Router)宛
になります。
(問題2)
SPFアルゴリズムの別名が「ダイクストラのアルゴリズム」という
のを知っていれば、Dijkstra(ダイクストラ)だな、と分かると
思いますが、それ以上のことを知っている人は少ないでしょう。
彼はロッテルダム生まれのオランダ人で、現在テキサス大学の
オースチン校のコンピュータサイエンス学科教授だそうです。
http://www.cs.utexas.edu/users/UTCS/report/1994/profiles/dijkstra.html
http://kzoo.edu/~k98mn01/dijkstra.html
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−あとがき−
SPFアルゴリズムをJAVAで実体験できるホームページを発見しました。
http://carnap.ss.uci.edu/java/dijkstra/DijkstraApplet.html
マウスでクリックしてノードを作り、ノード間をドラッグしてリンクを
張ります。リンクの矢印を移動することでコストを変えることができ、
runでアルゴリズム実行をアニメーション表示してくれます。
(adzuki)
☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆
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☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−☆
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IP Network Skill vol.000020 08/10/01
発行者:adzuki http://www.xai.nu/ipnet
……………………………… ipnet@xai.nu ……
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