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 フランス地方都市に在住の筆者が、普段の生活を通して疑問に思ったことを書いていきます。三面記事から社会面的な内容が中心。ワイン、ファッション、観光だけでは満たされない読者の皆さまにお薦めです。




フランスの片隅から 「人工妊娠中絶」 2002-12-01

発行日: 2002/12/1

フランスの片隅から                 2002-12-01
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INDEX
 今月の話題「人工妊娠中絶」
  ● フランスにおける中絶に関する年表
  ● 妊娠中絶に関する数字
  ● 中絶手術を受けられる人
  ● 手術のための手続
  ● 手術
  ● 妊娠12週を超えても中絶できる場合
  ● ヴェイユ法以前
  ● ヴェイユ法
  ● 妊娠中絶を避けるために
 サイト紹介「公的サービスポータルサイト」
 バックナンバーのアップデート
  ● ユーロ
  ● 欧州連合
  ● PACS
  ● ニースのカーニバル
  ● 35時間法
 あとがき

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 皆さん、こんにちは。Olivierです。

 早いもので、もう12月ですね。12月の1日から25日まで毎日窓を一つずつ開
いていくアドベントカレンダーというのがありますが、日本でも普及している
のでしょうか? 窓を開くとキャンディーや小さなおもちゃが入っているので、
子どもはみんなこのカレンダーが楽しみなんだそうです。

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今月の話題「人工妊娠中絶(IVG)」
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 今月の話題は人工妊娠中絶ですが、この記事は中絶を推奨するために書くの
ではありません。念のため、最初にお断りしておきます。

● フランスにおける中絶に関する年表 ●

1556年 フランス王アンリ2世の勅令により、妊娠中絶と嬰児殺しが禁じられ
    る。
1558年 ローマ教皇が胎動の有無に関わらずすべての妊娠中絶を公式に禁じる。
1598年 堕胎を行なった者は死刑に値することになる。
16世紀 母体保護の考えが生まれ、妊婦の異常出血の場合の中絶が認められる。
1791年 刑法により、妊娠中絶を行なった者は懲役20年の罰を受けると定めら
    れる。妊婦は恩赦されていた様子。
1810年 刑法により、妊婦の合意の有無に関わらず妊娠中絶を行なった者は
    死刑に処すと定められる。
1920年 中絶と避妊の宣伝を禁じる法律が制定される。
1923年 妊娠中絶が重罪から軽罪となる。
1942年 妊娠中絶を国家反逆罪(死刑)とする法律が制定される。
    この法律は1944年のパリ解放と同時に廃止される。
1960年代 中絶の合法化を目指す団体の活動が活発になる。
1970年代 中絶と避妊の自由化を目指す団体、労働組合、極左団体の活動が
     活発になる。      
1971年 Nouvel Observateur誌に「343人の女性の宣言」が掲載される。
1972年 「343人の宣言」を支援する「252人の医師の宣言」が同誌に掲載さ
    れる。
1973年 中絶を望む女性たちの英国中絶旅行が決行される。
1975年1月17日 ヴェイユ法により、条件付きでの妊娠中絶が認められる
         (5年間の時限立法)。
1979年12月 妊娠中絶法が制定され、妊娠10週目までの中絶が合法となる。
1982年 妊娠中絶にかかる費用の払い戻し開始。
1993年1月 妊娠中絶手術を行なう医院に対する嫌がらせを行なった者に対す
      る刑罰が定められる。
2001年7月 中絶可能期間が妊娠10週から12週に延長される。


● 妊娠中絶に関する数字 ●

 フランスでは年間約16万件の妊娠中絶が報告されています。しかし、推定5
万件程の堕胎が非合法に行なわれているようです。
 未成年(18歳未満)が妊娠した場合、60%が中絶を行い、40%が出産します。

 また、年間約5000人の女性が外国で中絶手術を受けていると推定されていま
す。主な行き先はオランダ、イギリス、スペインで、いずれもフランスよりも
妊娠中絶可能期間が長い国です。

 ちなみに、いくつかの国の中絶可能期間を比べると、
12週まで:フランス、デンマーク、ギリシャ、イタリア、ノルウェー
14週まで:スウェーデン
22週まで:日本、イギリス、オランダ、スペイン、スイス


● 中絶手術を受けられる人 ●

 望まない妊娠をした人であれば、誰でも手術を受けられることになっていま
す。ただし、中絶を希望する理由を示さなければなりません。
 匿名を通すことは可能です。
 夫や同棲相手など、胎児の父親の同意は必要ありません。
 ただし、妊娠13週目以降になると、手術を受けることはできません。

 未婚の未成年者が手術を希望する場合は、少なくとも片親もしくは法定代理
人の許可が必要です。親や法定代理人との連絡がどうしてもつかない場合、親
子間に大きな問題があって話し合いが不可能な場合には、本人が指定する任意
の成年の許可に代えることができます。
 しかし、本人の自由な意志が妨げられないよう、親や法定代理人の同席しな
い場所で本人の意思決定がなされます。

 フランスに3ヶ月以上滞在している外国人も中絶手術を受けることができます。
(政治的亡命者の場合は滞在が3ヶ月未満でも可)


● 手術のための手続 ●

 中絶の手術は公立病院または指定を受けた個人医が行なっています。手術を
受けるためには、医師の診察を2回受けなくてはなりません。

 診察の際には次の書類を持参します。
− 血液型カード
− 医療手帳
− 現在服用中の薬があれば、その処方箋
− 社会保険カード
− 外国人の場合は、滞在許可証を求められることもあります。

 最初の診察において、医師は手術の実施が可能か否かを患者に告げ、不可能
な場合は代わりの医師を紹介します。手術が可能な場合は、手術の方法と手術
に伴う危険を説明し、説明書類を患者に渡します。
 この書類には、妊娠中絶に関する法律、中絶手術の認可を受けた病院と個人
医のリスト、家庭問題や家族計画に関する相談を受け付ける窓口、社会相談員
などのリストが含まれています。

 1回目の診察後、社会相談員による面接も行なわれます。未成年の場合は必
須、成年の場合は任意です。
 2回目の診察は1週間後です。この1週間の熟考期間は法律で義務づけられ
ているものです。中絶できる期間が迫っているなどの緊急の場合は、熟考期間
は最短2日に短縮されます。ここで患者は正式に中絶手術を依頼します。
 手術は診察を担当した医師、患者の希望によっては別の医師によって行なわ
れます。


● 手術 ●

 フランスでは、外科的手術による中絶と、薬品による中絶の2種類の方法が
採られています。どちらの方法を採用するかは、母体・胎児の状態によって、
医師が決定します。

 公立病院で手術を受ける場合の費用は、最低で137.53ユーロ(約15万円)で
す。これは入院期間が12時間以内、麻酔なしの施術の場合です。麻酔を使う場
合や入院期間を長くする場合は、この限りではありません。

 手術にかかる費用は、一般的な社会保険に加入している場合、80%の払い戻
しが受けられます。


● 妊娠12週を超えても中絶できる場合 ●

 母体保護の考えに基づいて、1975年のヴェイユ法以前にも医師による妊娠中
絶(IMGまたはITG)は行なわれていました。

 現在も妊娠・出産が妊婦の健康を著しく害すると判断される時は、満12週を
過ぎてからの妊娠中絶が可能です。
 この場合、妊婦は書面で中絶の希望を医師に伝え、2人の医師による診察が
なされます。2人のうち1人は裁判所が指定します。


● ヴェイユ法以前 ●

 古代においては、妊娠中絶と嬰児・幼児殺しは人口管理の手段として行なわ
れていました。

 4世紀初頭、キリスト教会が妊娠・出産を妨げるすべての手段と嬰児殺しを
禁じました。胎児も人間とみなされ、妊娠中絶は殺人と同一視されたからです。
 カトリック教会の立場は首尾一貫しています。1917年に著された教会法典によ
り、今日もなお妊娠中絶に協力した者は破門されます。近年の歴代の教皇も回
勅の中で、避妊行為、ピル、中絶行為などを禁じる立場を明らかにしています。

 国家にとって、人口増は国力増強につながるので、人口減少が問題となって
いた1920年、妊娠中絶と避妊が禁じられました。非合法であるにもかかわらず、
闇で中絶する女性は減りませんでした。不衛生な場所での施術、危険な薬品の
使用などが原因で亡くなったり、長く患う女性がたくさんいたことは言うまで
もありません。

 1810年以来「重罪」とされていた妊娠中絶および堕胎が1923年に「軽罪」と
されたのは、裁判の方法が理由でした。重罪は陪審員によって裁かれるのです
が、陪審員たちが中絶した元妊婦を気の毒がって無罪にしてしまうので、裁判
官が裁く軽罪に「格下げ」されたのです。陪審員は7割近くの案件を無罪とし
ましたが、裁判官が裁くようになってから無罪とされたのは15%程度でしかあ
りませんでした。また、医療に従事する者が堕胎に協力した場合は、とりわけ
重罰が課せられました。

 1941年、ヴィシー政権は妊娠中絶を国家とフランス国民に害をもたらす行為
とし、翌年には国家反逆罪とみなす法律を制定しました。
 26人の中絶を行なったとして1942年に死刑に処されたマリ=ルイーズ・ジロ
ーは「主婦マリーがしたこと」という映画のモデルにもなっています。
(1988年、クロード・シャブロル監督)
 また、ジローはギロチンで死刑になった最後の女性としても知られています。

 1956年「幸せな母性のための運動」、1960年「家族計画のための運動」が発
足しました。法整備が進まない中、避妊と妊娠中絶の自由化を求める運動が激
しくなっていきます。

 1970年、妊娠中絶を合法化する法案(ペレ法案)が提出されましたが、これ
に対して医師会が「人の命を尊重するのが医師の基本的な勤めなので、堕胎を
引き受けるわけにはいかない」との声明を発表。「彼らを生かせ」協会が作ら
れ、反妊娠中絶運動を進めます。

 Le Nouvel Observateur誌1971年4月5日号に343人の女性が署名した宣言
が掲載されました。中絶手術が違法とされているために闇で手術を行なう女性
が絶えないこと、きちんとした医療機関で行なわれれば避けられるはずの危険
で命を落とす女性が少なくないことを告発し、自由な避妊と中絶の合法化を求
める宣言でした。「私も中絶の経験者」と実名で署名した女性の中には有名な
作家や俳優もいたので、社会に大きなショックを与えました。

 1973年「妊娠中絶と避妊の自由化運動」が起こります。この団体には学生団
体、労働組合、極左政党などが協賛しました。

注)回勅とは、時事問題に関してローマ教皇の立場を説く書簡のこと。


● ヴェイユ法 ●

 人工妊娠中絶を認める法律は、法案を提出したシモーヌ・ヴェイユの名をと
って「ヴェイユ法」と呼ばれます。

 「堕胎は殺人」「中絶を合法化すると安易な性関係を助長することになる」
などの反対もありましたが、ヴェイユは「妊娠中絶は望まない妊娠をしてしま
った場合の最後の手段に過ぎず、家族計画は避妊によって行なわれるべきだ」
との考えを法案に盛り込みました。闇中絶を減らすには、中絶を合法化するの
が最良の方法なのは明白です。

 しかしながら、国会議員の中にはそれでも中絶合法化に抵抗のある人もいて、
両院での採択後には、憲法評議会でこの法律が合憲か違憲かの審議もなされた
ほどです。最終的に発布されたのは1975年1月17日でした。

 最初のヴェイユ法では、中絶可能期間は妊娠10週目まででした。
 それが12週に延長されたのは2000年7月です。
 中絶可能期間延長をめぐって国会で審議されていた2000年5月、統計会社
SOFRESが行なった調査によると、男性よりも女性の方が期間延長には反対だっ
たとの結果が出ています。また、年齢が低い層の方が期間延長に好意的で、年
齢が上がるにつれて反対する人が多いことも確認されました。

妊娠期間が進んでから中絶すると母体に与える影響が大きいので、その観点
から期間延長に反対という人ももちろんいるでしょうが、どちらかというと、
妊娠中絶そのものに対して悪いイメージを持っているために、中絶の自由化を
望まない人の方が多いように感じます。

 例えば、今年の大統領選挙にも立候補したクリスティーヌ・ブタンという国
会議員がいます。彼女は「国会議員である前に、まずカトリック教徒である」
と表明しており、妊娠中絶、PACS(本誌2001年11月号参照)、同性カップルの
結婚や養子縁組(現時点ではいずれも不可能)に反対する活動を行なっていま
す。家族の価値に重きをおく立場から、未成年者の中絶には「必ず」親の同意
を求めるべきだとも発言しています。

 妊娠中絶手術を妨げる行為がわざわざ「犯罪」とされていることから分かる
ように、さまざまな嫌がらせ行為の中には非常に悪質なものもあります。中絶
手術を行なう医院に放火したり、必要な医療器具を盗んだりする行為はもちろ
んですが、建物の入り口を大勢で占拠して患者が中に入れないようにしたり、
中絶予定の人を街中で罵倒したりといった行為も犯罪になります。


● 妊娠中絶を避けるために ●

 妊娠中絶をしないためには、望まない妊娠をしないことが一番です。

 緊急の場合には、いわゆる「モーニング・アフター・ピル」という、性交の
24時間以内に服用すればかなりの確率で妊娠を避けられるピルを薬局で買うこ
とができます。このピルは処方箋なしで買えますが、服用に伴う副作用などの
リスクは本人が理解しているというのが前提です。未成年者が服用を希望する
場合は、無料で受け取ることも可能です。

 薬局の他には、中学や高校の看護士が生徒にこのピルを服用させることもで
きますが、この措置は医師や医療機関で相談する時間がない場合に例外的に採
られるものです。
 厳密なことを言うと、看護士には「投薬が必要かどうかの判断を下す資格」
はないので、学校でのピル投薬を問題視する人もいます。


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 私自身は妊娠中絶には「どちらかというと賛成」です。積極的に支持はしま
せんが、必要なものだと思うからです。本人たちがいくら気をつけても、避妊
は100%ではないので。

 大人が自分で考えて妊娠中絶するのは本人に任せるしかないと思いますが、
未成年者の場合はちょっと考えてしまいます。現在のフランスの法律では、家
族に知らせず手術を受けることも可能です。自分が未成年者の立場に立ってみ
れば、親に申告するのが最大の関門で、その次が手術費用だから、この2つを
避けて通れたらほっとするだろうけれど、自分が娘を持ったとして、娘が私に
黙って中絶したと後で知ったらとても悲しくなるでしょう。

 フランスの性教育事情はよく分かりません。小学校から性教育を行なおうと
いう動きはあるようです。妊娠中絶の問題は、手術を受けるための条件を軽く
するなどして簡単に手術が受けられれば済む問題ではないので、少なくとも無
知から妊娠してしまう少女がいなくなるように教育は徹底してほしいです。そ
れに加えて、性交に頼らず相手との信頼を築けるような価値観も必要ですが。


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サイト紹介「公的サービスポータルサイト」
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http://www.service-public.fr/
公的サービスのポータルサイト(仏・英・独・西語)
「IVG」を検索すると、妊娠中絶に関する情報ページにたどり着きます。


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バックナンバーのアップデート
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● ユーロ ● 2001年5月15日号

 現在は、EU加盟国15ヶ国のうちイギリス、スウェーデン、デンマークを除く
12ヶ国でユーロが使われています。もう各国の通貨は流通していません。

 現金を使い始めればすぐに慣れるかと思っていたのですが、私はまだ慣れな
いので、ついフランに換算して考えてしまいます。例えば家賃300ユーロの部
屋と350ユーロの部屋がある時に、その家賃がどのくらいの金額なのかボリュ
ームとしてイメージできないのです。

 近所のスーパーでは、今年の6月末でユーロとフランの併記をやめると発表
していましたが、実際は今もフランが併記されています。おそらくお客からフ
ラン表記を続けてほしいとの要望があったからでしょう。

 まだフランを手元に持っている方、フランス銀行へ行けばユーロに交換して
もらえます。硬貨は2005年2月末日まで、紙幣は2012年2月末日までです。


● 欧州連合 ● 2001年8月1日号

 今年の10月にアイルランドがニース条約を批准し、EU加盟国の全15ヶ国が批
准したことになりました。これによって、EUの東方拡大を目指すニース条約が
12月1日に発効します。

 現時点で、EU加盟の交渉が行なわれているのは次の国々です。
 ポーランド、エストニア、ハンガリー、チェコ、スロヴァキア、スロヴェニ
ア、リトアニア、ラトヴィア、キプロス、マルタの10ヶ国(順不同)。この
10ヶ国は2004年に一斉にEU加盟する予定です。
 この他、ブルガリア、ルーマニアの2ヶ国もEU加盟申請が受け付けられて、
交渉が始まっています。

 トルコはもう何年も前からEUへの加盟を希望していますが、まだ加盟申請が
受理されていません。理由は「EU加盟の条件の1つである民主主義がまだ育っ
ていないこと」です。

 トルコの加盟に関する、ジスカール=デスタン元フランス大統領の発言が日
本でも報道されたかもしれません。
 今年11月に行なわれたトルコの総選挙で、イスラム教政党が単独で政権につ
きました。その直後に「EUの将来を検討する欧州協議会」議長であるジスカー
ル=デスタンが、トルコのEU加盟に反対する立場を明らかにしました。理由は
「トルコはヨーロッパではない」です。フランス国内の保守派の政治家の中に
は、この発言に賛同する人もいます。
 「トルコはヨーロッパなのか?」は、今のところ明確にはされていません。
公の場で取り上げられなかったと言ってもいいでしょう。トルコの立場が中途
半端なままなのは、周辺のイスラム勢力との関係を悪化させたくない西ヨーロ
ッパの国々の政治的な思惑が原因です。

 欧州委員会のロマノ・プロディ委員長はジスカール=デスタンの発言を「個
人的な発言」とし、トルコの加盟を歓迎する意向を示しています。

 ただ、本当にトルコの加盟を検討するのなら、キリスト教(カトリック、プ
ロテスタント、正教を問わず)の基盤の上に築かれた民主主義と、イスラム教
を土台にして築かれるであろう民主主義がうまく共存していくのか、そもそも
現代の私たちが考える民主主義とはどんなものなのか、EU加盟の条件に示され
る民主主義は具体的に何で計るのかなど、もっともっと具体的な議論が必要に
なると思っています。


● PACS ● 2001年11月1日号

 日本人がPACSする場合の問題として必要書類が揃えられないことを挙げまし
たが、現在は解消されているようです。私が「難しい」と聞いたのは、導入直
後の混乱期だったからのようです。現在は日本人でPACSされてる方も増えてき
ているようです。

 ただし、滞在許可証の発行理由として結婚よりも効力が弱いのは現在も変わ
っていない様子で、PACSは成立したけれど滞在許可証が発行されないという例
も実際に見ました。
 滞在許可証の発行理由として結婚の方が重視されるのは、結婚=家庭なのに対
して、PACSはどちらかというと経済的なつながり、だからかもしれません。
PACSのカップルは「家族」とはみなされていないと言えます。


● ニースのカーニバル ● 2002年2月1日号

 来年のカーニバルの王様は「.com Mediaの王様」なので、インターネットがテ
ーマだと思います。開催期間は2月21日から3月5日までです。


● 35時間法 ● 2002年11月1日号

 法案はまだ採択されていません。上院が改正案を出した様子です。

 「見直される部分」として
1.労働時間の計算を「週35時間」ではなく「年1600時間」を基準とする。
2.20人以上の企業においては超過勤務を現行の年130時間ではなく
  年180時間まで可能とする。
と書きましたが、これがどういう結果になるかを書き忘れました。

 まず1によって、雇用者は超過勤務の割増賃金の支払いが減ります。現行法
だと、年1600時間の枠内であっても、週35時間を超えた時点で割増賃金を支払
うことになりますが、改正案だと週35時間を越えても年1600時間の枠内であれ
ば支払わなくてよくなるのです。

 さらに2が実現すると、年間労働時間が1600+180時間=1780時間まで可能に
なります。
 1780時間/46週=約39時間/週(38.7時間/週)となり、35時間法導入以前
の状態に限りなく近づくことになります。


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あとがき
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 いつもご購読いただいて、ありがとうございます。
 これが今年最後の発行です。

 メールをくださった方にはなるべくお返事するようにしていますが、タイミ
ングを逸してそのままになってしまった方や、勘違いしてとんちんかんな返事
を送ってしまった方もあります。失礼をお詫びいたします。
 私がいつも感動するのは、感想を送ってくださる方が、丁寧にメールを書い
てきてくださることと、マガジンをしっかり読んでおられることです。いただ
いたメールは本当に励みになります。ありがとうございます。

 来年最初の号では「フランスの消費税」を取り上げます。

 皆様、来年までごきげんよう。


------------------------------------------------------------------
フランスの片隅から(ほぼ月刊)
発行責任者 Olivier

転載、引用の際は本誌を出典として明記してくださるよう、お願いいたしま
す。
-------------------------------------------------------------------
当マガジンに対するご意見・ご感想、ご要望など気軽にお寄せください。
メール: olivier_katasumi@yahoo.co.jp
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