彼の声 2008.4.27
発行日時: 2008/4/28場所とは何か。
誰かはようやくここまでやってきた。
そこから何を導きだそうとしているのか。
記しているのは言葉の残骸か。
他の何を記しているとも思えないが、
作業は明日に持ち越されてしまうらしく、
眠れないのに眠ったふりをしている。
なぜそうなってしまうのか。
眠ってしまったからのようだ。
夕方までは確実に意識があったはずだ。
疲れていたのだろうか。
気づいたら真夜中になっている。
君は何を期待していたのか。
遅れていた時を元に戻す機会が
やってくるとでも思っていたのか。
現実には何もできないのだから仕方がない。
何もできずに朝になっている。
それから君はどうなったのか。
君の物語などどこにも記されていない。
たぶん誰かはそれを語る気がないのだ。
その代わりに述べているのは思わせぶりばかりだ。
いったいいつになったらそれらの文章が完成するのか。
たぶんいつまでたっても終わらないだろう。
君は終わらせる気がないのだろう。
そしてようやく何かに
取りかかろうとしているようだが、
相変わらず目的に巡り会えず、
意味がわからない。
虚無は君に何を知らせようとしているのか。
早くその場から立ち去った方がいいのだろうか。
まだその機会に恵まれていないように思われる。
何について語ろうとしているとも感じられない。
すでに何かを記そうとしてから
一日が経過しようとしている。
その間に様々な出来事があったはずだが、
まったく記憶に残らない。
君はその場で何を思っていたのか。
ただひたすら作業に追われながらも、
その間に何か考えていたのかもしれないが、
今は思い出せない。
人はなぜ幻想を抱くのだろうか。
何が人の意識を構成しているのか。
胸に風見鶏の刺繍が施されたジャージを着た老人が
本を読んでいる。
そんな光景を目の前にして、
取り立てて何を思うこともなく、
今度は老人と入れ替わりに
スーツ姿の中年が座席に腰を下ろす。
それが何を意味することもなく、
意識が強引に
意味を導きだそうとしているわけではないが、
何となく興味もない光景を言葉にして記してみると、
つまらない文章が出来上がるかもしれず、
たぶん後から読む気も起こらないそれらの文章に、
どんな記憶が含まれているというのか。
君の記憶ではない。
誰かがそう記しているだけか。
それがなんだかわからないが、
たぶん明日も似たような光景に出くわすのだろう。
意味のない記述とはそういうことのようだ。
それらの何をどう見せかければ気が済むのか。
誰かの気が済むか済まないかとは関係なく、
文章は文章でしかない。
君の意識はそこで砕け散っているのかもしれない。
なぜ砕け散ってしまうのか。
何をおもしろおかしく
述べようとしているのでもない。
ならばその辺で妥協してみないか。
つまらないままでもかまわないはずだ。
例えばどこかの日本庭園の中に
老人が佇んでいる。
それがどうしたのだろう。
何か適当なたとえ話にでもしなければいけないのか。
そこから何かいい加減な
教訓でも導きだされてしまうわけか。
それが何だろう。
見せびらかしはよくない。
その老人がどこかの歴史学者なら、
それらしい庭園を前にして
どんな感慨に至るというのか。
君は何も思いつかない。
誰かがそう記そうとしているようだが、
それを裏切るような言説を導きだせるだろうか。
なぜそんなことをやらなければいけないのか。
例えばワニのぬいぐるみを抱えた誰かが
ポスターの表面に印刷されている。
それの何がおかしいのだろう。
それがワニではなくウニだったらどうなのか。
イラストレーターとタレントが
深夜番組で木の年輪を探しまわりながら
何かしゃべっていたようだ。
そんな記憶なら思い出され、
肝心の何かが思い出せない。
それは肝心ではなかったのかもしれない。
どうでもいいことを忘れ、
どうでもいいことを思い出す。
そこから何がわかるというのか。
そんなことを述べていること自体
どうでもいいことだ。
唐突にそんな認識にいたり、
何となく落胆するが、
わざとそうしているのだろう。
それは嘘でもなんでもなく、
偽らざる真実の一つか。
そうであったらどうしたというのか。
どうもしなければ
その先に言葉をつなげられなくなるか。
それの何がかまわないわけでもないだろう。
電車の座席に座っている人はみんな眠そうだ。
疲れているのかもしれない。
ケータイの画面に見入っている人ばかりだ。
周囲に迷惑をかけずに喫煙することが
大人のマナーだそうだが、
ここは全面禁煙だ。
別に喫煙の習慣があるわけでもない。
誰かは煙草会社の広告に見とれていたらしい。
それは何でもないことなのだろう。
そしてここはこの世界の中なのか。
人は様々なことを思っている。
君はそれらのつまらない話を
なんとかしたいらしいが、
もうあきらめたらどうか。
この世界は何とかなる前に
何とかなってしまっているようだ。
あくびと同時に涙が出てくるが、
悲しんでいるわけではない。
悲惨この上ない状況が
その身に降りかかってくる前に、
なんとかしなければならないのかもしれないが、
何も思いつかない現状をどうにも変えられず、
その代わりに思い出されてくるのは、
昔演じた失態の数々か。
何を演じていたわけでもないだろう。
その時は必死だったのだ。
人は痛い目に遭わないと
人間的に成長しないようだが、
それがどうしたわけでもないと思い、
昔の自分を
肯定も否定もできなくなっていることに気づく。
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